IS学園潜入任務~壁の裏でリア充観察記録~   作:四季の歓喜

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京都編、終わりませんでした…orz


アイカワラズ~京都決戦 その3~

 

 

 

「マドカああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 夜の京都に響き渡る、悲痛な叫び。

 

「殺してやる…殺してやるぞ織斑一夏あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 獣のような咆哮を上げながら、その豹変っぷりに戸惑うIS学園専用機持ち達に構わず、セイスは氷の足場から飛び降り、地上に転がり落ちる様にして着地するや否や、マドカを墜とした一夏…白騎士に向かって駆け出した。その目は完全に血走っており、手から伸ばした紅の刃はこれまでに無い程大きくなった。その姿は、まさに殺意の塊そのもの。

 

「ごめんよ、セイス」

 

 だが、そんな彼の歩みはものの数秒で止まった。背後から首に強烈な衝撃を感じた瞬間、意識が遠のき、たて続けに胸部に重い何かがぶつかったと思ったら目の前が真っ暗になったのである。

 

「姉御、指示を」

『エムもオータムも回収したわ、このまま撤退よ。事前に伝えておいた合流地点に向かいなさい』

「了解」

 

 EOSによる全力当身と心臓破壊のコンボにより、セイスの意識を奪ったアイゼンは、そのまま彼をEOSで抱え上げ、ステルス装置を起動させると同時に全力でその場を離脱した。 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

―――そして、数分後―――

 

 

「うッ、ごふ…」

「あ、気が付いた?」

 

 目を覚ますと、戦場となっていた街からは既に遠く離れ、そこは夜も更け人も車も少なくなった山沿いの道路だった。その道を俺は、ステルス状態でアイゼンが操縦するEOSに抱えられながら移動していた。

 その頃には傷も癒え、意識もはっきりしてくる。そして激情に駆られ暴走しかけたことも、自分が何を見てあんなに取り乱したのかもしっかり思い出した。

 

「マドカは…!?」

 

 血相を変えた俺の様子に、アイゼンは自身の耳を指差して答える。その仕草にハッとして、すぐさま通信機のスイッチを入れた。

 

『……セヴァス…』

「マドカ、無事か!?」

『そんなデカい声を出すな、頭と身体に響く』

「あ、わりぃ…」

 

 マドカの声が聴こえた途端、ホッと胸を撫で下ろす。アイツが織斑一夏に墜とされた姿を見た時は生きた心地がしなくて、一瞬で頭がどうにかなりそうだった。もしもアイゼンが気絶させてくれなかったら、あのまま俺は何をしでかしたか分かったもんじゃない。あの時はもう、織斑一夏を殺す事以外何も考えられなくて、他の事は任務の内容も含め、全て頭から抜け落ちていた。正直言うと、アイゼンに気絶させられる直前の記憶も曖昧で、もしかすると我を失うと同時に意識も既に手放していたのかもしれない。

 ともあれ、こうして彼女の無事を知れた今、自分を呑み込もうとしていた黒い感情は綺麗さっぱり消滅していた。今はとにかく、一刻も早くマドカに会って、この目で改めて無事を確認したい。

 

『すまん、負けた』

「あぁ、でも生きてる」

『これ以上ないくらいに万全を期して、完膚無きまでに叩きのめされた』

「じゃあ今度は俺も連れて行け、次は一緒に戦おう」

『アイツが言うには、私には力を持つ資格が無いらしい』

「そんな寝言ほざいたアイツって誰だ。今どこに居るか教えろ、ちょっとソイツぶっ殺してくる」

『やめろバカ』

 

 やはりと言うか、先程の敗北は彼女の心に少なからず傷を与えたみたいだ。けれど、いつかのような自暴自棄にはなっていないようで、その事に少し安堵する。この様子なら、また一人で無茶をするということもないだろう。

 

『やっぱり、私は間違ってるのかな…』

 

 そんなことを考えていたら、ふとそんなことを言い出した。先程の戦闘で、何か思うことがあったのか、ここに来て自分の在り方に迷いが生じたらしい。けれど…

 

「さぁな」

『なんだ、急に素っ気ないな』

「でも、まだ諦めるつもりは無いんだろ?」

『……あぁ…』

「まだ続けたいと思ってるんだろ、他でも無い、お前自身の意思で」

『そうだ』

「だったら、それで良いじゃないか」

 

 俺の在り方は変わらない、変えるつもりも無い。どんな内容であろうが、マドカの望みが俺の望み。彼女が本当の笑顔を手に入れる瞬間を目にするまで、俺は隣で彼女を支え続ける。だからこそ…

 

『その選択が間違っていたとしてもか? 世界中の人間が声を揃えて間違っていると言わざるを得ないほど、それが愚かな選択だったとしてもか?』

「間違っていたかどうかを最後に決めるのは、結局はお前自身だろ。お前がやりたいと思うことを、そう思っていられる限り続ければ良い。ただ、その代わり…」

 

