どうやら俺はたくさんの世界に転生するらしい【完結】   作:夜紫希

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続きです。



不可解な二科生

【達也視点】

 

 

模擬戦は第3演習室で行われることになった。俺と副会長の服部は距離を取って向かい合う。

 

見学者は会長を始めとする生徒会の風紀委員長、会計、書記。妹の深雪がいた。

 

先程、生徒会室にいなかった会計と書記の紹介を今ここでしておこう。

 

会計の市原(いちはら)鈴音(すずね)。通称リンちゃん(会長が勝手に言っている)。背が高く、手足のも長い美人だ。

 

美人の鈴音とは真逆の印象を持つ書記の中条(なかじょう)あずさ。通称あーちゃん(こちらも勝手に会長が言っている)。容姿は小柄で幼い。……市原先輩のあだ名は全く合っていないが、こちらのあだ名は合っていると俺は思う。

 

二人とも生徒会に入っている時点で実力者なのは間違いない。特に意外な人物は中条あずさだ。彼女は新入生総代を務めたことがあるのだ。

 

 

「ルールを説明する」

 

 

風紀委員長の摩利は立会い人として俺と副会長に模擬戦でのルールや注意点、禁止事項を説明する。

 

・相手を死に至らしめる術式、回復不能な障碍を負わせる術式は禁止。

・直接攻撃は相手に捻挫以上の負傷を与えない範囲であること。

・武器禁止。ただし、素手は許可する。

・勝敗はどちらかが負けを認めるか、審判が続行不可能と判断した場合。

 

 

「それと、ルール違反は私が力ずくで処理するから覚悟しろ」

 

 

摩利は微笑みながら締めくくった。俺と服部はうなずく。

 

俺は拳銃形態の特化型CADを右手に握り、床に向ける。服部は左腕のCADに右手を添える。そして、場が静寂に包まれた。俺たちは摩利の合図を待った。

 

そして、

 

 

「始めッ!」

 

 

ガゴンッ!!

 

 

 

 

 

天井の通気口から人が落ちてきた。

 

 

 

 

 

ドゴンッ!!

 

 

「ぐふッ!?」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

その場にいた全員が驚愕した。しかも、落ちてきたのは俺たちと同じ学校の制服を着ている生徒だった。

 

 

『だ、大樹さん!原田さんが落ちましたよ!』

 

 

『知らん。目的は達成したから放置しとけ』

 

 

『でも!』

 

 

『はぁ……あのな黒ウサギ。そもそも原田が落ちたのは俺がそう落ちるように仕組んだからだぜ?』

 

 

『何やってんですかお馬鹿様!?』

 

 

……聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

 

「全く……原田ー。はやく上がっt………あ」

 

 

通気口から男が顔を出した。そして、その人物に見覚えがあった。というか、

 

 

大樹だった。

 

 

「「「「「……………」」」」」

 

 

再び場が静まり返った。大樹はフードを被っていないので、顔が青くなっていくのが遠くから見ても分かる。

 

 

「どうしたんですか大樹さん?はやく原田s………あ」

 

 

今度は黒ウサギが通気口から顔を出し、こちらはフードを被っていたが顔を青くしたのがすぐに分かった。

 

 

「いってぇ……何であそこだけ通気口が抜けんだよ…………あ」

 

 

もうお分かりであるが、一応説明しておこう。原田が起きて、顔を青くした。

 

 

「「「…………撤退!!!」」」

 

 

「「逃がすか!!」」

 

 

三人は一斉に逃げ始めた。大樹、黒ウサギは通気口に再び戻り、原田は出入り口のドアに向かって走った。みんな呆気を取られていたがだが、摩利と服部はそうはいかない。摩利は即座に魔法を展開し、原田と黒ウサギに向かって発動した。

 

 

「ヤバイ!出るぞ、黒ウサギ!」

 

 

いち早く危険を察知した大樹は黒ウサギの腕を無理矢理引っ張り、通気口から脱出して、俺の隣に着地した。

 

着地した瞬間、通気口から大きな音が聞こえた。何かがへこむような音……おそらく魔法を使って通気口をへこませ、塞いだのだろう。

 

一方、服部は原田に向かって基礎単一系移動魔法を発動し、原田を壁に吹っ飛ばした。だが、

 

 

「うおッ」

 

 

原田は少し驚いただけで、冷静に体制を変えて壁に着地した。並みならない反射神経と運動神経の持ち主だとすぐに分かる。

 

 

「クソッ、原田なんかにイタズラしなきゃよかった」

 

 

「犯人テメェかよ!?」

 

 

原田はそのまま壁を蹴り大樹に向かって突っ込んでいった。だが、大樹は体を逸らしかわした。原田は地面に大きな音を出しながら着地。原田は舌打ちをして、諦める。

 

