どうやら俺はたくさんの世界に転生するらしい【完結】   作:夜紫希

35 / 177
続きです。


バカと天才と取り戻す正義

【道徳の問題】

 

今日の試召戦争の意気込みを書いてください。

 

 

楢原 大樹の答え

 

最弱を舐めんじゃねぇッ!!

 

 

先生のコメント

 

この一週間、あなた達Fクラスを見て、評価を改めようと思いました。

 

 

 

吉井 明久の答え

 

大画面でゲームをしたいです。

 

 

 

先生のコメント

 

あなたの評価は改めません。

 

 

________________________

 

 

ー月曜日ー

 

 

Fクラス VS Aクラス

 

 

試召戦争当日

 

 

【Aクラス作戦会議の様子】

 

 

「今からFクラスの要注意人物を挙げていきます」

 

 

優子はモニターを指差ししながら説明する。

 

 

「学年主席レベルの姫路さん」

 

 

モニターに姫路の顔が映し出される。

 

 

「保健体育、学年一位の土屋君」

 

 

次にムッツリーニの顔が映し出される。

 

 

「数学だけが以上に高い、原田君」

 

 

原田の顔(以下略)

 

 

「そして最も注意すべき人物が」

 

 

大樹の顔が大きく映しだされる。

 

 

「大k………楢原君です」

 

 

(((((今、下の名前で呼ぼうとしたな……)))))

 

 

Aクラス全員がそんなことを思った。

 

 

「彼の点数は教師より高い点数を持ち、学年主任を越えている可能性があります」

 

 

ざわざわッ

 

 

「ですが、彼らを注意すれば必ず勝てます」

 

 

優子はモニターを新しい画像に変える。

 

 

「それでは細かい作戦内容を説明します」

 

 

優子は試召戦争の作戦をAクラスのみんなに説明するのであった。

 

 

________________________

 

 

【Fクラス作戦会議の様子】

 

 

「よーし、じゃあAクラスを手に入れたら1番最初に『ア◯と雪の女王』を大きなモニターで見ることに決定だ」

 

 

「「「「「異議なーし」」」」」

 

 

俺の言葉にみんなは賛同した。

 

 

「おい!?作戦会議をするって言っているだろ!?」

 

 

雄二が怒鳴り声を上げる。

 

 

「雄二はトラ◯スフォーマーを見たかったのか?」

 

 

「違うわッ!!」

 

 

「ねぇみんな。マリ◯パーティーをやるのはどうかな?」

 

 

「「「「「それだ」」」」」

 

 

「うぜえええェェ!!」

 

 

明久の素晴らしい提案にFクラスは全員賛成した。雄二は頭を抱えて叫ぶ。

 

 

「悪いが俺の作戦はもう決めているんだ」

 

 

「俺が決めるんじゃなかったのか?」

 

 

雄二は不機嫌な声を出す。

 

 

「あー、違う違う。最後だけ俺とお前らとは別に行動するんだ」

 

 

俺は否定する。

 

 

「4人だけ。指名した人物を俺に指示させてくれ」

 

 

「はぁ?」

 

 

俺は雄二に向かって言う。

 

 

 

 

 

「Aクラスは今日から俺達だ」

 

 

 

 

 

そして、俺は笑顔で告げるのであった。

 

 

________________________

 

 

こうして試召戦争は始まった。

 

 

 

「Aクラスの突撃部隊は作戦通りお願いします!」

 

 

優子の指示でAクラスの人は動きだす。

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

だがAクラスは驚愕した。

 

 

 

 

 

「散開いいいィィィ!!!」

 

 

「「「「「うおおおォォ!!」」」」」

 

 

 

 

 

Fクラスの連中は代表である雄二の掛け声とともに、窓から飛び降りた。

 

 

 

 

 

「「「「「はぁいッ!?」」」」」

 

 

Fクラスの常識を逸した行動にAクラスは驚愕する。

 

 

「お、おい!!あれを見ろ!!」

 

