さぁピッチを上げて書いていきますよ!
あ、ここから、ある作品と若干クロスオーバーします。
魔法科高校に入学と言ったな?
魔法。
それが伝説やお伽噺の産物でなく、現実の技術となってから一世紀が経とうとしていた。
各国は優秀な魔法師育成に力を入れ、日本もまた九つの魔法科高校を設立し魔法技能師を育成している。
国立魔法大学付属第一高校
毎年、多くの卒業生を魔法大学へと送り込み優秀な魔法師を数多く輩出しているエリート校である。
そんな国立魔法大学付属第一高校、通称一高
の近くにある、とある普通科高校の入学式にある少年は参加していた。
え?魔法科高校?実技どころかペーパーも無理だったわ、何あれ?超難しいんですけど
~入学編 第一話 スマン、ありゃウソだ~
「あ~終わった終わった~」
ブルームとウィードに分かれるとか、いきなりカリキュラム組まされるとかそんなこともなく、ただただ普通に入学式後のHR(ホームルーム)が終わり、みんな昼前でありながら帰宅する者、部活動を覗く者、各々行動をとっていた。
「お~い、和人、お前今日どうするよ?」
たいして凝ってもいない肩を回していると、同じ制服を身にまとった金髪をツンツンと立たせた少年が声をかけてきた。なかなか話しやすく、もう気軽に遊んだり出来る仲だ。と思う
「おう、ヨシタケ。そうさな~特にやりたい部活もないしな~」
「さっさと帰るか」
「んだな」
金髪の少年、ヨシタケに俺は少し考えた後、帰宅を提案するとヨシタケもその気だったようでいそいそと帰り支度を進めると
「か~っ!なんだね、なんだね?その悲しい青春は!?」
「お~う、お前らもう帰んのか」
嘆かわしいと言わんばかりに頭に手を当てやれやれと首を振る眼鏡の少年と、カバンを肩にかけこちらは普通に声をかけてきた黒髪の少年がこちらにやってきた。
「なんだよ、ヒデノリ」
「よう、タダクニ。そういうお前も帰り支度ばっちりじゃん」
二人の登場に、ヨシタケは憮然と俺は普通に対応する。
「いや、俺も帰ろうとしたんだけどさ、コイツが」
と言いながらタダクニはヒデノリを指さす。対するヒデノリはますますヒートアップし
「いいか!?俺達は高校生!青春まっさかさまな高校生だぞ!?」
「まっさかさまじゃなくてまっさかりじゃあ」
「お黙り!」
ヨシタケの当然なツッコミをヒデノリは一言で叩きつぶす。
「そんな青春ど真ん中の俺達が何もせず帰る!?はぁ~っ!?正気ですかぁ!?」
「一体何がしたいんだよ……」
「カ・ノ・ジョ・だよ!」
タダクニの心底疲れたというような声にヒデノリはここ一番の大声を発する。
「彼女?」
「そう!彼女!彼女が欲しいんだよ!俺は!」
なんかアテねぇのかよ!とこちらに振ってくるヒデノリだが、息巻いた割には他人任せかよとはつっこまない方がいいんだろう。
「アテって言われてもな~」
「あったら自分がつくってるし」
ヨシタケもタダクニもそんなものある筈もないので言葉に詰まる。かく言う俺もそんなの……
「あ、そういえば」
「!?なんかあんのか和人!」
「いや、知り合いの子が近くの魔法科高校に入学してさ、そういえば入学式の日同じだったな~と」
「近くって言うと一高があったな」
「魔法師の女の子か、いいじゃねぇか!」
思い出したかのように顎をなでるタダクニの隣でヒデノリは怪しい笑みを浮かべている。
「確か、生徒会が一高に行くとか言ってたぞ」
「よし!生徒会長に直談判して連れてってもらおう!都合よくそこに生徒会長がいるし」
ヨシタケの言葉にうなずいたヒデノリが指をさす先には確かに当校の生徒会長の姿があった。
「本当に都合がいいなオイ!」
「せ~いとかいちょ~う!」
タダクニの反射に近いツッコミを無視しヒデノリは生徒会長を大声で呼ぶ。
「んあ?」
生徒会長は気だるげに振りかえる。ぶっちゃけ脇にいる見た目ヤクザの副会長の方が優秀だとか、いる意味あんのか?とか陰口を叩かれている生徒会長だが生徒会役員、特に副会長は彼を尊敬しているので、やるときはやる人なんだろう。多分
「お願いがあります!」
「お願い?」
ヒデノリの言葉に疑問の声を上げたのは隣にいる副会長だ訝しげに眼を細めるが見た目も相まってガンつけられているようにしか見えない。慣れればどうってことないのだが
「魔法科高校の女の子を片っ端からナンパしたいんで連れてって下さい!(はい、後学の為、魔法科高校を見学したいんです)」
「ヒデノリぃ!?本音と建前逆!?」
タダクニが言うが、火事になってから火の用心するぐらい遅い。生徒会長は呆れたように溜息を吐く。
「安心しろ。俺もあわよくばナンパしようと思っている。(あのな、俺達はきちんと目的があって行くんだ。連れてけるわけないだろ)」
「会長、本音と建前が逆です」
「あれ?」
副会長の静かなツッコミに生徒会長は冷や汗を流す。ぶっちゃけ男子高校生なんてこんなもんだよね。
(ファミチキ下さい)
(コイツ!?直接脳内に!?)
