四葉の影騎士と呼ばれたい男   作:DEAK

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更新大変遅くなりまして申し訳ありません。

長期出張だのなんだので非常に忙しく時間がとれませんでした。
社会人の辛いところですね

ネタだけは思いつくのですがなかなか書く時間がとれません……

こんなんですが今後もお付き合い願えればと思います。


マダムキラー(デラックスボンバー)

ブランシェ、ではなくツカの爪団の団長である司一はこれまでの出番に反して非常に忙しい。自らの野望である地球と人類に優しい世界征服の為、日夜、人道に反さない兵器を開発し世界征服しようと企んでいるのだ。何か矛盾がある気がするが気にしてはいけない。

 

だが、残念ながらある人物の存在でそれは遅々として進んでいない。

 

そのある人物を紹介する前に今日の司一について語ろうと思う

 

 

 

 

 

 

「ハーハッハッハッ!!」

 

ツカの爪団がアジト兼弁当処『司の椀』の配送センターの一角である男性の笑い声が響く。周りの人間は「あぁ、いつものか」と特に気にせず作業を進める。因みにここにはツカの爪団の正体を知らず、ただパートとして働きに出ている方もいたりする。

 

「どうしたんですか団長?」

 

そこにツカの爪団の副官的存在である少年(仮に吉田君としておこう。幹比古とは関係ないのであしからず)がノックもせずに部屋に入る、まぁこれもいつもの事なので本人も司一も気にはしていない。

 

「おぉ、吉田君!聞いてくれたまえ!」

 

吉田君の存在に気付き満面の笑みで司一が振り向く、これに悩殺されちゃう奥様方とか多いんだろうな。と一部でマダムキラーと呼ばれている上司を見ながら吉田君が開けっ放しになっていたドアを閉める。

 

「嬉しそうですね。まるで世界中の人を水虫にする兵器を開発したみたいな顔をしていますよ」

 

「吉田君、君どっかで見てたのかい?」

 

「いえ、なんとなくです」

 

部下の異常すぎる勘の良さに戦慄するが、彼の言うとおり司一は風邪、ガンと並んで不治の病と呼ばれた水虫を開発に成功したのだ。

 

「ふふふ、これを全世界に散布したと同時に特効薬を我がツカの爪団の名で広めれば被害をゼロに抑えた上で我がツカの爪団の名声が高まり世界征服に王手をかける事が出来るのだ!」

 

「自分で広めて自分で治す。マッチポンプって奴ですね」

 

「ん~なんか違う気がするがそういう事にしておこう」

 

「しかし、これで我らも遂に歴史の表舞台に立つ事が出来るんですね」

 

吉田君の言葉に何故か司一は苦い顔になる。その意図が分からず首をかしげるが

 

「あぁ、だがまだ奴の存在がいる」

 

その答えは直ぐに本人から明かされた。そして意図を理解し吉田君の顔もまた苦虫をかみつぶしたように歪む。

 

「そうでしたね。あいつがいましたね」

 

 

 

 

 

~ある日~

 

「ふはははは!完成だ!荷電粒子砲装備の恐竜型ロボ、その名もデス○ウラーだ!」

 

「ジェノザ○ラーじゃないんですね」

 

「あれは砲撃中動けないからな、あとデ○ザウラーの方がかっこいい」

 

そう言いながら小躍りせんばかりにテンションの高い司一の前には確かにかのゾイドが君臨していた。無駄に技術力の高い組織である。

 

「これで全武装組織に無条件降伏を行い一気に世界征服を行うのだ!」

 

「待てい!」

 

「!?何者だ!」

 

天元突破せんばかりだった司一の上機嫌に水を刺したのはある少年の声だった。

 

「国際テロ組織ブランシュ、貴様らの野望はここで終わりだ!」

 

「お前は……服部半蔵!」

 

「違う!服部刑部だ!」

 

窓から入ってきたのだろう。開けっ放しの窓の縁に足をかけながら登場したのは一高の副会長である服部刑部であった。

 

「偽物の組織で俺をごまかせると思ったのか、ブランシュめ!」

 

「いや、それ本物なんだけど……」

 

「問答無用!というわけで、這い寄る雷蛇(スリザリンサンダース)!!」

 

「早いわーーーっ!!」

 

司一の叫びもむなしくその日、デスザウ○ーとアジトの一角が消し飛んだ。

 

 

 

 

~またある日~

 

