どうやら俺はたくさんの世界に転生するらしい【完結】   作:夜紫希

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続きです。


強さの象徴

「「「「レベル0!?」」」」

 

 

「お、おう」

 

 

び、びっくりした~。危うく心臓が破裂するところだったぜ。何で飛び出さないんだよ、グロい。

 

 

俺達はあの事件の次の日、助けてくれたお礼がしたいと言われた。断ろうとしたが原田に「無理矢理でも連れて来る!」と俺の服などに能力を使われ、ファミレスに連れてこられた。原田?ああ、俺をバスケットボールみたいに扱ってくれたから、お礼として原田にはサッカーボールになってもらい、お星様の刑に処した。

 

 

(生きてるかな?)

 

 

まぁ、反射能力をうまく使って生きてるだろ。どうやってかは知らないけど。

 

で、今俺達はコの字のテーブルにいるが、左上から初春、佐天、俺、御坂、白井の順で座っている。

 

 

「【知的能力の低下(キャパシティダウン)】が効かなかったのはそういうことだったのですね」

 

 

白井が納得した様子でうなずくが、

 

 

「ではあの時は身体能力だけで犯人を!?」

 

 

初春が声を驚きの声をあげる。だから声がでかい!

 

 

「えっと、初春?もう少し静かにしないと…」

 

 

「はっ」

 

 

店員さんがこちらを睨んでいる。

 

 

ニコッ(^-^)

 

 

睨んでいる店員さんに最高のスマイルを送ってやった。

 

 

ハァ(´Д`)

 

 

なんか呆れられた……。

 

 

「な、なんかすいません…」

 

 

「言うな、何も言うな」

 

 

俺の笑顔ってあれなのか?あれなのか?

 

俺はレベルの話をする前に自己紹介をした。その時に呼び方はどうするか?ということになったが、俺は皆の苗字を【さん】や【ちゃん】を付けずに呼ぶことで決定だが、一人だけ例外がいる。

 

次に俺の呼び方をどうするかになったが、初春と佐天は大樹先輩、白井は楢原先輩と呼ぶことになった。

 

ただ、

 

 

「なにやってんのよ、あんたは」

 

 

「いや、笑顔は世界を救えるからこのファミレスも救ってやろうと」

 

 

「何救うのよ?」

 

 

「短パンお嬢様」

 

 

「だ~い~き~?」

 

 

「まじすんませんでした」

 

 

俺は地面に頭をしっかりとつけて土下座する。中学生に頭を下げる俺。マジカッコ悪い。

 

御坂は俺のことを大樹と呼ぶ。そして

 

 

「美琴こえー」

 

 

「何か言った?」

 

 

バチバチッ!!

 

 

「夕飯は親子丼にしようって言いました、サー!!」

 

 

美琴の電撃を見て俺は自衛隊に負けない綺麗な敬礼をする。

 

そう、俺は御坂のことを美琴と呼ぶことになった。

 

なんで呼ぶのかって?それはファミレス集合時間の15分前の出来事だった。

 

 

 

 

 

「大丈夫かなあいつ?」

 

 

俺は原田を蹴り飛ばした後、一人でファミレスの前で待っていた。

 

 

「あ」

 

 

常盤台中学の制服を着た御坂が来た。

 

 

「こんにちは」

 

 

「ああ、こんにちは」

 

 

向こうから挨拶をしてきた。もちろん俺も返す。

 

 

「あの時はありがとうございました」

 

 

「いやいや、当然のことをしただけだから」

 

 

お互いに微笑みを交わす。

 

その時、タイミング悪く、携帯電話が鳴った。

 

 

「ごめん、ちょっと話してくる」

 

 

「気にしないでください」

 

 

ええ子やの~。誰だ!幸せの一時を邪魔するのは!

 

 

『もしもし?俺だけど』

 

 

「くたばれ」

 

 

『……俺何かしたか?』

 

 

電話をしてきたのは上条だった。

 

 

「要件を8文字以内に言え」

 

 

『………右手がもげた』

 

 

「……Really?」

 

 

『まじだ』

 

 

もしかして?

 

 

「魔術師?」

 

 

『よくわかったな』

 

 

「魔術師と戦って右手が厄介だから斬られたと」

 

 

『凄いな、そこまで分かるのか!!』

 

 

「俺がお前と戦ったら同じことする」

 

 

『やめてくれ』

 

 

「右手が無くなったから介護して欲しいから電話してきたのか?」

 

 

『いや、右手はあるよ』

 

 

「そうか。用件はなんだヒトデ野郎」

 

 

『ひどっ!!』

 

 

「悪い悪い、どうせお前のことだから何があっても死なないと思ってたから」

 

 

『俺は人間だ』

 

 

「用件なに~?」

 

 

『無視かよ。まぁいいや。用件はインデックスの』

 

 

「お大事に」

 

 

『ま、待ってくれ!殺される!助けて!』

 

 

「すまないな、俺はこれから常盤台の人と食事するから」

 

 

『まってえええェェェ!!!』

 

 

