どうやら俺はたくさんの世界に転生するらしい【完結】   作:夜紫希

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続きです。


イカサマされた盤上

「な、なんだこれ……」

 

 

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ! 俺は美琴とアリアと白雪の頭についてるウサ耳の先端で俺の目に突き刺さし、しばらく目を開けれなかったんだ。だが次に目を開けた瞬間、

 

 

 

 

 

人間と真っ黒な犬男の戦いが繰り広げられていたんだぜ!

 

 

 

 

 

マジです。いや何あの黒いの。あ、パ◯ドラで見たことあるわ。アヌビス?だっけ。

 

 

「気をつけろ!!10コンボすると攻撃力が10倍になるぞ!!」

 

 

「何言ってるんだお前!?」

 

 

遠山は驚愕する。あ、パ◯ドラ関係ないか。

 

 

「大樹さん、頭を借ります」

 

 

「はぁ!?肩をつか

 

 

ガキュンッ!!

 

 

「えぐッ!?」

 

 

頭に強い衝撃が襲いかかり、舌を噛む。レキさん……ひどい……。

 

俺の頭を使って狙撃した銃弾は犬男の額に当たり、後ろに倒れる。

 

 

「今よ!!」

 

 

ガッガキュンッ!!ガキュンッ!!

 

バチバチッ!!

 

 

アリアの合図でアリアと遠山は射撃。美琴は電撃を飛ばした。

 

そして、犬男に命中する。

 

 

 

 

 

だが、サァッと犬男は黒い砂になった。

 

 

 

 

 

「ど、どういう事だよッ………!」

 

 

遠山は不可解な現象にイラつく。アリアと美琴の表情も険しかった。

 

 

「あれは?」

 

 

俺は砂になった犬男を見る。

 

 

カサッ

 

 

砂の中から黒いコガネムシが出てきた。

 

 

「皆、あの虫に触れちゃダメ!!呪われちゃう!!」

 

 

白雪が叫んで呼び掛ける。

 

 

「はぁ?ただの虫じゃないか」

 

 

「いいから無視しようぜ。虫だけに」

 

 

「「「「「……………」」」」」

 

 

そんな目で見ないでぇ!!

 

俺がアホな発言をしている間に、虫は逃げるように窓から外へ逃げて行った。

 

 

「終わりか?」

 

 

「まだです」

 

 

遠山の答えをレキは否定する。レキは天井に向かって銃を構える。

 

 

「………!?」

 

 

遠山は天井を見て驚愕する。

 

 

 

 

 

天井には先程と同じような犬男がウジャウジャと何十人も張り付いていた。

 

 

 

 

 

「き、気持ち悪ッ……!!」

 

 

俺は思ったことをそのまま口にする。やべぇ………あれとは戦いたくない。

 

 

「もう、何なのよ……」

 

 

美琴があまりの気持ち悪さに少し泣きそうになっていた。……………ブチッ。

 

 

 

 

 

「てめぇら全員血祭りじゃあああああァァァ!!!」

 

 

 

 

 

ドガッ!!

 

 

ガシャアアアンッ!!

 

 

俺は近くにあったテーブル状のルーレット台を蹴り飛ばして、天井に張り付いていた黒いスパイダーマン。もとい犬男にぶち当てた。

 

約半分は砂になり、中から虫が飛び出した。

 

 

「「「「「ッ!」」」」」

 

 

残りの奴らは降りてきて、武器を構える。斧、槍、剣などいろいろ持っている。

 

 

「6匹………いや、6人か」

 

 

ちょうどだな。

 

 

 

 

 

「It's show time 」

 

 

 

 

 

ガッガッガッガッガッガキュンッ!!

 

 

音速で犬男に近づき、ブラド戦で使ったデリンジャーを使った。一瞬で6人の頭の額を銃弾で撃ち抜いた。

 

 

そして、6人は砂になる。

 

 

「「「「「……………」」」」」

 

 

五人は大樹を見て、驚愕する。

 

 

「人間じゃねぇ」

 

 

「知ってる」

 

 

遠山の言葉にもう肯定し始めた俺。うん、もう開き直ろう。

 

 

「大樹!!」

 

 

アリアが俺の名前を叫ぶ。

 

 

「上!!」

 

 

「ッ!?」

 

 

上にまだ一人いた。犬男は刀のような長い剣を持っており、 俺に向かって切りかかった。

 

俺は後ろに飛んで避ける。

 

 

(え?)

 

 

 

 

 

しかし、俺の体は動かなかった。

 

 

 

 

 

スローモーションで犬男が俺に切りかかってくるのが分かる。だが体が動かない。

 

 

 

 

 

「大樹!!」

 

 

ガキュンッ!!

