ハイスクールD×D ~正義の味方を目指す者~   作:satokun

12 / 40
第二章 戦闘校舎とフェニックス
第8話 悩みを抱えるリアス


 

翔は何時ものように道場で体を動かしている。床には結構な量の汗がたまり、水溜りが出来ていた。

すると―――

 

ピンポ~ン

 

ん? 誰だ?・・・この気配はリアスとアーシアか。・・・・・・嫌な予感がするが・・・出るしかないか

 

翔はそう思いながらも、着ている服を脱ぎ、タオルで汗を拭き、新しい服を着て、玄関に向かう。

家の呼び鈴が再び鳴るので少し早歩きでドアに向かう。開けてみると大量の段ボールが目の前にあった。

 

「なんだ、これ?」

 

「おはよう、翔。朝の挨拶はちゃんとしなくちゃ、常識よ?」

 

「翔さん、おはようございます」

 

大量の段ボールの影に隠れていたがやはり、リアスとアーシアがいた。

 

「ああ、おはよう。リアス、アーシア。・・・で、これは何だ?」

 

挨拶をしつつ、段ボールについて聞いてみた翔。

 

「ああ、これ? アーシアの荷物よ」

 

アーシアの荷物?

 

「・・・なんでアーシアの荷物が此処に?」

 

「今日から貴方の家に住むことになったのよ!」

 

何故か誇らしげにその豊かな胸をさらに強調するかのように胸を張って言うリアス。

 

アーシアが翔の家に住む事になってから数日がたった。

実はアーシアは今まで教会で寝泊まりしていたため住むところがなく、

仕方なく翔の家に住む事になった。

 

別にかまわないが元々あの家はリアスが用意した家だし、それに一人暮らしとしては広すぎだしな

・・・・・・アーシアが来ても広いと感じるがな

 

「いいお天気ですね。翔さん、今日は体育でソフトボールをするそうですよ。

私、初めてなので今から楽しみです!」

 

楽しげに通学路を歩くアーシア。

そして、翔とアーシアに視線が集中していて、内心で少しばかり困る翔。

 

「どうして、アルジェントさんが御剣と同じ方向から・・・」

 

「アイツ、前にリアスさんと登校していたのに今度はアーシアちゃんとだと・・・」

 

「イケメンは滅びろ!!」

 

「御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス御剣コロス―――」

 

などと悲鳴に近い声があちこちから聞こえてくる。

半分以上は翔に対しての恨み事だが・・・。

アーシアは転校初日の時から良い意味で全校生徒から注目の的になってた。

早速、アーシアに告白した人もいるのだが速攻で撃沈したらしい。

そのため、よく一緒にいる翔は男子生徒達から憎悪を満ちた視線をあちこちから向けられる。

翔は知らないが祐斗と並ぶ駒王学園のイケメンと呼ばれているため、

翔の隣を歩いているアーシアを羨ましいと思っている女子生徒が多くいるのだ。

そのため、二人が注目を浴びるのは仕方のない事と言える。

 

「学校は楽しいか?」

 

そんな事とは露知らず、翔は隣に歩くアーシアに話しかける。

視線を集めているのには気付いているが、気にする必要もないだろうと思い無視している。

 

「はい!皆さんとても良くしてくれますし、私が日本に慣れるように色んな事を教えてくれます。

お友達もたくさんできました。今度一緒にお買い物に行こうってさそわれてもいるんですよ!」

 

アーシアは屈託のない笑顔を見せる。

どうやらクラスメートの仲は良好のようで、安心したような表情を浮かべる翔。

二人が話をしているうちに学校に着き教室に向かう。

 

今日も学校が終わり、部活動が終わり翔とアーシアは家に帰り夕飯を二人で食べた後、

先にアーシアに風呂に入ってもらう。

そして、翔は部屋で最近のリアスの様子について考える。

最近のリアスは、心此処に在らずと言った感じだ。

すると突然、翔の部屋の床が光輝き、それは魔方陣を描いていった。

 

これはグレモリーの魔方陣・・・・・・誰だ?

