ハヤテのごとく!~another combat butler~   作:バロックス(駄犬

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第48話~夢の中でさ、会ったような~

「お誕生日おめでとうございます・・・ヒナギクさん」

 

「へ? ハヤテくん?」

 

ちょっと読者の皆さんの思考を当ててみよう。 ずばり、読者のみなさんは次に・・「なんだこの展開は・・」と言う。

 

「ヒナギクさんの16歳の誕生日、どんなプレゼントがいいかずっと考えていました・・・」

 

ヒナギクの目の前に現れたのは様々な種類の花束を手に持ったハヤテだ。

 

「そりゃどうも・・・」

 

と素っ気なく返すが、反面顔を少しだけ赤くなる。 嬉しさは隠せない。

 

「そして考えた結果・・・」

 

がしっ。 とハヤテの両手がヒナギクの両肩に優しくかかった。 そしていつになく真剣な表情、かつ笑顔を浮かべるハヤテはそっと顔を近づけ・・・

 

「僕からのプレゼントは・・・」

 

「え?」

 

距離はだんだんと近づくにつれて、その心音は高ぶりを隠せないでいた。 しかしその心の隅で彼女は思う。 

 

この突発的な展開、そしてデジャヴュ。 

 

 

そして決定的な瞬間に彼女は悟った。 これは・・・夢なのだと。

 

「なんて頭の悪い夢を見てるんだ私は……」

 

ベッドの上で目を覚ましたヒナギクは溜め息をつきながらその日の朝を迎えた。

 

 

 

 

 

―最近、私には気になる男の子がいる。

 

 

毎晩毎晩私の夢の中に現れて、私はその子の事が気になっている。

 

 

そのせいで仕事もうわの空。

 

もしかしてこれは・・・この気持ちは・・・・

 

 

第48話~in my dream~

 

 

 

 

 

 

「だーーっ!! また負けたーーーーっ!!」とある一室、ナギの悔しそうな声が響く。 ここは前回の話にでてきた会議室。 

 

「さて、みんな集まったようだな」

 

教卓の上でバンと唯子が手を教卓に叩きつけて注意を引く。

 

「スイマセン唯子さん、僕たちはなんで呼ばれたのか分からないんですが・・・」

 

「そうそう、いきなり『放課後に集まってほしい、来なければ君の帰り道は恐怖で満ち溢れることになる』なんて言うから帰ろうにも帰れねぇじゃねーか」

 

そんな脅され方をされたのか、と恐怖するハヤテ。 そう、テルもハヤテもナギもこの会議室に呼ばれたのだが、今日は変わった顔ぶれもある。 

 

いつもの3馬鹿、もとい、生徒会3人組の美希や理沙、泉もいた。

 

「せんぱーい、私達ってなんで呼ばれたんですかー?」

 

泉が手を上げて言う。お前ら生徒会の仕事はどうした。 そんな突っ込みのタイミングを無視して、唯子が答える。

 

「ふむ、君たちをここに呼んだのは重要なことを伝えるためだ。 君たち、3月3日は何の日か知っているかな?」

 

「3月・・・」

 

「3日・・・?」

 

「必中、ひらめき、不屈、熱血、努力、幸運・・・これで負けるはずがない・・・」

 

ハヤテとテルはお互いに顔を見合わせて唸る。 ナギに至っては最近買ったPSPのゲームを熱心にプレイしており、聞く耳をも持たない。

 

だが、3人組だけは思い出したかのように声を上げていた。

 

「あーっ!」

 

「ヒナちゃんのーっ!」

 

「誕生日だーっ!」

 

美希、泉、理沙と順に声を上げる。 相変わらずコンビネーションは抜群である。 

そうだったのか・・・と改めて驚くハヤテとテルである。

 

「そこでだ。 彼女の為に、プレゼントを用意してやろうと思う。 日ごろの感謝を込めてだ・・・特に生徒会の3人組はな」

 

笑顔を途端に変えて、凛とした表情で3人組を見る。 

 

「君たちは毎度の事ながら仕事をサボっているだろう。 特に泉君」

 

「へ?」

 

