IS学園潜入任務~壁の裏でリア充観察記録~   作:四季の歓喜

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すんません、今年はネタ温存の為にハロウィンネタは中止します…orz
楽しみにしてた方、申し訳ないっす……その分というのもなんですが、代わりにクリスマス編は頑張ります…


セカンドインパクト!! 後編

「危っぶねぇ!?」

 

 

 明らかに殺す気で放たれたそれを、バンビーノは身を捻ることにより辛うじて避ける。彼を貫きそこなった楯無のランスはそのまま一夏のベッドごと床をぶち抜き、部屋に凄まじい轟音と衝撃を生み出した。体勢を立て直し、つい先程まで自分が居た場所の参上を目の当たりにして顔を青くさせるバンビーノだったが、一息つく暇もなく次の攻撃が襲ってくる。

 

 

「ぬおぉ!?」

 

「この、ちょこまか、っとッ!!」

 

 

 頭、心臓、下半身…完全に急所を狙った悪質な猛攻、その全てを彼は避け、いなし、ギリギリで防ぐ。彼自身の実力もあるが、身に纏った熊スーツの性能にも助けられ、今のところ奇跡的にISを相手にしながらも無傷で済んでいた。

 

 

「チッ、やっぱりこの程度じゃ当たらないみたいね…!!」

 

(んなことねーよ!! コレ着てなかったら絶対に死んどるわッ!!)

 

「それに、どうせ殺しても死なないのよね、セイス君って……だったら、もう殺す気で行っても構わないわよね…!!」

 

(いや、一発目から思いっきり殺す気でやってなかったか!?)

 

 

 暫く打ち合った後、一旦距離をとり、舌打ちしながら忌々しげに呟く楯無に対して、彼は思わず冷や汗と一緒に涙まで流しそうになった。

 確かに、このスーツは凄い。まるで嘘のように身体が動くし、セイスと同等の身体能力が手に入ると言うのもあながち嘘ではないようだ。現に部分展開とはいえ、ISを使用する楯無と渡り合えている。

 だが、自分はセイスと違って再生能力が無い。このスーツは防御力もそれなりに優秀みたいだが、流石にISの攻撃は防ぎきれない。あのランスで貫かれたら、自分は確実に死ぬ。攻撃するにしても、本気であの硬そうな装甲や絶対防御を殴ったりした日には、拳が二度と使えなくなりそうだ。だから今は、自分のことを不死身男(セイス)と勘違いして、攻撃に一切の容赦を感じさせない楯無の攻撃を、こうやってしのぎ続けるしか無いのだ。まぁ、早い話…

 

---この現状、ちょっと詰みかけである…

 

 

「……変ね…」

 

「…?」

 

 

 状況に絶望しかけたバンビーノだったが、ふと楯無が動きを止める。そして彼女はランスを取り合えず降ろし、空いた方の手を顎に当て、なにやら考え込み始めた。隙だらけのようで全く隙が窺えず、無闇に襲い掛かることも出来ないが、いつ攻撃が再開されるか分からないのでバンビーノは身構えたまま、警戒を続けた。

 

 

「反撃してこない、特攻もしてこない、過剰な位に防御に必死、おまけに今日は全然喋らないけど、具合でも悪いのかしら?……ていうか…」

 

「ッ……うお!?」

 

 

 その刹那、一瞬の不意をついて楯無のランスがバンビーノを襲う。相手の動きに注意を払っていたお陰でどうにか避けられたのだが…

 

 

「いつもと声が違うのは、中の人が違うからかしら…?」

 

 

 槍を突き出した姿勢のまま、楯無はニヤリと不適な笑みを浮かべてそう言った。さっき思わず出してしまった声により、熊の中身がセイスではない事にいい加減気付いたようである。それを察したバンビーノは、自分の身体から血の気が一気に引いていくように感じた…

 

 

「その反応…やっぱり、セイス君じゃないわね?」 

 

「……御名答。初めまして、更識嬢。俺の名前は『バンビーノ』、いつも後輩が多大なる迷惑を掛けてるようで済まねぇな…」

 

