「はい、箒。あーん」
「い、一夏?」
「ほら。恥ずかしいのは分かるけど、食べないと治るものも治らなくなるぞ」
「う、うむ……んっ……」
「…………」
織斑がベッドの上で半身を起こした篠ノ之の口に飯を運んでいる。それを見た凰の右眉が吊り上がり、ビクビクと痙攣した。俺はバウムクーヘンを頬張りながら、そんな光景を眺めていた。
無人ISによる学園襲撃事件の翌朝。時刻は八時過ぎ。
怪我のため医務室に泊まっていた俺と織斑、篠ノ之の朝食を、本音と凰が運んできてから五分程が過ぎただろうか。
昨日の夕食を食べられず腹を空かしていた俺と織斑は、先ほどまでガツガツと運ばれてきた食事に食らいついていた。だが、一番の重傷を負っている篠ノ之は、飯を食うのにも苦労していた。
そのことに気付いた織斑が、自分の食事を中断して篠ノ之の食事を手伝い始めたのだ。お人好しなやつだ。
「あーん」
「あ、あーん……」
織斑は優しい表情で、それこそ親鳥が雛に餌を運ぶかの如く篠ノ之の口に食事を運んでいく。
篠ノ之は顔を赤く染めながら、織斑が差し出す食べ物を啄む。実に仲睦まじい様子だ。
「甘いね~」
「そうだな」
俺の隣で一緒にバウムクーヘンをつつく本音の言葉に肯定を返す。本当に甘い。
篠ノ之よ、俺のおかげで良い目が見れているんだ。感謝しろよ?
「箒、鮭の身をほぐすからちょっと待っててな」
「そ、そこまでしなくてもいいぞっ。運んでもらうだけでも、その、十分助かっている」
「いいから気にするなって」
「…………」
甲斐甲斐しく篠ノ之に世話を焼く織斑。その様子に、凰は大層悔しげな様子だ。思い人と恋敵にこんなものを見せつけられては、たまったものではないだろう。不機嫌そうに口もとを歪め、眉間にしわを寄せている。
喧嘩していた織斑にわざわざ飯を運んできたのだ。おそらく仲直りしようと考えていたのだろう。それがこのザマとは可哀想な話だ。だが、小気味良いとも感じる。こいつには煮え湯を飲まされっぱなしだからな。『衝撃砲』で叩き落された時の事を思い出すと、今だに腹が立ってくる。そうだ、溜飲を下げるためにも一つからかってやろう。
「凰よ、そんなに恐ろしい顔をしてどうした? もしや篠ノ之が羨ましっのっ!?」
本音にひっぱたかれた。しまった。前に同じことをやって怒らせてしまったのだった。
「ウヴァっち?」
「すまん……」
威圧感を放つ本音に、俺は素直に頭を下げた。
「そーいうことはしないって約束したでしょ? ダメだよ?」
「ウム……」
「分かればよろしー」
今回はそれ程怒っていないようだ。安心していると、凰が話しかけてきた。
「こないだも思ったけど、あんたって、見た目の割に情けないわよね?」
「あん?」
なんだと? こいつは何を言っているんだ? 俺のどこに情けない要素がある? ああ、IS戦で勝てたから、自分は俺より強いと勘違いしているのか。あれは見えない砲撃などという卑怯な武器を使ったからだというのに。
「おい、お前。言っておくが、前の戦いで俺が負けたのは武器の差があったからだぞ? 実力なら俺の方が上だ。勘違いするなよ?」
「うわぁ……」
「ウヴァっち、そーいうところだよ……」
俺が思ったことを言うと、凰は呆れたと言わんばかりの顔をした。本音まで同調している。なんだ? 俺のどこがいけないというのだ?