 

「覚えてろよ」

 

 

「今日までならな」

 

 

大樹は原田が攻撃するのをやめたことを確認し、生徒会メンバーに視線を移す。

 

 

「いい機会だ。ここで魔法を使って戦ってみよう!」

 

 

「「退学なるわ(なりますよ)!!」」

 

 

「まずは原田!」

 

 

「「無視!?」」

 

 

原田と黒ウサギの言葉を無視して大樹は続ける。だが、俺は大樹の肩に叩き、声をかけて止める。

 

 

「何をしているんだ?」

 

 

「あ、達也じゃないか。こんな所で何してんの?」

 

 

こちらが質問しているのに何故か質問された。

 

 

「俺と副会長の模擬戦をしていたんだ」

 

 

「それで、俺たちが邪魔した……感じか……」

 

 

理解してくれるのに時間はかからなかった。俺は溜め息を吐き、質問する。

 

 

「大樹は何をやっていたんだ?」

 

 

「……………また今度話すよ」

 

 

どうやら悪い事したらしい(確信)。

 

 

「大人しくしろ、フードマン!」

 

 

「これ以上問題を起こすな、フードマン!」

 

 

「血祭りだテメェらあああああ!!!」

 

 

摩利と服部の警告に大樹がキレた。相当フードマンと呼ばれるのが嫌みたいだ。

 

 

________________________

 

 

【大樹視点】

 

 

おこだよ。(#^ω^)

 

生徒会長に見つかった?知らん。これより、攻撃を行う。停学、退学上等。掃除で鍛えた力を見せてやる!っと思ったが

 

 

「原田……俺の作った魔法式を発動しろ……」

 

 

「……アレか」

 

 

俺は小さな声で原田に言う。原田は腕輪型CADにサイオンを………ん?原田の動きが止まった。

 

 

「どうした?」

 

 

「………サイオンってどうやって出すの?」

 

 

「気合」

 

 

「無理に決まってんだろ!」

 

 

そういやサイオンってどうやって出すんだろ?全く知らない。

 

 

「少年誌の漫画にいる主人公みたいに『俺に力をおおおおお!』みたいなことをしてみれば?」

 

 

「……一理あるから馬鹿に出来ないな」

 

 

原田は腕を前に出し、叫ぶ。

 

 

「俺に力をくれえええええ!!」

 

 

本当に叫んだよコイツ。ワロタ。

 

俺が心の中で馬鹿にしていると、

 

 

魔法陣が原田の足元に現れた。

 

 

「出来た!」

 

 

「ふぁッ!?」

 

 

何でだよ!?ここは出来ないのがオチだろ!?

 

 

「な、何だ!?」

 

 

「え、あ、えっと……ふっふっふっ、教えてやろう」

 

 

俺はキャラを急いで変えて、服部の驚きのリアクションに答える。

 

 

「これは俺の今までの知識で作り上げた魔法の一つ……『瞬間移動(テレポート)』だ!」

 

 

「「「「「はぁッ!?」」」」」

 

 

フハハハハッ!!どうだ!凄いだろ!

 

 

「ふ、不可能です!そんな魔法作れるはずがありませんッ!?」

 

 

「そうよ!あーちゃんの言う通りよ!」

 

 

「会長!あーちゃんはやめてください!」

 

 

あーちゃん?は俺の言葉を否定する。生徒会長も便乗して否定して来た。

 

 

「論より証拠だ。原田!」

 

 

「まかせろ!」

 

 

原田の体にサイオンの光が集まり、原田を包み込んだ。

 

 

そして、

 

 

「「「「「……………」」」」」

 

 

 

 

 

何も起こらなかった。

 

 

 

 

 

「……………………え?瞬間移動って……まさか……え?何で?」

 

 

原田の体が震えていた。

 

 

「失敗……ですか?」

 

 

「何を言っている助手。成功だ」

 

 

「いつから黒ウサギは大樹さんの助手になったんですか……」

 

 

「あれを見ろ」

 

 

俺は部屋の隅に向かって指を差す。そこには、

 

 

 

 

 

黒色のボクサーパンツがあった。

 

 

 

 

「俺のパンツううううう!!??」

 

 

「「「「「えええええッ!?」」」」」

 

 

原田が音速を越えたスピードで回収する。

 

 

「この『瞬間移動(テレポート)』は衣類みたいに軽いモノしかできない失敗作の魔法なんだ」

 

 

「使わせるなよ!?ってか、何でよりによって俺のパンツなんだよおおおおお!?」

 

 

「嫌がらせ」

 

 

「テメェは一度本気で戦わないといけないらしいな!」

 

 

どうやら近々コイツと戦う日が来るっぽい。負ける気がしねぇ。

 

 

「あ、言い忘れていた。ノーパン原田」

 

 

「あぁ?」

 

 

完全に機嫌損ねてるな。いや、怒っている。

 

 

「パンツ何だが……多分」

 

 

その瞬間、原田の持っているパンツが

 

 

塵となった。

 

 

「魔法の負荷に耐えられないかr…………粉々になったか」

 

 

「……………」

 

 

原田は無言で腕輪型CADを操作して、発動した。

 

 

俺に向かって。

 

 

「ちょッ!?」

 

 

その瞬間、俺のパンツが空中に舞う。ぎゃあああああ!

