どうやら俺はたくさんの世界に転生するらしい【完結】   作:夜紫希

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続きです。


新たな決意と新たな世界と新たな幕があがる

一体俺は何をやっているのだろう。

 

俺は自室にあるベッドに寝ている。カラオケにいる奴らにはメールをして、帰ることを伝えてきた。

 

あの後、優子は1人で帰って行ってしまった。

 

俺は彼女を追いかけることはできなかった。そもそも追いかける資格なんざ俺には無い。

 

 

「最低だな……」

 

 

優子を連れていく気がないくせに俺は全部話してしまった。

 

話さなければいいだろって?そうだ、それは正論だ。

 

 

 

 

 

でも、俺は優子に嘘をつきたくなかったんだよ。

 

 

 

 

 

あんなに信頼されているんだ。俺が嘘を言ってどうする。

 

 

「……………」

 

 

俺は天井を見続ける。

 

 

「ホントに俺は」

 

 

最低なバカだな。

 

 

________________________

 

 

「……………」

 

 

「楢原君?聞いていますか?」

 

 

「大樹!当てられてるよ!」

 

 

「………おう」

 

 

高橋先生の声に気付かず、明久の声を聞いて、俺は力なく返事をする。

 

 

「この問題が分かりますか?」

 

 

「………2x-9」

 

 

「「「「「楢原が数学の問題を正解した!?」」」」」

 

 

クラスが一気にざわめく。

 

 

「はぁ……」

 

 

俺はさっきから溜息ばかりを吐いていた。

 

 

________________________

 

 

「大樹!PS3やろうぜ!」

 

 

「……パス」

 

 

原田の顔が驚愕に染まる。

 

 

「………新作入荷」

 

 

「………今度な」

 

 

ムッツリーニの顔が驚愕に染まり、膝をついて倒れた。

 

 

「楢原君、クッキーを焼いたんですけど」

 

 

「……さんきゅー」

 

 

姫路の作ったクッキーをバリバリッと、どんどん食べる。クラスの男子は驚愕の顔に染まってしまった。大樹は倒れない。

 

 

「あいつ、どうしたんだ?」

 

 

雄二は大樹を心配していた。

 

 

「授業ではずっと上の空じゃ」

 

 

「溜め息ばっか吐いてるしな」

 

 

秀吉と原田も大樹を見ていた。

 

 

「アキ、何かあったのか分かる?」

 

 

「それが僕にも分からないんだ」

 

 

島田が明久に尋ねるが、明久は首を横に降って答える。

 

 

「何度も聞いたんだ。でも曖昧にしか答えてくれないんだ」

 

 

明久は大樹の方を見ながら言う。

 

 

「あとでBクラスの奴らに聞きに行こう」

 

 

雄二の提案にみんなはうなずいた。

 

 

________________________

 

 

「それが朝からずっとあんな感じなのよ。ボーっとして魂でも抜けたみたいだったわ」

 

 

美琴は朝あったことを話す。

 

 

「一度殴ったら治るかしら?」

 

 

「神崎さん、多分今の大樹には効かないよ」

 

 

アリアの言葉に明久は姫路のクッキーを無傷で完食した大樹を思い出し、否定する。

 

 

「あれ?そういえば木下さんは?」

 

 

「優子は欠席している」

 

 

明久は優子がBクラスにいないことに気付く。霧島は明久の疑問に答える。

 

 

「どうしちゃったんだろうね?」

 

 

「昨日のカラオケもすぐに帰りましたし、病気でしょうか?」

 

 

工藤と姫路は心配する。

 

 

「姉上は朝からずっと、部屋から出てこないのじゃ」

 

 

秀吉は自分の姉のことを言う。島田は

 

 

「何度呼びかけても返事は返ってこなくてのう」

 

 

「大体話が見えてきたぞ」

 

 

秀吉の話を聞き、雄二は推理して言う。

 

 

「おそらく大樹と木下姉に何かあったことは確かだ」

 

 

「どうしてそう思うの?」

 

 

島田は雄二に尋ねる。

 

 

「昨日のカラオケであいつら2人は一緒の時間に帰っている。大樹と木下姉は喧嘩か何かがあって、そのまま帰ったんだろう」

 

 

「……アリア」

 

 

「分かってるわ」

 

 

雄二の話を聞き、美琴とアリアは心当たりがあった。

 

 

「大樹なら大丈夫ね」

 

 

「みんな、ほっといても構わないわ」

 

 

「えぇ!?」

 

 

美琴とアリアは大樹が大丈夫なことをみんなに言う。明久はそれを聞き、驚く。

 

 

「だって今日の大樹は数学の問題に正解したんだよ!?