 

Aクラスの一人が気付く。

 

窓からロープが伸びていることを。Fクラスはロープを使って逃げたのだ。

 

 

「追いかけろ!!」

 

 

Aクラスの1人がそう言って、突撃部隊は階段を降りる。

 

 

「!」

 

 

モニターを見ていたアリアが何かに気付く。

 

 

 

 

 

「罠よ!!逃げなさい!!」

 

 

 

 

 

「遅いぜ」

 

 

大樹は階段を降りた先からAクラスに向かって言う。

 

 

「Fクラス、楢原 大樹」

 

 

「同じくFクラスの木下 秀吉は」

 

 

「「Aクラス10人に勝負を申し込む!!」」

 

 

上からは秀吉が降りてくる。Aクラスを挟み撃ちにした。

 

 

「Fクラスが2人だけでAクラスに勝てると思うなよ!」

 

 

「竹中先生!召喚許可を!」

 

 

Aクラスの呼び掛けに近くにいた国語科の先生である竹中先生が古典のフィールドを展開させる。

 

俺たちが待機させて置いた教師だ。

 

 

「「「「「試獣召喚(サモン)!」」」」」

 

 

古典

 

Aクラス

 

モブ×10 平均261点

 

 VS

 

Fクラス

 

楢原 大樹 455点

 

木下 秀吉 349点

 

 

 

「「「「「んなッ!?」」」」」

 

 

本当なら400なんて越えれねぇけど、今日のテストは調子がよかったぜ。それより秀吉が土日でここまで上げるのがびっくりした。

 

 

「行くぞ!!」

 

 

俺の召喚獣は腕輪を使ってマッチ棒を2本にする。

 

 

「二刀流式、【阿修羅の構え】」

 

 

召喚獣に俺の技をさせる。

 

 

「【六刀暴刃(ろっとうぼうは)】!」

 

 

シュシュンッ!!

 

 

本来ならカマイタチがでるのだが、召喚獣じゃ出来ないので高速の速さで6体の召喚獣をマッチ棒でぶん殴った。

 

6体の召喚獣は一瞬で0点になった。

 

 

「くそッ!ならこっちに逃げ

 

 

「通さぬのじゃ!」

 

 

バシュンッ!!

 

 

秀吉の召喚獣の攻撃が相手の召喚獣に当たる。相手は俺の方に飛ばされる。

 

 

「ほい」

 

 

ドゴッ!!

 

 

そして、空中に舞っている相手の召喚獣をマッチ棒で叩きつけて0点にする。

 

 

「一気に決めるのじゃ!!」

 

 

ズバンッ!!

 

 

秀吉の召喚獣は残りの3体をまとめてなぎ払う。一体は0点になったが、まだ2体が空中で点数を残して飛んでいる。

 

 

「ラストッ!」

 

 

ドゴッ!ドゴンッ!!

 

 

 

俺はそれを逃さず、マッチ棒で空中にいる2体を吹っ飛ばす。

 

 

古典

 

Aクラス

 

モブ×10   0点

 

 VS

 

Fクラス

 

楢原 大樹 455点

 

木下 秀吉 349点

 

 

無傷でまとめて倒した。

 

 

「そ、そんな……」

 

 

Aクラスは信じられないモノを見たかのように顔を青くしていた。

 

 

「戦死者は補習ッ!!」

 

 

そして、Aクラスの連中は鉄人に連れていかれた。

 

 

「Aクラスが来る前に逃げるぞ」 

 

 

「わかったのじゃ!」

 

 

そう言って俺は窓から外に逃げ、秀吉は廊下を駆けていった。

 

 

「何よ………これ……」

 

 

優子は階段で起きたことをモニターで見ていた。

 

 

「Aクラスの突撃部隊がFクラスの2人だけにやられたの!?」

 

 

声をあげて起こったことを言う。信じられなかった。

 

あの突撃部隊は文系が平均的に高い人達だった。なのに大樹と弟である秀吉のたった2人にやられた。

 

