四葉の影騎士と呼ばれたい男   作:DEAK

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どうやってブランシェ襲撃までこじつけようか悩みまくりんぐwww


閑話(一高最強の魔法師)

 

「そういえば」

 

綺麗に整頓された風紀委員の詰め所(達也の努力のたまものである)の椅子に腰掛けながら、風紀委員長、渡辺摩利は長机で備品のCAD調整を行っている新人風紀委員、司波達也に声をかけた。

 

「なんです?」

 

「今年の部活動勧誘だが、ある高校の文化祭と合同で行うと言う事は知っているな?」

 

「えぇ、まぁ」

 

ある高校の名前を聞いた時、達也は何故か頭が痛くなるのを抑えきれなかった。正直、嫌な予感しかしない。

 

「例年、部活動勧誘は荒れるからな、その無駄過ぎる情熱を向こうの文化祭で発散してもらおうというわけだ」

 

「そう上手くいけばいいんですが」

 

「上手くいくように私達が努力するんだ」

 

CAD調整の手を止めず独り言のように達也がぼやくが摩利の非常に前向きな発言につぶされる。

 

「会場は向こうの高校を使うとの事でしたが、ここの守りは大丈夫なんですかね」

 

これ以上言っても余計なお世話になると感じ達也は話題を変える事にした。

魔法科高校には公には出来ない機密資料が大量にある、これを機にスパイが潜り込まないか懸念される。

 

「こっちには教員の方々が残ってくれる。Aランクライセンス持ちの魔法師を何人も相手取るのは骨が折れると思うぞ」

 

対する摩利の返答に達也はなるほどと頷いた。確かにいつもなら教師は生徒と機密資料両方を護っている。逆に生徒がいない方が護りやすいというわけか

 

「一応、生徒代表として服部を残すつもりではあるがね」

 

「服部先輩、ですか?」

 

先日の事を思い出し、達也が微妙な表情になるがまぁ無理もないだろう。

 

「なんだ?あいつの実力を疑っているのか?」

 

「いえ、そういうわけでは」

 

どちらかというと疑っているのは実力ではなく性格なのだが、と結構酷い事を考えていると摩利から爆弾が落とされる。

 

「普段からたまに暴走する事がないわけではないが、基本は真面目な奴なんだよ

 

 

それに

 

 

タイマンならあいつは三巨頭を差し置いて一高最強なんだぞ?」

 

「えっ」

 

達也は整備していたCADを危うく落としそうになるのを危うい所で持ち直す。

それを見て摩利はニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべる。

 

「やっぱり疑ってたんじゃないか」

 

「いえ、まさか委員長達よりも強いとは思ってなかっただけです」

 

達也は摩利の人の悪い笑みをあえて見ないようにし最小限の言葉で彼女に返答する、すると摩利の方がおや?という顔になった。

 

「三巨頭が誰か知っていたのか?」

 

「しばらくいれば誰でもわかることでしょう」

 

三巨頭、現在一高の三年生は最強世代と呼ばれ、その筆頭に挙がるのが

 

十師族直系で遠隔魔法のスペシャリスト   七草真由美

同じく十師族直系の障壁魔法の第一人者   十文字克人

対人戦闘において二人に匹敵すると言われる 渡辺摩利

 

の三人でその三名を三巨頭と言うのだが

 

(まさか服部先輩が彼女達よりも強いとは)

 

達也は素直に感嘆していた。人はみかけによらないということだろう。

 

「魔法適正自体は集団戦向きなんだが、タイマンになった瞬間やけに勘が良くなるというか」

 

「まるで、心が読まれているようだ、と?」

 

「まさにそんな感じだ」

 

達也が入れたフォローの言葉に摩利がそれだと指を差しかねない勢いで肯定する。

 

(心を?まさかな)

 

達也は自分の中に浮かんだ可能性を即座に打ち消した。

 

 

 

 

 

 

 

「へくしっ!」

 

「おい服部、風邪か?」

 

「いや……」

 

同時刻、部室で盛大にくしゃみする副会長の姿があった。

 

「頼むぜ、副会長、お前がここの守りなんだからよ」

 

「わかっている。今日はもうあがるが……」

 

「大丈夫だ。いつも遅いんだから今日ぐらい早く帰りな」

 

「すまんな」

 

気にすんなと軽く手を振る級友にもう一度軽く頭を下げながら服部は部室を後にした。

 

最近、夜遅く帰るのが普通になっていた為、赤い夕陽を眩しそうに見ながら服部は帰路に就く。

 

この時間は部活動をやっていない人間には帰宅時間として遅く、やっている人間には早い時間だ。よっていつもはまばらに人がいる通学路も今は服部一人だ。

 

(おい刑部)

 

そこに声が聞こえてくる。辺りには人はおらず、声も何処から聞こえてくるのか距離感がつかめないほどおぼろげだ。

 

「……」

 

すると服部は一度立ち止まり、辺りに人がいないのを確認する。

 

(聞こえてんのか?刑部!)