 

だがそれで終わりではなかった。原田は懐から短剣【天照大神の剣(アマテラスオオミカミのけん)】を取り出し、

 

 

ジュピンッ!!!

 

 

一瞬で、俺のパンツを塵にした。俺のパンツがオーバーキルされたよ。放っておいても塵になるのに。

 

 

「「………………」」

 

 

俺と原田の視線が交差する。

 

 

「「よぉ、ノーパン」」

 

 

この瞬間、決まった。

 

 

「「今度、殺し合おうか」」

 

 

「絶対にやめてくださいよ!?」

 

 

「「大丈夫。死なない程度で戦うから」」

 

 

「ダメです!」

 

 

黒ウサギに止められ、俺たちは睨むのをやめる。

 

 

「あ、もう一つ言い忘れたことがある」

 

 

「まだあんのか……よ……?」

 

 

原田が倒れた。

 

 

「原田さん!?」

 

 

黒ウサギが原田に駆け寄る。

 

 

「体力の消耗が激しい魔法である瞬間移動(テレポート)を二回も使ったら……死ぬほど疲れるぞ?」

 

 

俺は不適に素敵に笑ってやった。

 

 

「「「「「ゲスだ……」」」」」

 

 

イエス。アイアム、ゲス。

 

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「魔法は展開している。大人しくしろ」

 

 

摩利は俺に向かって右手を向ける。ちなみに部屋の隅ではノーパンの原田が倒れている。クソッ、生徒会にやられたか……!(今までのことはカットして、他人のせいにしておく)

 

対してノーパンの俺は、

 

 

「魔法を発動したところで俺は倒せないぞ?」

 

 

「……それは脅しのつもりか?」

 

 

俺の言葉を聞いた摩利が眼を鋭くさせる。

 

 

「脅しって……俺は本当のことを言っているんだが?」

 

 

「図に乗るなよ二科生(ウィード)。渡辺先輩と対等に戦えるのは会長と会頭だけだ」

 

 

全く俺の言葉に聞く耳を持たず、服部は左手を俺に向ける。

 

 

「じゃあ証明しようか?」

 

 

「証明だと……?」

 

 

服部が眉を寄せる。俺は一つ提案する。

 

 

「ああ、俺とお前ら二人で1対2の模擬戦しねぇか?」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

全員が俺の提案に驚く。

 

 

「ふざけるな!お前ら二科生(ウィード)なんかに……!」

 

 

「落ち着け服部」

 

 

服部の怒号に摩利は落ち着いてなだめる。

 

 

「……その勝負、受けてやろう。ただし、条件がある」

 

 

「何だ?」

 

 

「服部は生意気なお前に腹を立てている」

 

 

現在進行形でな。

 

 

「もしフー……楢原が私たちに負けた場合……」

 

 

今フードマンって言おうとしたな

 

 

「今日のことを報告して、お前を停学にする」

 

 

「ああ、いいぜ」

 

 

俺はすぐに承諾した。

 

 

「じゃあ俺が勝ったら今日を含めて『今までのことを不問にする』でいいか?」

 

 

「いいだろう。服部、今は抑えろ。模擬戦で本気を出せ」

 

 

「……はい」

 

 

俺たちの賭けは成立した。黒ウサギを試合の邪魔にならない場所まで移動させて、見学させる。達也は溜め息を吐きながらも、妹の隣まで移動した。

 

そして、俺は摩利と服部の二人の正面に立つ。互いの距離は約5m。

 

 

「……以上がルールだ。開始の合図は生徒会長の真由美がする」

 

 

武器使用禁止か……。

 

摩利と服部は自分のCADに手をかざす。俺は両手を制服の内側に手を突っ込み、

 

 

二つの拳銃型CADを両手に持った。

 

 

「……無理だ。サイオン波同士の干渉で使えるわけがない」

 

 

「敵の心配なんて余裕だな」

 

 

俺は服部を挑発した。服部は舌打ちをして、俺を睨み付ける。

 

そして、その会話が最後となる。

 

場が静寂に包まれた。

 

 

「始め!」

 

 

真由美の声が部屋全体に響く。

 

 

ガギンッ!!ガギンッ!!

