どうやら俺はたくさんの世界に転生するらしい【完結】   作:夜紫希

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続きです。


試験召喚大会と3年生と相棒

【地理の問題】

 

奈良県と京都府、大阪府の3府県にまたがる丘陵に建設が進められている総合都市は?

 

 

楢原 大樹の答え

 

関西文化学術研究都市

 

 

先生のコメント

 

お見事、大正解です。正解者はあなたと3年生の先輩の2人だけでした。

 

 

 

土屋 康太の答え

 

奈京大都市

 

 

先生のコメント

 

そういう考えはもう捨ててください。

 

 

 

吉井 明久の答え

 

超天才頭脳開発研究都市

 

 

先生のコメント

 

それはあなたの願望です。

 

 

_________________________________________________________

 

 

『それでは試験召喚大会を開催します』

 

 

高橋先生はマイクを使って開催宣言をした。

 

 

『それではAブロックの1回戦の第1試合を始めます』

 

 

「大樹、いきなり俺たちだぜ」

 

 

高橋先生の言葉を聞いていた原田は俺に試合が始まることを伝える。

 

 

「対戦相手は?」

 

 

「モニターに出るぞ」

 

 

俺の質問に原田はモニターを見ながら答える。

 

 

Aクラス 楢原 大樹

 

Aクラス 原田 亮良

 

 VS

 

Fクラス 岩下 律子(いわした りつこ)

 

Fクラス 菊入 真由美(きくいり まゆみ)

 

 

あ、元Bクラスだ。

 

 

「元Fクラスなんかに負けないわよ、律子」

 

 

「ええ、ボッコボコにするわ」

 

 

目が本気だぞ、あれ。やつあたりか?

 

 

「それでは始めてください」

 

 

高橋先生がそう言うと、モニターに対戦科目が表示された。

 

 

【生物】

 

 

「あ、得意科目」

 

 

「「「「試獣召喚(サモン)!」」」」

 

 

生物

 

Aクラス 

 

楢原 大樹  831点

 

原田 亮良   27点

 

 VS

 

Fクラス

 

岩下 律子  175点

 

菊入 真由美 169点

 

 

 

「「「「「えぇッ!?」」」」」

 

 

対戦相手だけではなく、観客も驚く。ふはははは。貧弱貧弱~。

 

でも俺の点数の凄さは置いといて。

 

 

「原田」

 

 

「何も言うな」

 

 

「相変わらず低いな」

 

 

「言うなよ!!」

 

まぁうちのクラスの奴らは得意科目以外はそんな感じだからあんまり気にしなくていいけど。

 

俺は召喚獣を動かそうとする。

 

 

「大樹の召喚獣が変わっている!?」

 

 

原田が驚きの声をあげる。俺の召喚獣の装備や武器は変わっていた。

 

武器は銀色に輝いた剣を二刀流で両手に持っており、黒い短ランを着ており、中には白いTシャツを着ていた。

 

 

「おお!なかなかカッコいいじゃないか!」

 

 

「……………大樹」

 

 

「何も言うな」

 

 

「あのTシャツに書かれている文字は何?」

 

 

「言うなよ!!」

 

 

召喚獣の短ランの中に着ているTシャツに文字が書かれていた。

 

 

 

 

 

『紳士』と

 

 

 

 

 

「あれが無ければカッコいいのに……!!」

 

 

俺は唇を強く噛みながら言う。なんだよ紳士って。イギリスでも行ってろ。謎解きでもしてろ。

 

どうやら俺の通う学校の学園長は俺の事が嫌いのようだ。

 

 

「「「「「「ぷッ」」」」」

 

 

対戦相手どころか観客の生徒まで笑いだした。

 

 

『楢原君。学園長から伝言を預かってます』

 

 

何だよ。謝罪か?しても許さねぇけど。

 

 

『腕輪の能力はまだつけてないということです』

 

 

「それだけ?」

 

 

『はい』

 

 

「よくも騙したなあああァァ!!」

 

 

俺は膝を地面につき、自分の手を床に叩きつけて悔しがる。装備はあれで決定みたいだ。

 

 

「何だかよく分からないけどチャンスよ、律子!」

 

 

「ええ!行くわよ!!」

 

 

元Bクラスの2人の召喚獣が俺たちの召喚獣に突っ込んで来る。

 

 

「一刀流式、【風雷神(ふうらいじん)の構え】」

 

 

俺は急いで立ち上がり、召喚獣を操る。

 

俺の召喚獣が左手に持っている剣を腰の鞘に直し、右手に持っている剣を両手に持つ。

 

 

「【覇道華宵(はどうかしょう)】」

 

 

ズバンッ!!