 

 

「「やっぱ心配になってきた」」」

 

 

「楢原君ってそんなに数学が苦手なの!?」

 

 

明久の言葉を聞いた瞬間、美琴とアリアがすぐに考えを改める。工藤は大樹がそこまで数学が苦手なことに驚愕した。

 

 

「でも大丈夫よ。だってあたしのパートナーなんだもの」

 

 

アリアはそれでも胸を張って言い切った。

 

 

________________________

 

【大樹視点】

 

 

『悩んでいるようじゃな』

 

 

神が急に脳内に話しかける。

 

 

(俺を殺してくれ)

 

 

『重症!?』

 

 

神が初めて驚いたような気がした。

 

 

(もういっそのこと楽になろう)

 

 

『待つのじゃ!ロープを結ぶのではない!!』

 

 

俺は教室の天井に首を吊るためのロープを作ったが、クラスメイトに止められた。

 

 

(……頭から落ちれば)

 

 

『飛び降りるのもOUT!!』

 

 

窓を開け、身を乗り出した瞬間、クラスメイトに止められた。FFF団って実はやさしいな。

 

 

(じゃあお前が死んでくれよ!!)

 

 

『逆ギレ!?しかも死ねじゃと!?』

 

 

「はぁ………」

 

 

俺はそんなことしてもどうにもならない現実を見た。

 

 

『今日はお前さんに渡すモノがあるのじゃ』

 

 

(なんだよ)

 

 

『最強のプレゼント

 

 

「よこせハゲ」

 

 

『まだ言ってないゆえ、ひどいのう』

 

 

つい声が出てしまった。

 

 

「お、俺は禿げてないよ」

 

 

ちょっと黙ってろ須川。

 

 

(プレゼントってなんだよ)

 

 

『これじゃ』

 

 

俺の手の中に青いひし形。クリスタルみたいなペンダントがあった。

 

 

(いや、マジでなにこれ)

 

 

『絶対防御装置』

 

 

「チート臭がプンプンするのは俺だけだろうか」

 

 

もうこの神何でもありだな。いや、須川。服なんか嗅いでどうした。臭いのは今に始まったことじゃないだろ?

 

 

『またの名をチートクリスタル』

 

 

「開きなおってんじゃねぇよクソ野郎」

 

 

この神そろそろ引退してもいいと思う。誰か神の座、変われよ。

 

 

『そうじゃのう』

 

 

(は?)

 

 

『いや、このクリスタルじゃが………』

 

 

神が何か言ったような気がした。だが無視して話を続ける。

 

俺はこのペンダントの説明を受けた。実に凄いチート?だった。いや、でも微妙なチートだな。チートということにしておこう。

 

 

「……………」

 

 

『このクリスタルがあれば彼女を連れていけるんじゃないかのう』

 

 

(ダメに決まってんだろ)

 

 

『じゃがお前さんのその本当の気持ちはなんじゃ?』

 

 

(…………知るかよ)

 

 

『そうか。じゃがお前さんの出した答えはいつも正しいことばかりじゃ。自信を持て』

 

 

そう言って神の声は脳内にもう聞こえなくなった。

 

 

(俺の正直な気持ち……)

 

 

俺は弱い。ゆえに最低。

 

そんな俺が正しいのか?こんな俺は凄いのか?

 

俺は頭の中で自問自答を繰り返す。が、

 

 

「いつまでバカみたいな顔をしてるのよ」

 

 

後ろから声がしたので振り返る。

 

 

「アリアかよ」

 

 

「何よ、その反応は」

 

 

アリアが腰に手を当てて立っていた。

 

 

「優子のことでしょ」

 

 

「…………ああ」

 

 

今さら隠すことはしなかった。どうせバレてる。

 

 

「いいと思うよ」

 

 

「………………は?」

 

 

「連れて行ってもいいと思うって言ってるのよ」

 

 

アリアの言葉を聞き、耳を疑った。

 

 

「あたしと美琴は仲良しだからいいのよ?」

 

 

「そんな理由で決めていいことじゃないだろ!」

 