 

「……聞こえている」

 

もう一度、今度は少し大きな声で聞こえてきた声に服部は小さな声で答える。その対応は慣れたものである。

 

(ちゃんと人がいないの確認して声かけてんだぜ?)

 

「分かってはいる、だが傍から見れば俺は独り言を喋っている変人だ」

 

相変わらず辺りに人の気配は存在せず、声は服部の脳内に直接響く、服部もそれを当然と言った風に尚も小声で謎の声と会話している。

 

(変人なのはもう今更)

 

「誰のせいだと思っている!?」

 

思わず叫んでしまい服部はきょろきょろとあたりを見回し、人がいないのを見てとり、ほっと息をつく。

 

(あの一件の事言ってんのか?)

 

「……」

 

(俺はお前、お前は俺だぜ?だからあれもお前が心の中で思っている事ってことだ)

 

「任せとけと言うから任せたら……」

 

遂に服部は頭を抱えてしまう。あの一件とは当然ながら、達也を風紀委員に勧誘する折りのいざこざである。

 

(嫉妬したのは本当だろうに)

 

「……」

 

この存在に隠し事は通用しない。服部も二年の付き合いでそれを知っているが肯定するのはやはり抵抗があった。

 

「それで何の用だ?」

 

だから服部は話題を変える事にした。逃げととられるかもしれないが知った事ではない。

 

(おう、お前の身体が不調を訴えているぞ)

 

「なに?」

 

(緑黄色野菜が足りないってな)

 

「……」

 

服部は思わず脱力してしまう。確かに最近はファーストフードや携帯食が多かったが

 

「わかったよ。今日はちゃんとした飯を食う」

 

(頼んだぜ!)

 

顔を見れない(というか見た事もない)がきっと笑っているのだろう声の主に服部も思わず笑ってしまう。

 

慣れるものだと服部は思う。初めて会ったときはそれは驚いた。家の者に話したら病院(頭の方)に連れて行かれそうになった。

 

最初の方は独り言も相まって厨二病にされたりもした、正直今でもトラウマだ。

 

だが、今ではそれなりに上手くやっているほうだとは思う。彼の能力は非常に強力であり、彼のおかげで服部は一高最強(タイマンなら)の座を手にしてると言っても過言ではない

 

「そういえば記憶は戻ったのか?」

 

(うんにゃ、それがさっぱりだ)

 

「そうか」

 

相変わらず服部と話している声の主は姿を見せない。

 

 

『彼』は服部の精神の中にいた。身体も記憶もなくただ漂うだけだった彼は気付くと何故か服部の精神の中にいた。経緯はわからない。相変わらず自分が何者かもわからないが『彼』はそれなりに今の状況を楽しんでいた。

 

 

(お、人が来るな)

 

「そうか」

 

(じゃ、また家で、ちゃんとした飯食えよ?)

 

「あぁ分かっているとも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『仁』」

 

 

服部の精神に潜むもの、それは四葉の屋敷で猛威を奮い。和人の手で倒された筈の和人の魂の一部、大亜連合の切り札、『仁』であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




原作キャラ強化計画第二弾(第一弾は金城さん)

服部刑部少丞半蔵(精神に仁が共存)

能力:精神共有
相手の精神に仁が潜り込むことで読心術のような事が可能、本来ならそのまま乗っ取ることが出来たような気がするとは『仁』の言葉
リアルタイムで相手の考えている事、手の内が読める為機先を制した者が勝つ魔法戦では無類の強さ、ただ一人にしか効果がない為、集団で襲ってこられるとピンチ

仁が物質界に存在するものではない為、精神共有を使わずとも達也の精霊の目みたいなことが可能、かなりチート


はんぞー君の噛ませ犬化をどうやって回避しようかと思ったら恐ろしい強さになってしまった件www多分原作の数十倍は強い筈です。ブランシェや無頭竜とか片手でいなせるレベル

本当はもう少し引っ張る予定でしたが、書く事がなさすぎたのでここで種明かしということで

次回は文化祭なんでちゃんと主人公でてくるよ!

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