シノンと共にガンゲイル・オンライン   作:ヴィヴィオ

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お気に入りの登録と評価ありがとうございます。
ALOに銃はなしでやっぱり原作通りにします。
時間軸はどうやら、ネット時代のサイトを参照していたようで、10修正させて貰いました。
そして、なぜこうなった。


第3話

 昼食を終えてからシャワーを浴びて髪の毛を乾かす。この容姿になってから色々と得な事はあったけど、やっぱり色々と手入れが面倒だ。まあ、特典だからか、太らないし、髪の毛とかろくな手入れをしなくても綺麗なんだが、手入れをした方が気分が良くなるので手入れしている。髪の毛が乾いたら自室に戻って、トレーニングウェアに着替えてベッドに入ってアミュスフィアを頭に付ける。

 

「リンク、スタート」

 

 寝転がってログインワードを唱える。すると音声認識に従って。アミュスフィアが入れられているソフトであるGGOを起動する。[link start]の文字と共に視界の光が全て消えて光が戻る頃には喧騒が聞こえて来て部屋とは違う空間に居る事がはっきりとわかるようになった。改めて目を瞑ってもう一度開けるとそこはGGOでシノンと共に料理を食べたボックス席だった。

 

「ふむ。シノンはまだか……えっと、これは時間かな」

 

 視界の右下にこのボックス席の残り時間が表示されているみたいで、注文もできるみたいだった。とりあえず、コーヒーを頼んでシノンを待つことにする。

 俺のコーヒーとシノン用の紅茶を10個ずつ注文しておく。

 注文をしたら次はデザートイーグルを取り出してみる。黒光りする大きめの拳銃がテーブルの上に出現する。

 

「どんな銃か詳しくは知らないんだよな……」

 

 この銃はアメリカ合衆国ミネソタ州のミネアポリスにあるM.R.I.リミテッド社が発案し、イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ社とマグナムリサーチ社が生産している自動拳銃で回転式拳銃に使用されるマグナム弾をオートマチック拳銃で使う為に作られた物らしい。使用弾薬である.50AE弾の弾頭径は0.54インチとなっていて、S&W M500の使用弾薬の弾頭径0.492インチを上回り、拳銃用弾薬としては最大となるそうだ。威力はNIJ規格レベルIIのボディアーマーを貫通する程度の能力を持っているそうだ。つまり、軍の防弾チョッキ貫通するレベルで、鉄板も厚さによっては貫通するそうだ。使用弾薬は弾頭重量325グレイン、初活力約1400ft-lbsの.50Action-Express弾で装弾数が7発。全長269mm、重量2053g、銃口初速460m/s、有効射程80mとの事だ。しばらくは片手では撃てないだろう。

 光剣は簡単に言えばライトセーバーやレーザーブレードとか言える奴だ。装備自体は軽くて扱い易い。これも映画で使えそうな武器ではある。スターウォーズとかね。軽く席を立ち上がって振ってみるけど問題なく使える。袖に潜ませるとか出来たら良さそうだな。

 そんな事を考えていると注文の品物が運ばれて来た。どれもボトルに入った奴なのでそのままアイテムストレージに仕舞って二つだけ出して待っている。するとテーブルの反対側にシノンが目を瞑った状態で出現してきた。俺はテーブルに両肘を付いて掌で顎を持ちながらシノンの可愛らしい整った顔をじーと目詰める。

 

「……っ!?」

 

 目を開いてこっちらと目線を合わせたシノンは一瞬で顔を真っ赤にして、直ぐにそっぽを向いて紅茶を取って飲み出していく。それをニコニコしながら見ていると、時折カップから目を上げては逸らすを繰り返して飲んでいく。

 

「ふふ」

「何よ」

 

 コーヒーを飲みながらそんなシノンを見ていると笑えてくる、

 

「いや、可愛いなって思ってね」

「五月蝿い、バカ。ほら、行く……熱っ」

 

 顔を赤くしながら一気に紅茶を飲み干して火傷したようなのでお水をあげる。

 

「あっ、ありがとう……って、ほら、さっさと行くわよ」

「はいはい」

「はいは一回よ。まったく……」

 

 ブツブツと文句を言ってくるが、なんだか楽しそうではあるのでよしとしよう。とりあえず、シノンと共に店を出て少し歩く。

 

