ZMB48~少女たちは、ゾンビの徘徊する船上で戦い続ける~   作:ドラ麦茶

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Day 4 #04

 現れたのは、アイドル・ヴァルキリーズランキング第2位。薙刀の使い手・本郷亜夕美だった。

 

「物騒なもん投げるわね……当たったらどうするのよ?」スロットマシンに突き刺さった手裏剣を見て、亜夕美は言った。右手に持つ薙刀の先に、布は巻かれていない。昨日、舞の顔を斬り裂き、紗代のお腹を刺した刃は、剥き出しのままだ。

 

 それを見た燈は、ゆっくりと、背中の刀を抜いた。

 

 刀身が、ギラリと光った。

 

 模擬刀には見えなかった。明らかに本物の刃だ。しかしその形は、刀というよりは包丁に近い。ショッピングモールの飲食街には和食のお店もある。刺身包丁やマグロ解体用の包丁は、刀に似ているものもあるから、そこから調達したのかもしれない。

 

 燈が刀を抜いたのを見て、亜夕美も薙刀を構えた。睨み合う二人。

 

「ちょっとちょっと。何勝手に臨戦態勢になってんの」由香里が燈の前に立った。「はい。刀しまって。そっちも、その物騒なもの、下ろしなさい」

 

 由香里は二人に向かって言った。メンバー同士の言い争いを仲裁するような、いつもと同じ口調だ。燈と亜夕美はしばらく睨み合っていたけれど、やがて、亜夕美が薙刀を下ろした。それを見て、燈も刀を鞘に収める。

 

「由香里さん」燈が由香里を見る。「若葉さんと二人で来る約束のはずです。守られなかったようなので、これで失礼します」そのまま行ってしまおうとする。

 

「ちょっと待って、燈」あたしは止めた。「亜夕美はあたしたちとは別行動してる。あたしたちが連れてきたんじゃないよ」

 

「その通りよ」と、亜夕美が言った。「なんか四人でコソコソしてたから、見に来ただけ。でも、仲間はずれにはしないでよね。すごく興味深い話をしてたみたいだから」

 

 亜夕美が燈を睨んだ。燈も睨み返す。また一触即発の雰囲気だ。

 

「だから、やめなさいってば」由香里が止める。そして、燈の方を見た。「別に、亜夕美がいたってかまわないでしょ? 亜夕美だってヴァルキリーズのメンバーなんだし」

 

 由香里の言葉を、燈は黙って聞いていた。しばらく何か考えるような表情をし、そして、遥を見た。遥が黙って頷くと、燈は。「分かりました。亜夕美さんにも参加してもらって構いません。ただし、亜夕美さんのグループの情報を教えてもらうことが条件です」そう言って、亜夕美を見た。

 

「まあ、そのくらいなら別にかまわないけど」亜夕美は言った。

 

 そして、亜夕美と燈は、お互い警戒し合いながらも、グループの情報を交換した。あたしはそのやり取りをなんとなく見ていたのだけど。

 

 ふと気づくと、由香里がいなかった。辺りを見回す。亜夕美が隠れていたスロットマシンの近くにいた。

 

「由香里? 何やってるの?」あたしは亜夕美たちのそばを離れ、由香里に声をかけた。

 

「うん。ちょっと、気になることがあってね」由香里はスロットマシンの周辺を調べている。「燈って、何で亜夕美が隠れてたことに気づいたのかな?」

 

「へ? どういうこと?」

 

「ほら。このスロットマシンの裏に隠れてたら、あの位置からは、どうやったって見えないでしょ? まして燈は背を向けてたんだよ? それなのに、なんで亜夕美が隠れてることが分かったの?」

 

「それは……忍者だからじゃない?」

 

「どういう理由よ、それ」呆れた口調の由香里。

 

「だから、気配を感じた、とか」適当なことを言ってみる。

 

「うーん」由香里は唸った「ここがものすごく静かな場所だったら、それも分かるんだけどね」

 