「君は学級の報告書を毎回サボっているせいで、ヒナギク君の負担を増加させているそうだな?」

 

「そ、そうなのか泉!」

 

「この薄情者ーーーっっ!!」

 

「ええええええ!? なんで私だけーーっ!?」

 

泉は突然、裏切られたかのような状態になる。 

 

「そこの二人もだサボりの常習犯。 ほとんどのヒナギク君のストレスの原因は君たちと雪路によるものだ」

 

きっぱりと言い切る唯子。 確かに、今回の呼び出しの間にも話の中心であるヒナギクは3人の仕事を驚異的な速さで消化しているのだ。

 

「用意すると言っても、何を用意すればいいのかが問題だな・・・」

 

「そうですね。 いったい何を用意すればいいんでしょう?」

 

「ガアアアアア!! なぜ勝てん! このMAP難しすぎるだろ!!」

 

ドゴッ!

 

「ギャアアアアアア!!」

 

テルとハヤテが頭を悩ませる中で隣のナギはPSPに自身の怒りを何故かテルにぶつける。

 

「私も悩んでいてな・・・だからこうしてヒナギク君の誕生日のプレゼントを皆で考えようと思ったのだ」

 

唯子も悩んでいたのだろう。 ヒナギクのプレゼント、簡単そうで難しそうだ。

 

 

 

その話題の中心にいるヒナギク。 仕事を終わらせてふぅ~と息をつきながら教室までの道のりを歩いていた。

 

「はぁ・・・どうしてこうあの子たちは手伝ってくれないのかしら・・」

 

勿論、そのあの子たちというのは生徒会の3人組だ。 こちらは人には言えないような悩みを抱えて仕事がなかなか捗っていないというのに。

 

「この際あの子たちにははっきりと言った方がいいのかもね・・・」

 

と怒りを押さえながら、早速説教するための内容を考えていると。

 

「うーん、しかし難しいですね・・・」

 

「そうだな~難しい」

 

と聞きなれた声が聞こえてきた。

 

(あれ、今のハヤテくんと唯子さんの声じゃ・・・)

 

と、通りかかった一室から聞こえた声にヒナギクは足を止めた。

そして、ドアに近寄り少しの隙間から室内を見渡す。

 

(な、なんであの子たちが一緒に?)

 

中に泉や美希、理沙の姿を見てヒナギクは疑問を思っていた。 さらにテルやナギなども一緒にいるため、状況がさらに分からなくなる。

 

「ま~ヒナギクさんがプレゼントされて喜ぶものですよね~」

 

(え・・・まさか、誕生日の?)

 

ハヤテの一言にヒナギクは考える。 3月3日、そうだ確かその日は自分の誕生日。

 

「かわいいぬいぐるみとか良いと思ったんですけど」

 

(えー? えー? ぬいぐるみってーちょっとうれしいかも・・・)

 

そのぬいぐるみを想像して、期待に胸を膨らませるヒナギク。 だがそんな気持ちも次のハヤテの一言で一瞬で崩れ去る。

 

「ほら、ヒナギクさんって子供っぽいところあるじゃないですかー」

 

「あーあるね」

 

ピキン。 と背後のガラスにひびが入るイメージだ。 

 

「バラとかどう? そういうのだったら喜ぶかも」

 

「いやいや、案外うっかりさんだからトゲで怪我しちゃうかもだぞ」

 

「なら私は彼女に白百合の花を贈ろうではないか・・」

 

フフフ・・・と笑みを浮かべながら唯子が答える。

 

「メリケンサック」

 

「テルさん、後でどうなっても知りませんよ?」

 

「木刀」

 

「お嬢様・・・」

 

とテルとナギの危険な発言にハヤテは冷や汗。 するとそれに賛同するかのように美希がつぶやいた。

 

「たしかに、あの声でボクシンググローブなんてつけてたら完璧な大○ 涼子だからな・・・」

 

「黒いセーラー服着させて髪をいじればいけるかも」

 

「ちょっと、みなさん! 真剣に考えてくださいよ! 本人が居たらどうするんですか?」

 

とハヤテが慌てて真剣に考えるように言うが、その本人が既に扉の向こうにいるという事実。

 