「狩場まであれで移動する?」

「ああ、あれね」

 

 俺が指さした方向にはレンタルバギーのお店。そこには前に一つ、後ろに二つのタイヤが付いた3輪バギーがあった。

 

「運転できるの? あれって難しいらしいわよ。マニュアル操作らしいし」

「まあ、2025年にもなってマニュアルシフトの旧式バイクを運転できる人なんてなかなか居ないからね。でもさ、シノンはリアルで一回乗ってるじゃないか」

「え? あれってマニュアルなの?」

「そうだよ。まあ、姿勢制御とか速度制限のシステムの搭載が義務付けられてるから完全なマニュアルじゃないけどね」

「そうなんだ……あっ、今度乗せてよ。気持ち良かったから」

「じゃあ、ツーリングでも今度行こうか」

「いいわね。まあ、こっちでも似たような事をするんだけど」

「敵性体がうようよしている場所でツーリングか、面白そうだな」

「そこでそう答える辺り、キリトは普通じゃないわよね」

「まあね」

 

 とりあえず、2人乗りでそれなりに大きな奴を選ぶ。そこまでお金が残ってる訳ではないけど、クレジットカードと連結させてるから足りなかったら変換される。一応確認はあるみたいだけどね。

 

「じゃあ、運転するからナビゲーターよろしく」

「自信はないけどね」

 

 お互いに連絡用の通信ヘッドセットを取り付けてバギーに乗り込む。乗り込んでからメーターパネルの下部にある支払いの認証システムに手を置くとプランが出て来たので指定して料金を引き落とす。

 

「じゃあ、行こうか」

「ええ。まずは左に出て、突き当たりを右。そこでメインストリートに出るから後は真っ直ぐ進めば出られる」

「了解」

 

 3輪バギーを発進させて言われた通りの道を進んでいく。だんだんとギアを変えて速度を上げていく。速度制限はこの世界では無いのか、100キロを超えても問題なく走れる。NPCが運転している車やバスなどを抜かしていく。

 

『あははは、いいわね。やっぱりこれ楽しい! ねぇ、もっと飛ばしてよ!』

『了解』

 

 シノンの要望に従って時速200キロを超えて運転する。更に加速を続けて300キロを超え出した。この辺になると流石にそろそろ運転するのもきつくなってくる。操作はシビアになってよりテクニックがモノを言う。そんな感じでカッ飛ばしていると目の前に車が沢山現れた。それは道を封鎖しているような感じだ。

 

『あれって……警備隊?』

『ちっ、出し過ぎたか。シノン、警備隊と揉め事を起こしてもペナルティってあった?』

『捕まったら罰金ね。逃げ切ると逆に称号が貰えたりするみたいだけど』

『称号?』

『ええ。ボーナスが入ったり色々と面白い物らしいわ』

『なるほど……』

『ちょっと、まさか……』

『シノン、ちゃんと掴まってろよ!』

『っ!?』

 

 シノンが慌てて俺に抱きついてくる。

 

「そこのバギー、止まりなさい!」

『止まれと言われて止まる馬鹿がどこに居るか!』

『いや、普通は止まるから』

 

 運転しながら検問に突撃する。腰からデザートイーグルを取り出して、一瞬だけ手を離して前方にある微妙に光ってる看板を狙撃して叩き落とす。その看板は相手の車にぶつかって斜めにかかる。その瞬間に看板の上を走って検問を突破する。破壊可能オブジェクトは少し光るみたいで、配置からして運営はカーチェイスしようぜって言って来ている。ならばそれに乗ってやるべきだ。だが、忘れてはいけないのが、ここがGGOだという事だ。

 

『ちょっ、撃ってきたわよ!』

『やっぱりっ!』

 

 身体を傾けて他の車両を盾にして銃撃を躱す。マシンガンやミサイルまで放ってきやがる。直ぐに上空にプロペラ音がしてくる。ミラーで確認すると戦闘ヘリまでいた。とんでもない物を持ち出してきやがった。それに加えてどんどんサイレンを鳴らす車両がやってくる。

 

『ちっ』

 