それだけではない。

 

 

「誰1人も団体を作らず、拡散して逃げている…」

 

 

Fクラス全員は1人で行動しているのだ。代表までもが。成績が低くて、単独行動が危険だというのに。

 

 

「大変だッ!!」

 

 

Aクラスの情報伝達をしている男子が慌てて教室に入ってきた。

 

 

「伏兵が全部やられた!!」

 

 

「なんですって!?」

 

 

使われていない教室などに待機させて置いた生徒が全員やられたらしい。7人もやられたことになる。

 

 

「Fクラスが5、6人の集団で襲いかかって来た!俺はその光景を見たんだ!」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

相手はバラバラで単独行動をしている。それなのに集団で攻撃してきたという。

 

 

「そ、それでも僕達の成績では簡単にはやられないはずだよ!」

 

 

工藤が無理だと言う。2桁の点数で300点近い者に勝てるわけが

 

 

 

 

 

「それがあいつらは全員100点は越えていたんだ!!」

 

 

 

 

 

「「「「「はぁッ!?」」」」」

 

 

FクラスがDクラス並の点数を取っていることを耳を疑った。

 

 

「………分かったわ」

 

 

美琴が呟く。

 

 

バチッ!!

 

 

一瞬だけ電気が弾けるような音が響いた。

 

 

「これで大丈夫よ」

 

 

「え?」

 

 

美琴の言葉に理解できない優子。

 

 

「あいつらは無線を使っていたわ」

 

 

「「「「「!」」」」」

 

 

「やってくれるじゃない」

 

 

美琴とアリアはこの状況に焦りを感じていた。

 

 

_______________________

 

 

【元リーダー視点】

 

 

坂本 雄二は屋上にいた。ていうか喧嘩売ってんのか?現リーダーだぞコラ。

 

 

「ちッ、無線を破壊されたか」

 

 

大樹とムッツリーニの持ってきた無線を使ってFクラスを指示していたのだ。

 

バラバラになったら、相手は集団で攻めてくるという概念を捨てる。それを利用した。

 

 

「だが、これで全部の伏兵を潰したな」

 

 

俺はムッツリーニに調べてもらったAクラスの生徒の得意科目と不得意科目が簡単に記された紙を開く。

 

Fクラスは土日で得意科目を勉強させたのは100点以上を取らせるため。

 

そして、Aクラスの不得意科目をFクラスの得意科目である奴らを戦わせたのだ。

 

伏兵は散開させているFクラスを使い、見つけるのは簡単だった。

 

結果は成功。

 

 

「ここが安全だと大樹は言ってたな」

 

 

警戒して、代表には近づかない。そう言っていた。

 

 

「………誰も来ない」

 

 

偵察に行っていたムッツリーニが帰ってきた。

 

 

「ムッツリーニ。グランドにあれを投げてくれ」

 

 

コクッ

 

 

ムッツリーニはうなずき、黒くて丸い物体を取り出す。そして、火をつけて、グランドに投げる。

 

 

プシュウウウウゥゥゥ!!

 

 

グランドに投げた黒い物体から白い煙があがった。

 

 

________________________

 

 

【Aクラス】

 

 

「ぐ、グランドに何かが投げられたぞ!!」

 

 

「何かの合図ね」

 

 

Aクラスの男子が声をあげる。アリアはその煙が何かの合図だと分かった。

 

 

「何か仕掛けてくる前に決着をつけたほうがいいんじゃないかな」

 

 

久保は提案する。Fクラスの代表は屋上にいることは分かっていた。

 

 

「あまり下手に動かないほうがいいと思うわ」

 

 

優子は冷静に言う。だが

 

 

「俺達ならすぐに倒せる!」

 

 

Aクラスの男子生徒は大声を出す。

 

 

「ダメ。優子の指示に従って」

 

 

霧島が拒否する。

 

 

「いやです、俺達は行きますよ!おい、行くぞ!」

 

 

だが、無視して教室を出ていった。女の子も合わせて5人が出ていった。

 

 

「調子に乗っているFクラスなんかすぐに倒してきますよ」

 

 

5人が廊下に出た。

 

 

 

 

 

「「「「「いらっしゃ~い」」」」」

 

 

 

 

 

「「「「「ひッ!?」」」」」

 

 

ピシャッ!!