「ふはははははは!なんやかんやあって世界を征服できる機械を開発したぞ!」

 

「そこまでだ!」

 

「お前は、服部半蔵!」

 

「だから、服部刑部だ!というわけで、這い寄る雷蛇(スリザリンサンダース)!!」

 

「だから早いっつーのにぃぃぃぃっ!!」

 

その日、アジトの一角が消し飛んだ。

 

 

 

~またまたある日~

 

「ふははははははは!」

 

這い寄る雷蛇(スリザリンサンダース)!!」

 

「まだ何もしてねぇぇぇぇぇ!!」

 

その日、アジトの一角が(ry

 

 

 

~回想終了~

 

「なんであいつはいっつもいっつも最初に必殺技を撃ってくるんだっ!?」

 

「まぁ必殺技を最後に撃つ他のヒーローが意味不明ですけどね」

 

机を両手で叩きながら言う司一に彼の机に置いてあったお茶をこぼれないように避難させながら吉田君が飄々と言ってのける。

 

「にしてもだね、こっちは一から資金を集めて、兵器を作って、人員を訓練させて、ご近所に菓子折り持って挨拶行って、必勝祈願に鶴岡八幡宮で参拝してから事を起こしているんだぞ?それをいきなりスリサンはちょっと根気が足らんのではないか?」

 

スリサン=這い寄る雷蛇(スリザリンサンダース)の略であるのはわざわざ説明するまでもないだろう。

 

「きっと末っ子なんですよ」

 

それに対し吉田君が偏見も甚だしい事を言う。末っ子がみなそういうわけではないとこの場を借りて言わせて貰う。

 

「そこまでだ!」

 

「げぇ!」

 

このまま服部への愚痴に発展しそうだった空気を打ち破ったのは、最近聞きなれてしまった憎いアンチクショウの声であった。

 

「お前は服部搬送!」

 

「俺は服部刑部だ!そんな運送屋みたいな名前じゃない!」

 

吉田君のボケに律義に突っ込みながら扉を壊さんばかりの勢いで服部が部屋に入ってくる。CADも準備し戦闘態勢は万全だ。

 

「ど、どうやってここに入ってきた!?」

 

「パートの人が普通に入れてくれたぞ」

 

「そこは怪しんでくれよおばちゃん!?」

 

「甘いマスクにほだされたんでしょうね」

 

慌てながらも全世界水虫装置(仮称)を護るように立つ司一だったが、恐らく服部の前では意味をなさないだろう。

 

「お前らの野望はここで終わりだ!這い寄る(スリザリン)……」

 

「待て待て待て待て待て!!」

 

またいつかの日みたいに吹っ飛ばされては叶わないと司一は必死で服部を止めに掛かる。

 

「いつも直ぐにスリサンでは僕らの面子が立たん!ここはちょっと待ってはくれないか?」

 

「やだ、這い寄る(スリザリン)……」

 

「待て待て待て待て待て!!」

 

まぁ服部としては聞く必要も意味もないことであったので問答無用でぶっ放そうとするがここは必死の司一が機先を制す。

 

「よし、落ち着こう。そうだな……十万!十万円だ!十万円やるからちょっと待ってくれ!」

 

が必死の余り正義の味方を金で買収するという意味不明の暴挙に出てしまう。こんなもので自分の魂を売る服部では……

 

「十万、それ本当か?」

 

訂正、めっちゃ買収されそうになっている正義の味方(仮)の姿があった。

 

「当然、ちゃんと日本円だぞ?」

 

「十万、十万か……いや、やっぱ駄目だ。這い寄(スリザ)……」

 

「ままままままままま待てぇい!」

 

だがここは流石に服部も心動かされなかったが司一も必死で本気だ。彼はさらなる条件を提示してきた。

 

「じゃあ更にプラズマテレビだ!しかもハワイ旅行もつけよう!」

 

「なに!?ハワイだと!?」

 

服部が驚くのも無理はない。魔法師は国によって完全に管理されており、海外に行く事は戦争でも無い限り不可能と言われているのだ。

 

「そうだ、我が組織特有の伝手で魔法師でも問題なく海外旅行を満喫できるぞ」

 

因みにその伝手は切れ長の瞳と剃髪の某忍び関係だったりするのだが詳しくは言わないでおこう。

 

「ワイハー、プラズマ、プラズマかぁ」

 

「ちゃんと日本製だぞ?35型だ」

 

「ワイハー、行きたいなぁ」

 

