ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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主に話し合いのみで終わってしまった(笑)
まぁ、箸休めってことに……して欲しいなぁ…(笑)


〜改造されし肉体〜
第13話〜復帰と並行〜


「……と言うわけで、今日から俺達の仲間になるイニシエーター…小鳥遊 真だ。」

 

明崎民間警備会社のオフィス。俺は拍手を受けた。

俺はあの後、ここで目が覚めた。傷の手当ては済んでいた。そして社長と話し、再び民警のイニシエーターとして心音と組むことになった。IP序列は7500位からのスタートだった。ちなみに、社長と実緒ちゃんは190位である。

 

「小鳥遊だ。ま、改まって挨拶する必要は無いよな……よろしく。」

 

「やった‼︎これで2ペア出来ましたね‼︎」

 

「以前よりもガストレア討伐の効率が良くなることだろう……頼りにしてるぞ、心音、真。」

 

「ふふ…任せてくださいよ‼︎ 私たちがタッグを組めば、それこそ鬼に金棒‼︎最強ですっ‼︎」

 

心音が俺の肩に手を置きながら言う。

 

「ね、真‼︎」

 

「……かもな。」

 

俺は少し微笑んだ。

 

………ピーンポーン…

 

ベルが鳴る。

 

「? 早速仕事かな?」

 

実緒ちゃんが言う。

 

「私出ますね。」

 

心音は玄関へと向かった。

 

 

 

「はーい…」

 

ドアを開けるとそこには……黒髪の女性と、金髪のブロンドの少女がいた。

 

「社長はいらっしゃいますか?」

 

「え、あぁ、はい……社長‼︎」

 

私は社長を呼ぶ。直ぐにこちらに来た。

 

「はいはーい……って、おお‼︎木更じゃねーか‼︎」

 

「久しぶりですね、信也さん。」

 

「ん……その金髪の子は?」

 

「あぁ、私の新しいイニシエーターです。」

 

金髪のブロンドが頭を下げる。

 

「ティナ・スプラウトです。よろしくお願いします。」

 

「おう、よろしく。それで?何用かな?」

 

「仕事の話です。上がってもよろしいですか?」

 

「おう、わかった‼︎心音、お茶入れてくれー。」

 

「あ、はい……」

 

私はお茶を汲みに戻った。

 

 

 

心音が戻る。

 

「客か?」

 

「えぇ、しかもプロモーターとイニシエーターの、ね。仕事の話、って言ってたわね。」

 

「なるほどな……」

 

「失礼します。」

 

黒髪の女性と金髪のブロンドの少女が入ってきた。俺は椅子を引き、二人をそこに座らせ、反対側に立つ。心音がお茶を差し出す。

 

「おぉ、すまないな心音。」

 

社長が二人の向かいに座った。

 

「あぁ、紹介が遅れたな。実緒は知ってると思うが、心音と真は初対面だったな。彼女は天童民間警備会社の社長の天童 木更。そのイニシエーターのティナ・スプラウトちゃんだ。」

 

「よろしくお願いします。」

 

二人は頭を下げる。

 

「んで、この2人がうちの新しいペアだ。」

 

社長が俺と心音を指した。

 

「プロモーターの徳崎 心音です。よろしくお願いします。」

 

一礼する心音。俺もそれに続いた。

 

「イニシエーターの小鳥遊 真だ。よろしく頼む。」

 

「よろしくお願いします、真さん。」

 

金髪のイニシエーター……ティナが俺の方を見た。

 

「それで?仕事の話ってのは?」

 

社長が切り出す。すると、木更は写真を取り出し、テーブルの中央に置いた。

 

「‼︎ これは……」

 

それに写っていたのは……体の一部が獣のようになっている人間……間違いない、烏丸 凌馬の実験体だ。

 

「これは先日、私の部下であるプロモーターからの写真です。彼のペアはこの人間に奇襲を受け、何とか撃退しました。」

 

「奇襲?」

 

俺はふと聞いた。

 

「えぇ、背後から。彼のイニシエーターが危険を察知して、大事にはならずに済みましたが。」

 

今度はイニシエーターを………いや、単に実験体のテストか?

 

「その人間は室戸医師が調査をしました。その結果ですが……あなた方の倒したガストレアの変異体…それと同じような身体をしていたとのことです。」

 

つまり、予め改造された人間にガストレアの再生能力と凶暴性と運動能力、更にバラニウムによる損傷を軽減する物質を注入した……という訳か。

 

「なるほどな……お前達もそいつらに出くわした、という訳か。」

 

「えぇ………そこで、なのですが……今回この件について、天童民間警備会社と明崎民間警備会社……共同での任務が、聖天使様から直々に来ました。」

 

「聖天使様が⁉︎」

 

その一言に周りは一瞬で張り詰めた。

聖天使……この東京エリアの三代目統治者…そんな彼女から?

 

「この、人間がガストレアの力を得てしまった……それの元凶を突き止めて欲しいとのことです。」

 

「それならもう分かっているぜ。」

 

俺は一言言った。

 

「え……⁉︎」

 

木更は目を丸くした。

 

「人間を改造し、ガストレアの力を与えた張本人……俺と心音は知っている。」

 

「いや、私は計画の名前しか知らないから……詳しいことは真…彼が。」

 

「あなたが……?」

 

木更は俺を見つめた。

 

「……そいつの名は烏丸 凌馬。生物学者だ。そいつはあらゆる動物を改造している……人間も含めて。」

 

「何だと……⁉︎」

 

社長と実緒も驚く。そうか、話していなかったな。

 

「やつはガストレア大戦を体験している。そして、ガストレアに魅入られた奴はガストレアの力を人間に与える計画を考えた……それがやつの計画、『ガストレア・ヒューマン計画』。」

 

「そんなことが………」

 

「俺はこの目で見た。奴の実験場には多くの実験生物。そして、注射で凶暴化した動物……。」

 

「そ、その実験場は⁉︎」

 

そこで心音が言った。

 

「残念ながら………そこはもう要らなくなったと、爆破されてしまって……」

 

行方はわからない……と。

 

「そう、ですか………」

 

「………とにかく、この改造生物と接触したのは我々のみ。他の民警にも動くように頼む必要があるな。もちろん、ガストレアとも戦わなければならない。この事実を聖天使様に報告すべきだな。」

 

社長が腕組みをして言う。

 

「よし。とりあえず引き続き、ガストレアの討伐もしつつ、烏丸 凌馬の居場所を突き止めることも並行することにしよう。」

 

確かにそれが最善策だな。

 

「そうですね。わかりました。お騒がせしてすみません。」

 

木更が頭を下げた。

 

「大丈夫だ。じゃあ、詳細の報告は俺達でやっておく。」

 

「わかりました。よろしくお願いします。」

 

木更とティナは立ち上がる。

 

「では、失礼しました。」

 

「何かあれば、お互いに連絡をしよう。その方が色々といいだろうしな。」

 

「そうですね、よろしくお願いします。では。」

 

そう言い残し、木更とティナはその場を後にした。

 

「………と言うわけで、心音、真。報告しに行ってもらえるか?」

 

突然社長が俺たちに視線を向けた。

 

「え?報告?」

 

「誰にだよ?」

 

その答えに……俺たちは驚愕した。

 

「聖天使様にだよ。」

 

 




今回木更さんとティナを出してみましたが……一応木更さんは心音と信也よりは年下ってことになってますから、終始ほとんど敬語でしたが……なんかこう、表現出来ているか心配ですな(笑)

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