ブラック・ブレット 〜Nocturnal Hawk〜   作:神武音ミィタ

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新キャラ出ますよ〜。まぁ、7話でちょいだしした人ですがねwwww
そして、一番多い文字数の話になってしまった事に気づいた私!!wwww


第9話〜実験と始動〜

ベランダからシャボン玉を飛ばしてみる。晴れた青空。シャボン玉の1つ1つは太陽に照らされて、輝く。こうするだけで自然と心が落ち着く俺、小鳥遊 真だった。

俺はシャボン玉が大好きなのだ。孤児院にいたとき、そこのシスターが俺にシャボン玉セットをプレゼントしてくれたのが始まりだった。

 

「何かあったらシャボン玉を飛ばしてみて。心が落ち着きますよ。」

 

というシスターの言葉を今でも覚えている。

ボトルに詰めたシャボン液が無くなった。1日1本と自分で決めているのだ。今日はこれで終わりだな。

 

 

変異体の出現から一ヶ月が経とうとしていた。あれ以来ガストレアの出現する頻度が多少減少したかのように感じる。

森の調査もしたが、特に何も分かった事は無かった。

このまま減ってくれれば……世界は落ち着くだろうな。

……と、思っていた俺は甘かった。

 

 

 

明崎民間警備会社。会議用の机を囲むのは、社長の明崎 信也、イニシエーターの川野 実緒、プロモーターの私、徳崎 心音。

変異体ガストレアの出現から1ヶ月。あれから森を調べるも証拠は何も出ず、未だ詳細の分からないあのガストレア……。

謎は闇に包まれたままだった。

そんな中行われるこの会議……何だろうか?

 

「では、始める。まず、これを見てくれ。」

 

ホワイトボードに張り出されたのは………この周辺の地図だった。

至る所に赤のバツが描かれている。

 

「このエリアのこの罰点の場所において、ここ1ヶ月の間に、行方不明になっている人間がいる。」

 

「え?」

 

「誘拐……ですか?」

 

「一般の警察の調査によると、近頃怪しい人影の出入りを見かけるという証言が出てきた。それに関連すると考えられるのが・・・・・・近頃のガストレアの減り具合だ。」

 

その場の空気がより張りつめる。

 

「……いずれにせよ、ガストレアが絡んでいる可能性が0ではない以上、調べる必要がある。よって今夜、市街地のパトロールを行う。」

 

「了解!」

 

私は社長を見て頷いた。

そして、日が落ちる18時30分頃。

私たちはパトロールを開始した。

 

 

 

「…………」

 

今日は市街地の方を回っていた。森のガストレアは少ない。こちらに来る事もないだろう。

俺は公園に入る。夜の公園は、静まり返っていた。俺はブランコの方を見た。

 

「………?」

 

そこには………ブランコを小さく漕いでいた白衣に身を纏った眼鏡の男がいた。

 

「………」

 

俺はその男に近づく。

 

「…………静かだ。こういう夜は素敵だとは思わないかい?」

 

男はブランコから降りて、棒付きキャンデーを口に咥えた。

 

「……あんた、こんな所で何を?」

 

「んー……少しね。実験体の回収をしている。」

 

「実験体…………?」

 

「まぁ、集めているのは私ではなく、私の作品だがね…。」

 

さっきから何を言っているんだ、この男は。作品……?

 

「作品って何だよ?」

 

「………私の作った、改造兵士さ。」

 

「なっ!?」

 

改造兵士…………!?

 

「貴様……何者だ!!」

 

俺はすかさずライフルを構え、銃口をその男の額に向けた。男は表情を変えない。

 

「やだなぁ……そんな物騒な物引っ込めておくれよ。」

 

両手を上げる男。俺は銃を降ろした。

 

「私は烏丸 凌馬(からすま りょうま)。生物学者だ。君はイニシエーターだろう?先日は、私のキマイラがお世話になった。」

 

「キマイラ………っ!? まさか!!」

 

「そう、あれは私が産み出した実験生物さ。ライオンをベースに、あらゆる動物の身体を移植。そしてガストレアウイルスから再生能力と凶暴性のみを抽出し、それを与える……。」

 

こいつが作ったものだったのか………!!