インデックスの食欲はやばい。3日分はあったはずの食料が半日で無くなったことがある。きっとお腹の中にブラックホールがあるに違いない。

 

 

『って常盤台?何でそんなお嬢様達と飯なんか食うんだ?』

 

 

「助けてくれた礼がしたいってさ」

 

 

『何やったんだお前?』

 

 

「テロリストをボコボコにして核爆弾をどうにかした」

 

 

『お前人間か?』

 

 

ブチッ、ツー、ツー

 

 

prururururu,、ピッ

 

 

『切るなよ!!』

 

 

だって~、俺のこと~、馬鹿にしたも~ん。

 

 

『てか常盤台ってビリビリがいたな』

 

 

御坂のことか。

 

 

超電磁砲(レールガン)のこと?」

 

 

『そう、そのビリビリ』

 

 

「実はそのビリビリと食事するんだが」

 

 

『……………………………………………………………まじ?』

 

 

「まじ」

 

 

沈黙長すぎだろ。

 

 

「今からそっちにビリビリを送るから」

 

 

『やめて!もう体がもたない!』

 

 

「選べ!①インデックスを世話してもらえるがビリビリがお前に超電磁砲を撃つ②ビリビリは来ないがインデックスがお前に噛みつく」

 

 

『いやだ!どっちもいやだあああァァァ!!!』

 

 

「③お金で解決」

 

 

『汚なッ!!貧乏な人から金を取るなんて!!』

 

 

「④俺、Mだから①と②、どっちも受ける!」

 

 

『誰がMだッ!!違うわッ!!』

 

 

「⑤爆死」

 

 

『何で死ぬんだよ!?』

 

 

「⑥ロリコンになる。あ、もうロリコンかw」

 

 

『やかましいわッ!!!!』

 

 

「否定は………しないのか」

 

 

『違う!俺は「⑦次は左手がもげる」……聞けよ!!』

 

 

上条弄るの楽し~。そろそろ終わるか。

 

 

「⑧インデックスの世話をしてやる。借りは返せ」

 

 

『⑧ッ!!!』

 

 

元気ありすぎだろ。本当に病人?

 

 

『それじゃ頼んだぜ!』

 

 

「おう、まかせろ」

 

 

そして、電話を切った。

 

さて、戻るか。

 

 

 

 

 

ここで俺は失敗した。

 

 

あの時、上条の電話なんかに出るんじゃなかったことを。

 

 

御坂がファミレスの前の看板を見ている。俺はそんな素敵な女の子に声をかける。

 

 

 

 

 

「ごめん!待たせたな、ビリビリ」

 

 

 

 

 

無意識って怖いわー。

 

 

「………」

 

 

「あ」

 

 

御坂が固まってる。い、言い訳しないと!

 

 

「え、えっとその、これには」

 

 

「何で私が嫌いなあだ名を知っているんですか?」

 

 

顔は笑顔だが、目がやばい。超怒ってるわ。

 

 

「お、俺の友達だ!俺の友達が言っていたんだ!」

 

 

俺は上条を売る。

 

 

「もしかして?あの能力を何でも消しちゃうあいつですか?」

 

 

コクコクッ!

 

 

うなずいて肯定する。友達って時には犠牲になってもらってもいいよね?

 

 

「へぇー、あいつの仲間かー」

 

 

何か駄目な方向に進んでる気がする……。

 

 

「あいつと同じようにあたしをビリビリって呼ぶの?」

 

 

ついに敬語の「け」の字も無くなった。

 

 

「いや、それは無い!見下してない!」

 

 

やばい!機嫌を直さないと!

 

 

「ほら!俺は能力を消せないし!弱いし!」

 

 

「テロリストをボコボコにするようなやつが?」

 

 

「弱くないですね、はい」

 

 

万事休すか… …。

 

 

バチバチッ!

 

 

青白い火花が弾け飛ぶ。ヒッ!!

 

 

「お、俺はお前を見下さない!」

 

 

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!何か言わないと!(脳フル稼働中)

 

 

「こんなに可愛いお嬢様を見下す?そんなことはしない!」

 

 

「か、かわっ!?」

 

 

御坂の顔が赤くなる。やばい怒ってる!

 

 

「お前とは対等な存在になってほしい!」

 

 

「ふぇっ!?」

 

 

さらに顔が赤くなる御坂。

 

対等な存在になるには?対等な存在ってどうすれば?そもそも俺は誰だ?(脳がオーバーヒートしました)

 

 

「俺のことは大樹と呼べ!」

 

 

「どういうこと!?」

 

 

「対等な存在には名前で呼ぶことだろ!!」

 

 

「いや、そういう「君の名前は!!」み、御坂 美琴!」

 

 

「美琴!!」

 

 

「は、はい!」

 

 

「俺の名前は楢原 大樹だ!!」

 

 

「な、なら「大樹だ!!」…大樹……先輩」

 

 

「先輩なんかいらない!俺たちは対等な存在だろ?」

 

 

俺はここで最高のスマイルを見せる(もうなにこれ)

 

 

ボンッ!

