極東の騎士と乙女   作:SIS

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・ここでは本編に搭乗したオリジナル機体、もしくは大幅に設定が変更もしくは加筆された機体の紹介を行っています。



機体設定

 

 

 

プリンセス・オーダー

分類:操作性特化

世代:準第二世代型

単一仕様能力:Which Dreamed It

製造元:SAP(シェリー・アンド・プロメテウス)財団

詳細:イギリス国家代表、シェリー・アビントンの愛機。本来は戦闘用ではなく、医療系において高い技術を保有するSAP財団がISテクノロジーの医療技術方向への応用、自社の技術力のPR向けに設計した図面がイギリス政府の目にとまり、戦闘用に調整された上で建造されたという経緯を持つ。

神経系へのインタラプト技術に得に優れたSAP財団らしく、機体制御に白騎士からの劣化コピーである脳波測定インターフェイスの他に、直接神経間にニードルを差しこみ神経間物質を読み取る事で機体を制御するニューロン・ニードルと呼ばれる技術が採用されている。それにより本気は極めて繊細な機体制御を可能としており、搭乗者であるシェリー・アビントンの能力をフルに発揮する事に成功している。反面、あくまでスペック上では大した性能をもっていない。

第二次世界大会モンドグロッソにおいて、搭乗者の狙撃能力により準決勝まで勝ち上がり、暮桜に敗北するもその設計思想と実績はIS業界に大きな衝撃を与え、後の第三世代型開発へのきっかけとなった。

 

ブラックナイフ

分類:射撃型

世代:第二世代型

製造元:ノースロック・グラナン

詳細:アメリカが世界に正式に公開した第二世代型にして量産型IS。第一回世界大会からアメリカは射撃性能に特化する事による戦域制圧を思想としたISを製造しており、本機は培ってきたその戦術概念の結晶ともいえる。

後発のラファール・リヴァイヴに総合性能で負けているとはいえ、射撃管制能力はそれを上回っており中距離戦闘においては最強に近い戦闘力を発揮し、エアカウリング装甲をカーボンブレードで縁取る事で装甲自体を近接武器として運用できる事からも近接戦闘でも高い能力を発揮し、どの距離でも高い攻撃力を発揮する。さらに装甲が射撃反動を軽減するアブソーバとしての働きを持つ為、ISのPICに依存する事なく長距離精密射撃も可能であり、大容量の拡張領域を生かして単体で支援射撃から制圧射撃に切り替える事が出来る等と射撃戦闘に関してはほぼ最高の能力を持っている。

だが実際のところ、本気は強奪された真のアメリカ製第二世代”アラクネ”の本体部分を改修したにすぎない機体であり、大容量の拡張領域には本来サブアームとその制御システムが治まっている事を考えれば、到底本来想定されていたスペックを発揮しているともいい難い真実がある。にも関わらずこの姿で公開に踏み切ったのは、すでにアラクネが多数のIS犯罪において目撃されてしまったため、公開する訳にはいかなくなったからである。

流通してる第二世代はラファール・リヴァイヴといい打鉄といい手放しでほめられないのばっかりである。

 

 

ブルー・ティアーズ

分類:BT兵器搭載(試験版)

世代:第三世代型

単一仕様能力:???

製造元:ユーロファイタス社(部品の製造のみ)

詳細:イギリス製第三世代型にして、国家代表候補生セシリア・オルコットの愛機。公式に発表されている第三世代型では初の実戦仕様型である。SAP財団の直接支援を受けた最新鋭マン・マシン・インターフェイスことイメージインターフェイスを搭載している。

