ハヤテのごとく!~another combat butler~   作:バロックス(駄犬

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どうも、そろそろ一ヶ月更新の約束を一週間オーバーしてしまったバロックスです。 晴らし人よりこっちを、と思っている読者の皆さん、お待たせしました。 読んでくださっている皆様に大きな感謝を。

短めな内容ですが、今回は意外な組み合わせですのでそこらへんを楽しんでいただければ。と思います。



第118話~ハヤテ、昔話をさせられる~

 三千院家の執事、綾崎ハヤテは真夜中の0時を過ぎているというのに未だに起きていた。 月の光が部屋へ差込み、小さく風が窓を揺らす音が響く中で彼は部屋にて問題集とにらめっこだ。

 

 

「・・・ねむい」

 

頭で考えるより、口が勝手に喋ったような感覚だった。これが直感だというのだろうかとハヤテは再び問題を見据える。

 

 

 

 

さてさて、完璧超人でもあるこの執事がなぜにこんなに疲れていたか。 理由はいつものごとくお嬢さまであるナギ絡みによるものである。

 

 

 

――――そろそろ季節だ、ウナギを食べたい!

 

 

全てはこの一言から始まったと言っていい。

 

 

季節もなにもまだ四月だというのに何故かナギはウナギを食いたいとせがんできた。 いつもの無茶のようだが今回は桁が違った。

 

 

 

「まさか浜名湖に行かされるなんて・・・」

 

 

ちょうどテレビにて、なぜかウナギの話題が上がっていたのがいけなかった。 元気になるだの、発育がよくなるだのとそういった謳い文句にナギが釣られるのはよくあることだ。

 

 

ソファにて眼を輝かせたナギがハヤテを見て、「ハヤテ、お前に採集クエストに行ってもらおう」と言われた時点でせっかくの日曜日が潰れると確信した。

 

 

とはいえ主の依頼、クエスト報酬はまともに払ってもらえないだろうが命令とあらば動くのが執事だ。 その日の朝食後大事な仕事の為に彼は出陣するのだが、問題が発生する。

 

 

 

 

 

『大型台風接近のお知らせ、水のあるところにいくと死にます』

 

 

 

なぜに来た台風よ。 こんな時期はずれになぜきた。 そしてなぜ今なのか、ハヤテは心底、自分の運のなさを呪った。

 

 

特に、浜名湖辺りに行く人は要注意というキャスターの言葉に身を震わせたのは間違いはない。 そのニュースを聞いて我が主は

 

 

『あなたなら、できるわ』

 

 

お世辞にも似てるとは言えないセイラ・マスが肩に手を置いて、屈託のない笑顔で言った。

 

 

だから彼は行った!

 

 

降りしきる豪雨の中、自転車で浜名湖に! しかし現場、まるで激流! ダイダロスのうねりのような水が暴れる浜名湖、入れば99%は『死』あるのみ!

 

 

 

『激流を制するは静水』・・・世紀末兄弟の次兄がそんな事を言っていた事を思い出して彼は飛び込むのだ。 我が主の笑顔の為に。

 

 

 

 

 

 

とまぁ、こんな事もあって彼は夕方程に帰ってきたばかりなのだ。 疲れているのは当然なのである。

 

 

・・・でもまぁ、お嬢様が喜んでいたのなら、いっか。

 

 

ペンを走らせて、彼は釣り上げた(手で掴んだ)10M近くある巨大ウナギを見た屋敷でのナギの笑顔を思い出す。 隣に居たマリアや黒羽も驚愕していた。

 

 

しまいに白銀からは。

 

 

『さてはお前、石仮面でも被ったか』

 

と言われる始末。 

 

 

 

 

一応、その功績を称えられて夕方以降はお暇をいただくことが出来たのだが、彼は白皇学院の生徒、成績は常にギリギリだ。 こんな時でも予習復習は欠かせない。 寝る時間も惜しいくらいに、といつもは思っていたのだが流石に10Mのウナギとの格闘は流石に応えたのか眠気が加速していく。

 

 

 

「こんな時は・・・なんか飲み物」

 

取り敢えず口に何かを、と求めてやって来たのはキッチンだ。 よくナギに朝食後に出しているコーヒーを作るためのコーヒーメーカーを起動させて自分のコーヒーを作り出す。

 

 

