ネタ短編集   作:龍牙

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以前書いたウルトラマンギンガ(タイトル未定)の主人公とヒロインの設定を使ってのハイスクールD×Dとのクロスです。

ギンガの後半の終盤からの分岐のパラレルワールド。ダーク・ルギエルとの決戦が起こらなかった未来で、ギンガSのストーリーも混ぜたオリジナル展開です。

……序でに三大勢力等についての知識は有りません。

ラッシュハンターズの三人のスパークドールズの所持です。

『ウルトラマン無双注意』


ハイスクールG&V×D
ハイスクールG&V×D ①


「……哀れ変態三人組……此処に眠る、か」

 

 そう言って彼、『暁 勇輝』はボロボロにされて気絶した挙げ句十字架に逆さまに貼り付けにされた『兵藤一誠』『松田』『元浜』の三人に向けて合掌する。

 差し詰め此処は彼らにとってのゴルゴダの丘と行った所だろうか?

 

「ゆ……勇輝……助けてくれ……」

 

 夏休みの間に起こった一夏の冒険。戦いこそ完全に終っていなかったが、一時的にスパークドールズを巡る戦いは終わりを告げた。

 流石に高校生で有るという立場上戦い舞台となった街からこうして帰るしかなかったが……。

 

 まあ、闇の支配者こそ倒してないものの闇のエージェントとして再生された宇宙人や、最強の刺客として送り込まれた闇に染められたウルトラ戦士達と戦い苦戦を強いられながらも、勝利してきた。最強の合体怪獣『グランドキング』とそれを操る『ナックル星人 グレイ』を倒した事で、闇の支配者の活動は一時的に停止したので油断こそ出来ないものの、比較的平和な年月を過ごしてきた。

 

「頼む……流石に頭に……」

 

「……イッセー、お前……自業自得って言葉知ってるか?」

 

 呆れた様な視線を一誠へと向ける。女子剣道部の着替えを覗こうとした結果、それを阻止されて追い掛け回された挙げ句……彼等の覗き計画を知ったクラスメイトの“彼女”が女子剣道部の部長へと報告、その後今まで彼等の変態行為の被害を受けていた女生徒達にも連絡が行った結果……

 

「大体、あんな所で大声で堂々と犯罪計画練るなよ」

 

「……うるせー……お前も男なら分かるだろう?」

 

「お前らほどアクセル全開な人間が早々居るかよ」

 

 そう、“彼女”の立案した計画によって此処に追い詰められ、彼女によって拘束されて女子に袋叩きにされた挙げ句、こうして逆さ貼り付けの刑に処されていると言う訳である。同じ男として理解しても迷惑を掛ける事はするべきでは無いだろう。

 

(うん、凡人が天才に勝てるわけ無いよな……)

 

 まあ、その凡人が犯罪者ならば別段問題は無いだろう。己の才を間違った事に使っている訳ではないのだから。少なくとも、犯罪者となった凡人を天才が捕縛するのは問題ないだろう。

 

「……頼む……」

 

「……助けてくれたら……オレ達の秘蔵のお宝を……」

 

「帰るか」

 

 何時の間にか復活した他の二人の懇願を斬り捨て、見捨てて帰ることに決めた勇輝だった。

 

 背後で変態たちが何かを叫んでいるが全面的に無視して校門の近くまで来ると一人の少女が彼に近付いてくる。

 

「あの、すみません、兵藤一誠さんはまだ居ますか?」

 

「イッセー? ああ、アイツなら……」

 

 ふと、彼女へと視線を向ける。間違いなく『美少女』と言う分類に入るであろう外見……服装は此処『駒王学園』の制服ではない。故に……

 

「ああ、あいつなら向こうで仲間と逆さ貼り付けにされてるから、変態行為への報復なら十分にできるよ」

 

「え? 逆さ貼り付けって?」

 

「あっ、ちょっと待って……確かここに……有った。武器が有るから、良かったらこれを使ってくれれば良いよ」

 

「えええぇ!? 武器って、何でこんな物がこんな所に有るのよ!?」

 

 渡される薙刀型の竹刀。学べれば非力な女性でも簡単に男性の首を落せるが故に、その時代の女性の武装として採用された代物である。

 変態三人組の感が彼女の策を上回った場合の保険として用意されていた物だ。当然ながら隠されていたそれを、女子は片付けずに帰ったらしい。

 まあ、更にボコられれば少しは己の生き方を改めるだろうと言う、諦めの混ざった思考からだ。……少しは限度と言う物を覚えるべきだと思っている。流石にクラスメイトが犯罪者として逮捕されるのだけは回避して貰いたいと思っている。

 

「じゃ、ごゆっくり」

 

 竹刀を渡されて戸惑っている少女を放置して勇輝は帰路に着く。……翌日、一誠に彼女ができたと言う話を聞いた……。本人から。

 

 脳内彼女かと思ったが、昨日逆さ貼り付けから助けてくれた上に告白されたらしいと、他の二人が言っていたので現実らしい。

 

(……地球のミステリーの一つだな……)

 

 その光景に呆れた様に内心呟く。……少なくとも、変態なところが無ければ彼女に縁が有るとは思っていたが……主に普段を知らないが故に騙されているのだろうと思う。序でにその事実に号泣している残りの変態二人(元浜と松田)。しかも、デートコースを勇輝に相談している一誠を他所に、今夜は二人で集まって、等と叫んでいるが内容が内容だけに女子からは真っ白い目で見られている。

 

 

 

 さらに翌日、何故か一誠に彼女が出来たと言う噂が消滅していた。

 

 

