ハヤテのごとく!~another combat butler~   作:バロックス(駄犬

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第一章 型破り執事、旋風編
第1話~another combat butler~


皆さん、知っているだろうか 東京練馬区に存在するお金持ちの屋敷を……

 

知っているだろうか、ひょんなことからその屋敷のお嬢様に仕えることになった

少年執事のことを……

 

お嬢様と執事はちょっぴり天然さんでちょっぴり勘違いしていて

 

それでも深い絆で結ばれているのです。

 

そしてそんな彼らの前に執事と呼べるか分からない、異常で奇っ怪な執事が一人………

 

彼の名前は………

 

 まだない。あるにはあるがここで教えることはできない

 

これから始まるのは一人の少年の記憶を巡るはてなき物語、その序章である。

 

 

 

 

 

 

 

 

1月8日

 

まだ年始の慌ただしさと冬の寒さが漂う東京の街の中。

その道を歩く二人の男女。

 

「なぜ私が買い物をしなくてはならんのだ」

 

そう文句を呟くのは金髪のツインテールが目立つ小柄な少女。

 

「えっと、一応ですけど僕の買い出しに一緒について行くと言ったのはお嬢様だった気がするんですが……」

 

水色の短髪の少年が買い物袋を片手に苦笑いを浮かべる。

彼の名は綾崎ハヤテ。 昨年のクリスマス、親から渡された一億五千万の借金に進退極まった彼は営利誘拐を思いつく。

 

 そして誘拐しようとして声をかけたのが三千院ナギだった。 その時に掛けた言葉は

 

 

「君が欲しいんだ!!」

(人質として)

 

これがいけなかった

コレを聞いた年若いナギお嬢様は……

 

「わ、分かったよ……その代わり、浮気はダメだからな!!」

愛の告白として受け取ってしまったのである。

 

その後ナギが別の誘拐犯に誘拐されてしまい、それをハヤテが救出。

そのお礼として彼は三千院家の執事として雇われることに

 

「お前、私の執事をやらないか?」

 

そして様々な困難に巻き込まれながらもそれを乗り越えたナギはハヤテに絶大な信頼を寄せている。

そして現在に戻る

 

「だいたい、こんな距離を歩くなんてめんどいこと限りないし、疲れるだけではないか」

 

ダルそうに話すナギは仕方なく歩いているように見える。

 

(しかし、マリアさんもなぜお嬢様と一緒に買い物に行かせるなんて)

 

心の中でハヤテは呟く。 元々マリアが言い出したことだった。

 

 

今日の朝、三千院家屋敷。

 

「買い物ですか?」

 

ハヤテがそう聞く相手はメイド服を着た女性。

 

「はい。今日の夕飯の買い出しです」

 

彼女の名前は三千院家に仕えるメイドのマリア。

 

「できれば、ナギも連れて行ってくれませんか?」

 

持っている箒で楽しげに掃き、ハヤテに話す。

 

「いいですけど、でも来てくれますかね? 」

 

ハヤテはうーんと唸る。ナギはお嬢様で昔の不登校、現代で言う引きこもりの気があるのだ。しかし当人に話すと………

 

「もちろん行くぞハヤテ!」

 

とナギは目を輝かさせて承諾した。

 

(これでハヤテ君とナギの仲が近づいてくれれば……)

 

と思うマリア。 これは決して遊んでいるのではなくナギがハヤテに好意を寄せているからだ。

 

しかしハヤテはナギを命の恩人としか考えておらず、恋愛対象には入っていない。

だからこそ二人の間には大きな爆弾がある。 その爆弾処理をマリアは行っているわけだが

 

(もしナギとハヤテ君が付き合えば……)

これで解消出来るものなら簡単だがそれは同時にロリコン(幼女性愛者)への目覚めの可能性があるのだ。

 

(そうならないことを願いますが……)

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は戻り、そんな思惑があるとは知らないハヤテは

 

「ではお嬢様、今から必要なものを買うのでちょっと待ってて下さい」

 

マリアの思惑通りとはいかずナギを置いていく始末。

 

(むぅ……ハヤテめ、せっかく二人だけの買い物だというのに)

 

すぐ近くにある店の中でハヤテが品物を選ぶのを見ながらふてくされた感じに思うナギ。

とそして……。

 

「なにかないだろうか……」

 

 

楽しいことはないだろうかとナギはフラフラと歩き出してしまった。

 

 

「お嬢様、終わりましたよ。 帰りますかー」

 

 

 ハヤテが戻ってきて時にはナギの姿はもうなかった。

 

「お、お嬢様あああああああああ!?」

 

東京の空にハヤテの声が響く。 こうしてナギはハヤテとはぐれてしまったのである。

 

 

ーそして同時刻。

 

「出ていけやこのボケェェェ!!」

 

どこかのラーメン屋から男の怒鳴り声も響き渡っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




後書き
どうも。 バロックスです。 この小説、にじファンではできなかったのでこちらで完結させたいと思っています。
文字数が少ないですが徐々に増やしていきたいと思っています。

次回から主人公が絡む話になってきます

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