初めての人は初めまして。著作を読んだことがある人、他作品の投稿が遅れて申し訳ありません!
昏睡です。
今回は活動報告で言っていたブラック・ブレットの二次をかいてみました。
アニメ見てなんか急にやる気がでて書き上げてしまいました・・・。
鬼、そう呼ばれる一族がいた。
遡れる限りでもその歴史ははるか過去、古墳時代終期、500年代から存在するという。
当時日本では自然の神を一族で祀り、豊作や厄払い、一族の繁栄を祈ることが常識であった。
だが、そんな常識を破る者はいつの時代にもいるものである。
皆がそれぞれの神を崇める中、
その人間は百貫ものの岩を軽々と持ち上げ、一刻の時に五里の道を走り抜け、一日に五升の米を食らったという。
その一族の中に偶々産まれた、所謂異常発達者、世が世なら英雄と言われたであろう者だったのだが、この時は〈生き神〉と呼ばれたのだ。
五十年程の間は良かった。
だが人間である以上いずれは死ぬ。(もっとも、その時代からすれば五十年以上生きただけでも化け物扱いされる中、八十九歳まで生き抜いた彼はまさしく人外と言えるだろう)
信仰対象を失った一族は途方に空れた。
本来なら別の自然神を祀る普通の豪族に戻ったであろう。
だが、その時の宮本の一族の中には、狂信者がいた。
「神が死んだのなら、新しく産めばいい」
「産めるか分からない?ならば確実に産める様にすればいい」
「どうすればいいのか分からない?あらゆる法を試せばいい」
「そうやって、宮本様を復活させるのだ」
そうやって、古今東西のありとあらゆる法を試しはじめたのだった。
時は丁度遣隋使が始まった頃合い、始めは隋帰りの者に聞き込みをした。
そのうち隋に直接行く者が現れ。
さらに隋だけでは飽き足らず、危険を冒して更なる国へ法を求めて旅立っていく。
そして、そこで知った法を一族へ知らせていったのだった。
何時しか、医術、薬術などの常法だけではなく、理から外れた外法を求めるように変わっていき…。
目的も生き神を産むことではなく、より強くなることへと変わっていった。
それから千五百年、宮本の一族はありとあらゆる術法を取り入れた。
医術、施術、薬術、漢方術、鍼術、灸術、整骨術、呼吸術、秘孔術、武術、戦術、体術、拳術、 蹴術、柔術、棒術、剣術、抜刀術、薙刀術、槍術、槌術、旋棍術、弓術、飛輪術、銃術、砲術、 暗器術、気功術、暗示術、催眠術、想操術、骸操術、絡繰術、錬金術、風水術、託札術、陰陽術、呪術、五行術、魔術、忍術、仙術、秘術、禁術、忌避術、等等。
例を挙げだすとキリが無いだろう。
そして、一族の集めた術法知識を元に自らの体、或は子を使い神を創る時代が始まる。
ある者は医療術を使い、人間工学的により優れた子を作り、
ある者は体術、武術を組み合わせあらゆる格闘家、武道者が勝てぬ流派を作り、
ある者は精神術を掛け己の限界を超越させ、
ある者は錬金術を用い骨肉を金属に変え、
ある者は五行、陰陽術を元に肉体的強化を試み、
ある者は呪術、魔術を唱え呪術的強化を企んだ。
勿論、物事には失敗が付き物だ。
赤子の肉体が限界を超え融き解け、人体では行使不能な動きで命を落とし、精神が崩壊し狂い、行き過ぎてしまい鉄塊と成り果て、この世ならざる力により異形の物へとなった。
やがて恐怖や呆れ、畏怖や恋愛、自らの限界によって一族から逃げ出す者が現る。
だが、古今東西ありとあらゆる術法を取り入れた其の血、DNAはすでに人と言っていい物か分からぬほどにごちゃ混ぜになっていたのだった。
次の代に出ずともその次、或はさらに先、隔世遺伝として姿を現した。
そして其の者達が子をなす事で更に一族の蝕まれた血は薄く広く広まっていき、
何時しかその血を極めて薄く継いだ分家が生まれていった。
そしてとうとう姿は辛うじて人間だがその中身は産まれた時から常人を軽く超える身体機能を持ち、人類には再現不可能な武術を繰る素質を持ち、自らの意思で肉体のリミッターを外すことが出来、鬼避鉄(今でいうバラニウム)を骨肉中に含むことで強靭さを得、呪術魔術により本来の法則を無視するかのような力を持った、本家――