 

 

「「「「「なッ!?」」」」」

 

 

Aクラスは驚愕した。Aクラスの教室の前には大人数のFクラスが潜んでいた。そして、ドアは閉められてしまった。

 

 

「は、はやく助けるわよ!」

 

 

アリアが急いでドアを開けようとする。だが

 

 

「押さえつけられてる!?」

 

 

全く動かなかった。

 

 

「アリア!!」

 

 

美琴が後ろから呼ばれる。アリアは一瞬で理解した。

 

 

「「やあッ!!」」

 

 

ドゴンッ!!

 

 

美琴とアリアは息を揃えて同時にドアに蹴りをかました。ドアは見事に蹴り破れた。

 

 

「………遅かったわね」

 

 

アリアは顔を歪めた。

 

 

数学

 

Aクラス

 

モブ×5   0点

 

 

 

既に遅かったことを。

 

 

「戦死者は補習ッ」

 

 

西村先生はAクラスの5人を運んでいた。

 

Fクラスはもうどこにも居なかった。

 

 

________________________

 

 

【Fクラス】

 

 

「残り28人か」

 

 

「まだまだ多いよ」

 

 

雄二と明久はそんな会話をする。

 

 

「こちらにはまだ戦死者は出ていません」

 

 

姫路はFクラスの人数を確認し、戻ってくる。

 

 

「すごいわね。Aクラスとここまで戦えるなんて」

 

 

島田は素直に感心する。現在Fクラス全員は屋上に集合している。

 

 

「だが失うモノもある………」

 

 

「………今は我慢」

 

 

大樹とムッツリーニは落ち込んでいた。大樹が無線機を買い、ムッツリーニが改造した。それを一瞬で美琴に破壊された。

 

 

「大丈夫かのう……」

 

 

「あとでガ◯ガリ君をおごってやればいいだろ」

 

 

秀吉は心配していたが、雄二は冷たかった。アイスだけに。…………ごめんなさい。

 

 

「それよりここに集まって大丈夫なの?」

 

 

明久は不安になりながら聞く。

 

さっきの煙はAクラスから警戒している奴らを教室の入り口で袋叩きする合図だ。えげつねぇ……。

 

その後は屋上に集合するまでが作戦だった。

 

「Aクラスは警戒しているから不用意に攻めてこないだろう」

 

 

雄二は大丈夫だと明久に伝える。

 

 

「それじゃあ次の作戦を伝えるぞ」

 

 

「あ、雄二。そろそろ準備をしたい」

 

 

雄二の言葉をさえぎって大樹は大樹の作戦の用意をしたいと目で訴える。

 

 

「そうだったな。じゃあ予定通りあの4人を連れていけ」

 

 

俺の作戦をさっき聞いた雄二は楽しそうに笑みをうかべるのであった。

 

 

________________________

 

 

【Aクラス】

 

 

「Fクラスが自分の教室に移動したことを確認しました」

 

 

偵察部隊が帰ってきた。

 

 

「人数は?」

 

 

「全員かと思われます」

 

 

また訳の分からない行動を取り出した。Aクラスのみんながそう思っていた。

 

だが、それは戦争前ならそう考えるだろう。

 

今のAクラスはFクラスの行動の1つ1つが恐怖に変わりつつあった。

 

 

「要注意人物は?」

 

 

「姫路さん、土屋君、楢原君の3人は確認できました」

 

 

あの3人は動かなかった。だが原田は居なかった。しかし、数学フィールドはFクラスに展開され、Aクラスには保健体育。廊下は日本史が展開しているので大丈夫なはず。Fクラスは守りを固めたのかもしれない。