 適当に言った割には、それほど的外れでもなかったらしい。とは言え、可能性は低そうだ。ゲームセンター内はゲームの音と店内を流れるロック調のBGMが混ざって、とんでもない喧騒だ。この中でかすかな物音を聞き分けるなんて、とてもじゃないけど不可能だろう。

 

「でも、それの何が気になるわけ?」あたしは言った。実際に亜夕美が隠れていたのは確かだし、燈は何らかの方法で気づいたんだ。別に問題は無いように思う。

 

「まあ、別に気にするほどのことでもないんだろうけど――」

 

 そう言った由香里の視線が。

 

 天井の一点に、くぎ付けになった。

 

 その視線の先を追う。

 

 そこには、防犯用だろうか。監視カメラがあった。

 

 可動式のものではない。固定され、決められた方向のみを映し続けるタイプだ。

 

 そのカメラは、ちょうど、手裏剣が刺さったスロットマシンの裏側、亜夕美が隠れていた場所を映すようになっている。

 

 由香里は、じっとカメラを見つめ、何かを考えているようだった。

 

 あたしは由香里とカメラを交互に見て、「どうかしたの?」と、声を掛けようとしたけれど。

 

「由香里、若葉。終わったよ」

 

 亜夕美に呼ばれた。

 

「あ、ゴメン。今行く」

 

 由香里は何事も無かったかのように視線を外し、三人の元へ戻った。あたしも後を追った。

 

「……それで?」亜夕美が言う。口元には、薄い笑みが浮かんでいる。「何を話してたの? 『信用できない』とか言ってたみたいだけど」

 

 亜夕美は燈を見たけれど、燈はその視線には特に反応せず、静かな口調で言った。「皆さんは、今回のゾンビ騒動を、どう考えていますか?」

 

 由香里も亜夕美も、何も言わず、ただ燈を見ている。

 

「どう考えてる……というと?」質問の意味がよく分からなかったので、あたしはそう訊いてみた。

 

 すると、亜夕美が呆れた声で言った。「どうもこうも無いでしょ? あんたまさか、なんでこの船がこんな状態になったのか、とか、考えたことないわけ?」

 

「そんなことはないけど……」と、言ってみたものの、その後の言葉は出てこない。実際、大して考えてはいないのだから。

 

「……のんきでいいわね、あんたは」亜夕美はため息をついた。

 

 なんか腹の立つ言い方だな。まるで、あたしが何にも考えてないみたいじゃないか。

 

「あたしだって、何も考えてないわけじゃないよ」思わず言い返す。「ただ、どうして船の中がゾンビだらけになったのか、を考えるよりも、どうやってみんなを助けようか、を、優先して考えてるだけ」

 

 そう言うと、亜夕美の目つきが鋭くなった。しまった。亜夕美のグループではメンバーに犠牲者が出ている。今のあたしの言い方じゃ、亜夕美を挑発しているようなものだ。

 

「これは、エリの意見なんだけど――」由香里が言う。亜夕美の様子に気が付いたのかどうかは分からないけれど、おかげで気まずい空気にならずに済んだ。「ゾンビになるのは、何かしらの細菌に感染するからじゃないか、って。とりあえずゾンビ菌って呼んでるわ。今のところ、感染経路は分かってない。ゾンビに咬まれたり引っかかれたりしてもゾンビにはならないみたいだから、空気感染っていうのが濃厚だけど」

 

「そうですね」と、燈が言った。「あたしたちも、ほとんど同じ考えです。では、あたしたちヴァルキリーズのメンバーだけがゾンビ化していない理由について、エリは何か言ってましたか?」

 

 由香里も、そして亜夕美も、何も言わなかった。もちろんあたしも黙っている。

 

 この船内で、あたしたちヴァルキリーズのメンバーだけがゾンビ化していない――なんとなく気が付いていたけれど、その理由について考えたことはなかった。

 

