ハイスクールD×D -究極銀河《アルティメット》- その1
プロローグ
???SIDE
……夢……。
……夢を見ている……。
真紅のドラゴン達を中心とした龍や恐竜、竜人達が……白い鋼の巨人達を中心とした鋼鉄の機械兵たちが……緑の人型をした甲虫達を中心とした昆虫や植物、動物達が……紫の悪魔達を中心とした悪魔やモンスターの軍勢が……黄色の天使達を中心とした天使や愛らしい外見の動物たちが……青いロボットや巨人達を中心とした多種多様な軍勢が、何かと協力し戦っている姿。
六色の軍勢と戦っているのは、同じ様に六色の軍勢……左右が逆になった12星座を旗印の様に背負った奴等を率いるのは12の星座の元に立つ星座を思わせる六色の鎧を纏った巨大な影。
仲間達の戦いの中、反転した12星座の軍勢へと向かっていく三体の真紅のドラゴン達。
―ノヴァ!―
黄色の軍勢の中に居る天使と、白の軍勢の中に居る白い巨人が真紅のドラゴン達へと向かってそう叫ぶ。恐らくはその三体のドラゴン達の中の誰かの名前なのだろう、『ノヴァ』と言うのは。
―オレたち三龍神の力と命で、ヤツラ裏12宮ブレイヴは封印する! あとは任せたぞ!―
12星座を背負っていた影は砕け、12の星座の形をしたモンスターへと姿を変える。
―バカめ、貴様等がどれだけ力を尽くそうとも、我等は何度でも現れる、この世界を我等の物にするまでな!―
―そんな事はさせない! お前達はこのまま此処で封印する! オレ達の命を持って、だ!―
裏12宮ブレイヴと呼んだ鎧達を三体の真紅のドラゴン達が打ち砕く。同時にそれは三体のドラゴン達さえも滅ぼしていく。
―ノヴァァァァァァア!!!―
天使が消えていくドラゴンへとそう叫ぶ所で視界が光に包まれ、景色が変わる。
―紅也よ……―
何もかもが白い世界、そこで響いてくるのは何かの声。いや、“何か”と言うのは正確では無いだろう。正しく言ってしまえば、先程の映像の中で聞いたノヴァと呼ばれていたドラゴンの声だからだ。
「っ!?」
彼、『
―こうして言葉を交わすのは初めてだな。我等三龍神の魂を持つ者よ―
(三龍神?)
―オレは三龍神『アルティメット・ジークヴルム・ノヴァ』。仲間達からはノヴァって呼ばれてた―
(あの天使が叫んでたのはこいつの事だったのか?)
―あっ……あー、あいつの事か? それについてはまた今度って事で。んな事より、お前には言っとか無きゃならないことが有る-
「何をだよ?」
顔を横に逸らすアルティメット・ジークヴルム・ノヴァ-長いのでノヴァで良いだろう-の言葉を疑問に思いながらも、続きを促す。
―お前が見たのは夢じゃない。あの戦いのとき、異次元からの侵略者である裏12宮の奴等を、オレ達が命懸けで封印した。結果的に、封印には成功したけど、オレ達は魂さえも砕け散りかけた―
「かけた?」
―ああ。オレ達三龍神の魂は互いを補い合う事で、魂の中に裏12宮ブレイヴを封印する事に成功したんだ―
ノヴァの言葉と共に足元が光り、そこに左右が逆になった12星座が浮かぶ。だが、その中の幾つかは光を失っていた。
―そして、オレ達の魂はこうしてお前として、別の世界に人間になって復活した。それがお前だ、紅也―
「えー……」
―信じてないな、その顔は?―
行き成りそんな事を言われても信じられるわけが無い。
―まっ、目を醒ませばイヤでも信じる事になるだろうけどな。それより、封印していた裏12宮ブレイヴが解き放たれた。意図的……じゃないにしても、あの女、とんでもない事を!―
「封印が解けたって……お前の話を信じるにしても、何が有ったんだ?」
―まっ、そっちに関しても目を醒ましてから自分で調べた方がいいだろ?―
「そうだな」
―「その方が面白い」―
―……ヴァ……―
―っと、そろそろお前が目を醒ます時が近付いてきたみたいだな―
ノヴァのその言葉と共に紅也の意識は遠くなっていく。