 

 

「久保君、愛子をリーダーにして、合計18人で攻めてください」

 

 

これはAクラス代表の霧島と美琴とアリア。そして優子が考えた作戦だ。

 

 

「楢原君が出てきた場合は久保君ができるだけ引き付けてくれます。その間に他の人はFクラス代表を討ち取ってください」

 

 

「土屋君が出た場合は?」

 

 

Aクラスの人から質問が上がる。

 

 

「僕が戦うよ」

 

 

工藤が質問に答える。

 

 

「僕なら足止めはできるからね」

 

 

足止め。Fクラス相手に足止めしかできない状況になっている。そのことにAクラスは嫌な顔を何人もしていた。

 

「それではお願いします」

 

 

優子の合図でAクラスはドアの前に敵が居ないか確認して、Fクラスに向かった。

 

 

「Aクラスが来たぞ!!」

 

 

Fクラスは教室に立てこもっていた。

 

 

「ドアを上手く使って敵の侵入を防ぐんだ!」

 

 

明久の声が響く。

 

教室の入り口で試召戦争が始まった。

 

 

「しまった!?」

 

 

Fクラスはどんどんやられていく。

 

 

「後ろから一気に攻めるんだ!」

 

 

久保の指示により、Aクラスは後ろのドアを一気に攻撃した。

 

 

「ゆ、雄二!突破された!!」

 

 

明久は突破された瞬間、後ろに下がり、Aクラスの一斉攻撃を避けた。

 

雄二の目の前には明久、楢原、姫路、秀吉、土屋、の5人の護衛がいた。

 

 

「ここは数学のフィールド。僕達の勝ちだ」

 

 

理由は分からないが、幸運なことに原田が居なかった。たとえ、Aクラスに向かったとしても、保健体育の先生がいる。土屋がここにいるなら関係ない。楢原は数学が大の苦手。そう久保は考えていた。

 

 

「こっちには姫路がいるんだぞ?」

 

 

「Aクラス17人に勝てるとでも?」

 

 

あんなに守ったのにAクラスは1人しか倒せなかった。

 

 

「なら明久がいる」

 

 

「待って今僕の名前を出す理由が分からない」

 

 

「行け!明久!お前なら余裕だろ!!」

 

 

「無理に決まってるだろうが、バカ雄二!!」

 

 

「チェックメイトだよ」

 

 

「いや」

 

 

久保の言葉に雄二は笑って否定する。

 

 

 

 

 

「チェックメイトはお前らのようだな」

 

 

 

 

 

________________________

 

 

「Aクラスに島田と原田が接近しています!」

 

 

見張りをしていた女子生徒は言う。

 

 

「残念だけど数学はこっちに無いわよ。社会科の福原先生に召喚許可を貰って撃退してください」

 

 

優子の指示で6人は2人を撃退しに行く。

 

 

「福原先生!召喚許可を!!」

 

 

「承認します」

 

 

日本史のフィールドが展開する。

 

 

 

 

 

ニヤリッ

 

 

 

 

原田と島田は笑っていた。

 

 

「「「「「試獣召喚(サモン)!」」」」」

 

 

「嘘………」

 

 

優子の背筋が凍った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本史

 

Aクラス

 

モブ×6 平均310点

 

 VS

 

Fクラス

 

島田 美波? 1679点

 

原田 亮良?   32点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ど、どういうことだよ……!?」

 

 

Aクラスの6人の内、1人が声を出す。声は震えていた。

 

 

「ばーかッ」

 

 

島田がそう言った瞬間

 

 

ドゴンッ!!

 

 

日本史

 

Aクラス

 

モブ×6    0点

 

 VS

 

Fクラス

 

島田 美波? 1679点

 

原田 亮良?   32点

 

 

 

一瞬にしてAクラスはやられた。

 

 

ドゴンッ!!