 俺が望むのは、ただ一つ。これからもお前が、常に自分の心に正直であること。お前が復讐をやめたいと本気で思ったら、やめれば良い。織斑千冬を殺しても気が済まず、世界すらも滅ぼしたいと言うのなら、俺も一緒に地獄の底まで付き合ってやる。だからお前は、自分の好きなように生きてくれれば良い。

 けれど、もしもお前が自分を見失って、自分の本音すら自覚できなくなったら、その時は…

 

「お前自身が途中で間違ってると気付いて、尚且つそれでも止まれないようなら、その時は俺がぶん殴ってでも止めてやる」

 

 だから心配するな、そう言ったら何故かマドカは黙り込んだ。あれ、俺なんか変なこと言ったかなと思って不安になったが、しばしの沈黙の後、通信機の向こうからクツクツとマドカの笑い声が聴こえてきた。隣のアイゼンの顔を見やると、俺と同じフルフェイスメットのせいで顔は見えないものの、どことなく苦笑いを浮かべている気配がした。やっぱり俺、変なこと言ったらしい。

 

『分かった、覚えておこう。そんなことは早々無いと思うが、万が一の時は遠慮なく頼む』

「おう、手加減無しのグーで行くからな。それが嫌なら、いつものお前らしく自分に正直でいるこった」

 

 何だか急に恥ずかしくなってきて、照れ隠しも兼ねて取り敢えずそう返してみるも、向こうは相変わらず静かに笑っている。もう一度アイゼンの方を見やると、何故か目を逸らされた。解せぬ。

 

『……なぁセヴァス、お前は、お前は私のことを…』

 

 ひとしきり笑い終えて、ふとマドカが呟いた。何を言うのかと思って耳を澄ませるが、何故か彼女はそこで言葉を止めてしまい、肝心な部分を言おうとしない。どうした、と問いかけても、あーだのうーだの言葉にならない変な声しか返って来ない。で、結局…

 

『いや、なんでも無い』

「なんだよ」

『気にするな。それよりも早く来い、待ってるぞ』

 

 そう言うなり、マドカは一方的に通信を切った。最後の最後でよく分かんない様子だったが、まぁとにかく…

 

「無事で、良かった…」

 

 本当に、これに尽きる。

 

「早く帰って慰めてあげなきゃね?」

「あぁ、そうだな」

「彼氏は辛いね?」

「あぁ、そ…いや俺、アイツの彼氏じゃねーし!!」

 

 アイゼンのからかいに、思わずムキになって反論するが、当の本人はどこ吹く風。いや、マドカが大切な存在であることは否定しないんだけどさ、それは別に男女の関係とかって訳じゃ無くて、そもそもアイツだって俺のことを恋愛対象として見た事なんてない…筈だよな、多分。

 

「あーもう、良いから余所見しないでさっさと合流地点迎えよ色物タクシー」

「承知しました、お客様」

 

 不貞腐れ、半ばヤケクソ気味放たれた俺の発言に、アイゼンは笑いながらEOSを加速させた。そして…

 

 

 

 

―――EOSの関節が部分が、ひとつ残らず撃ち抜かれた―――

 

 

 

 

「「え…」」

 

 俺もアイゼンも一瞬何が起きたのか分からず、間の抜けた声を出すしかなかった。しかし動かなくなった頭の代わりに身体が勝手に動き、行動不能になったEOSから飛び降りると、俺達と入れ替わるようにEOSのコクピットと肩の部分に銃弾が飛んできた。間違いない、敵襲だ。

 

「ステルス装置が、見破られた!?」

「セイス!!」

 

 慌てて道路から飛び出て山の中、多くの木々が生い茂る森に逃げ込んだ。その間も、背後から銃弾の嵐が俺達を執拗に迫り、その内の数発が身体を掠めた。ステルス装置を起動させ、本気で逃げる俺とアイゼン…フォレスト一派現場組の中でも、上から数えた方が早い身体能力を持つ俺達にだ。その事実だけでも、この状況が相当よろしくないと言うのが嫌でも分かる。

 

「セイス、この近辺に残ってる勢力の中に心当たりは?」

「目ぼしいのは全部潰しといたから、まともな勢力なんざもう残ってない筈だ。て言うか、姉御の寄越したリストの中にはこんなこと出切るようなのは居なかった」

 

 こうやって走りながら話している最中にも、恐ろしい精度を保ったまま、銃弾は休まず俺達に向かって飛んでくる。そもそもISのセンサーすら欺くステルス装置を破ったこともそうだが、あんな形でEOSを瞬殺するなんて真似、並の連中には不可能だ。

 

「けど、この半端ない腕と圧力は…」

「十中八九、アイツらだね」

 

