どうやら俺はたくさんの世界に転生するらしい【完結】   作:夜紫希

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緋弾のアリアはこれで最後です。

続きをどうぞ。


再び終幕。再び開幕。

「ママッ!!」

 

「アリアッ!!」

 

 

アリアはアリアの母である、かなえさんに抱きついた。

 

松葉杖を両手に持っている俺、遠山、美琴の3人はその光景を眺めていた。

 

そう、かなえさんは今日、釈放されたのだ。

 

 

 

 

シャーロックと戦って、次の日です。

 

 

 

 

 

仕事早すぎんだろ、シャーロックさん。

 

 

「よがっだ、ね……!!」

 

 

美琴、アリア親子と同じくらい号泣してる……

 

 

あの後は遠山たちに救助され、病院に連れられた。診断結果は足とあばら骨が折れてました。シャーロックまじで覚えてろよ……。

 

それと、遠山の兄貴とパトラは姿を消しやがった。愛の逃避行ってやつか?爆発しろ。

 

そして、かなえさんは釈放された。いや、まじで。

 

裁判なんて無かった…。俺もこの状況に追いつけない。

 

 

「あとは親子水入らず、俺たちは帰るか」

 

 

そう言って、俺は松葉杖をつきながら帰っていった。

 

 

________________________

 

 

「ほ、箒」

 

 

「うん」

 

 

通信科の中空知(なかそらち)は赤い糸であやとりを披露する。

 

 

「は、橋」

 

 

「おー」

 

 

「ご、ごじゅうのとう」

 

 

「いきなりレベル上がりすぎだろ!?」

 

 

マジで五重塔だ!!

 

 

「か、かめ」

 

 

「おぉ」

 

 

「う、うちゅう」

 

 

「宇宙だあああああァァァ!!」

 

 

な、何だこれは!?どうなっているんだ!?

 

 

「お、恐ろしいものを見てしまった………」

 

 

「何やってんだ、大樹」

 

 

遠山は俺に声をかける。

 

 

「授業サボってあやとり見てた」

 

 

「何やってんだよ……」

 

 

中空知は何回か一緒に任務をやったことがある。通信機を使うと滑舌がプロのアナウンサー並みに上手なのに、普段はおどおどしている。

 

 

「おおおおおおはようござ#あ%せ$ふ¥じ£こ@???」

 

 

「「落ち着けや」」

 

 

大丈夫かよ……。

 

 

「まぁ本当は別の理由があったからな」

 

 

「別の理由?」

 

 

「単位不足」

 

 

「………あぁ」

 

 

遠山は遠い目をする。

 

そう、俺たちは単位不足なのだ。理由は【警備任務を円滑に継続させるにはいたらなかったから】だそうだ。シャーロック、もう絶対に許さん。

 

 

「俺は怪我人だし、体を動かすことができないしな。簡単な仕事を探して貰っていたんだ」

 

 

「俺にもそれ、やらせてくれないか?」

 

 

「何やるか知ってるのか?」

 

 

「いや、知らねぇけど」

 

 

「一年の奴らの教育だ。先輩としていろいろ教えてやるのが目的だ、分かったかコミュ障」

 

 

「誰がコミュ障だ」

 

 

え、お前だけど?

 

 

「早く決めろ。YesかNoか半分か」

 

 

「半分ってなんだよ。やるよ」

 

 

「ちなみに強襲科の一年な」

 

 

「げッ!?」

 

 

はい、聞かなかったお前が悪いー。

 

 

________________________

 

 

「よーし、それじゃあ射撃してみろー」

 

 

俺の合図で一年生は一斉に射撃する。

 

 

「Eランクが教えていいのかよ……」

 

 

「うるせぇよ」

 

 

「お手本見せてくれよ、先生?」

 

 

遠山は笑いながら聞いてくる。コイツ…!!

 

 

「あ、俺も見たいです!」

 

 

「あたしもー!」

 

 

「ぐッ!!」

 

 

一年生は俺に射撃をしてほしいそうな目で見る。

 

 

「い、いいだろう!」

 

 

遠山は笑っている。ふふふ、今に見てろよ。

 

俺は的の目の前に行き、

 

 

ガキュンッ!!