少し混乱していると、本音が話題を変えた。
「そうだ、ウヴァっち、体もう大丈夫なんだよね?」
「ああ。問題なく動けるぞ」
体調について尋ねてきた。何だろうか。
「じゃあ、今日は一緒に『打鉄』の整備やろっか。昨日の事件のせいで、今日の授業は全部お休みだし」
「構わないが、俺は整備の事は分からんぞ?」
「大丈夫、出来ることをやってもらうから」
整備か。今まで本音に丸投げしていたが、少しは自分で出来るようになった方がいいな。
♢
「おっけー、じゃあ主機落としてアーマー開いて~」
本音の指示に従い、エネルギー供給をカットした後、装甲を開いて『打鉄』を脱ぐ。
朝食の後、俺と本音はアリーナに併設された整備室に来ていた。
「う~ん、ボロボロだねぇ。盾は二枚とも新しいのに交換だね。右腕も。焼けてる帯も巻き直さないと」
ハンガーに固定された『打鉄』に大量のケーブルを接続しながら本音が言った。
あらためて見ると、『打鉄』は酷い状態だ。
両肩のシールドユニットは表面が融解したらしく、デコボコに歪み波打っている。
右腕も損傷が激しい。特に手首から先は殆ど原型を留めていない。
『打鉄』の特徴でもある、装甲を束ねる特殊繊維の帯も所々焼き切れていた。
「ウヴァっち、それだけの怪我で済んでよかったね~。防御型の『打鉄』じゃなきゃ危なかったかも」
「まあな」
実際はもっと酷い怪我を負っていたのを、セルメダルを消費して不自然に思われない程度に修復したのだがな。
「それより本音、俺は何をすればいい?」
「ちょっと待ってね。大丈夫な装甲を外すから、それを磨いてあげて」
「うん?」
磨く? 装甲を? 何の意味があるんだ?
俺の疑問を察したのか、本音は言葉を続けた。
「ウヴァっち、『八百万の神』って知ってる? 日本では昔からね、この世界のありとあらゆるものに魂が宿ると信じられてきたんだよ。木にも、草にも、そのあたりに転がる石にも。もちろん、この『打鉄』にも……だからね、ウヴァっちを守ってくれた『打鉄』を、感謝の気持ちを込めてお手入れしてあげて」
静かに語る本音。
意外だ。こんな時代に、それも人間の技術の最先端であるISに関わる本音が、そんな考えを持っていたとは。だが、ことISに関しては、間違っていないのかもしれない。
授業で山田麻耶が口にしていた『ISの意思』という単語が思い出される。やってみてもいいかもしれないな。どうせ今日は暇なのだし。
「そうか、わかった。どうやればいい?」
「うん、向こうのコンテナにピカールとワックス入ってるから、それ使って」
♢
『打鉄』の装甲を磨き始めてから一時間程が経った。
金属の表面が艶を増し、鏡のように仕上がっていく様子を眺めながらの作業は、地味だが意外と楽しい。
少し手が疲れたので、一息ついて肩を回す。隣で作業を続ける本音を見ると、右腕の部品を交換していた。
作業を再開しようとすると、整備室の扉が開く音がした。目を向けると、入ってきたのは更識だった。
「あ……」
「よう」
「あっ、かんちゃん、おはよー」
「……おはよう」
俺達を見た更識は驚いた顔をしていた。本音が呼んだわけではないようだ。何をしに来たのだろうか?
「かんちゃん……『弐式』の?」
「……うん」
俺達の傍まで来た更識に、本音が何かを問いかける。その声は少し暗い。何の話だろうか?