 

 

相手に風のように素早く間合いを詰め、雷のように力強く1本の剣で相手の2体の召喚獣を一刀両断にした。

 

 

生物

 

Aクラス

 

楢原 大樹  831点

 

原田 亮良    0点

 

 VS

Bクラス

 

岩下 律子    0点

 

菊入 真由美   0点

 

 

 

ついでに原田も斬っておいた。

 

 

「おい!?何で俺まで倒した!?」

 

 

「またつまらぬものを斬ってしまった」

 

 

「殴られたいか!!」

 

 

遠慮します。

 

 

『勝者、楢原 大樹』

 

 

「俺は!?」

 

 

高橋先生までボケを始めたか。末期だな、この学園。

 

 

________________________

 

 

「いらっしゃいませ!ご主人様!」

 

 

俺と原田は執事の仕事が今は無いので2回戦が始まるまでAクラスのメイド喫茶で休憩していた。

 

 

「ご注文はどうなさいますか?」

 

 

「じゃあ君の愛情が詰まったオムr

 

 

俺の意識はそこで消えた。

 

 

________________________

 

 

【原田視点】

 

 

あ、大樹が気絶したことによって視点が俺になっちゃたよ。

 

俺の目の前に座っている大樹は注文を聞きに来たメイドさんに口説き始めやがった。まぁ本人は冗談のつもりだったのだろうが

 

 

「アリア。これどうしようか」

 

 

「そうね。捨てましょうか」

 

 

「ええ、アタシはそれに賛成だわ」

 

 

「……………」

 

 

この方たちには冗談には聞こえかったらしい。

 

御坂と神崎と木下姉が大樹を◯◯◯◯で◯◯◯にしやがった。

 

※グロテスクすぎる表現なため、伏せ字にします。

 

注文を聞いた女の子は大樹がやられた瞬間、恐怖で逃げ出した。ごめんね、メイドちゃん。

 

 

「というわけで原田君。これ、借りてくね」

 

 

「あ、はい。どうぞ」

 

 

木下姉に大樹を連れて行っていい許可を出す。さっきから大樹をモノみたいに言われているけど大丈夫かな?

 

3人は大樹を引きずって奥へ消えて行った。

 

 

「あ、注文頼んでねぇや」

 

 

俺はケーキを頼もうと周りを見て、スタッフを探す。

 

 

「はッ、何だここは?Fクラスがこんな場所を使ってんじゃねぇよ」

 

 

教室の入り口の方でそんな声が聞こえた。

 

 

「喧嘩か?」

 

 

俺は入り口まで歩き、様子を伺う。

 

 

「失礼ですがお客様、何かご不満でも?」

 

 

「Fクラスがこんな場所にいるんじゃねぇって言ってんだよ」

 

 

坂本の質問に嫌味を込めて答える男。あの男は2年生では見たこと無い。たぶん3年生だ。

 

 

「喧嘩売ってるのならかってやるぞ」

 

 

坂本の礼儀正しい態度は消え、男を睨み付ける。

 

 

「すぐに暴力に頼るところはさすがバカというところだな」

 

 

「てめぇッ!」

 

 

「ま、待て坂本!」

 

 

殴りかかろうとする坂本を止める

 

 

「ここで問題起こしたらやばいだろうが!」

 

 

「チッ」

 

 

坂本は舌打ちをして、後ろに下がる。

 

 

「悪いがあんたは出入り禁止だ。もう来るんじゃねぇ」

 

 

「Fクラスの分際で調子に乗るなよ2年」

 

 

俺の言葉に男はさらに不機嫌になる

 

 

「バカはバカらしく豚小屋にでもいろよ」

 

 

「何が気に食わない?」

 

 

今の発言に苛立った。

 

 

「頭の悪い奴がこんな豪華なクラスなんかにいるのが間違っていると言ってんだよ」

 

 

「俺たちはAクラスに勝った。それが十分証明しているだろ」

 

 

「それは2年生のAクラスもバカだってことだろ。あいつらも豚小屋に行けばいいのにな」

 

 

「いい加減そのクソみたいにベラベラ喋る口を塞げよ…!」

 

 

もう殴ってしまいたい。バカにしやがって!