 

 

その瞬間、二つの破壊音が轟いた。

 

 

「「……………ッ!?」」

 

 

摩利と服部は気付くのに時間が掛かった。

 

 

摩利と服部のCADが壊れていたことに。

 

 

「何だこれは!?」

 

 

服部は粉々になった自分のCADを見て驚愕する。隣にいた摩利も同じように驚愕していた。

 

 

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【見学側視点】

 

 

達也には何が起こったか分かっていた。

 

 

「CADを投げたのか……」

 

 

「え?どういうことですか?」

 

 

達也のつぶやきに深雪が尋ねる。

 

 

「大樹の両手を見てみろ」

 

 

「……CADが無いです!?」

 

 

大樹の両手には先程持っていた拳銃型CADが二丁とも無くなっていた。

 

 

「ど、どこにいったんでしょうか!?」

 

 

「服部副会長のたち足元だ」

 

 

深雪の疑問に達也は指を差して教える。

 

服部と摩利の足元には二人のCADの残骸が落ちていた。

 

 

大樹の持っていた拳銃型CADの残骸もある。

 

 

「まさか…!?」

 

 

「そのまさかだ。大樹はCADを投げつけて二人のCADを破壊したんだ」

 

 

「む、無茶苦茶すぎますよ!?」

 

 

達也と深雪の話を聞いていたあずさが驚愕する。立ち会いをしている真由美も同時に驚いていた。それを聞いた鈴音はタブレットを操作して、驚いた。

 

 

「……タブレットのカメラでスロー再生してみました」

 

 

鈴音は達也たちに見せる。そこにはスロー映像で大樹が二丁の拳銃型CADを投げ、二人のCADを破壊するのが分かった。そして、

 

 

「彼は時速200km以上の速度で投げています」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

その言葉に耳を疑った。ありえない数字がタブレットに表示されていた。

 

 

『時速276km』

 

 

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【大樹視点】

 

 

「魔法を使うことが得意な魔法使いから杖を取り上げるのは基本だろ」

 

 

俺は勝ったことを確信した。所詮CADが無ければここの生徒は他の学校の生徒と変わらない一般人。

 

 

「それとも続ける?」

 

 

「くッ」

 

 

俺の質問に服部は苦虫を噛み潰したような顔になる。だが、摩利は違った。

 

 

「私はまだやるぞ?」

 

 

「……あれ?」

 

 

何で気合入ってんですか?

 

 

「……フードマン。逃げるなら今の内だぞ」

 

 

「服部。テメェは後で死に晒してやる。遺言は何だ?」

 

 

服部の言葉にキレる俺。だが、遺言を聞いてあげる俺はまさに天使。

 

 

「渡辺先輩は対人戦のエキスパートだ。たとえ10人、20人がよって集っても勝てない」

 

 

「……そうかよ」

 

 

俺は何も構えず、摩利を見る。

 

 

「来いよ、風紀委員長」

 

 

「……どうなっても知らないぞッ!!」

 

 

摩利が俺に向かって走って来る。

 

 

 

 

 

そして、摩利は床に倒れていた。

 

 

 

 

 

「え……?」

 

 

「「「「「!?」」」」」」

 

 

声を上げたのは摩利だった。

 

大樹が摩利の腕を掴み、抑え込んでいた。

 

 

「遅すぎる」

 

 

「…………ッ!?」

 

 

俺の言葉に摩利の体が氷のように凍った。そして同時に分かった。

 

 

実力が違うっと。

 

 

「おい……判定は?」

 

 

「あ……」

 

 

驚いている会長に声をかける。

 

 

「しょ、勝者、楢原 大樹」

 

 

________________________

 

 

模擬戦は俺の完全勝利で幕を閉じた。

 

 

「何をしたんだ……」

 

 

「は?」

 

 

「どうやって私を抑え込んだ」

 

 

模擬戦が終わり、帰るために俺は倒れている原田を起こそうとする。そこで、摩利が俺に話しかけてきた。

 

 

「簡単な話だ。修羅場をくぐって来た数が俺とお前じゃ次元が違う」

 

 

「……そうか」

 

 

摩利はそれ以上追及してこなかった。

 

 

「でも、お前は強い。だけど、俺の方がもっと強い。それだけだから気にするな」

 

 

「……さっきから言おうと思っていたんだが、後輩が先輩をお前呼ばわりするのはどういうことだ」

 

 

「歳の数だと俺とお前は同じだぞ」

 

 

「え?」

 

 

「俺は18歳で、前いた高校(一番最初死ぬ前)では3年生だ」

 

 

「そ、そうか……」

 

 

摩利は納得する。筋は間違えてないだろ。

 

 

「ダメだコレ。全然起きねぇ」

 

 

俺は原田を突っつくのをやめる。

 

 

「そういやお前らのCAD壊して悪かった」

 

 

「気にするな。さっきのは両方とも学校側の支給品だ」

 

 

余計に気にするわ。学校側から弁償しろとか言われたら泣くぞ?

