台 詞 で 創 作 1 0 0 の お 題   作:まかみつきと

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楽俊×陽子◆独白メイン
時間軸はかなり未来ということで・


||23|| 身体の内まで知ってるくせに。 (年齢制限モノではありません!)

 

 

 ええ一応、これでも年頃ですから?

 そもそも若い女の子が二人以上寄れば、出てくる話の一つには違いないし。

 ああだけど。

 そんな可愛いお喋りに興じている少女たちの輪から、自分はちょっと離れていたな、なんて、今更に思ってみたりする。

 例えば、指先がちょっと触れただけで飛びあがるほどどきどきしたり、見かけただけで嬉しくなるなんて。

 そんな経験、アリマセンデシタヨ、とか。

 ……いやべつに、ひがみなわけじゃないけど。

 その障害物は、親の教育方針だったり、自分のことなかれ主義的な逃げだったりしたわけだけど、それがよかったのか悪かったのか、いまではもうわからない。

 

 まあだから、レンアイというやつに免疫なんてさっぱりないはずなのに、手が触れても、吐息がかかるほど近くにいても、嬉しくなるだけで慌てないのはどうしてなんだろうね?

 出会いの状態が、わたしにとっては最悪で、おまけにわたしは彼を鼠なんだと思ってた。

 だから、すごく大事な友人ではあったけど、性別なんて気にする余地もなくて、事実を知ったときはものすごく恥ずかしい思いをする羽目になった。

 それはもう、あのことを思い出すといまでも冷や汗が出るほどね。

 だけどそれからも、わたしたちはお互いを親友と言える間柄で、ずっとそれは変わらないのだと思ってた。

 どんなに距離があっても、立場が違うと言われても、そんなの関係ないと言えるくらい、大切な人だった。

 自分の気持ちに気づくまでは。

 よき相談相手の人たちは、わたしより先にわかってたみたいだけど……。

 えーえ、こんなに鈍い人見たことないとか、なんでそんなに晩生(おくて)なんだ!とか、挙句に本人以外はみんな気づいてたのにとまで、散々に言われましたとも。

 だって、本当に気づかなかったんだもの、しょうがないでしょう?

 

 

 好きなのはもうずっとまえからだけど、それがどういう「好き」かなんて、考えたこともなかった。もしかすると、自分はそういうこと考えちゃいけないんだって、無意識に思ってたのかもしれないけど。

 だって、わたしの考え、わたしの言葉一つで、途方もなく大きいものが動いてしまうから。

 だけど、会いたいと思って、そうしたら涙が零れたとき、違うんだと知った。

 まわりにいる誰に対する気持ちとも違うものがこみあげて、心がはじけそうになった。

 それから、病んだ恋を抱いてその身を(なげう)った(ひと)のことを思い出したんだ。

 以前のわたしにはなにが彼女を蝕んだのかわからなかったけど、この気持ちの大きさに狂気を見つけて、身体が竦んでしまった。

 

---彼女と同じ道を辿らない保障なんて、どこにもない。

 

 でも、想いは溢れてしまって、止めようがなくて。

 受けとめてもらえるかどうかわかりもしないまま、夜のなかを走った。

 もうこれっきりになったとしても、堪えていることなどできないからと、洗いざらいぜんぶ打ち明けて、それでも、嫌いにならないでと思ったら、涙が止まらなくなった。

 泣き落しなんて、サイアク。

 こんなみっともないことしたかったわけじゃないのに。

 ごめんと言って逃げ出そうとした腕を掴まれて、そのまま抱きすくめられた。

 自分の答えは聞いてくれないのか、と囁く声が、聞いたこともないくらい甘くて。

 小さく告げられた言葉。

 交わした証。

 その日から、あなたの名は私のなかで特別になった。

 

 

 指を絡めて、掌の温かさを感じて。

 ほら、こんなに安心する。

 それって、どういうことなんだろう。

 ねえ、と聞くと、あなたは笑う。

「子供が親と手を繋ぎたがるのと、一緒なんじゃねえのか?」

「……意地悪」 

 わたしの気持ちなんて全部知ってるくせに、そうやってからかうのは、照れ隠しなんですか?

 悔しいからおもいきり抱きつけば、同じ強さで抱いてくれる。

 触れたところから伝わる互いの体温が、すごく心地いい。

 きっとこれは、あなたを好きだと思えることの、幸せの安らかさ。

 

 もしかすると、ずっと好きだったんじゃないかな、と思う。

 ただあまりに気持ちが大きすぎて、自分で見えなかっただけ。

 助けてもらったからとか、支えてくれるからじゃなくて、あなたという人そのものが、とてもとても好きなんです。

 

 あなたに対するこの気持ちだけは、いつまでたっても出逢った時の十七のままだと思う。

 きっとね。

 

 

初稿・2005.01.25




ほとんど陽子ちゃんの独白。
私的にはベラボーに甘いです。でも肝心なところ逃げちゃった・

だから~、恋愛物書いてるときに暗くなるのやめろ自分・最後でぎりぎり浮上
でも王と失道、景王と舒覚って、どうしても切り離せないので。
これを乗り越えたところに、真実の愛があるのですヨ。>ウソくせッ!by山田奈●子
男王だったら、まったく問題ないんでしょうね、こういうの。後宮あるくらいだしな・
つーかもー、なにが書きたかったんですかマコトさん・(ノ-o-)ノ ‰ ちゃぶ台クラッシュ

ところで、このお題、ネタメモ欄は「ウラ?」でした。
書ケモシナイクセニ・
いやーだって、そういうふうに読めるじゃないですか~・笑
でもまあ無理は承知なので、身体の内→気持ち、ということに。
そっち方面で期待していた方、ごめんなさい・笑

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