 亜夕美のグループにいた宮本理香のように、ゾンビになった娘はいる。しかし、今のところヴァルキリーズのメンバーは、ほぼ全員ゾンビ化はしていない。対して、船の中はゾンビだらけで、正常な人間は、今のところメンバー以外にいない。これはどう考えてもおかしいわけで、そこに何らかの理由があるはずなのだ。

 

 燈は言葉を継いだ。「二日目以降、あたしもある程度船内を探索しました。でも、ゾンビになっていない人は、ヴァルキリーズのメンバーだけです。もし、ゾンビになるのが細菌の仕業で、それが空気感染するというのなら、あたしたちヴァルキリーズのメンバーだけに、ゾンビ菌に対する耐性がある、ということになります」

 

 ――あたしたちヴァルキリーズのメンバーにだけ、ゾンビ菌に対して耐性がある?

 

 そんなことがあり得るのだろうか?

 

 例えば、動物には感染するけど人間には感染しない、とか、逆に、人間には感染するけど動物には感染しない、という細菌ならある。インフルエンザが有名だろう。毎年ニュースなどで騒がれる、鳥インフルエンザや豚インフルエンザなどは、基本的には人間への感染はしない、と言われている。でも、それはもちろん、豚や鶏と、人間の体の構造が違うからだ。同じ人間でも、あたしたちヴァルキリーズだけが感染せず、他の人は感染する。そんなことがあるだろうか?

 

 ……うん? インフルエンザ?

 

 何か引っかかったな。何だろう? 考える。

 

 インフルエンザは、毎年毎年流行し、全国で猛威を振るっている。特にあたしたちは、コンサートや握手会、テレビの撮影など、人の集まる場所に出向くことが多く、インフルエンザになる可能性が高い。体力勝負、健康第一のあたしたちに、病気は大敵だ。手洗い、うがいはこまめに行い、人混みではマスクをつけ、そして、どんなに忙しくても、予防接種は必ず受けるようにし、感染しないように心がけている。

 

 …………。

 

 そうか。予防接種――ワクチンだ!

 

「気が付いたようですね。その通りです」燈が言った。「あたしたちがゾンビ菌に感染しない理由、それは、あたしたちだけが、ゾンビ菌のワクチンをあらかじめ接種していたから、と、考えるのが妥当だと思います」

 

 あたしたちだけが、ゾンビ菌のワクチンをあらかじめ接種していた――。

 

 確かにそれならば、あたしたちだけがゾンビにならないのは納得できる。

 

 でも。

 

 ワクチンを接種していたとして、それはいつだ?

 

 記憶を探るけれど、メンバー全員で注射を受けたなんてことはない。それどころか、あたし自身、最近は注射をしていない。最後に注射をしたのは、半年くらい前の、インフルエンザ予防接種だ。気付かない間に注射をされたのだろうか? まさか、寝ている間に? あたしはともかく、そんな方法でメンバー全員に注射できるなんて思えない。特に忍者の燈なんかは、寝ていても反撃しそうだ。現実的な方法ではない。でも、実際にあたしたちだけがゾンビになってないのは確かだ。何らかの方法でワクチンを接種されたと考えるは、間違っていないように思う。

 

 燈が続ける。「どうやってワクチンを接種したのか。それは、今のところ分かりません。しかし、それよりも問題なのは、一体誰が、何のためにワクチンを投与したか、です。ヴァルキリーズのメンバーだけにワクチンを投与できたということは、この船の中で起こっているゾンビ騒動――あたしたちは、アウトブレイクと呼んでますが――は、ヴァルキリーズに関係している、ということになります。もしかしたら、あたしたちヴァルキリーズのメンバーの中に、今回の騒動の首謀者がいるのかもしれません」

 

 ――――。

 

 あたしたちのヴァルキリーズのメンバーの中に、このゾンビ騒動の首謀者がいる?

 

 アイドル・ヴァルキリーズのメンバーの誰かが、ゾンビ菌を船内に撒き、みんなをゾンビにしたというの? 何のために?