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【不可視の銃弾】をやってみせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

的はギリギリ端に当たった。

 

 

「はい、しゅーりょー」

 

 

「大樹!お前何やった!?」

 

 

「お前の兄貴の技をパクった」

 

 

完全記憶能力でやり方を見ていたからな。

 

 

ざわざわっ

 

 

一年生は騒ぎだす。好評だったみたいだな。

 

 

「あれが楢原先輩の実力…!」

 

 

「Sランクが束になっても勝てないと言われる人じゃない!?」

 

 

「上の方では2つ名が検討されているらしいぞ」

 

 

「ば、化け物だ…!!」

 

 

訂正。恐れられている。

 

 

「一年、グランド10周」

 

 

「「「「「えぇ!?」」」」」

 

 

「八つ当たりすんなよ…」

 

 

ここでは私が王だ。

 

 

________________________

 

 

「あ、あの!」

 

 

「ん?」

 

 

一年生の女の子が話かけてきた。

 

 

「あの時はありがとうございました!」

 

 

「いや、順番に話さないと分からないんだが……」

 

 

あれ?この子って…

 

 

「間宮か?」

 

 

「え!知ってるんですか!」

 

 

「ああ、アリアの戦妹だろ」

 

 

間宮あかり。アリアの戦妹だ。

 

 

「夾竹桃から解毒を貰い、妹を無事に助けることができました!」

 

 

「ああ、別に気にすんな」

 

 

「それと先輩」

 

 

間宮は少し寂しそうな目をする。

 

 

「アリア先輩を知りませんか?」

 

 

「アリアなら旅行中だ」

 

 

「へ?」

 

 

「聞いてないのか?母親と旅行してること」

 

 

「そ、そうなんですか」

 

 

教えてなかったのか…

 

 

「その内帰ってくるから安心しろ」

 

 

「………はい!」

 

 

間宮は笑顔で答えた。

 

 

「見つけたぞ!!あそこだ!!」

 

 

「今は負傷中だ!!」

 

 

「上勝ちするなら今だ!!」

 

 

あーあ、見つかったよちくしょう。

 

実は先程から追いかけられている。上勝ち。上級生に死闘で勝つことで大手柄を狙ってくる奴が増えた。

 

 

「じゃあな、間宮!」

 

 

俺は片足に力を入れて校舎の二階に飛びうつる。

 

 

 

 

 

が、できなかった。

 

 

 

 

 

「あ、あれ?」

 

 

『聞こえるかのう』

 

 

「うおッ!?」

 

 

頭の中に神の声が聞こえた。

 

 

『お前さん、今、力をだせるかのう?』

 

 

「いや、それが出せないんだ!たった今!」

 

 

『ふむ……………充電切れでは無いのう』

 

 

「ちょっと待てや」

 

 

え?俺の転生特典って充電式なの?

 

 

『ほい』

 

 

ゴッ!!

 

 

「痛ぇ!?」

 

 

頭に衝撃が走った。

 

 

『直らないのう』

 

 

「俺は昔のテレビか!!」

 

 

『すまないが、その転生特典は少し返して貰うぞ』

 

 

「は?」

 

 

『しばらくは完全記憶能力だけで頑張ってくれ』

 

 

「ここがどんな世界か分かるか?」

 

 

銃弾が飛び交う世界なんだぜ?

 

 

『次の転生場所も変えておこうかのう』

 

 

「安全な場所だよ………な……?」

 

 

『それは言わないほうがいいと思うのう』

 

 

や、やめろ………。平和が一番だ……。

 

 

『それじゃあ5日後にまた会おう』

 

 

「ああ」

 

 

………………って

 

 

「ッ!!」

 

 

今転生しないと危ないだが!?

 

俺は後ろを見て、一年生を見る。

 

 

ざわざわっ

 

 

「あの人、ちょっとヤバくないか?」

 

 

「独り言にしては酷いよな…」

 

 

「お、おい。もうやめようぜ」

 

 

また恐れられている。うん、ずっと独り言をいっていたみたいに見えるよな。

 

 

________________________

 

 

「ただいまー」

 

 

帰宅なう。

 

 

「おかえり、大樹」

 

 

うはー。帰ったら嫁がいた。

 

 

「ねぇ」

 

 

「ん?」

 

 

「この前言っていたことなんだけど」

 

 

「異世界か?」

 

 

「うん」

 

 

美琴にはもう次の異世界に行くことを伝えてある。

 

 

「連れていく人、あたしが決めてもいい?」

 

 

このことも教えた。

 

 

「ああ、別にいいよー」

 

 

美琴が居れば俺は幸せだからな!

 

 

 

 

 

うん?

 

 

 

 

 

連れて行く人→友達?親友?→男→彼氏→大切な人→結婚

 

 

 

 

 

「美琴は誰にも渡さんッ!!!」

 

 

「んなッ!?」

 

 

バチバチッ!!