「更識、何をしに来たんだ?」
「……機体の……調整」
俺が質問すると、更識はボソボソと答えた。
機体? 一年の専用機持ちは俺と織斑、オルコットに凰を加えた四人だけだと思っていたが。
「かんちゃんの専用機、まだ完成してないんだよ」
本音が補足するように言う。未完成か。それで話が広がっていないのか。
「なぁ、お前の専用機、どんなISなんだ?」
「……おいで……『打鉄弐式』」
俺が質問すると、更識は隣のハンガーに入りISを展開した。
「『打鉄弐式』……ウヴァ君の『打鉄』の後継機……でも、まだ全然完成していない…」
ハンガーに固定されたISから抜け出しながら、更識が言う。
『打鉄』の後継機というが、外見に共通点は見当たらない。シャープな形状や大型の推進ユニット等、むしろ織斑の『白式』に近い印象を受ける。
どの程度の性能なのだろうか。あまり高性能なのはマズイな。更識に俺より強くなられるのは困る。
「あまり『打鉄』に似てないな」
「リヴァイブを……参考にしてる。どちらかといえば、高機動型……」
俺のつぶやきに、『打鉄弐式』にピットの機器を接続しながら更識が答えた。後継機を謳いながらも、『打鉄』とはコンセプトから違う機体らしい。
「かんちゃん、ゴメン。手伝ってあげたいけど、ウヴァっちの『打鉄』がこんな感じだから……」
「ありがとう……気にしないで……」
本音の言葉に返事をすると、更識は作業を開始した。邪魔をしては悪いな、俺も続きに戻るか。
しかし、未完成のISを調整とは。学生が一人で出来るものなのだろうか?
♢
「いただきま~す!」
「……いただきます」
俺と本音、更識は食堂に昼飯を食いに来ていた。時刻は午後二時過ぎ、昼食には遅い。少し作業に熱中し過ぎたな。
「あの……ウヴァ君……」
「なんだ?」
カステラを切り分けていると、更識が話かけてきた。
「怪我……クラスの子を、砲撃から庇って火傷したって聞いたけど……本当……?」
「まあな。そのせいで俺の『打鉄』はあんな状態だ」
更識の質問に答える。午前中の修理で『打鉄』の外見はほぼ元に戻ったが、内部の損傷は自己修復に任せるしかなく、万全の状態にはほど遠い。部品の大部分を交換した右腕の調整も必要だ。
あの時はとっさの判断で篠ノ之を守ったが、まさかあそこまで傷つくとは思わなかった。
「怖くは……なかったの?」
「ふん、怖いわけあるか。俺はあの程度では死なん」
「……そう……」
それっきり黙り込んでしまった更識に変わり、布仏が口を開いた。真剣な目をしている。
「ねぇ、ウヴァっち。ウヴァっちが怪我して帰ってきた時、私、すごく後悔したんだよ?」
「うん? 後悔? 何をだ?」
「篠ノ之さんを追いかけてって言ったこととか、前にウヴァっちが強盗をやっつけるって言い出した時、IS出すのを止めたこと。ウヴァっちが戦うのが上手なのは知ってるよ? 専用のISも持ってる。それでも、取り返しがつかない事になる時もあるんだよね?」
悲しげな口調。どうやら、こいつは俺の身を心配してくれているらしい。そんなものは無用だというのに。
「おい、本音。そんな心配をする必要は無い。俺の一番大事な物は、俺自身だからな。昨日も、強盗の時も、俺が危ないようだったら篠ノ之やお前らを見捨てて逃げていたさ」
「そうなの? 冷たいなぁ。うん、でも、それがいいよ」
「ああ。くだらん話はやめだ。飯を食うぞ」
「そうだね~」
「…………」
少し笑いながら、本音がグチャグチャにかき混ぜられたハヤシライスにスプーンを伸ばす。俺も切り分けたカステラを口に運んだ。
カステラを食べたのは初めてだったが、かなり気に入った。少しだけ水気を含んだ柔らかい生地、底の砂糖が固まった部分のザラザラとした触感。独特だが、美味い。
♢
「今の設定で動かした感じ、どう?」
「悪くない、以前とほぼ変わらないな。これでいいだろう。」