「お前たちは何やってんだよ!?」
蚊帳の外だった和人とヨシタケは二人でなんかやってるし
「いや~」
「なんか悔しかったから」
「意味わかんねぇし!頼むからこれ以上場をひっかきまわさないでくれよ!」
タダクニの願いは恐らく叶わないだろう。ここには圧倒的にボケが多すぎる。
「だが連れてく理由がなぁ」
会長の失言をフォローする形で副会長がもっともな事を言う。確かにこちらも生徒会長と副会長の他に役員を連れていないのだ。これ以上多くする理由がない。
「あ~一応、僕の知り合いが確か主席で入学してるんですよ。あそこって新入生総代が生徒会に入る決まりになってたと思うんで、後々のためになるかなぁ~なんて?」
とここでヨシタケと謎の遊びをしていた和人から援護射撃が入り、ヒデノリは心の中でガッツポーズする。
「へぇ、あそこの新入生総代なんて相当優秀なんだね~」
「まぁ、どうってことないですよ」
「なんでお前が偉そうなの?」
他人事のように呟く会長とは対照的に自分の事のように言う和人はヒデノリに手痛いツッコミを喰らっていた。
「だがなぁ」
「いいじゃないか」
「会長?」
なおも言い渋る副会長だがここで生徒会長がの鶴の一声とも言うべき発言が飛んでくる。
「こいつらも後々生徒会に入るかもしれないんだ。向こうに知り合いがいるんなら今のうちに人脈を作っておくのも悪くないだろ?」
「か、会長がいうなら」
「よっしゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」
渋々と言って感じで折れた副会長を横目にヒデノリが狂喜乱舞する。これでバラ色高校生ライフが待ってるぜ!とでも考えてるんだろう。
「オラ!お前ら行くぞ!」
「元気だなお前は」
ヒデノリを戦闘に一同は第一高校へと向かう
「あ、お前達」
「はい?」
筈だった。
「第一高校に行くの
明日だぞ?」
え…………?
「あ、明日?トゥモロゥ?」
何故英語なのか?とヒデノリに突っ込みたかったがやめたタダクニであった。
「入学式で忙しいのに押しかけるわけにはいかんだろうに」
「な、ななな……」
会長の至極まっとうな意見にヒデノリの意識はぐにゃりと曲がる。
「なんじゃそりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「帰っか」
「おう」
「あ、帰りにファミチキ喰おうぜ」
「お前ホントに喰いたかったのかよ」
絶叫するヒデノリをわざとシカトし和人達はいそいそと帰るのであった。
えぇ、魔法科高校行きませんでしたwww
どう頑張っても無理なもんは無理でした。
入学編から、軽くですが『男子高校生の日常』とクロスオーバーします。
原作ではヒデノリ達は高校二年生だったと思いますが、ちょっと変更して主人公と同い年にしました。会長や副会長はそのままです。
やはりギャグやると字数少なくなりますね~
次回も宜しくお願い致します。