詩乃が我が家に来てから一週間。こちらでの生活サイクルが決まりだした。まず、早朝4時に起きる。俺が先に起きれば隣で裸で寝ている詩乃の身体を好きに使って朝の処理をする。詩乃が先に起きれば口で起こしてくれる。この起こし方は詩乃が自ら提案して実行してくれている。お陰で毎日スッキリと目覚められる。
目覚めた後は布団を干してシーツを洗濯機に入れて2人でシャワーを浴びて洗い合う。それが終われば白衣と袴に着替えて俺は直葉を起こしに向かい、詩乃は朝食の仕込みを行う。
直葉はどうせ起きてないのでそのままドアを開けて入る。何時も通り、ベットにはTシャツ1枚だけ羽織り大きなぬいぐるみを抱き枕にしている直葉が居る。
「相変わらず無防備だな……見えてるし」
Tシャツがめくれて下着が見えている。まあ、何時もの事だ。前は思うところがあったが、今は詩乃のお陰で賢者タイムと呼ばれるものなので問題なくたたき起こす。そう、文字通り。
「ふっ!」
「っ!?」
部屋にある真剣を取って鞘に入ったまま直葉に振り下ろす。直葉は瞬時に体勢を変えてぬいぐるみと一緒に持っていた小太刀で受け止める。はじめは普通に起こすのが面倒になって小突く程度だったのだが、対応してきた直葉に合わせてだんだんと今の形になってきた。
「てりゃっ!」
ベットのスプリングを利用して飛び蹴りをかましてくる直葉の足を掴んで回転し、もう一度ベットの大きなぬいぐるみに放り投げる。
「お、お兄ちゃん! 妹はもっと優しく扱うべきだと思う! 詩乃さんみたいに!」
「却下」
「じゃあ、詩乃さんにやってみるたいにエロエロな起こし方で!」
「アホな事をほざいてないでさっさと準備しろ。訓練を数十倍にするぞ」
「イエッサー!」
ばっと起き上がってTシャツを脱ぎ出す直葉。ブラはつけていないのか、見えそうになるのでさっさと外に出てトレーニングルームに向かう。トレーニングルームには大きめのランニングマシンが数台設置されている。他にも目の部分を覆う仮想ディスプレイがセットされている。それらの準備を行なっていると、詩乃と直葉がやってくる。
「さて、はじめようか」
「うん」
「だね」
3人でそれぞれのランニングマシンで走り出す。俺と直葉は最高難易度ので、詩乃は比較的簡単なコースだ。
「お兄ちゃん、スイッチ入れるね」
「ああ」
仮想ディスプレイのスイッチが入れる。入れた事により、走っていると仮想の銃弾が飛んでくる。それを予測して回避していく。
「はぁ……はぁ……相変わらず、デタラメ……」
「慣れたら結構できるよ」
「まあな」
広めのランニングマシンの間を身体を動かして避ける。直葉は刀を使って避けられない弾丸を弾いているが、ベストは使わずに全て避ける事だ。まあ、詩乃から見ればランニングしながら飛び跳ねたりしている感じだが。これを一時間ほど行う。
次に俺と直葉は道場に移動して模造刀で試合を行う。詩乃はそのままトレーニングを続けてある程度したら合流する。
最後に風呂場に移動して滝に打たれる。冷水で打たれる為に最初は詩乃がお腹を壊したりしてしまったが、今はある程度平気みたいだ。冷水で精神統一と汗を流し、最後にシャワーを浴びてから出る。だいたいこれで7時になっているので詩乃が作ってくれる朝食を食べて学校へと向かう。朝はこんな感じで、夜は仕事などでバラバラになる。詩乃は基本的には家でマネージャーの勉強とGGOをやっている。
こんな生活が続いたのだけど、アルヴヘイム・オンラインも再開し、さらに月日が流れ……第二回BoBが始まる。