昼食の後、整備室に戻り作業を再開して二時間ほどが経った。
俺は本音と一緒に『打鉄』の右腕のマニピュレーターを調整していた。
「うん。じゃあ後は自己修復に任せないといけない所しか残ってないし、今日はこれぐらいにしよっか」
「了解だ」
『打鉄』を待機形態に戻す。
隣のピットの更識を見ると、固定された『打鉄弐式』の横で、空中に投影されたキーボードを凄まじい勢いで叩いていた。まだ調整を続けるのだろう。
修理に使った機器を片付けていると、整備室の扉が開いた。
「あ、いましたいました! 織斑くん、いましたよ~ウヴァくん!」
「おお、ウヴァ! やっと見つけた!」
織斑と山田真耶が整備室に駆け込んできた。俺を探していたようだが、どうしたのだろうか。
「ウヴァ、今日は俺達が大浴場使っていいらしい! 一緒に行こうぜ! ボイラー点検で女子はいないんだってさ!」
鼻息も荒く織斑が言う。どれだけ嬉しいんだ。そういえば、たまには湯船に浸かりたいとかボヤいていたことがあったな。
「ああ、わかった。だが、ちょっと待て。ここを片付ける」
「おう! 先に行ってるぞ!」
「あ、織斑く~ん、鍵は先生が持ってますよー!」
浮かれた様子で織斑は走り去ってしまった。山田真耶もそれを追いかける。
「おりむーってお風呂好きなんだね。ウヴァっち、後は私がやっておくから行きなよ」
「む、すまんな。更識、俺は先に上がるぞ」
「……うん……お疲れ」
♢
「おっ、来たか、ウヴァ」
服を脱いで大浴場に入ると、織斑が浴槽に浸かっていた。いかにも幸せそうな顔をしている。
大浴場の設備はかなり豪華な物のようだ。大きな浴槽が何種類も並んでいる。
「こういう風呂に入るの初めてか?」
湯につかる前に体を洗っていると、織斑が声をかけてきた。
「ああ。なかなかに気持ちよさそうだな」
「おう、気持ちいいぞ。日本が世界に誇れる文化だ!」
織斑の大声が浴室内に反響する。はしゃぎ過ぎじゃないか?
体の泡を洗い流し、織斑と同じ浴槽に入る。
熱い湯が心地よい。包帯が巻かれた右腕は浸けないよう注意する。
「どうだ?」
少し離れた位置から織斑が問う。
「いいもんだな、これ」
「ふふ、そうだろ」
「ああ……」
この返事を最後に、俺達は口を閉ざした。
ゆったりとした沈黙。湯が浴槽に注がれる音が響く。心地よい、悪くない気分だ。
「なぁ」
しばらくボンヤリとしていると、織斑が呼びかけてきた。
「なんだ?」
「箒から聞いたよ。ウヴァが助けてくれたんだって。ありがとうな」
「ふん、もう馬鹿な真似をするなと篠ノ之に言い聞かせておけよ」
「あー、そうだな、言っとくよ」
少し困ったような織斑の返事。強くは言えないだろうな、こいつと篠ノ之の力関係だと。
そんなことを思っていると、織斑が再び口を開いた。
「そういえば、ウヴァってさ、ペルーの、その……スラム出身なんだよな?」
「ああ、ここに来る前はリマのスラムにいたな。それがどうした?」
「いや、どうしたっていうか……ケーキばっかり食べてるの、やっぱりそれが関係してるのか?」
「そんなワケあるか。好きだから食ってるだけだ。まあ、確かに、ケーキより美味い物は食ったことがなかったがな」
「……そっか」
何か考え始める織斑。こいつ、また俺に和食を食わせようと考えているのだろうか? あれはどうも苦手なんだがな。そういう話になるのは嫌なので話題を変える。
「そういえばお前、今日は何をしていたんだ? ずっと篠ノ之の世話をしていたわけでもあるまい?」
「ああ、昼からは鈴と模擬戦したよ。昨日の決着を付けようって。負けちゃったけど、結構良い勝負だったよ」
「負けは負けだろ。だが、凰と拗れてたのは解消されたか」
「ああ、なんか許してくれるってさ。なんで怒ってたのかは教えてくれなかったけど」
「まぁ、自分で考えろ」