もう今にも買収されそうな服部の姿に笑顔の裏でガッツポーズする司一だが残念ながら幸運の女神は彼には微笑まなかった。

 

 

 

 

「ほら、七草真由美の盗撮画像やるからさ」

 

這い寄る雷ッ蛇ァァァッス(スリザリンサンッダァァァッス)!!」

 

 

その日、吉田君の一言が引き金となり司一の執務室が爆発した。

 

因みにその盗撮画像は地味に服部が回収していたのは秘密である。

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで、私達はこれから一さんの所に行ってきますので」

 

「はいよ~」

 

一方その頃、司一が服部のスリサンによってフォイフォイされているとは知らず穂波と水波が毎週恒例のお料理教室に向かおうとしていた。

 

「寂しくて泣いたりしないで下さいね」

 

「俺は子供か」

 

「夜は出歩かないで下さいね?鳥目なんですから」

 

「俺はコンドルか」

 

相変わらずの水波の言葉を慣れたものだと視線をテレビに向けたまま和人は迎撃し、逆に冷静に返された水波は不服そうに口をとがらせる。和人はそれを横目で見て静かにガッツポーズした。

 

(勝った……!)

 

何に?とは聞いてはいけない。

 

「毎度飽きないですね~二人とも、あと私は遅くなりますので先に寝てて下さい」

 

「はいよ~、ん?」

 

穂波の言葉に先ほどと同じ返事をしたが違和感に気づきようやく和人の視線がテレビから外れる。

 

「最近、穂波さん遅くなる事多くない?」

 

「そうですか?」

 

すっとぼける穂波だったが目に僅かばかりの動揺が走ったのを和人は見逃さなかった。

 

(慌てると視線が泳ぐの水波ちゃんそっくりだな~)

 

長く一緒にいるから気付いたともいえるがそれでも穂波が和人の言葉に動揺したのはたしかだ。

 

「と、言いますか」

 

「な、なんです?」

 

「格好がやけに気合い入ってるな~って」

 

そう、水波は一応外出と言う事もあって外向き用の服を着ているがそれでも全体的にラフな感じで決めているのに対し、穂波に至っては化粧もバッチリ決めいつもは動きにくいと言って穿かないスカートまで着用している。

 

「べ、別にこれくらい」

 

「そういえば叔母様、いつも司さんと最後話していますが何話してるんです?」

 

「ちょ、水波!?」

 

「ほう」

 

「和人?べつに一さんとはあなたが思っているような関係では……」

 

まさかの伏兵の存在に穂波の動揺がどんどん激しくなっていき、それと呼応するように穂波の顔色も赤くなっていく。

 

「水波ちゃん、今度買い物行かない?」

 

「買い物ですか?」

 

「ほら日用品とか買いに行かないと、家族が増えるかもしんないし」

 

「そうですね、お付き合いします」

 

「ちょっとぉっ!?」

 

理解のあり過ぎる和人と水波のフォローと言う名のトドメによって戦艦穂波は撃沈される。

 

「だ、だからそんなんじゃないんですってばぁぁぁぁっ!!」

 

シャア専用ザクも真っ青になる程真っ赤になった穂波が通常の三倍の速度で家を出て行ってしまった。

 

「……行っちゃいましたね」

 

「……そうだね」

 

「……」

 

「……水波ちゃん、そろそろ行かんと時間がヤバいんじゃない?」

 

「あ、本当だ。じゃあ行ってきます」

 

「は~い、ごゆっくり~」

 

それを生温かい目で見送った後、ぺこりと一礼して外出する水波を和人はいい笑顔で手を振りながら見送るのだった。

 

 

 

 

 




~補足説明~

這い寄る雷蛇
元々服部の得意魔法だったが、仁の「これと似たような魔法をどっかで見たような気がする」という漠然過ぎるアドバイスと服部本人の努力により威力が戦略級レベルに向上する。

が本人も仁もそれに気づいていない上に専ら司一撃退用にしか使わない為ぶっちゃけ宝の持ち腐れ

因みに仁がみた事ある魔法とは大亜連合の某戦略級魔法だったりする。




はんぞー君の魔法は仁のアドバイスにより本人も気づかないほど威力なり効果範囲なりが上がっています。戦略級も幾つかあったり

そしてまさかのカップリング爆弾を投下というwwwオリジナリティを追求した結果、オリジナリティもろとも自爆したという結果にならないよう頑張ります。

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