 

 

「それより、不問にする件についてだが……」

 

 

「そのことに私から報告があります」

 

 

摩利が喋ろうとした時、後ろから背の高い女の子が話しかけてきた。

 

 

「初めまして楢原君。私は生徒会の書記の市原 鈴音です」

 

 

「ああ、よろしく」

 

 

鈴音は俺に自己紹介を終えた後、話し出す。

 

 

「先程、1-Aの生徒から連絡がありました」

 

 

「内容は?」

 

 

摩利が尋ねる。

 

 

「1-Eと1-Aの乱闘騒ぎです」

 

 

「俺がセクハラしたやつか」

 

 

「それは違うのではありませんか?」

 

 

「……………本当だにょ」

 

 

「嘘は得意ではないようですね」

 

 

「リンちゃん、どういうことなの?」

 

 

生徒会長は鈴音に尋ねる。リンちゃんってあだ名合ってなさすぎだろ。

 

 

「1-Aの女子生徒が全て教えてくれました。楢原君は1-Aと1-Eの乱闘騒ぎを庇ったそうです」

 

 

「被害者の1-Aの生徒は二科生(ウィード)にやられたと証言していた。それは嘘だ」

 

 

鈴音の言葉を服部は否定する。だが、

 

 

「いいえ。それは嘘ではありません」

 

 

達也が口をはさんだ。

 

 

「あの時、大樹が庇ったのは事実です」

 

 

二科生(ウィード)の証言なんかを信じるとでも?」

 

 

「では、私の言葉なら信じてもらえますか?」

 

 

達也の隣に深雪が立つ。

 

 

「事の発端は私たちA組に責任があります。もしお咎めるなるのなら私たちのクラスを……」

 

 

「はいはい!そこまで!」

 

 

俺は両手を横に伸ばして会話を止める。

 

 

「黒ウサギ。原田を連れて早く帰るぞ」

 

 

「よ、よろしいのですか?」

 

 

「俺は賭けに勝ったから問題ない。それ以上は何もいらないだろ」

 

 

「でも……」

 

 

「俺の名誉は落ちてて結構。ちゃんと分かってくれている人がいるから十分だ」

 

 

俺は原田を担ぎ上げ、俯いた黒ウサギと一緒に部屋を出ようとする。

 

 

「俺らは帰らせてもらうぞ。その事件は深く追及しないでくれ。じゃあな」

 

 

「待って」

 

 

真由美が俺の前に立ち塞がった。

 

 

「生徒会長の七草 真由美です。よろしくね」

 

 

「お、おう……」

 

 

真由美は自己紹介した。俺は突然の出来事で少し驚いた。

 

 

「大樹君、さっきの魔法はあなたが作ったのかしら?」

 

 

「まぁな。思いっきり失敗したけど」

 

 

「そう……」

 

 

あ、ヤバイこれ。俺の第六感が警告アラーム鳴らしてる。

 

 

「なr

 

 

「断る」

 

 

「まだ何も言ってないわよ!?」

 

 

言わせねぇよ!?

 

 

「おい二科生(ウィード)。会長の話を聞け」

 

 

「服部。先輩には敬語を使えよ?」

 

 

「歳での話だろそれは。学年は俺の方が上だ。そっちが敬語を使え」

 

 

「服部先輩(笑)」

 

 

「俺を怒らせたいのか?」

 

 

俺と服部は睨みあう。こいつ、投げ飛ばしたい。

 

 

「はんぞーくん!話がずれちゃってるわよ!」

 

 

「す、すすすみません!」

 

 

会長が怒る。まぁなんと可愛い怒り顔でしょう。はんぞーくん、顔真っ赤っか。

 

 

「……迅速に要件を言って欲しいことを願う」

 

 

「そ、そうね。では、気を取り直して……」

 

 

俺が嫌味気味に言うと、真由美は軽く咳払いをして整える。

 

 

「あなたを風紀委員に推薦しま「結構です」……す」

 

 

「「「「「……………」」」」」

 

 

俺は軽くお辞儀をして、部屋から出r

 

 

「待って!少し待って!」

 

 

「何だよ!?もういいだろ!?」

 

 

真由美は俺の腕を掴む。やめろ!原田が落ちるだろ!