その最大の特徴は、BT(Boost Thermal)兵器と呼ばれる新概念装備を搭載している事にある。これは、本来ISコア内部にのみ存在し、外界では存在できないISエネルギーと呼ばれるエネルギーを、光学兵装に数%残留させる事を可能とした兵器であり、ISエネルギーの影響で本来の光学兵器にはない性質を得ているのが特徴である。その恩恵は現在分かっているだけでもISの対光線防御フィルターを貫通する、熱伝導率の向上等極めて攻撃的な性質として発現しており、本来ISに対して無力だった光学兵器を致命的な兵器へと変質させている。さらにISエネルギーが人間の感情に影響を受けるという研究が本当なら、照射したレーザーにも同じ事がいえるはずであり科学者たちは偏向射撃(フレキシブル)という現象の発現もあり得る、と話している。一方で、その制御は極めて困難とされており、ISコアが搭乗者の精神状態に大きく影響を受けるのが大きなハードルになっている。搭乗者の精神状態が上下を繰り返すとISエネルギーが安定せず、逆に感情を押し殺していると出力が低迷する。その為搭乗者はまず、簡単に感情を高ぶらせない冷静さとそれでもある程度情熱的な性質を持ちあわせる事を要求される。さらにシステム的に試作型である故CPU側だけでは安定させる事が出来ない為に、イメージインターフェイスによる制御に頼っている事から搭乗者は戦闘しながら高度な思考制御をおこない続ける事が必要。その為精神的にも思考能力的にも特異な性質を要求されてしまう。この無茶苦茶な条件をどれだけ満たせるかが所謂BT兵器適正であり、現状イギリス国民を総当たりしてもBT兵器を稼働域にもっていけるのはセシリア・オルコット唯一人である(一説ではイギリス現代表シェリー・アビントンも操作可能であるという話があるが、正直彼女にはBT兵器いらないんじゃね? という意見が大半であったりする。真実は闇の中)。

ちなみに本機の場合さらに新型遠隔操作システム、正式名称ブルー・ティアーズを多数搭載しているため、さらに操縦難度が跳ね上がりとうとう処理能力がISコアを持ってしても追い付かなくなった為に、ビットか本体の武装のどちらかにFCSを切り替える選択式になっている。

それに加え、あくまで試験対象は武装側である為、本体の性能は低く、ブルー・ティアーズというISはあくまで試作兵器群のキャリアーに過ぎず、基本能力では第二世代レベルにとどまっている。

もはや踏んだり蹴ったりとしかいいようのない欠陥機であるが、搭乗者であるセシリア・オルコットは本機を運用し圧倒的な実戦成績を収めており、BT兵器の極めて優れたポテンシャルを証明している。

イギリス本国はこの事からセシリア・オルコットを極めて高く評価しており、本機で得たデータから”完成”型BT兵器搭載IS”サイレント・ゼフィルス”の建造を急ピッチで遂行中であり、完成の暁にはセシリアにその機体を授ける事を宣言している。

武装:

レーザーガン型ブルー・ティアーズ×4

ミサイル型ブルー・ティアーズ×2

HLRXBT-03 "スターライトMk-Ⅲ"

XCIWS-B 試作近接ブレード”インターセプター”

 

 

甲龍

分類:戦場支配型

世代:第三世代

単一仕様能力:???

製造元:九龍機密工房(調査の結果、出所不明と判断)

詳細:中国が開発した(という事になっていた)完全な第三世代型IS。開発経緯が一切不明で、突如として世界に発表された謎の多い機体。暴風などの以前に中国が開発した機体はどこかしら他国の機体の設計思想が伺われるものが多かったが、甲龍はそのフレームからして完全に独自設計であり、いかにして中国がその高度な技術を蓄積したかが話題になっていた。

重装甲でありながら機動性にも優れ、高い出力を誇るすべてが高次元でまとまったバランス型の機体ではあるが、その運用は近接戦闘に特化している。また装備にも他国では見られない独特な物が多く用意されており、対応のしづらさもあいまって数値以上の戦闘力を誇っている。

その最大の特徴は、特殊兵装”龍吼”。アンロックユニットとして浮遊している背部の球状のユニットがその端末であり、その能力は超絶的な運動エネルギーの制御。極めて高次元の領域で運動エネルギーを分解、再構成し、あったはずのエネルギーを棚上げしてなかったことにした上で後で取り出して使う、という従来の運動力学は愚か、ISのもたらしたイナーシャル・コントロールの概念からすら逸脱した力を発揮する。通常時は、この能力により内部シリンダーで発生させた爆発エネルギーを変換、転送する事によって”見えない砲弾”として運用している。あらゆるセンサーに発動するまで感知されないという代物であり、極めて驚異的な装備ではあるが、しかしこの特殊兵装の本質にはほど遠い。

 その能力の本質は、極めて広範囲にわたって運動エネルギーを制御、干渉する事による、現象操作……すなわち地球においては、自然環境の制御。つまりは、天候操作にある。

 高い汎用性を持ちながら、甲龍が近接戦闘に特化しているのもこれに理由があり、さしものISコアの処理能力をもってしても、広域の天候を操作しながら目の前の敵を相手に射撃のための高速演算、という芸当は無理だった、という事である。逆に言えば、それほどの演算能力を消費する天候操作はほかのISには絶対に不可能な芸当であり、その発揮する影響力は中国事変前後における戦闘記録からも明らかである。一説によれば、ある程度の規模以上まで成長した熱帯性低気圧の中にいる限り、甲龍は競技レベルにおいて無敵とすらされる。