夜中、誰もいないキッチンで挽いたコーヒーの匂いが鼻腔を刺激する。 これだけでも充分眠気が覚めるくらいだ。

 

 

だが、飲むことに越した事はないのでハヤテは自分のカップにコーヒーを注ぎ、一口。 彼が淹れたのはキリマンジャロ、実に風味な味だと彼は浸りながら窓の外を見る。

 

ほんとに午前中台風だったのかなと疑うほどに静かとなった庭だ。 といっても風の影響はちょっとあったのか屋敷のマリアの家庭菜園がある場所には全体を囲うような防風ネット。

 

 

『もう! テルくんとか男性がいないからかなり大変だったんですよ!』

 

帰ったあと、泥だらけのマリアがそう愚痴っていたのを聞いた。 白銀はどうやら所要で屋敷にいなかったらしい。 

 

 

SPにでも頼めばよかったんじゃ、という突っ込みは禁止だ。

 

 

 

「・・・アレ? 黒羽さん?」

 

その家庭菜園付近を目を凝らしてみると、カーディガンを纏った黒羽が上を向いて立っていたのをハヤテは確認する。

 

 

・・・なんであんなところに。

 

と、ハヤテは目を数度見開いて考える。 黒羽の行動はある意味、突発的だ。 その行動は同じ同居人となった今でもあまり分からないのが現実である。

 

 

ハヤテはカップをもう一つ取り出した。

 

 

 

 

 

 

 

「どうも、黒羽さん」

 

「あら、ハヤテ様」

 

夜の庭にて一人佇んでいる黒羽に、コーヒーカップを持ったハヤテが現れた。

 

 

「どうしたんですか? こんな真夜中に一人で」

 

「まぁ・・・ちょっと涼みに」

 

 

ハヤテに差し出されたコーヒーカップを受け取ると、黒羽は小さいその手でコーヒカップの温度を感じ取る。結構熱めだ。

 

「一応聞きますが、ハヤテ様は今まで何を・・・今日はもう非番にしてもらったのでは?」

 

「ええ。 でも日夜白皇の学力についていくために、予習復習はかかせません! あと四時間は勉強するつもりです!」

 

「・・・」

 

 

黒羽は考える。 この少年はたしかあと四時間は勉強すると言った。 

 

現在は夜中の0時だ。 ここから四時間勉強したとしてももう朝の4時だし、そこから寝て起きるとなるとこの少年はいつ寝ているのかと気になる。

 

「ハヤテ様、起床時間は?」

 

「僕はいつも五時と決めています。 朝の食事の準備もあるので」

 

「絶対いつか死ぬと思いますが」

 

無機質な突っ込みが返ってきてハヤテは、たはは、と頭を掻く。 

 

「台風が過ぎても今日の夜は冷えます。 もう戻ってはどうでしょうか、黒羽さんの体が心配です」

 

「ふむ、それもそうですね」

 

と、彼女はコーヒーを口にする。 それから数十秒ほどしても黒羽は動かない。 どうやらまだ屋敷に戻るつもりはないらしい。

 

「あ、あのぅ・・・黒羽さん?」

 

 

こんな時、テルが居てくれたらと心底思うハヤテだった。 目の前の黒羽舞夜は完璧超人であるハヤテが唯一意図を汲むことが出来ない人物である。 

 

しかし、なぜだが彼女の行動をテルは上手いこと理解できるらしく、彼女の教育係をテルに任されているのはこの日を堺に適任だと思うようになったハヤテだった。

 

 

暫くしてか、黒羽が唐突に口を開く。

 

「ハヤテさま、突然ですがナウでヤングな話をしてください」

 

「唐突ですね」

 

冷静に答えるハヤテに黒羽が空を見たまま続ける。

 

「どうにも私はハヤテ様が淹れたコーヒーのカフェインが強すぎるせいで眠れなくなってしまいました。 私が眠くなるような状態になるまでナウでヤングなお話をお願いします」

 

 

「つまり、眠気を誘うようなつまらない話をしろと?」

 

「いいえ、それでは聞き手が損します。 できれば興味をそそられるお話で・・・そう言えば子守唄ってハヤテ様の言うように実はつまらない歌なのかもしれませんね。 つまらないから人が眠るように、お母さんが抱っこして『ねーんねーんころーりよ』というあのフレーズを聞いた赤ん坊は『あーもうツマンネぇ、もうねるしかねぇ』と思っているに違いません・・・というわけで」