 

「もちろん、これらは単なる推理です」燈が言った。「そもそも、ゾンビ菌なんてものが存在するかどうかも分かりません。でも、誰かが何かの目的のためにやったことは確かです。それが誰なのか。目的は何なのか。それが分かるまでは、あたしは誰も信用しません。ハッキリ言えば、あたしは一緒にいるメンバーも、この遥も、完全には信用していません」

 

 誰も信用しない、か。いかにも忍者の燈らしい考え方だ。由香里は苦笑いをしながら燈を見ている。亜夕美は、ハッキリと不快な感情が表れているけれど、特に何も言おうとはしなかった。

 

「あたしの話は以上です。そちらから何もなければ、これで失礼します」

 

 燈はあたしたちの顔を順番に見て行った。誰も何も言わないので、「では」と頭を下げ、そして、行ってしまった。

 

「あ。何かあったら、いつでも連絡してよ!」

 

 由香里が燈の背中に声をかける。燈は振り返ることも無かった。遥は深々と頭を下げると、燈の後を追った。

 

 ……って、遥、結局一言もしゃべらなかったな。存在自体忘れそうだった。

 

 さっき、燈たちが来る前に考えていた、遥の欠点というのがこれだ。彼女は、みんなといる時、特に、先輩メンバーといる時に、積極性に欠けるのだ。「先輩より目立ってはいけない」と考えているようで、テレビ番組やコンサートなどでも、とにかく、あまり前に出ようとはしない。トークなどでもほとんど発言することはないし、話を振っても、可もなく不可もない短い応えが返って来るだけ。まあ、その辺はあたしも人のことは言えないんだけど、あたしの場合は、立場的にも性格的にも、他のメンバーより目立たない方がいいと考えているので、あえてそうしているのだ(トークがヘタだから、というのもあるけど)。遥はあたしと違ってまだ若い。積極的に前に出れば、今よりもっと活躍できるのにな、と思う。

 

 まあ、今はそんなこと、どうでもいいか。

 

 それよりも、燈が言ったこと。

 

 今回のゾンビ騒動――アウトブレイクを引き起こした人が、ヴァルキリーズのメンバーにいるかもしれない?

 

 にわかには信じられないことだった。でも、船内にメンバー以外にゾンビ化していない人がいないというのは、確かにおかしい。燈が言う通り、この事件にメンバーが関与しているというのも、ありえない話ではない。

 

 じゃあ、一体誰が、何のために?

 

 それは、いくら考えても分からないだろう。

 

「なんか、気に入らないね」亜夕美が吐き捨てるように言った。「燈の言ってることは正しいと思う。あたしたちだけがゾンビにならないのはおかしいし、その原因があたしたちにあると考えるのも当然だよ。でも、どんなに理屈を並べても、疑ってるってハッキリ言われるのは、気分が悪いね。……由香里、どう思う?」

 

 由香里を見た。

 

「うーん。まあ、燈はああ言うけど、実際は、そんなことはないと思うんだよね。ホントに信用してないんだったら、あの娘の性格だもん。絶対、あそこまで話したりしないよ」

 

「つまり――」あたしは言った。「燈はあたしたちのことは、ある程度は信用している、ってこと?」

 

「まあ、そうだね。じゃないと、そもそも会ったりもしないでしょ。そして、逆に言えば、燈は、今回の騒動の黒幕も、ある程度目星をつけてるんじゃないかな?」

 

 燈は、黒幕の目星をつけている?

 

 それは誰だ? それ以前に、本当にそんな人が、メンバーの中にいるのだろうか?