無茶な負荷により遺伝子が狂っており、その四十%以上が人類とは違う、なのになぜか人類と同じ容姿を持ち、人類と同じ様な寿命を持ち(但し一部例外も確認されている)人類と同じ様に生殖(人類とも子をなせる)摩訶不思議な存在となってしまった。
それはある意味神と言えるかもしえない。
だが、彼らの額には肉体のリミッターを司るという新たな器官が突き出している。
それは隆起した頭蓋骨に守られており、小指の先ほどの大きさの・・・角というべきものだった。
さて、お分かり頂けただろうか、
なぜ神を目指していたはずの一族が鬼と言われたかを。
彼ら本家宮本はかのガストレア大戦時に、体内にバラニウムを大量に含む事から常に前線に立たされ、かつては五十を超えたというのに、終結時には十を数えるほどに減っていたという。
本来ならばお話は此処でお仕舞・・・。
どこかでボタンを掛け間違い、本来から狂った道を進むことでもう二度と表の歴史に現れるはずの無かった一族が、出てきてしまった。
その狂った
・――・――・――・――・――・――・――・
そこはまだ人間の時代だったころには奥羽山脈と言われた山脈地帯。
詳しい場所は分からぬがきっと旧宮城県内であろう。
かつては少なく質素ながらにも人が暮らしていただろう緩やかな傾斜と小さな平野。
そんな山脈の麓も今となっては富士並に深いであろう樹海になっている。
しかも木々の影には数えるのも馬鹿らしい程のガストレアが住み着いている魔の樹海だ。
森を見渡せば時々目に入る折れた電柱柱や家屋の土台などがかつて山村であったとか細く主張していた。
さて、そんな人外魔境の中を二人組の影が動いていた。
その持ち主の片方は百七十から百八十ほどの身長をした少年。
着流し姿に古ぼけた軍帽を被り腰に刀を提げている。
少なくとも、山を上る格好では断じて無いだろう。
もう一人の方は、小さな十歳くらいの少女だ。
こちらも少年に合わせて着物・・・なわけはなく、きちんと山登りに適した動き易い長そで長ズボンに一見見えるが、よくみると所々破けている箇所からメタリックブラックな金属光沢を見せる布らしき物が覗いている。
恐らくバラニウムで作られた薄めの防爪、防刃用の鎖かたびらだろう。
これ程細かくバラニウムを加工するのには凄まじい技術がいるだろうが、着る方も着る方である。
薄いとはいえバラニウム、一般の少女なら間違いなく息が上がり、動きが鈍るだろうがこの少女は汗ひとつ流さず、むしろ鼻息でも歌い始めそうなくらいに余裕を見せていた。
如何にも山なめていますという格好で二人が複雑に根が這った傾斜を上っていると突然、木々をなぎ倒しながら三メートルほどの巨大な影が突っ込んでくる。
上半身は
間違いなくステージ3、いや、所々に毛に混じって小さな触手や触角のような物が見えることから、比較的きれいな形のステージ4とも言えるかもしれない。
五百番台の民警が三、四組ほどは欲しいところだ。
だがこんな山奥にそんなもの居る分けも無く、ケンタウルス型ガストレアは目に入った二人を襲おうとして・・・、
馬の下半身が少年達の間を惰性で走り抜け――るのとほぼ同時に尻尾の大百足が首を動かし少年の背後から噛みつく。
完全に決まったはず不意打ちは、また
「相変わらずの理不尽な能力ですよね。乱鬼さん」
二つあった頭を両方とも潰された馬の体は少しの間痙攣してとまった。
それを見届け少女が少年に喋りかける。
「何年一緒に動いていても未だに慣れませんよ。それ、魔法、でしたっけ?」
「いんや、違うぞ蛟ちゃん。これはあくまで
「ふーん。あ、電話来てないですか?」
少年の着流しに無理やり付け加えた胸ポケットの中で携帯電話が震えていた。
「お、ホントだな。サンキュ蛟ちゃん」
―――ここだ!ここで歴史が変わったのだ。
本来この衛星電話は今回の戦いで破損し使用不能になったはずなのだ。
だがこの何処で掛け間違えてしまったせいで電話に出てしまい。
「どうしたんだー、マイシスター・・・・・何?東京のモノリスが崩れる、だと?」
大戦時代に戦場に出れなかったために生き残った大切な妹達の都市の危機を知り、
民警IP序列第十一位【侍オーガ】
感想求ム!!
というかほしいよ~!