 

 

美琴の顔がリンゴよりも赤くなった。

 

 

「………だ、大樹」

 

 

ぐはっ!!上目遣いとか威力たかっ!!

 

 

「お、おう!よろしくにゃ!」

 

 

「っ!?」

 

 

美琴は口をおさえながら笑う。

 

か、噛んだ!!!

 

落ち着け、冷静さを保つんだ。俺はCOOLなキャラだ。って「おう」とか熱血キャラじゃね?「ああ、よろしく」とかの方がクールじゃん!!失敗した……。

 

 

「………はぁ、なんか馬鹿らしくなったわ」

 

 

笑い終わった後は俺の相手をするのに疲れたように言った。

 

ごめんなさい。さっきは頭がおかしくなったの。(まえから) ←おい、喧嘩売ってんのか?

 

 

「分かったわ、大樹と私は対等な存在ね」

 

 

「分かってくれたか!」

 

 

「ええ、仲良くしましょ大樹」

 

 

良かった。上条みたいに戦うところだった。セーフ。

 

 

「いつか戦って、あたしが強いってところ見せてやるんだから」

 

 

アウトッ!!!

 

 

「………お手柔らかにお願いします」

 

 

諦めたよ俺。もっと頑張れよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上。ファミレス集合時間前の出来事でした。

 

まぁ、いいと思うよ。敬語を使わない後輩。なるほど、俺には先輩としての威厳がないのか。やかましいわ。

 

 

「……あの」

 

 

佐天が俺の右手を見ながら聞いてくる。右手には包帯が巻いてある。

 

 

「それ、大丈夫ですか?」

 

 

「ああ、気にするなこのくらいかすり傷だ」

 

 

「……全治一週はかすり傷ではありませんよ」

 

 

白井め!心配させないようにしたのに!

 

 

「えっと、まぁ皆が無事だったから、これくらい何ともない」

 

 

「……強いんですね」

 

 

佐天は俺を見る。

 

 

「私、能力が無いと弱いと思っていました」

 

 

佐天は言葉を続ける。

 

 

「でも、能力が無くても強い人はいるんですね!」

 

 

「違うよ」

 

 

「え?」

 

 

佐天の言葉を否定する。

 

 

「俺にとって強い人はみんな優しいんだ」

 

 

俺は上条達を思い浮かべる。

 

 

「誰かのために命を賭けて、守る奴は」

 

 

これは確かなことだ。

 

 

 

 

 

「負けることは無い」

 

 

 

 

 

「「「「……………」」」」

 

 

「ほら、俺はお前を守るために負けなかった」

 

 

俺はこう思う。

 

 

「守れるモノがある人がこの世で強い人だと思う」

 

 

素直にそう思った。

 

 

「かっこいい……」

 

 

え、誰?誰が言ったの?聞いてなかったよ……。

 

 

_________________________

 

 

俺はパフェをおごってもらった。

 

 

ってなるかと思ったが、

 

 

「大樹!よくも蹴り飛ばしてくれたな!!」

 

 

チッ

 

 

「誰だ!!舌打ちしたやつは!!」

 

 

俺だよ。言わねーけど。

 

ファミレスに原田が入場して来た。

 

 

「あのあと自分の服を反射させて何とか生き残ったよ!!痛かったし!!」

 

 

あっそ。どうでもいい。あ。

 

 

「原田、これ」

 

 

「ああ!?なんだこれ?」

 

 

 

 

 

伝票渡して俺達は走り出した。

 

 

 

 

 

「おいいィィ!!シャレになんねーぞ!?」

 

 

聞かなかったことにした。

 

 

_________________________

 

 

「ふぅ、やっと帰ってきたぜ」

 

 

あの後はすぐに解散した。また会いたいと言われたのでメールアドレスなどは交換しておいた。

 

そして、インデックスに電話をして先に子萌先生のところに置いておいた。

 

そして、帰宅である。

 

 

「ただいま~」

 

 

「あ、楢原ちゃん遅いですよー」

 

 

「待ちくたびれたんだよ!」

 

 

「おかえり」

 

 

「はい、違和感全く無かったけどあなた誰?」

 

 

子萌先生、インデックスの次に巫女の服着た人がいた。

 

 

姫神(ひめがみ)秋沙(あいさ)、よろしく」

 

 

「今日から一緒に住むことになったんですよー」

 

 

「そうなのか」

 

 

姫神の能力は吸血殺し(ディープブラッド)だったな。

 

吸血鬼が姫神の血を吸うと灰になって死んでしまうらしい。

 

魔術師のアウレオルスから上条が助けた人だったな。

 

 

「俺も子萌先生の同居人、楢原 大樹だ、よろしくな」

 

 

「それよりもご飯なんだよ!」

 

 

インデックスはもう待てないみたいだな。

 

 

「はいはい、親子丼作るから待ってろ」

 

 

~料理感想~

 

インデックスに食べられて、白飯しか食べられませんでした。

 

 

~追記~

 

姫神が居間で寝ると、狭いので玄関で寝た。女の子の横で寝たらアカン。……首痛ぇ。

 




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