 

 

彼女はハヤテに向かい合って言うのだ。

 

 

「ハヤテさまの恋話的な物を何か一つお願いします」

 

 

「なんも脈絡もない状態でお題を頂戴しちゃいましたよ僕ッ! 不意打ちですよ! カエルパンチ並みの不意打ちですよ!!」

 

「とっとと始めてください」

 

「終いには罵倒されてる!?」

 

 

 

 

 

「ここまで聞いといてなんですが、ハヤテさまは彼女がいたんですか?」

 

「え、まぁ・・・一応」

 

え、とそのハヤテの言葉に黒羽が珍しく口をぽかんと開けていた。

 

「なんということでしょう。 ハヤテ様の毒牙にかかったかわいそうな少女がまた一人」

 

「人を毒蛇見たく言わないでください・・・ちゃんと正式にお付き合いしたお人です」

 

ほう、と黒羽が無表情ながらもその声のトーンを変化させる。 食いついたか、と悟ったハヤテはどこから話すべきか模索して漸く口を開く。

 

 

「まぁ、出会いが衝撃的だったんでよく覚えてますよ。 よく僕を叱ってくれて、色々と教えてくれました」

 

主に『男は常に甲斐性を持て!』ということだったのだが。

 

「なかなか意味深なお話です。 それで、キスは何回していたのですか?」

 

 

思わずハヤテは吹き出した。 

 

 

「どうしたんですか。 コーヒーいきなり吹き出して」

 

「いや、あまり黒羽さんが言わなそうなフレーズが出てきてビックリしちゃって」

 

「なかなか失礼な言葉ですね。 その様子だと経験済みとは・・・頻度的には、朝起きて、隙をついてもういっかい、そして何か約束したと同時にもう一回とかで計で三回以上でしょうか」

 

 

「・・・・」

 

 

ハヤテは思わず目をそらす。 この人、もしかしてあの場所でその現場を見ていたのか? と。

 

 

「男は皆狼だとアリスの歌の歌詞にありましたが、ハヤテ様も同類、野獣の類でしたか。 もしその頻度で行っていたらテルなら壁パン、私ならその現場にダイナマイトを投げ込みます」

 

 

なんと物騒な、と彼女の言い方にハヤテは息を飲む。 テルとこの少女なら本当にやりかねないかもしれない。

 

 

「とまぁ、冗談はよしといて・・・今はそのお方は?」

 

「え・・・」

 

と口ごもったハヤテに黒羽は無表情ながらもそのハヤテの顔から予想する。

 

 

 

・・・あまり触れてはならない話題でしたか。

 

先程とは打って変わった表情で、少しだけ下を向いている彼は明らかに何か大きな『後悔』というものを感じさせる。 それほどまでに衝撃的なものだったのだろう。

 

 

いくらギャグで話を進行させても、相手の傷口を抉るような事をしてしまったことを

黒羽は恥じた。

 

「申し訳ありません。 失言でした」

 

「い、いえ・・・黒羽さんが謝ることじゃないですよ?」

 

 

 

表情では精一杯で作って見せていた笑顔だったが、この間にもハヤテの脳内では思い出すにはあまりにも悲惨な結末を迎えた自分の初恋物語を思い出していた。

 

 

 

 

いつまでも一緒だと思っていた。 世界が終わっても永遠に一緒なのだと。

 

 

――――ハヤテ、あなたと私はずっと一緒よ?

 

 

彼女の傍に居られるだけで、幸せだった。 彼女の笑顔が見られるというだけでもこの身を犠牲にしてでも守りたい人と思える程に。

 

 

将来、若気の至というべきか結婚の約束までした時、『証』である指輪を送りあったその時、だれも自分たちの幸せな瞬間を疑わなかった。

 

 

 

 

―――――お前なんかここから・・・いなくなっちゃえばいいんだ――――――ッ!!