 

気がつけば怒鳴っていた。

 

 

「大丈夫よ」

 

 

「なにがだよ!?大丈夫、大丈夫って!優子は2人とは違って弱いんだぞ!!」

 

 

「弱くない」

 

 

「ッ!?」

 

 

アリアの鋭い目で見られ、言葉に詰まった。

 

 

「優子を舐めないで。優子はあたしよりずっと強い心を持っているわ」

 

 

「だから何だよ!」

 

 

「だから大樹と一緒に行っても大丈夫って言ってるのよ」

 

 

訳が分からない。何が言いたいか分からない。

 

 

「それに大樹はアタシに言ってくれたじゃない」

 

 

アリアは俺の手を握る。

 

 

 

 

 

「『絶対、命を賭けても守るから』」

 

 

 

 

 

「ぁ………」

 

 

俺はあの時を思い出した。

 

この世界に来て、夜に2人でアリアと話したことを。

 

 

「あたしは美琴みたいに強くは無いわ」

 

 

「関係ないだろ」

 

 

「だから、もしあたしが危険なことになっても無茶をしないで。見捨てて構わないわ」

 

 

「ふざけるな!!」

 

 

「ッ!」

 

 

「そんなこと絶対させない!たとえ危ない状況になっても助け出してやる!何回でも、何十回でも、何百回でも!!」

 

 

「大樹………」

 

 

 

 

 

「絶対、命を賭けても守るから」

 

 

 

 

 

あの後、アリアは涙を流して「ありがとう」と言ってくれた。

 

 

「あたしは嬉しかったよ。あたしのことを大切にしてくれてることが分かって」

 

 

アリアは俺の頭を後ろから優しく撫でる。

 

 

「あんなことママしか言ってくれないわ」

 

 

「………そんなこと」

 

 

「あたしは欠陥品って言われてたのよ?」

 

 

「シャーロックは違うって言っただろ」

 

 

「あたしは曾お爺さまより大樹に言われた方が何倍も嬉しかったわ」

 

 

「……………」

 

 

自分の顔が真っ赤になっているのが分かる。

 

 

「ありがとうな。おかげで元気が出た」

 

 

俺は教室の窓に足を乗せる。

 

 

「愛してるぜ、アリア!!」

 

 

「なッ!?」

 

 

アリアの顔が真っ赤に染まる。さっきのお返しだ。

 

 

「じゃあ今日は早退しまーす」

 

 

 

 

 

俺は3階の窓から後ろ向きに飛び降りた。

 

 

 

 

 

「「「「「はぁいッ!?」」」」」

 

 

教室にいた、アリア以外の人が驚いた。

 

空から落ちたことのある俺にとっちゃこんな高さなんか全く怖くない。

 

 

ドンッ!!

 

 

豪快な音を出し、着地する。

 

 

俺は優子のところに向かった。………ん?

 

 

「って優子は今日学校に来てるの?」

 

 

「先に聞きなさいよ、バカ。来てないわよ、バカ」

 

 

アリアは窓から顔を出し、伝える。2回もバカ言うなよ。

 

 

________________________

 

 

ガラッ

 

 

「優子!!」

 

 

「きゃあああああ!?」

 

 

優子の家に着いた俺は窓から侵入した。

 

 

ゴスッ!!

 

 

「ぐふッ!?」

 

 

辞書みたいに分厚い本の角が額に直撃した。地味に痛い。

 

 

「どっから入ってるのよ!?」

 

 

全くその通りである。

 

 

「もしかしたら着替え中に入ってちょっとしたエロい展開になるかと思って」

 

 

「バカああああァァァ!!」

 

 

この後、優子を落ち着かせるのに30分かかった。

 

 

________________________

 

 

「マジすいませんでした」

 

 

「ふんッ」

 

 

俺は赤くなった額を地面に擦りつけて土下座する。優子は落ち着いてくれたが、ご機嫌は斜め。

 

 

「……何しに来たのよ」

 

 

優子はそっぽを向いたまま尋ねる。

 

 

「たくさんあるけどまずは1つ目、これをあげようと思って」

 

 

俺はポケットから青色に光ったペンダントを取り出す。

 

 

「これは?」

 

 

「お守りだ」

 

 

絶対防御装置なんてダサい名前は言わない。いや、言えない。

 

 

「優子」

 

 