 無論、環境においては竜巻や吹雪といった別種の自然現象を操る事も可能であり、まさに自然現象の象徴である”龍”の名を持つにふさわしい機体であるといえる。

 中国は本機を国の技術力の象徴として扱っていたが、中国事変においてその出自が極めて疑わしいものと発覚。政治劇の末に、IS学園預かりとなった。

武装:

熱単分子ブレード”双天牙月”

高圧電染鎖”ボルテック・チェーン”

 

 

 

揺池金母

分類:広域制圧型

世代:第二世代

単一仕様能力:天砺五残

製造元:九龍機密工房

詳細:

中国国家代表専用機として開発された、第二世代型IS。その基本設計はイタリアのテンペスタの設計を模写した暴風の発展型にあたり、暴風というかテンペスタが四肢に備えていたスラスターを、プラズマ制御端末に置き換えた機体である。専用の火炎放射器(核分裂炉を搭載)、ナパーム弾など多数の熱量兵器を搭載しており、ISそのものに熱攻撃は意味がないものの通常兵器相手には無敵といってもいい戦闘力を誇る。また、対IS戦闘においても、操縦者の卓越した技量による高機動性で、技術的に勝る機体とも互角に戦っていた。

その存在が決定的に変質したのは、単一仕様能力発動後。セカンドシフトと共に発言したその能力は、分子間結合力を弱めるというものであり、セカンドシフトによって発生した空間そのものに干渉する特殊な熱量装備とあいまって、”能力圏内のあらゆる物質を分子レベルまで解体、その後それを資源として運用する”という驚異的な力を発現した。この力の前では、あらゆる遠距離攻撃は分解されて揺池金母に”弾丸”として分子を回収され、接近したら最後、超加速・荷電状態の分子をたたきつけられて粉砕されるのみである。この能力・装備発言状態では、その影響範囲がまるで巨大な蝶の羽のような形に目視できる。

世界レベルでみても突出した強力な機体ではあったが、中国事変時において単機でクーデターを決行後撃墜され、損失している。コアは回収され、IS委員会の元で新しい機体にあてがわれる予定である。

 

ガル・スレーンドラジット

分類:電子戦型

世代:第二世代

製造元:ヒンドスタン航空機

単一仕様能力:日輪終焉

詳細:

前インド国家代表にして、現インド国家代表候補生、サーラ・ラオの愛機。このややこしい経緯は、IS管理法が制定される前に彼女が第一回世界大会に参戦していた事からくるが、それは別の話なので割愛する。

巨大な翼を有しており、脚部に大型のクローを備えているのが特徴。その姿から勘違いされがちだが、本来はあり得たかも知れないIS同士の集団戦闘において、支援を行うために開発された電子戦機である。その巨大な翼は、超大型のレーダーにして情報収集用の端末であり、飛行能力には一切関与していない。その表面には無数のレーダー素子がちりばめられており、セカンドシフトを果たした今はISコアの能力もあってその能力は地球上に現存するすべての電子戦機をかき集めても及ばないとされている。一説によれば、本機と相対した物は、まるで自分の存在すべてが見透かされるような錯覚に陥り、身動きする事すらできなくなるという。

 そのように本来は直接戦闘向きな機体ではなかったが、しかし機体そのものの強度や格闘戦闘力は十分であり、決して戦闘力が低いわけではない。むしろ、”人類最強の目”を持つとされるサーラ・ラオとこの高度な情報集積能力が重なった結果、この機体は驚異的な回避力・破壊力を持つに至った。あらゆる攻撃を回避し、あらゆる防御の弱点をつき、一方的に勝利する。その前には、あらゆるテクノロジーは意味を成さない。対抗できるのは、同格の人知を越えた超人達だけである。

 中国事変においては、その電子戦能力を本来の意味で見込まれて、IS委員会の派遣した実行部隊の隊長機をつとめた。結果、部隊に損害を出しつつも揺池金母の撃墜に成功している。

 なお単一仕様能力は、詳細についてが一切不明。ただ、中国事変において揺池金母のプラズマ爆撃帯に突っ込み、無傷で生還したカラクリがこの単一仕様能力にあるのではないかとだけ言われている。


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