 

「な、なあ! 勇輝は覚えてるよな? 夕麻ちゃんはちゃんと居たよな!?」

 

 教室に入って来た瞬間、挨拶も忘れて縋り付く様に両肩を掴んで聞いてくる。

 

「? お前、何を言ってるんだよ?」

 

「そんな……勇輝までそうなのかよ?」

 

 彼の質問の意味が分からず聞き返す勇輝に、一誠は震えだす。何処か絶望にも似た色を抱いて立ち去って行く彼を一瞥しつつ、『何だったんだ?』と言う表情を浮べる。

 

「何でも、昨日自慢していた噂の彼女の事を忘れているらしい」

 

「亞理栖?」

 

 そう言って現れるクラスメイト『入谷 亞理栖(いりや ありす)』へと視線を向ける。

 

「勇輝、君は覚えている様子だね?」

 

「そりゃ、あいつに彼女が出来たんだからな……。本気で空から怪獣でも降って来るかと思った……」

 

「ああ、昨日あれだけ噂になっていた変態の彼女の事が、今朝になったら最初から何も無かったようにまったくなくなっていた。……不思議な事もある物だな……」

 

「……闇のエージェント……闇の支配者が関係しているって事か?」

 

「いや、それは私にも分からないさ。だが、私達にはこんな不思議な事態に対する知識は其れだけしかない上に、何時次の動きが有っても不思議じゃない。警戒しすぎと言う事は無いが、『私達の知らない事』が関係している可能性もある、と言う事も考えておいたほうが良い」

 

「そうだな」

 

 自然と勇輝の表情に笑みが浮かぶ。……例えそれが危険であっても、知らない物を知るというのは矢張り楽しい。

 

「どっちにしても、冒険の再開の時って奴が来たみたいだな」

 

「ふふ、相変らずだな君は」

 

 二人がそんな会話を交わしている最中、元浜と松田の二人が一誠の机の上に見るからに卑猥な本やDVDを乗せていく。

 

「イッセー、見ろ! かなりのレア物を持ってきてやったぞ」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」

 

『うわぁ』

 

 一誠の興奮気味な声と周りの女子の引き気味な声が聞こえてくる。……はっきり言ってそんな物を学校に持ってくるなと言いたい。勇輝がそんな彼らに頭を抱えていると無言のまま亞理栖が彼らへと近付き……

 

「「「あ」」」

 

「ふっ!」

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!!」

 

 問答無用で窓から投げ捨てた。

 

「ふう」

 

「お前、俺があれを集めるのにどれだけ苦労したと思ってるんだ!?」

 

「一切興味ないな、私には」

 

「いや、本は焼却炉で燃やすべきだろ? 落ちた衝撃でDVDは割れるかもしれないけど、本は燃やすなり破るなりしないとな」

 

「確かに。失敗したな」

 

「お前らなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 絶叫している三人組を他所に一瞬で斬り捨てる亞理栖と、対処方法を補足する勇輝。

 

「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉお!!! 勇輝、お前なら分かるだろう、同じ男として」

 

「悪い、理解したくない」

 

 内心ではそんな苦労をするなら彼女を作る努力をしろとも思う。

 

 絶叫している三人組を無視してさっさと次の授業の準備をする二人だった。

 

 

 

 その日の放課後……恐らく今回の事件の中心に居るであろう一誠をつけていた。

 

「は?」

 

 その最中……何故か黒い羽を生やして空を飛ぶ変質者に襲われていた。

 

「……あれも闇のエージェントか?」

 

 唖然と呟くがその呟きに答えるものは誰も居ない。

 

「まあいいか……。ふっ!」

 

 そんな事を考えながら拾い上げた石を羽男(仮名)へと向かって投げつける。

 

「ガッ! なんだ、これは?」

 

「大丈夫か、イッセー(変態)

 

「お前……勇輝!? 何で此処に?」

 

「偶然?」

 

 異常事態の中心であるお前をつけていた。などと言えないのでそう言って誤魔化しておく。

 

「おのれ! 下賎な人間風情の分際で高貴な堕天使にこのようなマネをするとは……余程命がいらんらしいな」

 

「高貴とか堕天使とか何言ってるんだ? そんなモンが現実に居るわけないだろう?」

 

「……えーと、目の前に居るんじゃないか? あのオッサン羽とか生えてるし」

 

「……そう言う宇宙人かなんかだろう。羽型の生物と共生関係にある……ほら、背中の生物が血を吸う変わりに飛行能力を与えるとか」

 

「そっちの方が居るわけがないだろうが!」

 

 勇輝の言葉に突っ込みを入れる一誠と自称堕天使。……一切信じていない勇輝……背中に羽が有る程度じゃ堕天使と言われても信じられない人生経験もちなのだ。

 

「小僧……貴様から先に殺してやる!!!」

 

「へっ、叩きのめしてお前が何者か……白状させてやるぜ!」

 

 そう言って取り出すのは、銀色の彫像の様な物『ギンガスパーク』とスパークドールズ。取り出したスパークドールズのライブサインにギンガスパークを当てる。

 

 

《ウルトライブ! バルタンバトラー・バレル!》

 

 

 光に包まれて彼の姿は『プラズマギャラクシィー』と呼ばれる宇宙に生きる怪獣達の体に存在するプラズマソウルを狩る宇宙人ハンター。その中のチームの一つ『ラッシュハンターズ』のメンバーの一人、『バルタンバトラー・バレル』へと姿を変える。

 

「さあ……自称堕天使のオッサン、狩り(ハンティング)の時間だ」

 

 

 

 

 


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