転生者と妖怪   作:ゾル0306

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御子神再び

俺―――神崎龍司はアカーシャとモカと別れてあるところに向かっている。それは陽海学園である。とうとう完成したらしい。だから、まずは御子神のところに行こうと思う。そこの理事長をしている。建設者だから当たり前だと思うけど・・・。陽海学園は人間と妖が共存できるようにと作ったものだと聞いた。なぜかと言うと妖怪が生き延びていくためには人間と共存していく他ないと考えているようだ。そのため妖怪の生徒達に「人間との共存」を教えている。人間との共存を目標にしてないのに人間の生徒さんが一人もいないと聞く・・・そして学園に人間が侵入したら殺すことになっているらしい。本末転倒だな。

 

数分後・・・

歩いているとトンネルが見えてきた。

そのトンネルは人間界と妖怪の世界をつないだりしているトンネルだ。

歩いて行くと時間がかかりそうなので舞空術で行こうとしたら・・・

俺の真横で一台のバスが停止し、入り口が開いた。乗客らしき人はおらず、運転手が一人いるだけだ。

 

「ヒヒヒッ・・・

そこの兄さん陽海学園に行くんだろ?乗せていくぜ。」

 

その運転手は変な笑い方をしながら俺が行こうとしているところを当ててきやがった。

 

「おまえは誰だ?」

 

「理事長の知り合いでな。連れてきてくれと頼まれたんだよ。」

 

「乗せてくれるのはありがたいが・・・金がないんだ。」

 

「問題ない。後で理事長に払ってもらうよ。」

 

運転手はたばこ?を吸いながら言う。

 

「よろしく頼むよ。」

 

「こちらこそ光栄だよ。三大・・・四大冥王の一人の神崎龍司くん。」

 

・・・ッ!?俺が冥王?なんで?

 

「どうしたのかね?冥王だと知らなかったのか?」

 

運転手は俺の表情を見たのか、驚愕したことに気付いたようだ。

 

「ああ、ちょっとびっくりした。」

 

「アルカードを倒した四人を称して四大冥王と呼ばれているんだ。」

 

アルカードを倒された者を四大冥王と呼ばれているのか。

 

「じゃあ行くぜ。陽海学園に。」

 

「ああ、ありがとうよ。」

 

バスに乗車して陽海学園へ出発した。

道中の外は真っ暗・・・車内の光とヘッドライトの光しかない・・・。

そうして、陽海学園のバス停に到着した。

 

「着いたぞ・・・陽海学園に。」

 

「ここか・・・。ありがとう。またな。」

 

「それじゃこのあたりで。」

 

といいバスはどこかへ行った。

まさしくここは妖怪がいそうな場所だ。

空は赤っぽく雲で占めている・・・。雷の音もする。少し危ないところのような感じだ・・・。

 

しばらく歩き続けると・・・学園の目の前についた。

学園は言葉が出ないほど広大な敷地と大きな建物・・・。

探すのは大変そうだけど気配でわかる。御子神の気で。

 

建物の内部も広かった。廊下が馬鹿みたいに広い。

驚くのはこれだけじゃない・・・周囲の視線が俺に集まっているんだ。

早く行こう・・・

 

変な人・・・妖怪に絡まれたりしたがなんとか理事長室まで来ることが出来た。

そして入室した。

 

懐かしい気配だ。本当に・・・200年ぶりの・・・。

 

「久しぶりだね、龍司。」

 

御子神が話しかけてくる。

相変わらずフードを被っていて顔はうかがえない。毎回そうだからあまり気にしてはないがな。

 

「俺がここに来ることは知っていたのか?」

 

「アカーシャから連絡をもらったんだよ。喜んでしてきたぞ。」

 

「アカーシャにはずいぶん心配をかけちまったからな。無論、お前たちもな。」

 

「そうか。もう行くんだろ?次は不敗のところへ。」

 

心が読めるのか?行こうと思っているけど。

 

「表情にでてるんだ。」

 

「フッ・・・相変わらずだ。

一目会ったしもう俺は行くよ。あと、俺は偽名を使うからそっちで読んでくれ。龍崎辰也とな。」

 

「了解だ。」

 

俺たちは軽く話し、握手をして陽海学園から去った。

 

そして俺は香港に渡り不敗に会い、ある技を教えてもらった。

不敗は相変わらずじじぃの姿をしていて、二次元オタクも200年経った今でも健在だった。

また、黄一家の首領の黄飛鴻とその妻の黄恬恬とも会った。

黄飛鴻はヤクザの親分という強面の顔で豪快な性格。体術は苦手みたいだが妖術の腕前は超一流で、伝説の妖獣「炎龍」を召喚して戦うとなかなか強かった。

黄恬恬はチャイナドレスを纏った美女で、一見優しそうだが、好戦的だった。黄飛鴻とは違い体術は素晴らしかった。元は苗家最強と呼ばれた拳士だそうだ。

そして怖かった・・・悪魔みたい・・・。

 

 

そして、世界を旅をして一年後、朱染城へ帰った。

再び会うために。

 


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