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

島田がAクラスのドアを蹴り破った。

 

 

「やっほー、作戦失敗したな」

 

 

島田の声ではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大樹……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優子は声を出した。

 

 

「正解」

 

 

「う、嘘よ……!?」

 

 

優子は信じられなかった。

 

 

ベリベリッ!!

 

 

 

 

 

島田と原田は顔の皮膚を剥いだ。

 

 

 

 

 

「変装!?」

 

 

アリアが驚愕した。

 

 

島田の正体は大樹。原田の正体は

 

 

「………やられたわ」

 

 

美琴はため息を吐く。

 

 

 

 

 

前の世界で理子に教えてもらった変装術。

 

 

 

 

 

原田の正体は保健体育最強のムッツリーニだった。

 

 

________________________

 

 

「そんな……」

 

 

久保は膝をついた。

 

 

「やられちゃったね…」

 

 

工藤は平気そうな声で言うが、内心では最悪な気分だった。

 

 

数学

 

Aクラス

 

久保 利光     0点

工藤 愛子     0点

 

モブ15      0点

 

 VS

 

土屋 康太? 1098点

 

姫路 瑞希   426点

 

吉井 明久    71点

 

楢原 大樹?  281点

 

木下 秀吉    49点

 

坂本 雄二   305点

 

 

 

ベリベリッ

 

 

ムッツリーニと大樹は正体を証す。

 

 

「変わり身の術ってとこか?」

 

 

雄二は笑顔でAクラスに言ってやった。

 

 

 

 

 

大樹は島田で、ムッツリーニは原田だった。

 

 

 

 

 

________________________

 

 

 

「「「「「試獣召喚(サモン)!」」」」」

 

 

保健体育

 

Aクラス

 

霧島 翔子      344点

 

木下 優子      306点

 

御坂 美琴      479点

 

神崎・H・アリア   461点

 

 VS

 

土屋 康太      996点

 

楢原 大樹      895点

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

Aクラスの4人は驚愕した。ついでに俺も。

 

ムッツリーニの点数がおかしい。完全記憶能力を持った俺を越えている。やべぇ、土日に何があった。

 

 

「そんな……」

 

 

優子の顔が暗くなっていくのが分かった。優子は下を向き、顔をあげなかった。

 

 

「………大樹」

 

 

ムッツリーニが俺を呼ぶ。

 

 

「いいか?」

 

 

コクッ

 

 

ムッツリーニはうなずく。あらかじめムッツリーニに伝えていた作戦を決行していいと許可がでた。

 

 

「なぁ霧島」

 

 

俺はAクラス代表を呼ぶ。

 

 

「俺達と取引しねぇか?」

 

 

 

________________________

 

 

戦争は終結した。

 

 

結果

 

 

Aクラスの降参により、Fクラスが勝利した。

 

クラスは当然変えられた。

 

 

「ふざけるなッ!!」

 

 

FクラスとなったAクラスの連中が怒鳴り声をあげる。周りも批判していた。

 

 

 

 

 

Aクラス代表の霧島と作戦指揮の優子に向かって。

 

 

 

 

 

Fクラスの条件を飲み込むことで戦争を終結させた。

 

 

・クラスの設備を交換すること。

 

 

・3ヶ月間はFクラスであるAクラスに宣戦布告をしないこと。

 

 

メリットは他のクラスなら試召戦争を申し込んでいいという試召戦争許可をもらった。

 

 

「あのまま負けていたら3ヶ月間このクラスにいることになるわ」

 

 

「この後Bクラスに攻めれば設備も良くなる。ずっとこのままのクラスになるよりはマシよ」

 

 

美琴とアリアは訳を説明する。

 

 

「お前達が負けなきゃいいだけだろ!」

 

 

「学年上位のクセに!」

 

 

「今すぐ断れ!」

 

 

無慈悲な言葉が2人に向かって飛ぶ。

 

 

「君達!もうやめないか!」

 

 

「そうだよ、もうこんなこと」

 

 

久保と工藤が仲裁に入る。

 

 

「何で私達が最低設備なのよ!」

 

 

「学年次席もたいしたことないくせに」

 

 

「保健体育以外に関しては俺以下だろがッ!」

 

 

暴言が一方的に飛び交っていた。

 

優子はその光景を見て泣きそうになった。

 

 

(もう………いや……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黙れッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

ドゴンッ!!

