転生者と妖怪   作:ゾル0306

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復活

あのアルカードの死闘からおよそ200年の歳月が流れた。

 

俺はまだ眠っている。だが、周りの声などは聞こえる。

例えば、一茶さんとの間に子供ができたこと、名前はモカというらしい。ほかに義理の娘が2人いるようだ。娘さんたちはアカーシャとよく世話をしに来てくれてる。気配でなんとなく分かった。顔は見たことはないけれど。

 

修行の方はドライグとアルビオンのおかげで寝ている間もすることができた。身体能力は上がり基礎スペックは向上したが、肉体面は成長していなかった。

ドライグとアルビオンが言うには

 

『寿命が長いからでは?』

 

とのことだった。

原作開始時に死んでたら意味がないから神様が伸ばしてくれたのだろう。だから成長してないという仮説を立ててみた。

 

そして・・・目覚めの時がきた

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

 

俺———神崎龍司は朝日と同時に目を覚ました。

やはり、久しぶり動かすとあって体が思ったように動かない。精神世界で修行して得たことはそのまま能力として追加されているようだ。

自分の元の体を動かすのは久しぶりだな。少し体を動かしに林へ行こう。

 

林に着いたのはいいけど外に行って来るってアカーシャに伝えてないや。いつもこれぐらいの時間に俺の部屋に来てたような気がするけど。なんとかなるか・・・。

最初はあの技からだ。

 

 

 

アカーシャside

 

 

 

今日もモカを連れて龍司の部屋へ来たわ。

モカもよく龍司の世話をしている。身長が近いから自分と同じくらいの子に見えるのかな。

あの戦いからおよそ200年経過したのに一向に目を覚まさないと思ったら、窓があいていて龍司の姿がないの。

 

「母さん、あの男がいないぞ。どこへ行ったんだ?」

 

「ええ、そうね。窓が開いてるしあの人ならどこかで体を動かしているんじゃないかしらね。そのうち凄まじい爆発音がするんじゃないかしら。」

 

ドゴォォォォオオオオオ

 

これはあの人の・・・龍司の気配。復活したんだ。

いつの間にか感激の涙を流していた。

 

「母さんの言うとおりだったね。」

 

「ええ。モカも一緒に行きましょ。」

 

「うん。」

 

私たちは龍司の気配や爆発音を頼りにモカと向かった。

早く会いたいよ、龍司。

 

 

 

モカside

 

 

 

今日、龍司という人が寝ている部屋に行くと本人はおらず、窓が開きっぱなしになっていた。

母さんが言うにはとても強いらしく、共に凶悪な妖怪—―—アルカードを倒したという。私から見ると、身長や年齢が自分と似ていて、とても怪物を倒せるはずと思っている。むしろ自分の方が強いんじゃないかとも思っていた。だが、それは間違っていた・・・

爆発音を聞く限りすごかった。

そして早く会ってみたい。 かっこよかったし。

私は思ったことがある。それは・・・「母さんの恋人だったのかな。」と。でも私の中は浮気許せない。だけど・・・そんな感じには見えないから大丈夫かな。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

 

龍司side

 

 

 

トレーニングをしてある程度けりがついて休憩をしていると、懐かしい気配をもった者が近づいてくるのが分かった。

そして俺の目の前に現れた。

 

変わらないその美しい姿・・・。

鮮やかなピンク色の長い髪、赤い瞳。

懐かしい・・・。

 

そして

 

その娘だと思われる

整っている容姿・・・

綺麗な銀髪の長い髪、赤い瞳。

初めて会うのだが似ている・・・。

 

アカーシャと娘のモカだ。

 

「アカーシャ、久しぶり。俺が寝ている間の面倒を見てくれてありがとう。」

 

「・・・リュウ・・・ジ・・・?」

 

アカーシャは信じれないという顔をしている。

 

「そうだ。元気だったか?」

 

「だって・・・、あの大戦から200年たったのよ?二度と目覚めないのかって・・・会えないんだって・・・あきらめかけて・・・いたのに。」

 

アカーシャの目から大粒の涙があふれてきた。

 

「本当に本物よね?」

 

「ああ、本物だ。待たせて悪かったな。」

 

「おかえりなさい、龍司。」

 

「ただいま、アカーシャ。」

 

言い終わると、アカーシャは俺を抱きしめにきた。否、抱っこしにきた。身長が小さいからそういう感じになっちゃうんだ・・・。だけど、アカーシャの温かさが伝わってくる。

 

「戻ってくるのが遅いよ・・・何年たったと思ってるの?」

 

「200年ぐらい?」

 

「200年よ!200年。何年寝てるのよ。」

 

「ごめんなさい。」

 

「これからはあんな無理なことをしないでよ。」

 

俺も涙を流して・・・しばらく抱き合った。

 

その後、眠っていた間のことをアカーシャから聞いた。

家族のことや娘のことなど様々なことを。

 

「この子が娘のモカよ。」

 

アカーシャが銀髪の女の子を抱き寄せ紹介する

 

「朱染モカです。よろしく。」

 

「俺は神崎龍司だ。よろしくな、モカ。」

 

ギュッ

 

抱き着いてしまった。体が勝手に動いた。

すると、モカは顔を赤くしていた。

 

「・・・ッ。」

 

急なことに驚いて固まってしまったようだ。

 

「あ、ごめん。アカーシャに似て可愛かったからつい。」

 

「あ、はい・・・」

 

この子はやはり似ている・・・アカーシャに。親子だとすぐにわかる。

モカから離れるとアカーシャが話しかけてきた。

 

「そういえば不敗さんや御子神さんはあなたのことを心配してたよ。会いに行ったらどう?」

 

あの二人にも心配かけてしまったな。

 

「そうだな。今から会いに行くよ。」

 

「またそれも急ね。いってらっしゃい。」

 

「いってくる。今度帰って来たらほかの娘さんにも会わせてくれよ?」

 

「ええ、必ず。帰って来たらみんなと遊んであげてね。」

 

「了解だ。モカもまたな。また、会おう。」

 

それを最後に俺はその場を立ち去って行った。

次に会うのは1年後、ある人が朱染家に訪れる数日前に戻ってくることとなる。

 

 

 


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