 デザートイーグルを仕舞って、光剣を取り出しながらドリフトターンを決めて再加速で相手に突撃する。バックミラーで確認していた隙間に突撃しながら片手で光剣を差し出して装甲車をタイヤから斜めに切り上げる。それと同時にアイテムストレージから取り出した弾薬ケースを投げて駆け抜ける。背後で爆発を起こして後続の車両などを巻き込んで盛大に燃え上がる。こっちは脇道にそれて別の道を進む。

 

『やりすぎじゃない?』

『全力を尽くすだけだ』

『はぁ……まあ、付き合ってあげるわ。私のせいでもあるからね。じゃあ、ちょっとあそこで止めてよ』

『わかった』

 

 停車するとシノンが降りる。そして、少し待つとプロペラ音が聞こえて来る。そして、ビルとビルの間から戦闘ヘリがこちらにやってきた。そこに銃声が響く。シノンが発射したライフル弾が一撃目で戦闘ヘリの武器を破壊した。

 

『ちっ、外れた』

『当たったみたいだけど?』

『狙ったのはプロペラよ』

『どんまい』

 

 直ぐにシノンが乗り込んで来たので発進して道を進んでいく。

 

『次は右よ』

『了解』

 

 右に回るとそちらにも戦闘ヘリが居て、早速とばかりにミサイルを放ってきた。弾道予測線(バレット・ライン)が出たのでそれに合わせてデザートイーグルを発砲してアクセル全開で突撃する。爆発はもう片方のミサイルを巻き込んで更に範囲を広げる。こちらは爆風を受けて更に加速する。なんとかコントロールして体勢を立て直す。背後では更に爆発音が響いてきた。

 

『ヘリが落ちたわね。爆炎で見えなかったみたい』

『儲けたな』

 

 突き進んでいくとどんどん車両がこちらに突撃してくる。挟んで止めるつもりのようだが、それらを光剣で切り裂いたり、速度調節して避ける。

 

『あそこが外に向かうゴールよ』

『じゃあ、ラストスパートだな』

 

 しかし、あちらは多数の兵士が銃を構えて巨大な門を締めようとしている。つまり、時間制限が存在する。これはまずい。

 

『このまま進んで。私が狙撃する』

 

 シノンは俺の肩にライフルの砲身を乗せて撃ちだした。五月蝿いけど仕方ない。勝つためだ。背後から追って来る奴等は銃弾をばら撒いて対処する。弾道予測線(バレット・ライン)を予測して回避を事前に行なって銃弾の雨を避ける。同時に破壊できるオブジェクトを落として盾にしたりする。そして、シノンが相手の車を爆発させて道を開いてくれた。俺はそこにバギーを突っ込ませる。ギリギリ、門が締まる前に通過できたが、代償は大きかった。

 

『盛大に弾薬ばら撒いたけど、どうするの?』

『今から狩りなのにね』

 

 少し荒野となった世界を走り、バギーが自動的に停車する。ちょうどいいので休憩するとしようか。遠くにあるブロッケンの街はまだ門が締まっている。そして、ポーンというシステム音が鳴ってシステムメッセージが表示された。

 

【おめでとうございます。プレイヤー:キリトは称号:ドライバーを習得しました。プレイヤー:シノンは称号:ナビゲイターを習得しました。シークレットミッション達成報酬をプレゼント致します。アイテムストレージをご確認ください】

 

「なんだろうね」

「さあ?」

 

 俺達はヘッドセットを外してアイテムストレージを確認してみる。すると色々と入っていた。それはもう、沢山。

 

「シノン……」

「潰した奴のドロップよね、これ……」

 

 4連ミサイルポッドとかまである。これは戦闘ヘリの奴だな。他にも追加装甲とか色々とあるが、報酬として入っていたのはもっと凄いのだった。

 

「私はナビゲーションツールね。現在位置とかマップの検索とかに使えるみたい」

「俺のは車両の引き換え権だったな」

「じゃあ、自分のを持てるって事?」

「そうなるかな。それも車種とかも選べるし改造もできる。どれがいいかな?」

「二人乗りできて荷物も乗せられる大型の奴かしら」

「それじゃあ、軍用トライクでいいか。これを改造していけばいいし、武器とかも積める」

 

 ブラック☆ロックシューターで出てきたバイクを再現しよう。戦闘用大型トライク、ふふふ。

 

