ネタ短編集   作:龍牙

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なのは×SDガンダム?

「なんだよ、これ!?」

 

 少年が絶叫を続けている。彼は転生者であり、高い魔力を持って高ランクの屈託魔導師としてこの場に居る。

 彼が参加した任務は、とある管理外世界の反管理局組織の撲滅だった筈だ。デバイスは愚か、航空戦力も無い小さな組織……直ぐに終わる程度の簡単な任務のはずだった。だが、蓋をあけてみればどうだろうか?

 

 最初のうちは順調だった。相手は数こそ多いが十人程度の魔導師でも容易に制圧可能と考えられていた程度の相手でしかない。其処に高ランクの魔導師の自分が居るのだから、精々自分の輝かしい功績の一ページになってもらおうと考えていた。だが、

 

「動けよ! 動けよ、このクソデバイス!!!」

 

 突然全員の持っていたデバイスが機能を停止した。同時にバリアジャケットも解除され、強制的にリミッターが掛けられ……一切の魔法が使えなくなった。

 そうなれば結果はどうなるだろうか?

 簡単な話しだ。

 先ほどまで恐怖の対象でしかなかった敵が突然武器を失った。敵にしてみれば、罠と疑うが、それでも自棄になって反撃に打って出た……出てきてしまったのだ。

 

 先ほど更に一人の管理局員が敵に捕まり、その場で殴り殺された。

 

 周囲で次々と仲間が殺されていく様を見て恐慌状態に陥る局員達……特に転生者の少年は酷い。

 

「シネェェェェェェェェェエ悪魔ぁ!!!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 反管理局組織の構成員が木の棒を持って殴りかかってくる。戦闘員ではないため、武器と言えばその程度の代物だが、相手は所詮子供……簡単に殴り飛ばされて地面に転がる。

 

「ひぃ!?」

 

「殺せぇ!!!」

「逃がすな!!!」

 

 相手は先ほどまで上空から強力な魔法で砲撃してきた悪魔。姿は子供でも構成員達にとっては悪魔でしかない。……そんな相手に遠慮など出来るだろうか? できるはずも無い。壮絶な袋叩きは少年が絶命してからも続けられ、袋叩きに参加していた構成員が正気に戻った頃には全身の骨が砕かれ、貌など親ですら見分ける事ができないほどに潰れていたそうだ。

 

 局員の全滅……無理を言って借りてきた他所の派閥から高ランクの魔導師……地球出身のそれも、PT事件、闇の書の終焉に関わった優秀な魔導師を失った指揮官は間違いなく無能の謗りを受けるだろう。

 その事実に焦った指揮官はアルカンシェルの使用を命令するも……その瞬間、次元航行艦は光に包まれる。

 

 

 

 管理外世界の悪夢。

 

 

 

 そう呼ばれる『GX事件』と呼ばれる長きに渡って続く事件の幕は静かに上がったのだった。

 

 それから数日後、訓練生間の模擬戦で訓練生が皆殺しになる事件が起こる。最後の一人の訓練生は救助に来た教官たちの姿を見た瞬間に恐慌状態に陥り、殺傷設定で魔法を乱射し始めた。やむを得ず反撃に移った教官は……非殺傷設定が解除されていた魔法を放ち、訓練生を殺害してしまう。

 後に調査の結果、訓練生達の使っていたデバイスから全て殺傷設定にされていた事が分かった。残された記録から、互いに殺傷設定だと知らずに模擬戦を続行した結果の事故であるとされている。

 

 その後も、非殺傷設定が勝手に解除され、その結果訓練生や教官、流れ弾による市民、序でに犯罪者にも多くの犠牲者を出す事となる。

 

 

 

 管理局の狂乱

 

 

 

 管理局は訓練生に殺し合いをさせる事で魔導師の質を高めようと考えた。狂った魔法至上主義者達が管理局の上層部を多く締め彼らは魔法を使えない者を皆殺しにしようとしている。等等、その何度も続く事故を管理局に対する反管理局を掲げるマスコミからは大いに叩かれ、管理局員になろうとする者が激減し、局員や訓練生も管理局から逃げるように去って行った。居もしない狂人達に恐怖してだ。

 

 また、これもまた、後の『GX事件』の一部に過ぎない。

 

 

 

 

 

 

 

「マジどうしよう」

 

 その男はそう呟く。……人の輪廻転生を司る神であり、大体くじ引きによって決定する『異世界転性コース』と言う辺りクジを引いた者が送られる……『一時の夢』と言うべき異世界への転生に一つの最悪のエラーが発生した。

 

 『魔法少女リリカルなのは』と言う作品を基に作られた世界に、別の世界の邪悪が落ちてしまったのだ。

 