俺は真剣な目で優子の瞳を見る。

 

 

「俺と一緒に来てくれ」

 

 

「!?」

 

 

優子は目を見開き、俺を見る。

 

 

「今更何言ってんだと思うかもしれない。でも優子は俺と一緒に行きたいと言ってくれた」

 

 

昨日の夜の俺はおかしかった。あの時の自分を殴りたい。

 

 

「その気持ちを踏みにじりたくない」

 

 

「……でも危険なんでしょッ!?アタシが行っても迷惑かけるだけよ!!」

 

 

優子は大声を出す。その声は震えてるようだった。

 

 

「だったらこれを着けろ」

 

 

俺はペンダントを優子に見せる。

 

 

「もし危なくなったらこれを使え」

 

 

「これは?」

 

 

「説明は外に行ってからする」

 

 

俺は優子をお姫様抱っこをする。

 

 

「ッ!?」

 

 

「それじゃあ行こうか」

 

 

優子が顔を真っ赤に染めて、口をパクパクさせる。俺はそんなことを気にせずに窓に足を乗せる。

 

 

「きゃあああああ!?」

 

 

とりあえず上に高く飛んだ。

 

 

「ちょっと山の方に行くぞ」

 

 

優子の悲鳴を聞きながら、俺は山の方に飛んで向かった。

 

 

________________________

 

 

「バカバカバカバカバカッ!!!」

 

 

「申し訳ない気持ちで一杯です」

 

 

俺はまた土下座していた。

 

俺と優子は山の中の広い平地に来ていた。

 

 

「もうあんなことしないでよねッ!」

 

 

「はい、心得ました」

 

 

「靴も履かずに来ちゃった……」

 

 

優子は自分の足元を見て溜め息をつく。

 

 

「靴ならここに」

 

 

「なんで持ってんのよ!?」

 

 

俺は懐から優子の靴を取り出す。

 

 

「温めておきました」

 

 

「しなくていいわよ!!バカッ!!」

 

 

今日で何回バカと言われたのでしょう。

 

優子は涙目になりながらも靴を履く。

 

 

「話をしても?」

 

 

「………バカ」

 

 

「すいません……」

 

 

優子様はご立腹のご様子で。

 

 

「えっと、ペンダントなんだけど」

 

 

とりあえず話を始めることにした。

 

 

「ペンダントを握って祈ってくれ」

 

 

「祈るって……何を?」

 

 

優子は祈ると聞いて俺に質問する。

 

 

「何でもいいけど……」

 

 

「じゃあ大樹のバカって祈る」

 

 

優子はペンダントを握り、目をつぶる。マジでどうやって優子の機嫌を直そうか。

 

 

シュピン!!

 

 

ペンダントは輝き、優子を中心に、正方形の四角いガラスの箱のようなモノが大きく膨らんでいった。バキバキッと木の枝を折りながらガラスの箱は大きくなる。そして箱の大きさは縦と横、ともに5mくらいの大きさだ。箱の中には一緒に俺も入ることができた。

 

 

「な、なにこれ!?」

 

 

優子は驚愕の声をあげる。

 

 

「この中にいたらどんなものでも防ぐことができるんだ。たとえ核爆弾でもな」

 

 

たとえ隕石がぶつかってもビクともしないと神は言っていた。

 

このガラスの箱の四角形はペンダントのクリスタルを中心にして大きくなるので、その時に壁か天井などに当たっても無視して大きくなる。よって壁や天井は壊れてしまう。だから外に連れてきたのだ。

 

 

「これがあれば、優子を守ることができる」

 

 

優子はその言葉を聞き、理解した。これがあれば大樹と一緒に行けることを。

 

 

「でも欠点があるんだ」

 

 

俺はガラスのような壁を叩く。

 

 

「中からは絶対に出れないこと。そして」

 

 

パキンッ!!