 

 

「ッ!」

 

 

アリアの射撃で犬男が吹っ飛ぶ。

 

 

「あ……」

 

 

俺の金縛りのようなモノが解け、動けるようになった。

 

 

「大丈夫か!?」

 

 

「あ、ああ……」

 

 

遠山が駆け寄ってくる。

 

 

「どうしたんだよ、お前」

 

 

「悪い、迷惑かけた。ありがとう、アリア」

 

 

「別にいいわ。それより」

 

 

アリアは犬男を見る。砂にはまだなっていない。

 

 

「オオォォォォォォン!!」

 

 

犬男は遠吠えをし、武器を放り捨てて逃げ出した。

 

 

「追うわよ!」

 

 

「ま、まてアリア!!」

 

 

アリアの後を遠山は追いかける。

 

 

「……………」

 

 

何故さっき体が動かなかった。

 

 

「大樹」

 

 

俺は一体どうしたんだ……

 

 

「大樹!!」

 

 

バチバチッ!!

 

 

「うぐッ!?」

 

 

俺の体に電気が流れた。ピリピリとした痛みが全身に回った。

 

 

「さっきから呼んでるでしょ!」

 

 

「ご、ごめん」

 

 

美琴がさっきから俺を呼んでいたそうだ。完全にぼーっとしていた。

 

 

「白雪と美琴の二人で水上バイクでアリアたちを追いかけてくれ」

 

 

俺は二人に指示を出す。

 

 

「待って、この中には黒いのはもう居ないの?」

 

 

「…………うん、大丈夫だよ。蟲人形(むしひとがた)はもう居ないみたい」

 

 

美琴の質問に白雪が建物の中に居るかどうか超能力で調べ、居ないと分かった。

 

 

「レキは俺と一緒に来い」

 

 

コクッとレキはうなずく。

 

美琴と白雪は水上バイクに乗りに向かう。

 

 

「レキ、いつでも狙撃できる準備をしろ」

 

 

「わかりました」

 

 

そう言ってレキは二秒ほどで準備を済ませる。

 

 

「こっちだ」

 

 

俺はレキと外に出る。海にはさっきの犬男が四つん這いになって、なんと海の上を走っていた。

 

レキは狙撃しようとするが、

 

 

「まだだ」

 

 

俺は手を横に出してそれを止める。

 

 

ブオオオオォォォ!!

 

 

右の方からアリアと遠山が乗った水上バイクが現れた。

 

 

ガキュンッ!!

 

 

遠山は犬男のかかとに命中させる。犬男はこけて、海に沈んでいった。

 

 

「レキ、構えろ」

 

 

俺はレキに言う。

 

 

「あの船が見えるか?」

 

 

「…………!」

 

 

さすがのレキも眉が少し動いた。

 

あれは現代では見ないような船だ。

 

 

「あの船に狙撃銃を持っている奴は?」

 

 

「一人います」

 

 

「よし、アリアたちが撃たれるまえに仕留めろ」

 

 

「はい」

 

 

レキは集中する。そして

 

 

ガキュンッ!!

 

 

撃った。

 

 

ガッ

 

 

銃弾は狙撃銃を持っていた女の額に当たった。

 

女は犬男と同じように砂になる。

 

 

「よし、さすがだな」

 

 

「大樹さん」

 

 

「ん?」

 

 

「何故船が待ち伏せすると分かったのですか?」

 

 

原作を知ってるから。………言えねぇ。

 

 

「遠吠えだ。あれで仲間に知らせたと考えたんだ」

 

 

うん。適当に言っておいた。二秒で考えた言い訳。

 

 

「さすがですね」

 

 

「お、おう」

 

 

ほ、誉められたよ。

 

 

「レキはここじゃない場所で狙撃して援護してくれ」

 

 

「大樹さんは?」

 

 

「俺はあの船をぶっ壊してくる」

 

 

あ、一ついい忘れてた。

 

 

「レキ、十分以内にはこの建物、ピラミッドから離れろよ」

 

 

俺はレキに注意しておいた。

 

 

________________________

 

 

【遠山視点】

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

俺は犬男を倒した後、目の前に船が現れた。金や銀で飾られた船体。現代の船ではないことは一目瞭然。

 

 

「キンジ!」

 

 

アリアが俺の名前を呼ぶ。

 

 

「さっきの奴らよ!」

 

 

船にはさっきの犬男が何人もいた。

 

 

カチャッ

 

 

「くッ」

 

 

犬男は銃口をこちらに向けてきた。

 

 

 

 

 

「させないわよ!」

 

 

 

 

 

バチバチッ!!

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

後ろから電撃が飛んで来て、犬男たちに直撃した。

 

 

「キンちゃん!」

 

 

美琴と白雪が応援に駆けつけてくれた。

 

 

「うおおおおおォォォォ!!!!」

 

 

その時、大樹の声が聞こえた。

 

 

 

 

 

大樹は上から飛んで来た。誤字はない。

 

 

 

 

 

ザシャアッ!!!