 

 半ば自暴自棄になりながら、虚勢を張りながら目の前の脅威と対峙するバンビーノ。相手があの人外では無いと分かり、警戒を完全に解くとまではいかなかったが、少しだけ気を緩めた楯無は一夏達を相手にする時のような自信満々で、余裕綽々な例の態度で応じる。

 

 

「あら、ご丁寧にありがとう。それで、そのバンビーノさんはそんな格好をしてまで、世界唯一の男性操縦者の部屋になんの用だったのかしら?」

 

 

 一夏に対する悪戯の為に部屋へと忍び込み、バルーンを仕掛けてクローゼットの中で息を潜めること数刻、随分と懐かしい熊が自分と同じように部屋へと侵入してきた時は、思わず盛大に噴出しそうになってしまった。先日の非常に屈辱的なあの出来事もあったので、非常に動揺したがどうにか堪えた。そして熊がエロ本を振り上げ、そっと一夏の枕元に設置したところで半殺し…もとい捕縛しようかと思ったのだ。だが、そこに丁度ラウラが来てしまったので止むを得ず保留。一瞬だけラウラと一夏の三人がかりで襲い掛かってしまおうかとも考えたが、命懸けの戦いに関してはまだまだ素人の域を出ない一夏を巻き込むのを躊躇してしまい結局、適当な理由をつけてラウラに一夏を運ばせ、いつものように自分だけで対応することに決めたのだった。

 しかし改めて思い返してみても、この熊は本当に何を目的にここへ来たのか皆目検討もつかない。自分と同じで、悪戯をする為だけに来た訳じゃあるまいし……実際はそうなのだけども…

 

 

「ていうか、なんで早く人違いしてるって言わなかったの…?」

 

 

 相手があのセイスだと思い込み、割とマジな攻撃を途中で何度も繰り出してしまった。バンビーノが彼のような再生能力を持っているのであれば話は別だが、此方の攻撃を必死に避けていたことを考えるとそれは無さそうだ。つまり、この場でセイスのフリをするということは、戦闘で楯無を本気にさせてしまう以外の効果が無く、ぶっちゃけデメリットしか無い気がするのである…

 

 

「それはですねぇ……『あら人違いでしたわ、ゴメンなさい!!』、『いえいえ、お気になさらず。それにコレも何かの縁、そこでお茶でも如何ですか?』的なシチュエーションを作って、貴方を口説く為…」

 

「亡国機業の男の人って、バカしか居ないの?」

 

「はいはい、すいません嘘です冗談ですジョークです。そもそも、俺ってお前みたいに胸に駄肉付いたのタイプじゃねぇーしってぬぉわ!?」

 

「ごめーん、手が滑っちゃった♪」

 

 

 余計な一言を加えた途端に顔面目掛けてランスが繰り出されたが、辛うじて回避する。不適な笑みから絶対零度の冷笑に変わった楯無に慄きながらも、やれやれと肩を竦めながらバンビーノは口を開いた。

 

 

「……まぁ、アレだ。なんで俺がセイスじゃないフリをしたかって言うと、俺が『小僧(バンビーノ)』だからさ…」

 

「…?」

 

 

 意味の分からない返しに、楯無は怪訝な表情を浮かべるしかなかったが、バンビーノはそれに構わず言葉を続けた。

 

 

「俺は人をおちょくるのが大好きでな、敵味方問わず悪戯を仕掛けるのが趣味なんだ。まぁ、最近は流石に自重してるが…」

 

 

 いい加減に控えめにはなったが、昔はどうしようもない悪戯小僧だったバンビーノ。その悪名は組織内だけに留まらず、裏社会中に轟いていた。ある時は仲間の財布をパクリ、敵の拳銃の銃口に異物をこっそり仕込み暴発させたり、有名企業の重役を騙って借金を作ったりと、随分とタチの悪い真似を日常的に繰り返していた。因みに彼の所業を近くで見て育ったせいか、思いっきり影響を受けてしまった少年と少女が居た事をここに明記しておく…

 

 