 

 

ガラスの壁が割れるような音を立てて、突如壊れた。

 

 

「発動時間が1分しか持たないこと」

 

 

これが最大の欠点。時間制限だ。

 

 

「そして、24時間。一日経たないと再びペンダントの能力を使えない」

 

 

さらに、連続して使うことができない。チートとしてはどうかと思う。

 

 

「そ、それじゃあ……」

 

 

優子は下を向き、表情が暗くなる。連れていくのが困難なことが分かってしまったからだ。

 

 

(やっぱ無理だったんだ……)

 

 

優子の目に涙が溜まる。

 

 

 

 

 

「だから俺が1分以内に助けに行く」

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

俺の言葉を聞き、優子は顔を上げる。

 

 

「そのペンダントが発動した瞬間、このブレスレットが光るんだ」

 

 

俺は左手についた銀色のブレスレットを優子に見えるように腕を伸ばす。このブレスレットがあるおかげであの結界に入ることができるのだ。

 

 

「ブレスレットが光った瞬間、俺が1分経つ前に助けに行く。だから」

 

 

俺は優子に手を伸ばす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺が絶対に守ってやる。だから来てくれ、優子」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が優子を守ればいいだけの話だ。美琴もアリアも守ればいいのだ。

 

優子は俺の手を握る。

 

優子の答えは決まっていた。

 

 

 

 

 

「うん………!」

 

 

 

 

 

優子の目から大粒の涙が流れた。それは昨日のような決して悲しいものではない。

 

 

________________________

 

 

「よし、準備完了」

 

 

俺は前の世界で作ってもらった2本の刀を左右の腰に1本ずつ身に着ける。

 

服は動きやすい長袖のTシャツで、どこでも売ってそうな黒いズボンをはいていた。え?それに刀とか合わなくないかだって?うん、合わねぇよ。

 

ズボンのポケットの中に拳銃のコルト・パイソンを入れる。ホルスターは使わない。邪魔だから。

 

俺は大きな鏡の前に立ち、自分の姿を確認する。うん、めっちゃ目立つしいらねぇな、刀。

 

 

「大樹ー、準備できたの?って何そのTシャツ」

 

 

準備ができた美琴が俺の部屋に入ってきて、俺のTシャツを見て、少し笑った。

 

 

 

 

 

 

Tシャツの後ろには『一般人』と縦書きで描かれていた。

 

 

 

 

 

「嘘つき」

 

 

「言うと思った」

 

 

俺と美琴は一緒に笑う。

 

 

「優子は?」

 

 

「もう来てるわよ」

 

 

「よし、行くか!」

 

 

俺は気合を入れてリビングに向かった。

 

 

________________________

 

 

俺、美琴、アリア。そして優子はリビングで手を繋いぎ、円を作っていた。

 

 

「それじゃ行くぞ?」

 

 

「準備はバッチリよ」

 

 

「いつでもいいわよ」

 

 

「ちょっと怖いわね」

 

 

俺の言葉に美琴とアリアは大丈夫だと伝える。優子は不安な気持ちになっていた。

 

 

「大丈夫だ。みんながいる」

 

 

俺は優子の手を少し強く握る。

 

 

「……うん、大丈夫」

 

 

優子は俺に微笑んだ。

 

 

(それじゃあ神。行こうか)

 

 

『えー』

 

 

「その返しは予想できなかった!!」

 

 

「「「え?」」」

 

 

「何でもないよお嬢様方」

 

 

もう!つい声が出ちゃうじゃないか!!

 

 

『それじゃ次の世界は』

 

 

結局するんかいッ。

 

 

 

 

 

『【問題児たちが異世界から来るそうですよ?】じゃ』

 

 

 

 

 

「………………………………え?」

 

 

 

 

 

原作知らない。いや、アニメも見てない。

 

 

 

 

 

『それじゃ行くのじゃ』

 

 

「待っt

 

 

俺たち4人はこの世界から消えた。

 

ついでに俺の静止の声も。

 

 

 

________________________

 

 

【道徳の問題】

 

あなたは何になりたいですか?自由に書きなさい。

 

 

楢原 大樹の答え

 

大切な人を守れる強くて正義感のある人に俺はなりたい。

 

 

先生のコメント

 

どんな困難にでも立ち向かってください。そして諦めないでください。あなたはとても強い人です。テストや勉強、お疲れ様でした。

 

 

 




【絶対防御装置(ぜったいぼうぎょそうち)】

別名チートクリスタル(神はそう呼んだ)。祈りを込めることで絶対防御のガラスの箱を作りだす。制限時間は1分とかなり短い。



優子はこのような感じで守ることができるようにしました。(1分間だけ)

問題児の世界に転生についてはギフトゲームの内容を知らないようにしておきました。分かっていたらすぐにクリアしてしまうと思ったからです。

感想や評価をくれると嬉しいです。

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