 

 

「そろそろ始まるぞ」

 

 

「ああ、今行く」

 

 

男の後ろから声がかかる。その男の知り合いみたいだ。

 

 

「最初はCクラスとの奴らと戦うらしいぞ」

 

 

「!?」

 

 

俺は驚愕した。男たちの会話がおかしかった。

 

 

「なんで対戦相手を知ってんだよ!」

 

 

「あ、こいつ1回戦で出てたやつだ。ほら、お前が気にしている奴。あいつのペアだ」

 

 

俺の質問を無視して、男の後ろにいるやつが俺を見て言う。

 

対戦相手は戦うそのときにならないと分からないはずだ。

 

 

「こいつがあいつと出てんのかよ。ちょうどいいな」

 

 

男は俺を見て笑う。

 

 

「お前の相方に言え。必ず潰すと」

 

 

「!?」

 

 

俺はそいつの言葉にぞっとした。その言葉が重く聞こえた。

 

 

「誰だよ、お前ら」

 

 

俺はそれでも名前だけでも知っておきたかった。

 

 

「3年Aクラス、宮川 慶吾」

 

 

男はそう名乗った。

 

 

「同じく3年Aクラスの長谷川 智紀(はせがわ ともき)だ。慶吾とペアを組んでる」

 

 

Aクラス。さっきから言うだけのことはあるな。

 

 

「じゃあな、ゴミ共」

 

 

悪口を吐きながらそいつは出ていった。

 

 

________________________

 

 

 

【大樹視点】

 

 

「マジで言ってんのか?」

 

 

「だからさっきからそう言っているだろ!もう10回は言っているぞ!」

 

 

俺は美琴たちに説教を受けた後、原田から俺がいない間のことを聞いた。

 

 

「いや、だって………」

 

 

俺は信じられなかった。

 

 

 

 

 

宮川 慶吾は最初の世界にいたあの核爆弾を作った奴だ。

 

 

 

 

 

しかも超がつくほどのアホで、天才科学者学生だ。そんな奴があんな悪キャラなのが想像できなかった。

 

 

「俺も見たぞ。むかつく野郎だったぜ」

 

 

雄二は手に力を入れて、嫌な顔をした。

 

 

「でも何で俺がターゲットにされてんだ?」

 

 

心当たりがなかった。3年生なんて声すら掛けられたことすら無い。

 

 

「そいつらとは何回戦であたるんだ?」

 

 

「ブロックが全然違うから当たるには決勝戦しか無い」

 

 

俺の質問に原田はトーナメント表を見ながら言う。

 

 

「とにかく、負けなきゃいいんだろ」

 

 

「そうだな」

 

 

「よし、それならもう2回戦に行こうぜ」

 

 

「えッ!?その恰好でか!?」

 

 

忘れてた。俺は今、服を着ていない。

 

 

 

 

 

ふ◯っしーの着ぐるみを着ている。

 

 

 

 

 

「ふ、ふな◯しーだよ、ハハッ!」

 

 

「いやふなっ◯ーそんなこと言わねぇよ」

 

 

黒いネズミと被っちまったぜ。

 

 

________________________

 

 

『そ、それでは第2回戦を始めます』

 

 

「始めるなっしーッ!!」

 

 

「「「「「……………」」」」」

 

 

俺のモノマネに全員がドン引きする。少しは盛り上がれよ。

 

 

「さ、さすが大樹、ね…!」

 

 

「ほんと、うにやってくれ、るなんて…!」

 

 

元凶の2人がいた。

 

 

Aクラス 楢原 大樹

 

Aクラス 原田 亮良

 

 VS

 

Bクラス 御坂 美琴

 

Bクラス 神崎・H・アリア

 

 

 

対戦相手はこの2人だ。

 

 

「よくも俺をこんな姿になっしー…!」

 

 

「まだ続けんの!?」

 

 

癖がついちゃったよ。

 

 

『それでは始めてください』

 

 

高橋先生は開始の合図をする。

 

 

【世界史】

 

 

よし、また得意科目だ。これなら

 

 

バチンッ!!

 

 

「へ?」

 

 

電気がはじける様な音がした。そしてモニターに変化が起きた。

 

 

【物理】

 

 

「美琴おおおおォォォ!!」

 

 

教科が変わってしまったのだ!これをやってのける人物は1人しかいない!