「その結果、付けられたのが今のこの『クソ餓鬼(バンビーノ)』ってコードネームな訳だ」

 

「それがセイス君のフリをするのと、何の関係があるのよ…?」

 

 

 話が見えてこないせいか、若干苛立ちも籠められた楯無のその問い。それに対してバンビーノは、熊の着ぐるみの中でニヤリと怪しげな笑みを浮かべていた…

 

 

「更識嬢…お前、俺がセイスじゃないと分かった途端、余裕で勝てるとか思ったろ?」

 

「あら、駄目かしら? それとも本当のあなたの戦闘力は、セイス君と同等だとでも…?」

 

 

 言葉ではそう言うものの、実際のところ楯無はバンビーノに対して一切油断などしていなかった。先程の応酬で彼の実力はある程度把握できたが、今までの経験を省みると気は抜けない。リムーバーのようなものでISを無効化される可能性だってあるし、本当にセイス並の実力を持っている可能性もゼロでは無いのだ。

 

 

「いやいや、俺如きアイツには遠く及ばねーよ。例えアイツと同じ身体だったとしても、あんな死に急いだ戦い方は誰も真似できないって。だから、俺に対するお前の見立ては間違ってない。ただ、それで安心するべきでは無かったのさ…」

 

「……どう言う意味…?」

 

「なに、簡単なことさ。俺が強いセイス君じゃなくて、弱っちいバンビーノだからと言って…」

 

 

 彼はそう言いながら楯無に向け、勿体振った動きでゆっくりと、そしてビシッと指を向けた。そして…

 

 

 

 

 

 

 

---セイスが近くに居ないとは限らねーだろがッ!!

 

 

 

 

 

「ッ!!……ぐふッ…!?」

 

 

 バンビーノの言葉と同時に現れた、凄まじい殺気を纏った気配を新たに感じた楯無は背後を振り返ったが、それと同時に何かが凄い勢いで部屋のドアをぶち抜きながら突っ込んできた。楯無は突然の事に反応し切れず、その何かの突進を諸に受けて盛大に吹き飛び、派手な音と共に部屋の壁へと叩き付けられてしまった。そして楯無が壁からドサリと床にずり落ちると同時に、突然の乱入者もその場で突っ伏した。

 

 

「……ぶ、無事かバンビーノ…?」

 

「おう、お陰で助かった……のは良いんだが、なんでお前まで死に掛けてるんだ…?」

 

 

 新たな侵入者…セイスの弱々しい様子に、思わず表情が引き攣ったバンビーノ。セイスとの通信の後、楯無と戦闘状態に入ってからもオランジュが逐一情報を報告してくれたお陰で、彼が近くまで来ていたことは分かっていた。注意を逸らして奇襲を成功させる為にも、無駄話で時間稼ぎに専念したのだ。

 それで結果は見ての通り大成功だったが、どういう訳か当のセイスがさっきから頭を抑えて呻いているのだ。いったい、どうしたのだろうか…

 

 

「いや…久々に例のロケット頭突きやったんだけど、ドアが思ったより硬かった上に、楯無の奴が吹き飛ぶ直前に……」

 

 

 すると、セイスの言葉を遮るようにしてダンッ!!という鈍い音が響いた。バンビーノが音の方へと目を向けると、ランスを杖代わりにしながら片膝をつき、ISの"装甲をもう一方の足に"だけ展開した楯無が鬼のような形相で睨み付けてきていた。

 どうやら想像以上に頑丈だったドアのせいで勢いが減ってしまい、そのせいで吹き飛ばすと同時にIS装甲キックという手痛い…むしろ頭痛い反撃を受けていたようだ。セイスだからこの程度で済んでいるが、これが常人だったらと思うとゾッとする。普通だったら、間違いなくこの部屋は真っ赤に染まっていたことだろう……

 なんてことを考えていたら、楯無が口を開いた。誰が見ても分かる位に、怒気を放ちながら…

 

 

「ふ、ふふふ…今度こ、そ……本物の、セイス君みたい、ね…!!」

 

「おう、よ…しかし、本当に足癖悪い、女だな、テメェは……!!」

 