 

 

「今年は風紀委員がかなり少ないの!」

 

 

「知らん!どっかのテレポートできるツインテールにやらせとけ!」

 

 

「あなたみたいな人材が必要なの!」

 

 

「達也でいいじゃねぇか!」

 

 

「俺は断りに来たんだが」

 

 

「達也君はもう風紀委員に入ってるわ!」

 

 

「……………」

 

 

達也の顔が死んでるぞ。断らせてやれよ。

 

 

「私からもお願いする。今年は4人も必要なんだ。その内3人は決まっているが、あと一人決まっていないのだよ」

 

 

「だから、やらねぇって言ってr

 

 

 

 

 

「1-Aの森崎(もりさき)駿(しゅん)()()()()。1-Eからは司波達也。君も入ったら二科生で、しかも同じクラスからとなれば二人出ることになる」

 

 

 

 

 

「やらせてください」

 

 

土下座した。

 

 

「「「「「何でッ!?」」」」」

 

 

「掃除洗濯料理何でもします。靴も舐めますからやらせてください」

 

 

「君にはプライドは無いのか!?そもそも、そんなことしなくていい!」

 

 

摩利が急いで俺の頭を上げさせようとする。だが、俺は土下座をやめない。

 

 

「俺を風紀委員にしてくれえええええ!」

 

 

「分かったから落ち着け!!風紀委員にするから!」

 

 

こうして、俺は生徒会の風紀委員になった。

 

 

 

________________________

 

 

俺と黒ウサギは帰宅して、すぐに店を開いた。夜間の11時まで開いてます!開店は夕方ですけどね!

 

 

「いらっしゃいませー、達也様」

 

 

「様を付けるのはやめてくれ、大樹」

 

 

「いらっしゃいませー、深雪お嬢様」

 

 

「大樹さん、普通に言ってください」

 

 

どうやら様付けは不評のようだ。

 

 

「いらっしゃい。美月、エリカ」

 

 

「あたしたちは様付けしないんだ?」

 

 

「え、エリカ……顔が怖いよ……」

 

 

もうどうやって客を出迎えればいいんだよ。あ、

 

 

「帰れ」

 

 

「何で俺だけ冷たいんだよ!?」

 

 

達也、深雪、エリカ、美月、ポn……レオの順に俺は挨拶する。レオは俺の挨拶に驚愕した。

 

 

「……なぁ達也」

 

 

「すまない」

 

 

「何で謝るんだよ」

 

 

「……すまない」

 

 

達也が謝る理由。それは、

 

 

「ここが大樹君が経営しているお店ね」

 

 

「随分と綺麗にしてあるな」

 

 

生徒会長と風紀委員長がいるからだ。

 

 

「何で来てんだよ。七草、渡辺」

 

 

「私のことは真由美でいいのよ?」

 

 

「そうだぞ。同じ歳なんだろ?」

 

 

「閉店してぇ……」

 

 

残念ながら他のお客様もいるので無理だ。

 

 

「ったく……そうだ、摩利。風紀委員についてお願いがある」

 

 

「何だ?」

 

 

「黒ウサギを俺の助手として入れろ」

 

 

「助手?君の妹をか?」

 

 

「実力は俺並み」

 

 

「承諾する」

 

 

はやっ。

 

 

「だが条件が一つある」

 

 

「何だよ」

 

 

「フードを脱げ」

 

 

「やっぱり無かったことにしてくれ」

 

 

「じゃあ後日注意しに行く」

 

 

はい、詰んだ。

 

 

「勘弁してくれねぇか?」

 

 

「ダメだ。風紀委員として逃がすわけにはいかない。……というか、何故フードを被る」

 

 

「そ、それは……」

 

 

俺が眼を逸らした時、

 

 

「ありがとうございました!」

 

 

黒ウサギが他の客の見送りをしていた。これで達也たちを除く客は全員帰った。

 

 

「……黒ウサギ。閉店してくれ」

 

 

「え?まだ開店してから1時間も経っていませんよ?」

 

 

「今日はみんなに大事な話がある。カーテンを全部閉めて、原田を起こしてきてくれ」

 

 

黒ウサギは俺の指示に従って動き出す。

 

 

「よし、全員集まってくれ」

 

 

俺はみんなに集まるように言う。丸いテーブルを俺、達也、深雪、美月、エリカ、レオ、摩利、真由美の順で座った。

 

 

「原田さんを起こしましたよ」

 

 

「何だよ大樹……俺は最高に気分がいいんだ……うぇッぷ……!」

 

 

「最悪に気分が悪いの間違いだろ。寝ながらでもいいから話を聞いとけ」

 

 

原田は椅子を並べて作ったベッドで横になる。黒ウサギは俺と達也の間に座る。

 

 

「ねぇ大樹君。何をするの?」

 

 

真由美が俺に質問する。それは俺を除いたこの場にいる全員が持っている疑問だ。

 

 

「俺と黒ウサギがフードを被っている理由だ」

 

 

「……いいんですか?」

 

 

黒ウサギが心配する。

 

 

「大丈夫。俺に任せろ」

 

 

俺は微笑んで黒ウサギの心配する顔を見る。黒ウサギは顔を赤くして俺から目をそらす。……何で?