 

そして、魔方陣から現れたのは―――

 

「・・・リアスか?」

 

何だ? こんな時間に・・・それに何やら思い詰めた顔をしているな・・・

 

リアスは翔を確認するなり、ズンズン詰め寄ってきた。

そして―――

 

「・・・翔、私を抱きなさい」

 

とんでもないことを言い放った。

 

「・・・・・・はぁ?」

 

リアスの言葉に思わず間抜けな声を漏らしてしまう翔。

それに構わずリアスは次々と言葉を続ける。

 

「私の処女をもらってちょうだい。 至急頼むわ。ほら、私も支度するから貴方も準備しなさい」

 

と、翔の話す暇もなくリアスはどんどんと自身の服を脱いでいく。

リアスの突然行動にわけが分からない顔を浮かべる翔だが、

軽く溜め息を吐いてから近くにあった上着を着させ、翔はリアスにデコピンを入れる。

 

「いっ痛い!! 何すんのよ!?」

 

ただのデコピンではあるが、その威力は悪魔であるリアスが痛さに声を上げ若干涙目になるほどである。

ちなみに翔は手加減しているため、本気でやった時の威力は考えたくない。

 

「リアス・・・。どういう事情があるか俺は知らないが・・・俺は誰かとそういう関係になるつもりはない」

 

鋭い眼でリアスに向け、普段の優しい声とは違い冷たさを感じさせる声を発する翔。

その視線と冷たい声にリアスは息をのむ。

 

「・・・・・・私じゃ不満なの?」

 

「そういう問題じゃない。今のお前の眼は手段を選ばずに目的を果たそうとする奴と同じだ・・・。

何か問題が起こったんなら話せ。ま、俺がどこまで役に立つか知らんがな・・・」

 

翔はそう言い、リアスの頭の上に手をのせ撫でる。

小さい子供を諭すように優しい声色で言う。

 

「俺はお前の眷属であり、仲間なんだから頼れ。・・・・・・それとさっさと服を着ろ、

女性がそうやって男に肌を晒すな・・・」

 

と、翔が言ったとき、突如、翔の部屋に銀色の魔方陣が展開された。

それはリアスと同じグレモリー家の紋章の魔方陣であった。

 

「・・・来たわね」

 

それを見てリアスは呟く。

どうやらこの反応からして、転移されるであろう人物の目途は立っているようだ。

 

「このようなことをして破談に持ち込もうということですか?」

 

若干、呆れの混じった声が部屋に響くと同時に姿を現す女性。

髪は綺麗な銀色で、何より目を引くのはその服装・・・メイド服であった。

だが、そんなことよりも翔が驚いたのは―――

 

グレモリー家の関係者のようだが・・・・・・この悪魔、明らかに実力が違う・・・

 

『ああ。今の相棒だと勝つのは難しいな・・・』

 

ドライグの言葉に、そうだな・・・ と内心で呟く。

身に纏う魔力、静かに放たれる威圧感・・・。

翔がこの世界に来てから久々に会う“強者”と呼ばれる存在。

翔が内心で女性に僅かに警戒しつつ、事の成り行きを見てようと思ったところ

視線をリアスから翔に移すメイド服の女性。

 

「こんな下賤な輩に操をささげたとサーゼクス様と旦那様が知れば悲しみますよ」

 

初対面の相手に下賤と言われたのは初めてだな・・・

 

下賤といきなり言われたにも関わらず、特に気にした様子を見せない翔。

むしろ、何故か変な感想を言う。

 

「私の貞操は私のものよ。それに私の下僕を下賤呼ばわりしたわね?

それは違うわ。翔は私の暴走を止めてくれた。いくらお兄様の《女王》とはいえ、許さないわよ」

 

「・・・ですが、お嬢様はまだ学生でございます。むやみに殿方へ肌をさらすのはおやめください」

 

リアスの言葉にメイドの女性は小さく聞こえない程度に溜め息を吐いて言う。

まったくだ、と賛同する言葉を言おうとするのをのみこむ翔。

 

「グレイフィア。貴方がここにいるのはお父様のご意志?それともお兄様のご意思かしら?」

 

全部です、とリアスの言葉に答えるメイドの服の女性・・・グレイフィアは答える。

 

ま、今のリアスなら大丈夫だな

さっきみたいに焦った様子ではない・・・

これならある程度は冷静な判断ができるだろう・・・

 

リアスの様子を見てひとまず安心する翔。

すると、グレイフィアが翔へと頭を下げて言う。

 

「グレモリー家に仕えているメイドのグレイフィアと申します」

 

「御剣翔。一応リアス・グレモリーの《兵士》だ」

 

「貴方がお嬢様の《兵士》・・・。では―――」

 

「ええ。彼は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の使い手。―――今代の赤龍帝よ」

 

「・・・赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)・・・。赤き龍の帝王に憑かれた者・・・」

 