「まぁ、なんだかんだで見た目は女の子、でも中身は実質男の子みたいなもんだし・・・」

 

「誰が実質中身は男の子ですって?」

 

と、その発言に耐えきれなかったヒナギクが中に入ってきたことにより、一同は慌てて騒ぎ出す。

 

「うわ、ヒナ!」

 

「ち、違う! 今のはカルガモのヒナの話で・・・!!」

 

「嘘言いなさい嘘をッッ」

 

ブォン! とその手に竹刀を構える。 それを見た唯子が叫んだ。

 

「いかん! みんな、今日は撤収だ!!」

 

「「「了解!!」」」

 

「え、ちょ!? なに!?」

 

わーわーと子供のような声を上げながら一同は一目散に逃げていく。 

唯子は窓から飛び降り、その他は反対側の扉から逃げて行った。

 

「まったくもう・・・仕事をさぼって何してるかと思えば・・」

 

ふぅとため息をついてしまうが満更でもなかった。 秘密にしながら自分に対してこういうことを考えてくれることがなによりも嬉しかった。

 

だがその裏で、やはり去り際にハヤテの方に目が行ってしまう。 何かを気にしているのだ。

 

何かを・・・・。

 

 

 

そして次の日・・・の放課後。

 

(またしても現れたわね・・・)

 

朝の出来事を改めて思い出すヒナギク。 流石に何日間か続くと自分は変なんじゃないかと思ってくる。

一人考えながら学校の道をトボトボと歩く。

 

(夢にまでみるのはどうかと思うが・・・気にしているのは確かだ)

 

(そして気になる点があるとするなら・・・あの一点・・・だと思う)

 

---親が子供に借金を押し付けて逃亡。

 

前に、友人の美希から聞いたことがある。 ハヤテのその素性を。

 

そしてその情報からヒナギクは一つの過去を思い出していた。

 

『ねぇお姉ちゃん・・・お父さんとお母さんはどこ?』

 

その問いに当時小さかったころの自分は確か姉に聞いたはずだ。 だが姉は答えてくれず、自分はひどく不安に駆られていたということは覚えている。

 

(気になっている事にわけがあるなら・・・)

 

そうして考えていくうちにどんどん考えが偏っていく。 しかしそんな時だった。

 

「あれ? ヒナギクさんじゃないですか?」

 

「あ・・・」

 

振り返らずとも、分かる。 声からして確実にハヤテだった。 だからなのだろう。 

ヒナギクは振り返ると同時に、ファイティングポーズを構えていた。

 

「へ?」

 

と驚くのはハヤテ達である。 ナギやテル、唯子もそこにいたが、どうした?という表情だ。

 

急に自分が何をしているのか分からなくなったヒナギクは苦悩の末に一言。

 

「わ、私の背後をとるとは・・・やるじゃない」

 

「どこのゴルゴですか・・・それは」

 

ハヤテが冷静に突っ込んでくると、ヒナギクは構えを解いた。 

 

「それにしてもあなたたちにしては帰りが遅いじゃない」

 

「ええ、お嬢様と唯子さんが自室で僕とワタル君とテルさんに勉強を教えていたんですよ」

 

「フッ・・・テストか」

 

とその単語に反応したのはテルだ。 

 

それを気にすることなく、ヒナギクは続ける。

 

「え、勉強って・・・試験の?」

 

「はい、まさかあんなに難しいなんて思いもしませんでした・・・ハハ」

 

なんということだ。 確かに期末試験が近いのは分かっている。 そんな忙しい時期に昨日はプレゼントの話をしていたのか。

 

「だったら私のプレゼントの話なんてしてないで帰って勉強・・・しなさいよ。 無くったって別に大丈夫なのよ?」

 

嬉しさ反面、本人の大事な試験の期間を費やしてまで考えることではないと思ったか、すこし突っぱねる感じで答えるヒナギク。 ハヤテはへらへら笑いながら返す。

 

「いや、でもホント白皇の問題がこんなに難しいとは思わなくて・・・難しいってしったのも最近ですし・・・」

 

「あそこまでできないとは正直驚いたぞ」

 