 

 

「俺がフード被っている理由は太陽があるからなんだ」

 

 

「太陽?太陽って空にあるアレか?」

 

 

「そうだ」

 

 

レオの確認に俺はうなずく。

 

 

「俺は太陽に当たると死にはしないけど、死にそうなくらいキツイんだ」

 

 

「もしかして吸血鬼ですって言いたいの?」

 

 

エリカは笑いながら俺に問いかける。俺の答えは、

 

 

「まぁそうだな。間違ってはいない」

 

 

「え……」

 

 

冗談で言ったつもりだったエリカは固まった。続けて俺は言う。

 

 

「俺は吸血鬼の力を持っている」

 

 

「「「「「えええええ!?」」」」」

 

 

次の瞬間には黒ウサギと原田を除いた全員が驚愕していた。

 

驚いた後の第一声は美月だった。

 

 

「本当に吸血鬼なんですか!?」

 

 

「ああ」

 

 

次に深雪が質問する。

 

 

「吸血鬼ってあのかの有名な吸血鬼ですか!?」

 

 

「多分それだ」

 

 

その次は摩利。

 

 

「血を吸いたくなるのか?」

 

 

「いや、それはない」

 

 

でも、最近トマトジュースがやたらと美味しいのは気のせいか?

 

最後に真由美が質問してきた。

 

 

「もしかして……私を拐いに来たのね!?」

 

 

「拐わねぇよ。てか、何で真由美を拐うんだよ」

 

 

優子を拐うのはアリだが。

 

 

「だから今日の朝、倒れていたのか……」

 

 

レオの推理は合っていた。正解です。

 

 

「もしかして黒ウサギも吸血鬼なのか?」

 

 

達也は俺から黒ウサギに視線を移す。

 

 

「は?黒ウサギが吸血鬼なわけねぇだろ」

 

 

「いやいや!普通に考えたらそうなるだろ!?兄妹なんだろお前ら!?」

 

 

レオが慌ててツッコム。

 

 

「……この話は絶対に外部に漏らすな。俺はお前たちを信用するから話すぞ」

 

 

俺はレオを7回くらいチラ見する。

 

 

「何度も俺を見てんじゃねぇよ……」

 

 

レオは溜め息を吐いて、肩を落とした。とりあえずレオのいじりはこれまでにしておこう。

 

 

「私たちは信用されているのかしら?」

 

 

真由美が俺の顔を覗きながら聞く。

 

 

「とりあえずな。生徒会長を味方につけていたらいろいろと助かるからな」

 

 

「うわぁ……今日も大樹くんは黒いね……」

 

 

ふッ、そう褒めるなよエリカ。照れるじゃないか。真由美は頬を膨らませて怒っていたが、フッと何かを思いついたみたいだ。

 

 

「明日、特別にフードの着用を許可してもいいように先生に言っておこうと思っているのだけど…?」

 

 

「真由美、俺とお前は親友だ」

 

 

「真由美!?それは私の風紀委員長の仕事だろ!?」

 

 

真由美の言葉に摩利は驚愕した。そういえば生徒会長と風紀委員長は同格の権限を持っていたな。うん、どうでもいい話だったな。

 

 

「大樹、話がずれているぞ」

 

 

「あ……スマン達也」

 

 

俺は達也に言われ気を取り直す。

 

 

「黒ウサギのフードを今から取るけど……ビビるなよ?」

 

 

「もしかしてウサ耳が生えてるっていうオチか何かじゃないのか?名前が黒ウサギって言うんだし」

 

 

レオ……。

 

 

「レオさん……………」

 

 

黒ウサギがレオの名前を呟く。きっと俺と黒ウサギは同じことを思っているだろうな。

 

 

「え?何この空気?……え、まさか!?」

 

 

「そのまさかだ」

 

 

黒ウサギのパーカーについているフード……ではなく今はケーキを作っていたためコック服を着て、コック帽をかぶっている。俺は黒ウサギの頭に乗った長さが高いコック帽を取った。ちなみにコック帽が高いのは頭が蒸れないようにするためらしいよ。

 

 

黒ウサギの頭の上にウサ耳があらわになった。

 

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

 

黒ウサギの耳を見たみんなは驚愕する。黒ウサギはみんなの視線に顔を赤くする。

 

 

「ほ、本物なの!?」

 

 

エリカは立ち上がり、黒ウサギの背後まで走る。

 

 

「ねぇ触っていい!?触っていい!?」

 

 

「それは後でしてくれエリカ。あとで触るなり、もふもふしたり、引き千切ってもいいから今は俺の話を聞け」

 

 