すでに悪魔側の一部には知れ渡っているようだな

ま、リアスが報告したんだろうがな・・・

 

「グレイフィア、私の根城へ行きましょう。話はそこで聞くわ。 朱乃も同伴でいいわよね?」

 

「『雷の巫女』ですか? 私は構いません。 上級悪魔たる者《女王》を傍らに置くのは常ですので」

 

そう言って、グレイフィアは転移するために先ほどと同じように転移の魔方陣を展開させる。

 

「ごめんなさいね、翔。迷惑を掛けてしまって」

 

リアスの言葉に、別に気にしてない と答える翔。

すると、転移の準備が終わり声をかけるグレイフィアに頷き、

リアスはグレイフィアの側へと移動する。

二人が転移する前に翔がリアスに声をかける。

 

「何かしら?」

 

「何かあったら相談しろ。俺にでもできることくらいはある。じゃあな、リアス。また明日」

 

翔の言葉に最初は目を丸めたように驚いたリアスであったが、

すぐに見惚れるような笑みで、その言葉に頷く。

 

「ええ。また明日、部室でね」

 

そう言い、リアスはグレイフィアと共に転移する。

翔はリアスが転移する直前に―――

 

「やっぱり、お前には笑顔が一番似合うな」

 

「えっ!? ちょ、ちょっと、しょ―――」

 

翔の言葉にあわてたように反応するリアスであったが、言葉の途中で転移してしまった。

 

翌朝、翔は何時もの如く道場で体を軽く動かしてから朝食を作り、アーシアと食べる。

朝食を食べ終え、翔とアーシアはそれぞれの部屋に行き学校の支度をする。

 

どうせ今日は昨日のことを話すんだろうな・・・

 

と思いながら学校に行き、授業を受ける。

放課後、翔はアーシアと祐斗と共に部室へ向う。だが、内心溜め息をついている。

何故かと言うと目的地に昨夜あったメイド、グレイフィアがいることがわかっているためだ。

これが今日が初めてならそれなりに近づかなければわからなかっただろうが、

昨夜のことで気配は覚えた。

なので出現したと同時に気付き、この後起こるであろう騒動に思わず内心で頭を抱える。

アーシアと祐斗もリアスの様子はおかしいのは分かっていたが、

理由までは分からないずどうしたらいいか考えていたようだ。

そんな話をしている内に部室前に到着。と同時に祐斗が中の気配に気付いたようだ。

 

「・・・僕がここまで近づいてはじめて気配に気付くなんて」

 

「それは鍛錬不足だ」

 

そう言いながら翔は扉を開け、室内に入る。それに続くアーシアと祐斗。

室内にはリアス、朱乃、小猫、グレイフィアがいた。

リアスは明らかに機嫌が悪そうな雰囲気を身に纏い、朱乃もニコニコしているがオーラが冷たい。

小猫は部屋の隅の椅子に静かに座っている。

会話もなく、張り詰めた空気が室内を支配している。

後ろから祐斗の、まいったね という声を漏らす。その呟きに同意する翔。

アーシアも部屋の空気に気圧されたのか、翔の制服の端を掴んでいる。

翔は安心させるために頭を軽く撫でる。すると、はふっ と声を上げるアーシア。

 

「全員揃ったわね。では、部活をする前に少し話があるの」

 

「お嬢様、私がお話ししましょうか?」

 

リアスはグレイフィアの申し出を手を振って断る。

 

「実はね―――」

 

リアスが口を開いたとき床の魔法陣が光出す。

 

「―――フェニックス」

 

静かに。だが、響くように祐斗が呟く。

 

「ふぅ・・・人間界は久しぶりだ」

 

赤いスーツを着た一人の青年。

その者は部室内を見回しリアスに視線を向けて、いやらしい笑みを浮かべながら言葉を紡ぐ。

 

「愛しのリアス。会いにきたぜ」

 




とりあえず第二章へと入りましたが、今後の展開について悩んでます。
レーティングゲームは原作通り、一度負けてから翔が乗り込むか、
それともレーティングゲームでライザーをボコボコにするかを・・・。
自分的には乗り込むほうが、好きなので、そうしたいのですが、
翔の強さだと負ける要素が、あまりないので、どうしたらいいか悩んでます。
そのため投稿が遅れると思います。
でも、投稿は続けていくので、これからも応援よろしくお願いします。
どのようなことでもいいので感想をくれたら嬉しいです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。