 

「でもまあ、頭の片隅に置いておくくらいにしておいた方がいいね」由香里は、静かな口調でそう言った。「あたしたちは今まで通り、メンバーの安全を優先して考えるようにする」

 

 ……そうだね。

 

 由香里の言う通りだ。

 

 今回のこのゾンビ騒動――アウトブレイクを引き起こした人。それが、本当にいるのかどうかなんて、今のところ分からない。そんな、見えない敵の正体を追うよりも、今まで通り、どうやって仲間を助けるかを考えた方がいい。一番大切なのはそれだ。

 

「ふん。いかにもキャプテン様らしい考え方だね」亜夕美はため息とともに言った。「あたしは、もしホントにこんな騒ぎを引き起こしたヤツがいるんだったら、この手でぶっとばしてやりたいよ。それがヴァルキリーズのメンバーの誰かだって言うんなら、なおさらね」

 

 亜夕美は拳を握り、そばのゲーム機に打ち付けた。その表情は、溢れてくる感情を押さえつけているように見えた。

 

 今回のアウトブレイクで、亜夕美のグループでは、五人の犠牲者が出た。その原因を作った人がいるのなら、亜夕美は何としても見つけ出したいと思っているのだろう。

 

「亜夕美……話は若葉から聞いたよ。大変だったね」由香里は優しい口調で言った。

 

「……ヘタな慰めの言葉なら、いらないわよ」亜夕美は、由香里の言葉を突っぱねるように言う。「あんたも、若葉みたいにあたしのことを罵って、殴ればいいでしょ? どうせあたしは、仲間を護れない、それどころか、仲間をこの手で殺めた人間なんだから」

 

「それで亜夕美の気が済むのならそうするけど……でも、あんまり、自分を責めない方がいいよ。どうしようもないことって、あると思うし」

 

「分かった風なこと言わないで!」亜夕美は声を荒らげた。

 

「ゴメン……」由香里は特に何も言い返さず、ただ、謝った。

 

 亜夕美は大きく息を吐き出すと、背を向けて歩き始めた。

 

「どこ行くの?」あたしは訊いた。

 

「どこって、帰るのよ。もうここにいても意味ないでしょ?」振り返らずに応える亜夕美。

 

 何か言わなきゃ、と思う。結局あたしは、昨日のことも、まだ亜夕美本人に直接謝っていないのだ。でも、その背中に何と声をかけていいか分からず、言葉は出てこない。

 

 代わりに、由香里が言った。「亜夕美、あたしも一緒に行っていいでしょ?」

 

 亜夕美は振り返った。「はぁ? 何で?」

 

「あたしも一応ヴァルキリーズのキャプテンだから。みんなの無事を確認しておかないとね」由香里はウィンクをした。

 

「まあ、別にいいけど」

 

 そっけない口調で言うと、亜夕美は再び歩き始めた。あたしたちはその後を追った。

 

 と、その時だった。

 

《……亜夕美……亜夕美! 応答して!!》

 

 ノイズ交じりのくぐもった声が聞こえた。七海の声だった。亜夕美たちのグループの一人で、ランキング8位のジークルーネ。どうやらトランシーバーらしい。あたしたちのトランシーバーは操舵室に置いてきたから、亜夕美が持っているものだろう。すごく焦っているような声だ。何かあったのだろうか?

 

 亜夕美はトランシーバーを取り出した。「七海? どうかした?」

 

《……ゾンビが……ゾンビが……バリケードを突破して、中に入ってきたの!!》

 

「何ですって!?」

 

 亜夕美が叫ぶ。

 

 そんな!? ゾンビが、あのレストランのシャッターを破ったっていうの?

 

 七海たちが立てこもっているレストランは、普通のプレートタイプのシャッターと、その前に、格子式のシャッターもある二重構造だ。さらにその裏には、テーブルやイスなどを積み上げ、バリケードにしている。ゾンビなんかに破れるとは思えなかったけど……。

 

《あたし一人じゃみんなを護りきれない!! お願い! すぐに帰って来て!!》

 

 悲痛な七海の叫び。瞬間、亜夕美は駆け出していた。

 

「若葉! あたしたちも!」

 

 由香里も駆け出した。あたしも後を追った。

 

 

 

 


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