 だけど、一つだけ、こんな芸当を可能にする集団を俺達は知っていた。この業界で唯一、IS無しでフォレスト派と渡り合い、今も欧州の覇権を巡って争い続ける、世界最強の傭兵集団。ハゲタカの紋章を掲げ、金と戦場の為に生きる亡者達。その名は…

 

 

「よりによって、オコーネル社かよッ…!!」

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

『命中を確認』

「そのまま目を離すな。個々の実力は向こうが上だ、各個撃破を狙われたら勝ち目が無い」

 

 上空に散開させた数機のドローンから送られてくる情報、そこにセイス達の姿は影も形も無い。しかし、彼らには分かる。ドローンが送ってくる森の中に流れる風、響く音、漂う熱、それらに紛れ込み、僅かに数値を歪ませる姿なき獲物の居場所が。

 

『各員、装填完了』

「撃て」

 

 長年培われてきた経験と勘により放たれた無数のグレネード弾が、まるで誘導弾のごとく、全て同じ場所にピンポイントで殺到する。大きな爆発音と共に、日が沈み暗くなった空が一瞬だけ照らされると、ドローンから送られてくるデータに新たな歪みが生まれる。

 

『二手に別れました』

 

 二匹の獲物の内、片方は逃げ、もう片方は残った。どうやら、単独で敵を食い止め、もう一人を逃がすつもりらしい。捨て駒覚悟の殿か、それとも逃げた奴が救援を呼ぶことに一縷の望みを託したか。

 

「三班、逃げた奴を追撃しろ。無理に仕留めなくていい、こちらに戻れない程度に追い立てろ」

『了解』

 

 どちらにせよ、ジャミング装置を起動させている今、通信機の類は特殊な加工を施した自分達のものしか使えない。その足で走り続け、自分達に背後から撃たれ続けなければならない地獄を、果たしてどこまで続けられるか見ものだ。それに、こちらの本命…依頼主の御望みは、人間では無い。自分の生命力を過信し、敢えて殿を進み出たバカの方である。

 一傭兵時代から使い続けている愛銃の安全装置を解除し、随伴する部下に目配せする。それだけで、優秀な彼らはこちらの言いたい事を全て理解し、何も言わなくても自分の思う通りに動いてくれる。準備は、整った。

 

 

「さて、ここからが本番だ。相手は不死身の獣 (けだもの)、こちらの常識は一切通じないと思え。では、状況開始」

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

「クソッ、本格的にヤバいッ!!」

 

 しぶとい自分が残り、向かって来るオコーネル社の傭兵達を迎え撃つセイスだったが、彼は早速後悔していた。案の定、ステルス装置は見破られているようで、さっきから銃弾の嵐が面白いくらい飛んでくる。

 おまけに、ジャミング装置でもあるのか通信機の類も封じられてしまった。そのせいでアイゼンが走ることになった訳だが、おかげでそのアイゼンの様子を知る事もできない。

 

(しかもステルス装置が無効化されたってことは、物陰に隠れたところで…)

 

 咄嗟に飛び退くと、さっきまで隠れていた木が一瞬で蜂の巣にされてしまった。さっきから延々とこの繰り返しで、このままではどう考えてもジリ貧だ。しかも、段々と銃弾が四方八方から飛んでくるようになってきており、もしかしなくても自分は包囲され始めている。

 

(こうなりゃ仕方ない…)

 

 完全に包囲される前に、どうにかするべく、セイスは耳を澄ます。そして、自分目掛けて引き金を引く奴らよりも遠く…アイゼンを追撃している奴らのものであろう銃声、その方角を把握する。そして、足に力を籠め…

 

「強・行・突・破ぁ!!」

 

 自身の身体能力をフルに使い、一気に駆け出した。ISの瞬時加速に迫るその勢いに、傭兵達の照準が一瞬だけ狂い、更なる隙を生む。飛んできた銃弾と風を置き去りにする勢いで、セイスは森の中を疾走する。

 そんな彼の進路に、自分達とは少し違う特殊スーツ、そして暗視ゴーグルを身に着け、小銃を構えた傭兵が一人立ち塞がった。相手は即座にセイスに銃口を向け、引き金を引く。

 

「きひひっ、死ねオラァ!!」

 

 その銃弾を僅かに身体を捻るだけで躱し、スピードを落とすこと相手との距離を詰める。そして血の刃を腕に展開し、そのまま相手を斬りつけた。だが相手もさるもので、咄嗟に小銃をセイスの顔面目掛けて投げつけると、拳銃を抜いて連射しながら横に飛び退いた。セイスは投げつけられた小銃を真っ二つに斬り捨て、更に飛んできた拳銃弾を一発残らず斬り落とす。

 

「やっぱ一筋縄じゃいかないな、テメェらは…!!」

 