 

 

 

 

 

能力を使っている美琴。

 

 

 

 

 

「これで大丈夫」

 

 

「俺が良くないよ!?」

 

 

美琴せこい!最近の女の子はここまでずるいのか!

 

 

「「試獣召喚(サモン)!」」

 

 

美琴とアリアは俺たちより先に召喚する。

 

 

物理

 

Bクラス

 

御坂 美琴     541点

 

神崎・H・アリア  681点

 

 

「なっしー!?」

 

 

強すぎんだろ!?なんだよお前ら!!

 

 

「さ、試獣召喚(サモン)!」

 

 

物理

 

Aクラス

 

楢原 大樹 21点

 

 

 

「「「「「Oh………」」」」」

 

 

全員がそんな声をあげた。

 

 

「ま、負けたなっしー」

 

 

「まだ俺の召喚獣を出していないんだが?」

 

 

「……………ふッ、死んだか」

 

 

「ははッ、覚えとけよ大樹」

 

 

原田は両手を広げ、大げさなポーズをとる。

 

 

「試獣召喚(サモン)!!」

 

 

 

 

 

物理

 

Aクラス

 

原田 亮良 937点

 

 

 

 

 

「「「「「はぁッ!?」」」」」

 

 

「さぁ勝負はここからだなっしー」 

 

 

俺は立ち上がり胸を張って堂々とする。原田の点数を見て、美琴もアリアも観客が驚いた。

 

 

「速攻で態度変えてんじゃねぇよ」

 

 

お、俺は知っていたんだからね!本当なんだからね!

 

 

「俺にまかせろなっしー!」

 

 

「そのしゃべり方やめろ!」

 

 

俺は2本の刀を鞘に戻し、召喚獣を突っ込ませる。

 

 

「大丈夫!今の大樹は雑魚よ!」

 

 

美琴は叫ぶ。ひどい。

 

美琴の召喚獣は持っているレイピアを凄い速さで俺の召喚獣に向かって刺してくる。

 

 

「よッ」

 

 

ギリギリで攻撃を避け、そのまま美琴の召喚獣に突っ込む。

 

 

「美琴ッ!」

 

 

アリアの召喚獣が応援に駆け付けて、2本の剣で俺の召喚獣を斬ろうとする。

 

 

ニヤリッ

 

 

俺は笑みを浮かべた。

 

 

「よし、そのままやっちまえ!!」

 

 

「了解!」

 

 

俺は原田に向かって合図を出す。

 

 

「「!?」」

 

 

美琴とアリアも気が付いたみたいだ。だが遅い。

 

すでに原田の召喚獣は巨大なロケットバズーカを構えていた。

 

 

「行けッ!!」

 

 

ドゴオオオオォォォ!!!

 

 

巨大な炎柱が立ち上がった。

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

あまりの威力に観客は目を見開いた。

 

 

物理

 

Aクラス

 

楢原 大樹     0点

 

原田 亮良   937点

 

 VS

 

Bクラス

 

御坂 美琴     0点

 

神崎・H・アリア  0点

 

 

たぶんこの大会では仲良く2人で生き残ることはできないらしい。

 

 

『勝者、Aクラスの楢原君と原田君です』

 

 

「俺だけの勝ちじゃないのかよ!?」

 

 

これが普通なんだけどな。

 

 

「大樹」

 

 

アリアに名前を呼ばれる。

 

 

「あんた、誰と行くの?」

 

 

「何のことだ?」

 

 

「チケット」

 

 

ああ、あれか。

 

 

「俺は行かない」

 

 

「え?行かないの?」

 

 

「ああ、行かない」

 

 

如月ハイランドのプレオープンプレミアムペアチケット。簡単に言うと、このチケットを使うと企業が無理やりそのペアを結婚させるらしい。まだ学生である俺たちには不必要なもの。そして、そんな危ないチケットは消毒消毒。

 

 

「他の遊園地でいいならいつか連れて行ってやる。だから今回は諦めてくれ」

 

 

「「本当!?」」

 

 

「ああ、約束する」

 

 

むしろさせてください。両手に花を持たせてください。

 

ふなっし〇を着ている俺は美琴とアリアは小指同士で繋げないが、約束はする。

 

 

 

 

 

「勝ったの俺だよな?」

 

 

 

 

 

原田の目は死んでいた。

 

 





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