 

「貴様、何を企んでいる!?」

 

男……烏丸は答えた。

 

「私の考案する、地球救済プロジェクト……『ガストレア・ヒューマン計画』。」

 

笑う烏丸。その表情は……不気味だった。

 

 

 

その頃、市街地では。

 

「本当に何かあるんでしょうか?」

 

私は、実緒と一緒に行動していた。

 

「何とも言えないわね……ん?」

 

曲がり角の先。二つの人影が軽トラックに何かを運んでいた。

 

「これで10人か。よし、これだけ被検体があれば十分だろ。」

 

物陰から男の声を聞く。被検体……?

 

「よし、早く行くぞ。民警が動き出したらしいからな。」

 

「あぁ、そうだな。」

 

何かある。そう確信した。実緒も頷く。私たちは物陰から出てきた。

 

「待ちなさい!」

 

男二人がこちらを向いた。

 

「ん……?おお、何だお前ら?」

 

「民警よ!そのトラックに何を載せてるの!?」

 

「おい、ここは俺が止める。行け。」

 

男一人が軽トラに乗り、走り去っていった。

 

「っ、待ちなさい!!」

 

追いかけようとするが…

 

「おっとぉ……行かせねぇぜ?」

 

もう一人の男が道を塞ぐ。

 

「追いかけたけりゃあ、俺を倒してからにしてもらおうか………っ!!」

 

男の右腕が……怪しく蠢いている。

 

「!? 実緒!!」

 

「はい!!」

 

私はハンドガンを、実緒はランスを構えた。

 

「うううう……っ!!うあああああっ!!!」

 

男の右腕は……鋭い爪を持った虎の腕へと変貌した。

 

「!?」

 

その瞳は、赤く光っていた。

 

「うおらぁっ!!」

 

襲いかかる。私と実緒は避け、実緒は駆け出す。

 

「てやあぁっ!!」

 

ランスと爪が接触する。激しい競り合いが始まる。

 

「そらそらあぁっ!!」

 

男が実緒の腹部に蹴りを入れる。実緒は壁に叩き付けられた。

 

「きゃあっ!!」

 

「実緒!!このぉっ!!」

 

私は引き金を引いた。銃弾は、男の肩を貫通した。

 

「ぐおああああ!!」

 

男が肩を抑える。

 

「く、くそお………なーんてなっ!!」

 

男の肩は……傷が完治していたのだ。

 

「!? そんな……!? まさか……ガストレア!?」

 

「ほらよぉっ!!」

 

爪を振るう男。私は躱し、再びを銃弾を放つも弾かれた。

 

「ハッハー!笑わせてくれるなぁ!!民警なんざこの程度かい?」

 

「くっ……!!」

 

私は刀を引き抜く。

 

「くくく……安心しな…てめぇは特別に、俺様の餌にしてやるからよぉ!!」

 

男の爪に刀で応戦するも、力が強すぎる。

 

「くっ!!」

 

どうすれば……社長…………真!!

 

 

 

「!?」

 

遠くの方で銃の音が。

 

「どうやら民警に見つかったか……まぁいい。実験体集めはここらでやめておくかな。あれだけいれば足りるだろう。」

 

男は立ち去ろうとする。

 

「お、おい、待て!!ガストレア・ヒューマン計画って何だ!!?答えろ!!」

 

「計画が本格始動すれば知る事になる。知りたいのなら明日の夕方、山のダムに来たまえ……」

 

ダム……だと?

 

「早く行かないと……被害が増えるだけだぞ?ん?」

 

不適な笑み。こちらに敗北感に近い何かを感じさせる笑みだ。

 

「……クソっ!!」

 

俺は銃声の鳴った方へと走り出した。

 

 

 

その直後の公園。軽トラが公園の入り口に停まる。烏丸はそれに歩み寄る。

 

「タイガーが今、民警と交戦している。一応、10人だ。」

 

「十分だよ……さぁ、戻ろう。」

 

助手席に乗った烏丸。

その軽トラは走り去っていった……




急展開ですよ!!心音&実緒大ピンチ!!
そして次回、あいつらがついに動く……!?(意味深www)

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