「病み上がりなか弱い乙女に向かって、アメフト選手も真っ青なタックルを躊躇無くぶちかます男には、言われたく、ないわよ…!!」

 

「病み上がりでか弱い乙女だぁ? そんなもん、どこにも見えねぇぞ?」

 

 

 足はガクガク、息も絶え絶えだが、互いに罵り合いながら同時に立ち上がる。楯無はランスの切っ先をセイスに向け、セイスはそれに合わせて自身の身体能力を最大限に引き出す。そして、ついに…

 

 

「あ~ら、目が腐ってるんじゃない? 良い眼科を紹介してあげようかしら? それともキチガイセイス君って、実はホモだから女の子に興味ないのかしら~?」

 

「寝言は寝て言え、"ホラー怖くてお漏らし当主"ッ!!」

 

「あ、やっぱ漏らしたんだ更識嬢…」

 

 

 

 

---次の瞬間、一夏の部屋が水蒸気爆発で吹き飛んだ…

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

「言ったわね…よくも、よくも言ったわねええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇ!?」

 

「こ、怖ぇ!! セイス、お前のせいで怒ってるんだから、どうにかしろ!!」

 

「無理だ!! ていうか元を辿れば、テメェがくだらないことの為に一夏の部屋行ったのが原因だ!!」

 

 

 今の楯無にとって最大の禁句をセイスが放ってしまった為、彼女は怒りと羞恥で顔を真っ赤にしながらミステリアス・レイディを全展開した。彼女の怒りを表現するかのごとく、主兵装であるナノマシン入りの水も凄まじい勢いで荒ぶり、部屋にあった置物を余波だけで吹き飛ばしながら、二人に襲い掛かった。どうにかそれを避けきり、どうにか廊下に脱出することは出来たものの、楯無の追跡が終わることは無かった。彼女は廊下にある障害物の尽くを蹴散らし、セイス達との距離を徐々に縮めていく…

 

 

「おまッ、嫌がらせ兼ねたお見舞いはくだらないことに入らないのか!? つーか良く考えたら例のホラービデオこそ元凶じゃねぇか、やっぱお前が悪い!!」

 

「お見舞いの件は謝る!! が、あのホラービデオを持っていけって渡したのはテメェ自身だろが!!」

 

「どっちみちアナタ達二人が、私にとっての全ての元凶ってことは分かったわ!! 絶対に許さないんだからッ!!」

 

「「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!?」」

 

 

 二人の会話を耳にして余計に怒りを覚えた楯無は、とうとう校内でガトリングをぶっ放した。背後からの銃撃を辛うじて回避するが、このままではいずれジリ貧である。それを抜きにしても、そろそろ学園中の人間が本格的に活動を開始する時間なので、いつまでも油を売っていては誰にも見つからないように隠し部屋へ逃げ込むことが出来なくなる…

 

 

「仕方ねぇ、最終手段だ…先に行け、バンビーノ!!」

 

「お前、何をする気だ!?」

 

「秘密兵器を使う!! 俺に構うな、行け!!」

 

「くっ、スマン…!!」

 

 

 言うや否や、セイスは急ブレーキすると同時に振り返る。それにつられてバンビーノも止まりかけたが、彼の言葉に従いそのまま走り去っていった。そして彼の視線の先には、凄まじいプレッシャーを放ちながら迫りくる水色の修羅が一人…

 

 

「観念した訳じゃないわよね、セイス君…!?」

 

「当たり前だ、お漏らし女子高生なんぞにビビる訳ないだろが!! 掛かって来いやぁ!!」

 

「お漏らしって言うなあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 怒声と共に加速し、一気に距離を詰めて来る楯無。それを迎え撃つべくセイスは、持参してきた"ある物"を取り出した。そして…

 

 

「ハアアァァッ!!」

 

「ウルァッ!!」

 

 