 

 

「ぎゃッ!?」

 

 

俺の体に電撃が流れた。

 

 

「なななな何言ってるのよ!?」

 

 

「うぅ………美琴………行かないでぇ……」

 

 

「ど、どうしたのよ……」

 

 

目から汗がぁ……

 

 

「男を連れて行くのか?」

 

 

「え、違うけど」

 

 

「……………」

 

 

俺はどうやら勘違いしていたようだ。テヘペロ☆

 

 

「で、誰なんだ?」

 

 

「それは秘密よ」

 

 

美琴はそう言って、右手の人差し指を口に当てる。おふう、可愛い。

 

 

________________________

 

 

はい、5日が経ちました。

 

え?5日間は何かあったかって?大人しく家でモ◯スターハンターをやってましたが?

 

 

「よし」

 

 

俺は背中に2本の刀を装備する。これに黒のコートを着たら黒の剣士になっちゃう。

 

 

「腰につけるか……」

 

 

俺は左右に1本ずつ腰に装着した。

 

この刀は装備科の連中に作ってもらった。お金は有り余っているからな。

 

 

「一応これも持っていくか」

 

 

拳銃のコルト・パイソンを服の内側のポケットに入れる。うわッ、もう完全武装だわ。

 

 

「美琴ー、準備できたかー?」

 

 

「ええ、もうできてるわよ」

 

 

そう言って美琴はコインを弾く。

 

 

「なんだ?そのコイン」

 

 

ゲームセンターにあるようなメダルではない。

 

 

「超合金で作られたコインよ」

 

 

「………超電磁砲か」

 

 

「威力が上がって、5倍も遠く飛ばせるのようになったの!」

 

 

「5倍ッ!?」

 

 

やべぇ、ここにもチートがいたわ。

 

 

「ま、まぁとりあえずこの話題は置いといて」

 

 

俺はずっと気になっていたことを聞く。

 

 

「連れていくひ

 

 

ピンポーン

 

 

「はーい」

 

 

「……………」

 

 

タイミング悪くね?

 

 

「大樹!連れてきたよ!」

 

 

「え?」

 

 

そこにいたのは

 

 

 

 

 

「待たせたわね、大樹」

 

 

 

 

 

「アリアッ!?」

 

 

アリアが部屋の中に入ってきた。

 

 

「旅行はどうしたんだよ!?」

 

 

「さっき終わったわよ」

 

 

アリアは俺の目の前まで来て

 

 

 

 

 

「あたしも異世界に連れていきなさい!」

 

 

 

 

 

「えぇ!?」

 

 

「何よ。文句あるの?」

 

 

「やっとかなえさんが戻ってきたのにいいのかよ!?」

 

 

「ママともちゃんと話してきたわ」

 

 

アリアは真剣な目をして言う。

 

 

「確かにママと別れるのはつらいわ。でも」

 

 

アリアは俺の手を握る。

 

 

 

 

 

「ママはこう言ったわ。私より大切な友達のところに行きなさいって」

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

アリアは涙目になっていた。

 

アリアは母親と会えないのはかなりつらいことだろう。

 

でも、俺たちと一緒に行くことを選んでくれた。

 

 

「大樹…」

 

 

美琴は心配そうな目で見てくる。

 

 

「アリア」

 

 

俺は名前を呼ぶ。

 

 

 

 

 

「一緒に来い。俺は。いや、俺と美琴はアリアが必要だ。これからもずっと」

 

 

 

 

 

俺はアリアの手を強く握る。

 

 

「うんッ」

 

 

アリアは笑顔を俺に向けてくれた。

 

 

________________________

 

 

 

俺と美琴とアリアは輪を作って手を繋ぐ。

 

 

(おーい、神様ー)

 

 

『………頭でもぶつけたのか?』

 

 

「バカにしてるのかッ!?」

 

 

「「!?」」

 

 

美琴とアリアがびっくりする。

 

 

「わ、悪い。なんでもない」

 

 

『バカじゃのう』

 

 

(あの時のカッコいい神はどこいった)

 

 

『次の世界なんじゃが』

 

 

(はいはい、無視ですか)

 

 

尊敬して様づけしたことを後悔した。

 

 

 

 

 

『【バカとテストと召喚獣】じゃ』

 

 

 

 

 

「よっしゃあああああァァァ!!!」

 

 

「「!?」」

 

 

「ご、ごめん。そんな目で見ないで」

 

 

『そんなによかったかのう?』

 

 

(平和な世界がやっときたぜ)

 

 

『苦労してるのう』

 

 

(やかましい)

 

 

『それじゃ始めるぞ』

 

 

 

 

 

そして3人はこの世界から消えた。

 





緋弾のアリアはとても長かったですね。

次はあまり長すぎないようにしたいです。10~13話くらい。

感想や評価をくれると嬉しいです。

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