 

 

ドアを蹴り破られた。

 

 

「いい加減にしとけよクソ野郎」

 

 

 

 

 

大樹が立っていた。

 

 

 

 

 

「何しに来やがった!」

 

 

「黙れというのが聞こえないのか?」

 

 

「ッ!?」

 

 

大声をあげる奴を殺気で黙らせる。

 

 

「そもそも悪いのはお前らだろうが?」

 

 

俺は教室の前の教壇に立つ。

 

 

「階段で要注意人物にあったら逃げろと言われていたのに戦った奴らは誰だ?」

 

 

「「「「「……………」」」」」

 

 

こいつら……!!

 

 

「代表の言葉を無視して教室から出てやられた奴らは誰だ?」

 

 

それでも誰も喋らない。

 

 

「なんだよ。劣勢になったら誰も喋らないのか?沈黙し続けるのか?」

 

 

「!?」

 

 

俺は1番暴言を吐いていた奴の胸ぐらを掴んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前らが悪いに決まってるだろうがッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胸ぐらを掴んだ奴を元の位地に投げ飛ばして、俺は叫ぶ。

 

 

「作戦内容を細かく説明したのは誰だッ!適切な指示を出したのは誰だッ!お前らのために頑張った奴は誰だッ!!」

 

 

一度言ったら、次々と言葉が出てくる。

 

 

「舐めてるのかお前らはッ!成績の良い奴を勝手に頼りにして、勝手に期待してッ!最後は勝手に捨てるッ!勝手に批判するッ!人として恥ずかしくないのかッ!!」

 

 

もうぶちギレていた。

 

 

「敗因はお前らだろうがッ!誰がどう見てもお前らだッ!責任転嫁してんじゃねぇぞッ!!」

 

 

俺はAクラスを睨み付ける。

 

 

「他人に罪を擦り付けんじゃねぇッ!それは立派な犯罪だろうがッ!」

 

 

右手が痛い。強く握りすぎて。

 

 

「学年主席や次席の点数はお前らは取れるのかッ!取れねぇくせに何がその程度だッ!お前らはそれ以下だろがッ!!」

 

 

霧島と久保をバカにしやがって。

 

 

「工藤に保健体育で勝てるやつはいるのか?保健体育でFクラスの最強とまともに戦える唯一の存在だろうがッ!!」

 

 

工藤を使えない扱いしやがってッ!!

 

 

「美琴とアリアに散々暴言吐きやがって、何もできないお前らが批判する権利なんざねぇんだよッ!!」

 

 

美琴とアリアをバカにされた時は腹が立った。

 

 

「優子はお前らに作戦をしっかりと教えていたッ!成功したら勝っていたッ!それをお前ら自身が棒に振ったくせに、ふざけるのもいい加減にしろッ!!」

 

 

優子を責めて責めて責めて傷つけやがって……!!

 

 

 

 

 

「これ以上俺の大切な人を批判してみろ。その時は全員ぶっ潰してやるッ!!!」

 

 

 

 

 

俺は叫んだ。

 

 

「だ…ぃ…………き………!!」

 

 

優子は泣いていた。俺は優子を見て、クールダウンする。

 

 

「今ここで反省できる善意のある奴らは土下座して謝って許してもらえ。そしてBクラスでも戦って勝ってこい」

 

 

俺は教室を出ようとする。

 

 

「もう少し自分で何とかしろ。人を頼ってプレッシャーをかけて苦しませんじゃねぇ」

 

 

そう言って教室を出た。

 

後ろからは大きな声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

謝罪の言葉が。

 

 

 

 

 

 




アンケート結果を活動報告に書きました。

感想や評価をくれると嬉しいです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。