 迫ってきた楯無のランスをセイスは紙一重で避け、同時に彼女の腹部へと蹴りを放つ。しかしそれはアッサリと腕の装甲で防がれ、逆にISの脚部で吹き飛ばされてしまう。普通の人間ならそれだけで終わりだが、生憎と彼は普通ではない。床に叩き付けられ二回程バウンドした後、受身を取ってすぐに体勢を立て直すことに成功する。仲が良いとは御世辞にも言えないが、互いの実力を半ば認め合っている二人は、そのまま暫く睨み合った。

 しかし、この暫く続くと思われた膠着状態は、セイスによって強制的に終わりを告げられる…

 

 

「楯無、この前のDVDって、そんなに怖かったのか…?」

 

「べ、べべ、別に怖くなんか無かったわよ!! 確かにちょっと、少し、僅かながら、刺激が強かったけども…!!」

 

 

 『再生を中止して!!』と連呼しまくった時にセイスが隣に居た事を忘れ、今更強がりを見せる楯無だったが、それを見たセイスはニヤリとほくそ笑むだけだった。何故なら…

 

 

「へぇ? じゃあ、あのホラー映画は全く持って怖くなかった、と…全然へっちゃら、だったと……」

 

「そ、そうよ!! あんなの、なんとも無かったわ!! いっそ『リン○』でも『クロ○リ団地』でも纏めて持ってきなさい、鼻歌口ずさみながら徹夜で鑑賞してやるわよ!!」

 

「そうか……なら、証明して貰おうか…」

 

「え…?」

 

「足元に、ご注目」

 

「足元?……ッ…!!」

 

 

 セイスに言われ視線を落とした先に、随分と見覚えのある四角い物体を捉えた楯無は、言葉を失った。さっきの攻防のドサクサに紛れ、楯無の足元へと放り投げられた四角い物体…セイスの持ってきた"ある物"とは、一枚のDVDケースだった。真っ黒で禍々しい雰囲気を放つパッケージの表面には無駄な装飾はされておらず、白い字で監督の名前と映画のタイトルが書いてあるだけのシンプルなものだった。

 因みに、映画のタイトルはこう記されていた…

 

 

 

---『エンドレス・ナイトメア』と…

 

 

 

「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 

---更識楯無、トラウマ再発…

 

 

 

「ふはははははは、案の定なっさけねー奴め!! よっしゃ、パニックに陥ってる今の内に…」

 

 

---セイス、逃亡開始…

 

 

「き、消えよ…」

 

「ん? って、おい待て!! こんな狭い廊下で、それもたかがDVD如きに『ミストルテインの槍』なんてオーバーキル…」

 

「悪夢よッ!!」

 

「バカ、やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

 

---本日二度目の大爆発が発生…

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

◇亡国機業フォレスト一派・経理部宛て◇

 

 

○被害報告○

 

・試作型強化スーツが軽く損傷

(使用する分には支障が出てないので問題無いと思われる)

・エージェント一名が重傷

(セイスなので、安静にするだけで問題無いと思われる)

・ホラー映画『エンドレス・ナイトメア』のDVDが完全消滅

(元から持ち主が不明な謎DVDなので問題無い、むしろ結果オーライ。浄化成功である)

・錯乱した楯無の最後の一撃により、近辺の監視用カメラと盗聴器が壊滅

(お願いします、経費でどうにか…)

 

 

 

「……何をしているんですか、彼らは…」

 

「それでメテオラさん、一緒に送られてきたオランジュさんの領収書は…」

 

「燃やしといて下さい」

 

「……ですよねぇ…」

 

 

 

 後日セイス達の元に『連帯責任』と書かれたメモが送りられ、4人の給料から新しい機材の代金が差っ引かれていた。それが彼らのテンションを暫く低下させたのは、言うまでも無い……

 

 

 

「なぁ…俺って今回、何もしてないよね? 寝てただけだから関係ないよね?」

 

「「「……。」」」

 

「おい、こっち向けお前ら…」

 

 

 

---強固(りふじん)な友情(みちづれ)、プライスレス…

 




○爆発で楯無と共に気絶したセイスはバンビーノが回収、隠し部屋へ退避

○爆発でセイスと共に気絶した楯無は虚さんが回収、尋問室へ連行

○更識楯無、織斑教諭の手により、再び病室送りに…

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