 

 

そのまま海に沈み、

 

 

「ぷはッ!」

 

 

あがってきた。

 

 

「あんた一体どこから来てるのよ!?」

 

 

美琴が驚きながら大声をあげる。

 

 

「飛んできた、以上。それより船に乗り込むぞ」

 

 

もうめちゃくちゃだな。

 

俺たち5人は船に乗り込む。

 

 

「派手にやってくれたのう。小僧」

 

 

船の奥からおかっぱ頭の女性がいた。エジプトの女王。そんな雰囲気をかもしだしていた。

 

 

「ッ!?」

 

 

俺が驚いたのは女性ではない。その後ろにいる人物。

 

 

 

 

 

漆黒のコートを着ている兄さんがいた。

 

 

 

 

 

「兄さん……!」

 

 

兄さんは何も喋らない。

 

 

「妾の計画をよくも邪魔をしてくれたのう」

 

 

「ああ、もしかしてこの幼稚園児レベルの作戦のことか?」

 

 

大樹はニヤリと笑みを浮かべながら女性を挑発する。

 

 

「なんぢゃ………妾を愚弄するのか」

 

 

「落ち着け、パトラ」

 

 

兄さんはここにきてやっと口を開く。

 

 

「1,9タンイだったか?それに釣られたくせにそのような生意気なことを言えるのう」

 

 

「ふっ……」

 

 

大樹は笑っていた。

 

 

「だからお前は幼稚園児レベルなんだよ、パトラ」

 

 

「………なんぢゃと?」

 

 

「お前は俺たちに向かって餌をぶら下げていたけどよぉ」

 

 

大樹は笑みを浮かべて言う。

 

 

 

 

 

「サメを釣るとかバカなんじゃないの?」

 

 

 

 

 

ザシャンッ!!!

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

船の横から魚雷のようなモノが3つ浮かんできた。

 

 

「それは……!」

 

 

兄さんが驚く。

 

 

海水気化魚雷(スーパーキャビテーション)だ。お前らイ・ウーなら当然知ってるだろ?」

 

 

パカッ

 

 

魚雷の上に付いてる蓋が開く。

 

 

「やっほー、りこりんだよー!」

 

 

フリフリのフリルだらけの制服を着た理子が出てきた。

 

 

「ちょうどいい時間だな」

 

 

その隣は銀色の甲冑を着たジャンヌ。

 

 

「これが【太陽の船】ね……」

 

 

そして最後に武偵高校の女子生徒の制服を着た夾竹桃が出てきた。

 

 

「ちなみにあそこからはレキが狙撃準備してるから」

 

 

そう言って大樹はカジノの方を指差す。

 

 

「9:2だ。降参するなら今のうちだぜ?」

 

 

大樹は悪魔のように笑みを浮かべる。悪だ。悪者がいる。

 

 

「ナラハラダイキ。哀れじゃのう……」

 

 

「はぁ?」

 

 

大樹は「なに言ってるんだ、こいつ」みたいな顔をする。

 

 

「妾はあの神殿型の建造物が有る限り、妾の力は無限大ぢゃ」

 

 

「………まさか!?」

 

 

パトラはピラミッド型のカジノを指差す。大樹は驚く。

 

 

 

 

 

「永遠に超能力を使えるというのか!?」

 

 

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

大樹の発言にみんなが驚く。

 

 

 

 

 

「まぁ知ってるけど」

 

 

 

 

 

「「「「「はぁ!?」」」」」

 

 

さらに驚く。お前、マジで何者だ。

 

 

「対策くらいしてるさ」

 

 

大樹は咳払いをする。

 

 

「こちらスネ◯ク。起動してくれ、理子大佐」

 

 

「りょーかいッ☆」

 

 

理子は携帯電話を取りだし、画面を操作する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴオオオオオォォォォ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピラミッドの上の角が爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「んなッ!!??」」」」」

 

 

「なんぢゃと!?」

 

 

「……………!?」

 

 

全員驚いていた。あの兄さんでさえも目を見開いて驚いていた。理子と大樹は敬礼していた。

 

ピラミッドはピラミッドでは無くなった。

 

 

(全部分かっていたのか!?)

 

 

パトラと兄さんが襲撃しに来ることも。

 

 

(本当に何者なんだ……大樹は……!?)

 

 

大樹は笑みを浮かべている。

 

 

「これで無限大の力では無くなったな」

 

 

大樹は両手を広げる。

 

 

 

 

 

「さぁ!!正々堂々戦おうぜ?」

 

 

 

 

 

悪じゃない、ゲスがいた。

 

 

 

 

 




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