「右に同じく。 特にこっちに関しては・・・」

 

ナギの言葉に続くように唯子がテルに視線を向ける。 テルは燃え尽きた真っ白な灰のような状態だった。

 

「フゥ・・・テストか」

 

とその言葉にはまるで生気が感じられない。

 

「またもう特訓する羽目になるかしら・・・ってハヤテくん、そんなんでテスト大丈夫なの? マズいんじゃないの?」

 

白皇の試験は難しい、問題文が英語だったり、そのレベルはもはや鬼。 テルや、ハヤテにとっては危ないものだろう。

 

「えー。 ほんとですねぇ~、全然大丈夫じゃなくて・・・どーしましょー?」

 

「・・・・・」

 

分かっている。 分かってはいたのだ。彼がこういう性格なことくらいは。

しかし、危機感というものがまったく感じられない。

 

「いや、どーしましょって・・・

 

(なんで私は毎晩、この人の夢を見るのかしら・・・

 

その時だ。ヒナギクの中で沸々と怒りが込み上げてきたのは。

 

(夢でうなされ、気を取られ・・・頭を悩ませているといのにこの人は・・・ッッ)

 

「「「~~~ッッッ!?」」」

 

その場にいたハヤテ達はヒナギクの体から醸し出される怒りのオーラに身の危険を感じていた。

 

(もう少し・・・シャキッとしなさいよシャキッと!!)

 

今なら、霊感ゼロの人たちでも分かるかもしれないその怒りのオーラに一同は身を震わせた。

 

(お、お嬢さま! なんですかあの後ろにあるオーラは!? サイヤ人とかが出すオーラによく似てるんですけど!?)

 

(いやハヤテ、どう見てもディストーションフィールドじゃないのかアレ?)

 

(いや、待てよナギ。 あれは螺旋エネルギーだ・・・ヒナギクは螺旋の民だったんだよ!)

 

(二人とも、そこはATフィールドって言った方が読者には分かりやすいのではないのでしょうか?)

 

(そんな事より執事くん、君はヒナギクくんに何かした記憶はあるのか?)

 

 

(した覚えはないですがしたのかも知れません!したような気がします! いや!きっとしたに違いありません!)

 

(なんと!そんなことが……ッ)

 

「とにかく! 私のプレゼント選んで落第したら許さないわよ、分かった?」

 

 

「は、はい……」

 

物凄い剣幕で怒鳴り散らすと、ヒナギクはその場を去っていった。

 

「……お嬢様」

 

「なんだハヤテ?」

 

「これは僕の勘なんですが、このままではマズい気がするんですよ」

 

「まぁそうだな……」

 

「ちょっと僕…謝ってきてもいいですか?」

 

「「「いや、別にいいけど……何を?」」」

 

真剣な表情で聞くハヤテに一同が同じ言葉を発した。

 

「わ…分かりません……分かりませんが…」

 

しばしの沈黙の後、ハヤテは拳を握りしめる。

 

「男として何を謝るかは……!! 土下座してから考えます!!」

 

まるでこれから爆弾を抱えて敵地を駆けるかのような勇ましい姿。

 

 

しかし、物凄いカッコ悪いことを言っている。

 

 

「まぁ…傷はどれぐらいの物か分からんが、謝るのは大切だ。もっとも、取り返しのつかないことなら意味はないが……」

 

「……アンタ、スゲェ勘違いしてるだろ?」

 

ぶつぶつと違う方向の展開を考えていた唯子にテルが突っ込んだ。

 

 

 

 

 

(やっぱりこれは私の思い過ごしよ! 私がハヤテ君の事が気になっているなんて事、あるわけないわ)

 

軽い足並みで道を歩くヒナギク。

 

しかし、そんな考えとは裏腹に一つの気掛かり。

 

 

『お父さんとお母さんは?』

 

 

(いや、気になっていることがあるとすれば一つだけ――)

 

「ヒナギクさん!!」

 

突如背後からの声に振り返ると、そこにはハヤテがいた。

 

「綾崎君?」

 

「あ…と…えっと……その…」

なにやらハヤテは言葉が詰まっている様子。

 