「皆そう言うんだよ、教えてくれればいいのに」
「ハッ……」
再び静寂が訪れる。コポコポという泡の音を聞いていると、地面がわずかに揺れた。
「揺れたな、地震かな?」
「いや、違うな」
セルメダルが増殖する気配を感じた。
俺のヤミーが、昨日の無人ISを喰うのに成功したのだ。今の振動は、ヤミーが逃げ出すために何かやったせいだろう。
少し緩んで、回転の遅くなった頭でそう推測する。暑いな、そろそろ出るか。
「織斑、俺はもう上がるぞ」
「ん、わかった」
「ああ、じゃあな」
「また明日な、ウヴァ」
大浴場、なかなか良いものだったな。次に入る機会があるのはいつになるだろうか。楽しみだ。
さて、今日はもう疲れた。帰ってケーキ食って寝るか。
おまけ 整備室での会話
ウヴァが立ち去った後の整備室。用具の整頓をあらかた終えた本音に、簪がキーボードを叩く手を止めて話しかけた。
「……本音」
「なあに? かんちゃん」
「ウヴァ君と、一緒の部屋で暮らしてるんだよね……? ……大丈夫? ……その、なんていうか……アレ……とか……」
躊躇いながら、今一つ要領を得ない質問する簪。
本音は首を傾げた後、一拍の間をおいて質問の意図を察し、答えた。
「ん~? ああ! かんちゃんが心配してるようなことはないよ~。ウヴァっち、あれで実は紳士? みたいだから」
「そう……よかった……」
「うん、でもまあ、入学式の日、初めて会った時は怖かったね~。教室で眉間にシワ寄せて超不機嫌ですって顔してたもん。たっちゃんに渡された調査書には地元ギャングの幹部とか書いてあったしー? 正直、絶対犯されるって思ったね」
「……ごめん」
本音の言葉に謝罪を返す簪。
身元のはっきりとしない男と同居し、身の回りの世話や技術的な支援をして欲しいというペルー政府からの依頼を本音に斡旋したのは、彼女の姉なのだ。
「いやいや、かんちゃんが謝ることじゃないよ。それに、ウヴァっちと出会えて良かったし」
ニコニコと笑いながら答える本音。その様子を見て、簪は以前から疑問に思っていたことを訊ねた。
「……本音はウヴァ君のこと……好き……なの……?」
ものぐさなはずの友人が甲斐甲斐しく男の世話を焼いているのだ。
簪はそれを見て、これはもしや、恋が人を変えるというやつなのだろうかと疑っていた。本当にそうなら応援しようとも。
もっとも、そういったことに疎そうな普段の態度から半信半疑といった程度だが。
「んー、私はウヴァっちのこと好きだけど、かんちゃんが言う好きではないかな。ウヴァっちって育ちが育ちでしょ? 一緒に暮らしてるとそーいうところが目についてねえ。どっちかというと手のかかる弟かペットって感じ?」
「ペットって……それに、育ち……? そんなに大変なの……?」
ウヴァは粗暴だが、本音にだけは甘い。そのことは簪も知っていた。
乱暴な性格以外で、一緒に暮らしていて問題になるような“育ちの悪さ”が簪には想像できなかった。どんな問題が起きるのだろうか?
「大変だよー? シャワー浴びてる間に用意してあげないと何日も同じ下着で過ごそうとするし、ネクタイは一人で結べないし、毎晩歯磨きさせるの大変だし」
「…………」
思ったよりずっとレベルの低い話だった。溜息を吐く簪。
そんな簪に気付かず、歯磨き粉の味が嫌いみたいでねぇ、とか、そういうところが可愛いんだけどねぇ、と目尻を下げて嬉しそうに呟く本音。
そんな様子なのに、甘えん坊でだらしない性格だと思っていた友人が、なぜか逞しく揺るぎない存在として簪の目に映った。
ゴーレム事件の翌日でした。
これで一巻分は終了、次回から二巻に入ります。
オトシブミヤミーさんがアッサリと退場しちゃいましたが、すこし先で出番がある予定。
しかし、前の投稿から日が開いてますね。投稿速度、もう少しあげたいです。
五月二十日 おまけを追加しました。