 はっきり言おう。近くにあった仮面ライダーやらウルトラマンの世界へ落ちただけなら、向こうのヒーローが何とかしてくれるだろう……。ぶっちゃけ、勝ちが確定しているし、上下にあるコンパチヒーローシリーズは絶望するレベルに敵じゃ無いし、SD戦国伝やらの作品だったら、絶望しているだろう……邪悪が。

 その邪悪に取って人生ルナティックの難易度が有る世界から逃げ切った挙げ句に、逆に人生イージーモードの世界に落ちた幸運は不謹慎ながら賞賛したくなる。

 

「戦う武器も無いんじゃもんな、あの世界」

 

 幸いその武器の一つは送ることが出来るし、制作方法や設計図があれば再現は可能だ。だが肝心の者が存在して居ない。

 

「戦える者が居ない世界に逃げるとは……」

 

 そう、その邪悪の名は『将軍X』! 闇大帝、魔殺駆と言った姿を自在に利用した邪悪なる生命体。その正体は『闇帝王』!

 幾度と無くガンダムを愛する少年達を苦しめ、最後には真の姿を表しながら三人の魂を宿し、復活した新世大将軍に倒された邪悪なる敵である。

 

 そもそも、神が人間と接触できるのは転生者だけであり、その転生者の一人は既に無残にも殺されている。

 ……序でに言うと、将軍Xがやったのは送り込んだコンピューターウィルスでデバイスの機能を停止させただけで、それ以外は何もしていない。管理局のコンピューター全体の広がった意思を持ったウィルス達は将軍Xの命令で戦艦の自爆、デバイスの機能の停止及び非殺傷設定の解除、所有者への強制的な魔力の制限などを行なっていたりする。

 デバイスの機能を停止された転生者は膨大な魔力を制限され、普通の子供程度の力しか出せずになり、成すすべなく言質の人間に袋叩きにされて撲殺されてしまった。遺体も回収されることも無く討ち捨てられ……家族の元に帰る事は無いだろう。

 

「まあ、幸か不幸か彼はそれが得意のようだから……何とかなる。…………なったら良いな、本気で」

 

 そう言って取り出した戦う為の武器となる道具を用意する。もう一つの武器は現地張達が可能であり、寧ろ現地で作りあげる方が良い代物だ。

 

 

 

 

 数日後……

 

 

 

 

「どうしてそうなる?」

 

 全てサッサと死んだ転生者のせいだというのは分かっている。……もう一人の転生者である彼を死んだ転生者が無実の罪を着せた為に、あの世界の中心人物であるなのは達に敵意を抱いているのは分かっていたが……。

 

 元々あの世界の担当だった神が与えるはずだった転生特典……それを渡す事で頼み込み、何とか最初の一度だけ要請を受けてもらう事を約束して貰った。……別途要請達成後の報酬も約束したし、それが欲しければ今後も受けてくれるだろう。

 

 彼とあの世界の中心人物達にあった溝、それはかなり深いものだった。神の要請に従い、一度は将軍Xの配下から一度は助け、『リンディ・ハラオウン』から管理局への協力の要請を受けた。

 

 

 其処までは神の予想通りだった。……そう、“其処までは”、だ。

 

 

 其処から神の創造の斜め上を全力疾走する結果となった。彼とあわせて二人が。一人は『クロノ・ハラオウン』。不幸にも死んだ転生者の表向きの顔を信じきっていたクロノは彼へと模擬戦を挑む。

 

 半ば無理矢理に近い形での模擬戦に……本気でキレた。

 

 彼の変身した改造SD戦士の槍に串刺しにされたクロノ。急所は外れているが、その前にも勝手に模擬戦をさせられたことに始まり、今までの苛立ちをぶつけながら散々ボコボコにされていた。

 

「ホント、どうしよう?」

 

 ……『結界コントローラー』と言うアイテム。それこそがその力の名であり、将軍Xと戦う為の武器でもある。……あるのだが、ガンプラに変身する関係上、ガンプラが必要であり、ガンプラを作る技術が管理局には無い……地球出身のなのは達も興味が無かったので、技術は無い。

 

 結果、転生者である彼に渡して戦ってもらうしかないのだが、先に死んだ奴のせいで管理局には敵意むき出しである。

 

「……何か魅力的な報酬でも考えとくかな……」

 

 現実から目を外しつつ、彼『天地 大和』への報酬を考える始めるのだった。




と言うわけで、わかる人には分かるガンダム野郎という漫画とのクロスオーバーです。

SDガンダムに変身すると言うなら便利な変身アイテムもありますので! 当然、通常のガンダムにも変身可能です!

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