なら、先ほどの疑問をハヤテにぶつける。

 

「ねぇ綾崎君…一つだけ聞いていい?」

 

 

「へ? なんですか?」

 

といきなりの質問され、ハヤテは首を傾げる。

 

「あなたの…ご両親の事なんだけど………」

 

ハヤテの両親、ハヤテに莫大な借金を押し付けたその親の事。

 

 

「ご両親が借金を押し付けて居なくなった時……どう思った?」

 

 

「へ? いや…どうって……酷い親だな~って…」

 

割と考える事はなく、きっぱり言った。

 

「子供捨てるなんて人として最低だし……こんなろくでなし、他にいないっていうか……」

 

確かに、その境遇は他人から当事者からの目からでもそういった見解に至る。

 

 

「ま、人間失格ですよぬ。 人間……」

 

「理由が!!」

 

だが、非はあるのは明らかでも、ヒナギクはその見解に納得できていなかった。

 

「理由があったんじゃないかって…思わなかった?」

 

「理由……ですか?」

 

「そうよ! あんなに優しかったのに突然いなくなるなんて…! 何か仕方ない理由が…!理由が…!」

 

 

何時もより口調が強くなっている自分がいる。 認めたくないのだ。 あの日の出来事を……

 

「はは……そんなのないですよ。 あったとしても…逃げた事には変わりないですし……」

 

 

ハヤテがそう答えるのは当然だろう。 ハヤテの両親も彼には酷い事をしたのだ。

 

「そうね……」

 

言葉は納得したように返したが、内心は出来ない。

 

「ごめんなさい…変な事聞いて…」

 

ヒナギクは、目の前の少年にどんな答えを期待したのだろう。

 

 

聞いた所で…仕方ないのに……

 

 

そんな寂しげな表情の彼女を見たハヤテはさらなる危険を感じていた。

 

何かを言わなければ、もう何もかもが終わってしまう予感が少年にはした。

 

だから!

 

 

「ヒナギクさん!!」

 

「へ? な…何?」

 

呼び止めた時とは、また違う気迫を持って迫るハヤテにヒナギクはたじろいだ。

 

「え!? あのッ…そのッ…でッ!! ですから…ッ!!」

 

「ですから?」

 

ハヤテはいざ思いを口にしようとするが、なかなか言葉がでない。

 

 

だが言わなくてはならないのだ。 何かを……。

 

(僕が言うべき事!僕がここで言うべき事!!土下座ではなく、今!!ヒナギクさんに言わなくてはいけない事!!それは――!!)

 

意を決したハヤテはその真剣な瞳でヒナギクを見つめ、言った。

 

 

「クジラとイルカの違いは……大きさだけなんですよ」

 

 

「………」

 

しばしの沈黙。

 

「だから何?」

 

言うべき事はトリビアではなかった。

 

「え!? いやだからその!! 励まそうと思ったんですけど……!!」

 

「励ます手段が豆知識なんだ」

 

「はうう! そんな人が殺せる冷たい視線を浴びせないでください!」

 

自分の言葉が凄い恥ずかしくなったか、ハヤテは顔を赤らめるのを必死に両手で隠す。

 

 

(気になるわけはなんだろ……)

 

「ま、プレゼントは楽しみにしてるわ」

 

今、この場で明確にするのが馬鹿らしくなる。

 

何故か彼を見ているとだ。

 

そんなことさえ、どうでもいい気がしてきた。

 

 

「じゃ、今日はこれでねハヤテ君」

 

「え、あ……はい…」

 

急に振り返ったかと思うとヒナギクの表情晴れやかだ。

 

そして何事もなかったように笑顔で去っていく。

 

 

 

 

「んで、結局何だったんだハヤテ?」

 

「テルさん、コレ多分死亡フラグです……」

 

「マジか」

 

「僕、何かしたんですかね?」

 

「それは多分……」

 

「多分?」

 

「次回にならなきゃ分からない!」

 

 

 

という訳で次回に続くッッ!!

 

 

 




後書き

このヒナ祭り篇は多大なオリジナル要素をふくんでいます。これ原作とちがくね? みたいなことがあるのでご了承ください。

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