 傭兵は地面を転がるようにして受け身を取り、立ち上がると更に銃弾を放ってくる。対するセイスは銃弾ごと斬り捨てる気で、大振りの横薙ぎを放つ。銃弾と周りの木々を斬り飛ばしながら、自身の首目掛けて迫る赤いギロチンに、傭兵は慌てて地面に背中から倒れ込むようにして避ける。先端が掠り、暗視ゴーグルが弾き飛ばされ、倒れた際に背中を強打したのか傭兵の口から呻き声が漏れる。

 悶えて動けない傭兵に、トドメを刺そうとセイスは腕を振り上げ…

 

「チィッ!!」

 

 そして別方向から飛んできた銃弾を弾き飛ばし、そのまま踵を返して再び走り出す。無駄にしぶといコイツらに時間を掛けてる暇があったら、さっさとアイゼンを追撃している、この追撃部隊より少数で潰しやすい別動隊を殲滅してアイゼンと合流した方が得策。と言うか、そうでもしないと勝てない。

 だからこそ、セイスは走った。迫る銃弾を弾き飛ばし、森の木々を掻け分け、そして森を抜け、大きく開けた見通しの良い場所へと飛び出た。出てしまった…

 

「ッ!?」

 

 隠れる場所も何も無い場所に自分が立って居ること、そこへ自分が誘導されていたと理解した時には、既に手遅れだった。前方から自分目掛け、さっきまでとは比べ物にならない密度で銃弾の嵐が飛んできた。

 咄嗟にB6を障壁状に展開し、盾とするセイス。しかし、銃弾を受け止めた直後、身体がガクンと重くなり、全身から力が抜け始めた。

 

(まさか…この弾、は!?)

 

 驚愕に目を見開くも、この感覚に似たものを覚えていた。それはあの日、ティナ・ハミルトンと二度目の邂逅を果たし、戦闘の中、彼女に一矢報いられる羽目になった一番の要因。一発撃ち込まれただけで身体のナノマシンに影響を与え、その機能に障害を齎す、セイスにとって被く少ない弱点とも言って良い代物。

 

(ナノマシン、機能阻害弾……いや、これは最早、ナノマシンそのものを抑制していやがる!?)

 

 セイスのナノマシンは、常に改良され続けている。今ならあの時にティナが使った阻害弾を撃ち込まれても、既に耐性を身に着けており、効果は殆ど無いだろう。しかし、それに加え今はB6を投与したにも関わらず、オコーネル社の傭兵達が撃ち込んできた阻害弾…改め抑制弾は、セイスのナノマシンの性能を遥かに上回っていた。そんな代物を作るなんて、亡国機業技術班のように定期的にセイスのデータを取っていない限り、あるいは過去のセイスの研究記録でも持っていない限り不可能な筈。それがどうして…

 

「って、やばッ!!」

 

 そんな風に混乱していたせいか、銃弾に混じって飛んできたグレネードに反応が遅れてしまい、弱体化した血の盾と身体でそれを受けてしまったセイス。爆発と同時に吹き飛ばされ、背後の木々を何本かへし折り、地面を何度か転がってようやく止まることができた。

 

「ぐ…畜生ッ……」

 

 全身が強く痛み、抑制弾のせいで力が入らず、呻き声を上げるので精一杯。倒れる自分の元に傭兵隊が歩み寄ってくる気配を感じても、何もできない。

 

「まさか、本当にまだ生きているとは…」

「生きてて良いんだよ、生け捕りが目的なんだから。しかし、非常識な獣野郎だってのは本当らしいな、念のため四肢を切り落としておこうか」

 

 朦朧とする意識と、霞む視界の中、傭兵の一人がナイフを抜く気配がした。嗚呼、達磨状態にされるのも久し振りだなぁなんて、どこかズレたことを考えながら、限界を迎えたセイスは目を閉じ、意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それには及ばないわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 たったその一言で…否、その声で彼の意識は一瞬で覚醒した。

 

 

「どうせ、彼はここで全て終わらせるの。今更手足の二本や三本、あっても無くても変わらないわ」

 

 

 その声を聴いただけで、彼の身体は限界を超えた。閉じられた目を再び開き、まさかと思いながら、相変わらず動かない身体で目だけを動かし、声の主を探す。そして、遂にその姿を視界に捉えた。

 オコーネル社の傭兵達に守られながら、ゆっくりと自分に歩み寄ってくる白衣の女性。かつての記憶よりも白髪の増えたブロンドヘアー、やつれた頬、化粧で隠し切れてない目元の隈。この前見た時よりも随分と変わり果てていたが、それでも… 

 

 

「久し振りね、会いたかったわよ、アルクス」

 

 

 彼女の事を先生と呼び、慕っていた頃に何度も聞いた、あの優しげな声音だけは、昔のままだった…

 




次回こそ京都編終わらせたいところですが、なんか更にもう一話必要な気がしてきました…;

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