「改造までできるんだったらいいんじゃない?」

「まあ、改造するとなるとガレージを借りないといけないんだけどね」

「拠点ね。じゃあ、お金を稼がないといけないわね」

「だね。じゃあ、狩りをしようか」

「その前に重いから厳選しないと……」

「こっちはまだ入るから渡して」

「わかった。でも、なんでそんなに入るの?」

「容量MAXですが、何か?」

「……」

 

 呆れられたようで、どんどん押し付けられる。まあ、全部入っても余裕はまだある。

 

「そういえばシノンはスキルって何を取ってるの?」

「射撃スキルと狙撃スキル。それに索敵スキルね」

「三日もあれば三つ目のスキルも手に入るか」

「そうね。っと、特殊フィールドが終わるみたい」

「おお」

 

 視界がぶれて、少しすると荒野が映し出される。先程までと違うのは敵と戦っているプレイヤーの姿が見えたりする事だ。どうやらイベント扱いの特別フィールドだったんだろう。傍らにはレンタルしてあるバギーもちゃんとある。

 

「このゲームってPK(プレイヤー・キル)って有りだよね?」

「もちろん、襲って来る場合があるから後ろに注意(チェック・シックス)よ」

「OKOK。じゃあ、索敵は任せていい?」

「ええ。このナビゲーションツールに索敵スキルを合わせれられるみたいだし、結構簡単ね。ナビゲーターの称号で補正も掛かってるみたいだし」

「それは楽しみだ」

 

 マガジンを入れ替えてデザートイーグルを仕舞う。光剣も確認してこちらも定位置に仕舞っておく。

 

「じゃあ、まずはメタルラビットから行きましょうか」

「了解。移動はどうする?」

「バギーで大丈夫よ。普通は音に気づいて……」

「あ、それは駄目だね。他のプレイヤーにも気づかれる」

「ええ。ここから歩きね」

「じゃあ、これは返すか……あっ、レンタル時間中はアイテムストレージに入れられるんだ。便利だな」

 

 確認すると、アイテムストレージに仕舞うというコマンドがあったのでそれを使って仕舞うと、4枠も取られた。流石は車両という事か。

 

「さて、行こうか」

「こっちよ」

 

 シノンの案内に従って移動すると、全身金属で覆われた角の……いや、正確に言おう。ドリルの生えた鉄製のウサギが居た。関節部はネジというか、ゾイドみたいな感じに丸い物になっている。

 

「あれがメタルラビットね。攻撃方法はドリルを使った体当たりと蹴りね。それで、狙撃する?」

「いや、俺がやる」

「じゃあ頑張って」

「ああ」

 

 デザートイーグルを構えてしっかりと頭部を狙う。引き金を引いて弾丸を発射する。マズルフラッシュが起き、弾丸は狙った場所ではなく首に命中して首が弾け飛んですぐさま消滅する。

 

「……」

「凄い威力ね。まあ50口径なら納得だけど」

「いや、それ以前に狙った場所じゃなかった。これはちゃんと調整しないと駄目か。少し試し撃ちする」

「じゃあ、近くで狙撃してるから、終わったら呼んで」

「うん」

 

 シノンは少し高くなった岩によじ登って寝そべったようだ。少しするとそこから発砲音が聞こえて来る。するとこちらに経験値が入ってきた。さっきのミッションで経験値が結構入ってて、レベルも上げられる状態になっているので筋力をあげる。

 

「さてと、着弾予測円(バレット・サークル)に頼らずに撃てるようになりたいな」

 

 ゲームの設定上、弾道予測線(バレット・ライン)はどうあがいても狙撃以外は出るらしい。だが、命中に関してはある程度腕でどうにかできるはずだ。SAOでも実際にリアルでの経験者はシステム外スキルみたいに力を発揮していた。なら、根幹が同じGGOでも可能なはずだ。だから、訓練する。

 実際、20発ちょっと撃つと大体狙った場所に瞬時にあてられるようになった。問題は動かれた時だが、これは練習するしかない。

 

「シノン、もういいよ」

「そう? じゃあ、移動し……キリト」

「どうしたの?」

「客よ。それも招かれざるね」

「了解」

 

 俺はシノンの言葉に獰猛に笑ってしまう。ああ、楽しくなってきたな。どうやって戦おうか。やっぱり次は剣だな。それに近距離でデザートイーグルを使うのもいい。どっかのラノベで拳銃は打撃武器とか言ってたしね。

 

 

 

 

 

 


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