〜義之side〜
杏たちのクラスを偵察してくるとやって来たのはいいが……どうしたらいいんだ?
…陵はうまく偵察してんのかな?…そんなことより今は自分のことだ。よし、偵察に専念するか!
そんなこと考えているといつの間にか3組の前まで来ていた。
情報によるとパジャマ姿のウェイトレスが給仕する喫茶店だそうだ。
本当かどうか怪しいところだが入ってみなくてはわからんな。
…てか、普通に客として入っていけばいいんだよな?んー、どうしよう。
「早速きたわね?」
敵の本拠地手前で悩んでいると聞きなれた声が聞こえてきた。
「お、おまえ…」
そこに、杏が立っていた。
「チャオ、義之」
「な、なんて格好してんだよ!」
予告通り、杏はセーター一枚のスタイルだったのだ。
体型は子供っぽいのに、想像を遥かに越えた過激で何よりVネックにより強調された胸元は犯罪的だ。
こんなの渉が見たらすぐさま倒れこむだろ?!
「どう?男子たちの夢のシチュエーションを体現してみました」
「体現しすぎだ!」
「素直に喜びなさい。オタカルチャーはリサーチ済みよ」
「リサーチだかなんだか知らないが、客引きのためにそんな格好まで……」
「あら?私、普段からパジャマはこれよ?」
「そ、そうなのか?」
「こういうことは徹底しないとね。だって、そのほうが燃えるでしょ?」
「うむむ……」
やばい。反論できない。学校では制服姿しかあまりみないから新鮮すぎて何も言えなかった。
てか反則すぎだろ。
「茜!義之がきたわよ」
「ホント?」
教室のドアが開くと茜が出てきた。
「お、おまえもか……」
茜は茜で、杏とは違う刺激的なパジャマで現れた。ヤバい。このクラスはグラマーな生徒がいっぱいすぎるだろ!
かなり刺激が強すぎてくらっと目がくらみかけた。
「あれ?陵君はいないの?」
「あぁ、俺一人だ。陵がいなくて残念だったか?」
「えぇ、残念だわ。利益が少ないじゃない。仮に二人が来ても私たちなら相手にできたわよ」
「そうだけど…てっきり二人で来るかと思ってた。まあ…いいっか。ささ、入って入って!」
「いや…、俺は…」
…偵察だなんて言えないし。
「敵情視察なら、客として入ったほうがてっとりばやいでしょ?」
…なんだ。バレてたのか。
そう言われながら杏は右手を握りながら、左手は茜が握りながら教室に連れ込もうとした。
いや?杏の握り方ってこれ…恋人繋ぎじゃないか!?
「ちょ、杏!」
「減るもんじゃないしいいじゃない」
「義之くんの席には、私たちがついてあげるね」
「……はぁ?席につく?」
「は〜い、一名様ご案内〜」
こうして俺は3組の『セクシー・パジャマ・パーティー』に潜り込む?入ることができた。