 

 

どこで拗れたのだろう。 気づけば自分は彼女に剣を向けていて。 憎しみの感情とも呼べる物を、彼女にぶつけていた。 

 

 

 

そこからは、あまり覚えていない。 ひたすら逃げるように、その場を走り去ったのだけは覚えている。

 

 

だが同時に、それは彼女と二度と会えないという事を表していた。 

 

 

 

 

 

「ハヤテ様」

 

 

不意に現実へと引きも出されてハヤテは意識を覚醒させる。 いつものように無表情なのだが、声色がどこか気にかけているような黒羽がこちらを見ていた。

 

 

「もうこのお話はやめにしましょう。 ハヤテ様も戻って今日はしっかり寝てください」

 

これ以上、ほじくり返すのをやめようと黒羽は判断したのだろう。 深く問いたださない彼女の判断は確かに正しい、だが。

 

 

「待ってください!」

 

 

思わず声の出て、ハヤテは驚く。 呼び止められた黒羽はゆっくりと屋敷へと向けていた足をこちらへと向けた。

 

 

「聞きたいことがあって・・・・」

 

 

ハヤテは自分に問う。 こんな事を相談する事ではない。 ましてや事情を知らない他人に対して。 だが彼は何故か問わずにいられなかった。  

 

どうしてだろうか、長年自分でも出されなかった答えを彼女が出してくれるかもしれないと思っていたからだ。

 

 

 

「罪を犯した人間は、どうしたらその罪を許してもらえるんでしょう」

 

 

自分でも馬鹿な問い方だったと心で笑ってしまった。 だが目の前の少女は手に持ったコーヒー水面を眺めて淡々と答える。

 

 

「・・・もし罪を犯したら、必ず罰が来るのでしょう。 今だけのうのうと生きてられる・・・それはまだ『罰』を受ける日ではないということです。 罪に対しての報いは必ずきますから。 許されるならそのあとでしょう」

 

 

当然だ、とハヤテは思う。 どこに意外な答えを期待していたのだろうか。 自分でもいくらか結論は出ていたはずだ。 己が一方的に悪いと考えていたあの状況だ、その報いを受ける日は必ず来るのだと。

 

 

「そう、今の私のように・・・私は許されたわけではありませんが」

 

 

と突然と黒羽が口にしたのを聞いてハヤテは耳を疑った。

 

 

「黒羽さんは・・・一体なにを」

 

 

そのハヤテの問いに黒羽は首を振ってみせた。

 

 

 

「分かりません・・・ですが、私には記憶がありません。 ならば、この状況が一番の『報い』の姿なのかも」

 

意味深に語る彼女はコーヒーの水面から視線をハヤテの方へと向け直した。

 

「実は、私ウソをついてました。 涼みに来たのでなくて、ちょっとしたことなんですが最近、二つほど、私は夢を見ます・・・私の記憶の片鱗なのでしょうか」

 

 

空を見上げている。 別に何かを探すのではなく、そこにどこか思い入れがあるよう。

 

 

「私は、空を飛んでいました。 この練馬区・・・いや、この場所だけじゃない空を自分で飛んでいた、というか」

 

思わず、ハヤテの背筋に緊張が走った。 その記憶は、嫌でも彼に刻まれた敵であったときの黒羽舞夜の記憶だ。

 

 

「その中で、私はたくさんの人を傷つけてきた」

 

 

・・・まさか、記憶がッ!?

 

 

戻っていたのだとしたら、危険だ。 今すぐにでも石を奪いに来るかもしれないと考えたのだが、もし記憶を取り戻していたら、こんな所でハヤテと悠長に会話などしてはいないだろう。

 

 

不完全な記憶なのだろうか、とハヤテは推測する。

 

 

「もう一つ見たのは・・・人を殺してしまった夢です」

 

「ッ!?」

 

 

淡々と答えて見せた黒羽はゆっくりと自身の手を見つめる。 ハヤテは驚いていた。 その両腕が、小さく震えていたのだから。

 

 

「ここではない『別の場所』。 青空の下、白い建物と綺麗な海が見える場所でした・・・まだ幼い私は、その時出会った親切な人を、その手に掛けてしまったのです」

 

 

 

まるで絵本の内容を語るような口調で彼女はその夢の内容を語った。 

 

 

・・・子供の頃に、一体何が?