「引き千切る!?絶対にやめてくださいよ!?」

 

 

それはエリカしだい。俺には関係ないから。

 

 

「俺たちはそれぞれ大事なモノを守るためにフードを被っていたんだ」

 

 

「な、何を守るんですか?」

 

 

美月が尋ねる。

 

 

「何って……黒ウサギは社会的地位。俺は命だろ?」

 

 

「お、重いな……」

 

 

摩利が苦笑い……いや、ドン引きしていた。

 

 

「重いも何も本当のことだろ」

 

 

「本当だから余計に性質が悪いのじゃないかしら……」

 

 

真由美の方は苦笑いだった。真由美は困ったように言う。

 

 

「そういうわけだ。真由美と摩利は俺たちを助けてくれないか?特にフードを被る許可がほしい。特にフードを被る許可がほしい」

 

 

「わ、分かった分かった!分かったからそんなに顔を近づけるな!」

 

 

俺は摩利に顔を近づけて言う。大事なことなので二回言いました。

 

 

「許可は取ることはできないが、見逃すことならできる。私以外の風紀委員に見つからないようにしてくれ」

 

 

「そこは『私たち風紀委員は君を見逃す』って言わない?」

 

 

何で風紀委員長だけ俺を見逃すんだよ。

 

そんな俺の言葉に真由美は急に真面目な顔をする。

 

 

「大樹君……この学校では格差があるのは知っているでしょう?」

 

 

俺は真由美の一言で全てを理解した。

 

一科生(ブルーム)二科生(ウィード)。格差というより差別と言った方が正しいと思う。一科生は二科生を蔑み、二科生は一科生を敵視する。同じ学年なのに、同じ学校に通っているのに彼らは互いに争う。

 

あの時もそうだ。達也たちが深雪のことで揉めていたときも。一方的に一科生が悪いはずなのに二科生という理由で俺たちが悪いようにあいつらは言う。

 

 

「知ってる。この学校は俺が知っている中で二番目に酷い学校だ」

 

 

「二番目?」

 

 

達也が俺に聞こうとする。一番酷い学校は俺が忘れていた中学校だ。だが、俺はそのことを言わない。

 

 

「そのことについては気にするな。それよりあの差別は異常じゃないか?魔法を使ってまで俺に攻撃するなんて危なすぎるだろ」

 

 

まぁ俺は全然問題なかったけどね。

 

 

「私はこの学校の一科生と二科生の壁を取り除きたいの。だけど…」

 

 

「生徒会長でも無理なことはいくつかある……だから、協力してほしいってことか」

 

 

真由美の意図を汲み取り、俺は先に言う。真由美はうなずく。

 

 

「だから交換条件でフードの件を受理する代わりに、私たちに協力してくれないかしら?」

 

 

「馬鹿じゃねぇの?」

 

 

「え?」

 

 

俺は溜め息を吐き答える。

 

 

「別に交換条件なんか無くても、そういうことなら俺は無償で真由美たちを助けるよ」

 

 

「……大樹君って優しいのね」

 

 

真由美は笑い、俺は顔を逸らした。そんなことを真正面から言われると恥ずかしい。

 

 

「今度、クラブ活動新入部員勧誘期間があるの」

 

 

「それがどうした?」

 

 

俺は真由美から説明を受ける。

 

簡単に言うと、新入部員を勧誘する際に、クラブ同士のトラブルが多発するらしい。殴り合い、魔法での戦闘。期間中は戦争になってしまう。

 

 

「酷い期間だなオイ。死人は出ないと思うけど、怪我人は出るだろ」

 

 

「そうなの。怪我人は毎年出ているわ」

 

 

真由美は真剣な顔で俺に向かって言う。

 

 

「だから、その争いを止めて欲しいの。風紀委員はその権利があるからお願いできるかしら?」

 

 

「分かった、全力でやろう。黒ウサギと原田も協力させる。いいよな?」

 

 

「YES!黒ウサギは大丈夫なのですよ!」

 

 

黒ウサギは元気よく承諾してくれた。

 

 

「お、俺も……だ……」

 

 

「原田。お前は寝てろ」

 

 

もう目がアレだよ?ヤバイよ?

 

 

「ありがとう、大樹君」

 

 

「どういたしまして」

 

 

俺と生徒会長の真由美は笑う。

 

 

「お兄様もしますよね?」

 

 

「……妹の頼みならやるしかないよな」

 

 

達也は嫌な顔をせず、快く引き受けてくれた。

 

 

「だけど、その前に気になることがある」

 

 

「ん?」

 

 

達也は俺の方を見た。

 

 

 

 

 

「大樹は……この世界の人間なのか?」

 

 

 

 

 

この瞬間、達也がただ者じゃないことが分かった。

 

 

 




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