 

 

同時にハヤテは思うのだ。 この黒羽の言う記憶は自分やテルが知っているものとはまた違う黒羽の記憶なのだと。 

 

 

・・・もしかすると、あの黒曜っていう不思議な力が関係しているのかも。

 

以前の黒羽が使用していた謎の力、黒曜。 伊澄の八葉の力を一度は上回ったその力は記憶を失うと同時にその力が目覚める事がなかった。

 

ハヤテは仮定する。 もしその黒曜の能力が、彼女の記憶を封印やら、制御やらしていたのだとしたら。充分にタイミングとしては考えられる。

 

 

だがそれは、なぜあの力を使ってまで彼女の記憶を弄る必要があったのかという、疑問を新たに出現させていた。

 

 

「これは呪いなのかもしれません。 夢であったとしても、その私が手を掛けてしまったあの人の、これまで私が傷つけてきてしまった人たちからの」

 

 

黒羽は夢の一端を思い出す。 空を飛び、翼を広げ、無機質な表情とは別の殺気を帯びた自分が色々な人をこの手で傷つけてきた事を。

 

全ての顔はぼやけて見えない。 なんと都合の良いものだろうか。

 

・・・顔がわかれば、謝れるのに。

 

だが、謝ったとしても許してはもらえるとは限らない。これはハヤテと似た『後悔』というやつなのだろうか。

 

 

「黒羽さん」

 

こちらを心配そうな目で見ていたハヤテが口を開いた。

 

 

「黒羽さんの昔の事は、僕にはわかりませんけど・・・意外と謝ればすんなり許してくれる人もいるかもしれませんよ」

 

少なくとも、テルや木原はそこまで彼女を憎んではいないはずだ。 憎んでいなければ同じ通うことも、同じ職場で働くという事も向こうから拒否したことだろう。

 

黒羽と会話している時のテルは、昔のことなどなにも気にしていないといった感じだ。 単にどうでもよいと思っているのだろうが、それが彼の良いところでもある。

 

 

「思い出してから、考えましょう。 もしかしたら、それはまったく違う別物で、本当に夢が生み出した幻なのかもしれない・・・それで気を落とす事はしなくていいんですから」

 

「・・・・・」

 

 

そうですか、と無言のあとに黒羽が呟いた。

 

 

「なるほど、こうやって知らぬ間に女性を篭絡するというわけですね」

 

「いや、なんで一気に切り替えできるんです? シリアスからギャグへと」

 

 

「まぁハヤテさまの恋話からある程度シリアス始まってたのでちょっと修正効かせないとまずいかなーとか思いながら私もいつの間にかシリアス語ってるっていう、ミイラ取りがミイラになるとはこの事で・・・つまりハヤテ様に全責任があるのでは」

 

 

 

・・・一方的なこじつけだ。

 

 

はたまた迷惑な話だが、いつもの調子に戻ってもらっただけでも良しとしよう。 そう思ったハヤテだった。

ハヤテは空をまた見上げる。 あの時、酷い別れ方をした幼い少女の姿を思い浮かべながら。

 

 

・・・あれから十年、貴方はどこで、一体何をしていますか?

 

 

もし、出会えたのなら、あの時の罪を彼女は許してもらえるだろうか、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時にハヤテさま、風のお話で聞きましたが・・・ヒナギクさんとイチャラブデートで映画を見にいくと聞きましたが」

 

 

「イチャラブデート!? 誤解です! 嘘です! やましいことなんて一つもないんですよ黒羽さん!?」

 

「なるほど、つまり遊びと」

 

「それも語弊を産みます!!」

 

 




シリアスってやっぱ難しいんだなと思う今日このごろです。 どうしてもいつも中途半端にギャグなんかぶっこんでるから(シリアス戦闘中にカバディとか)、いきなり一色シリアスにやろうとしたら・・・なんか手が震えてます。 拒否反応かな?

なので今回も中途半端なギャグとシリアスになってしまいました。申し訳ありません。 一応、今回はギリシャの伏線ということになりました。

黒羽さんのは、まぁ某弓兵さんのストーリーが終わればある程度落ち着くと思いますので、ついでにヤンデレ決戦もその時に行いたいと思います。


もしかしたら今月また投稿できるかもです。 晴らし人書いてる時と違って、思いっきりふざけた内容をかけるので楽しくなります。 まぁ晴らし人も大概ふざけてるんですけど。


気づけばUAが60000超えてたり、この話数でこの数字は少なすぎる程ですが成長が見られないこんな作品を今でも見てくださってる人がいることに感謝カンゲキです。

では、また次回

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