転生者と妖怪   作:ゾル0306

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転生先と冥王

一人の少年が林の中に倒れている。

その少年は神崎龍司である。

 

「ここはどこだ?なにがあったんだっけ?」

 

・・・思い出した

確か俺は死んで神様のところへ行って修行してこの世界に転生させてもらったんだ。

 

「ドライグ、アルビオン聞こえるか?というよりもいるか?」

 

『『俺たちはいるぞ。』』

 

とのことでした。特典はしっかり使えるようだ。

そして今はどこにいるんだ?変なところに送られてしまったな。

考えててもしょうがない。適当にぶらぶらしますか。

数分歩くとたどり着いたのは――――城だった。

 

「誰だ。」

 

城の方から声が聞こえたと思うと、複数の兵士が現れた。

 

「貴様は何者だ?ここは朱染の城だ。不法侵入だとみなし貴様を殺すぞ!」

 

この物騒な兵士の目は赤い。バンパイアってことだな。

というよりも朱染の城って・・・たしかアカーシャの城じゃないか。

まさか、こんな近くに送ってくれるとはいい神様だったな。

アカーシャとは仲良くなりたいし、親子そろって仲良く暮らしてほしいから俺はこの時代にしたんだ。だからとりあえず、話してみるか。

 

「俺は敵意も殺意もない。」

 

「そんな話が信じれるか!」

 

ですよね~。さてどうしたものか・・・。

すると、ドライグとアルビオンが話しかけてきた。

 

『相棒、力でねじ伏せろ!』

 

「バカか、ドライグ。仲良くしようって言ってるのに攻撃したら本末転倒だわ。」

 

『赤いのの言う通りかもしれんぞ。このままだと殺されてしまうかもしれん?』

 

「俺は簡単には殺されねーよ。だから攻撃はしない。」

 

うちのドラゴンは闘うことしか頭の中にはないのか?ダメだ・・・。わかってはいたけどな。

でも、この兵士たちもなかなか頑固だな。警戒を解こうともしないし・・・。

いい案もでてこない。

 

「あなたたちはいったい何をしているの?」

 

突然、城の方から女性の声が聞こえた。そう、現れたのは若い女性だった。

この容姿はまさか!

 

「アカーシャ様、いらっしゃったのですか?」

 

後の三大冥王の首領となる女性・・・アカーシャ・ブラッドリバーだった。

 

「ええ、自室にいたら騒ぎが聞こえたからきたの。ところで何があったの?」

 

最初の方は笑顔だったが、だんだん厳しい顔になっていった。

 

「それは・・・」

 

兵士も説明に困っているようだな。ここは俺が言うしかないか。

 

「この問題を引き起こしたのは俺です。どうもすみませんでした。

俺の名前は神崎龍司といいます。以後お見知りおきを。」

 

「ご丁寧にありがとうございます。私はアカーシャ・ブラッドリバーといいます。

なぜあなたがここに訪れたのでしょうか?」

 

やっぱりこの人がアカーシャだ。

 

「ここに訪れたのは・・・あなたにお会いするためです。アカーシャ・ブラッドリバーさん。」

 

アカーシャは驚愕のような表情を作る。

始めてあったのに会いに来たなんて言われたらびっくりするよな。

 

「私に何の用でしょうか?」

 

「ここでは言えません。二人だけでお話はできませんでしょうか?」

 

「ええ、いいでしょう。私の部屋へ行きましょうか。兵の皆さんは持ち場に戻ってください。」

 

兵士たちは不安そうにしながらも持ち場へと戻っていき、俺とアカーシャは彼の部屋へと行った。

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

 

~アカーシャの部屋~

 

 

話を始めたのはアカーシャだ。笑みはなく真剣なまなざし。

 

「私に接触したのはなぜですか?」

 

「それはアルカードを追っている者がいると耳にしたので会いに来たのです。

その者達は3名。退魔師の御子神天明、妖術師の東方不敗、そして真祖のバンパイア アカーシャ・ブラッドリバー・・・そうですよね?」

 

驚愕の表情を作るアカーシャ。

アルカードを追っていること、真祖ということも知られているんだからな。

 

「ちょっとびっくりしたわ。その通りよ。

あなたのことだからそれを確認しに来たわけではないんでしょ?」

 

「はい、その通りです。俺にもアルカード討伐に参加させてもらえないでしょうか?」

 

「その気持ちは伝わりました。ですが、アルカードは凶悪な妖怪です。生半可な攻撃など意味がなく吸収させられてしまいます。ですので私たちはこの3人で戦おうとしているのです。」

 

危険だから強い者じゃないといけない。

なら、力を見せろということかな?

 

「俺の強さを見せろ?ということですか?」

 

俺は笑みを浮かべながら述べる。

 

「ええ、ですのであなたの力を見せてもらいます。

御子神天明さんと東方不敗さんも呼びます。

そこで2人以上が認めれば共闘を認めます。それでどうでしょうか?」

 

「はい、それで構いません。よろしくお願いします。」

 

すると、アカーシャからオーラが・・・

強い・・・。不死の吸血鬼ノスフェラトゥ冥王の首領となる女性だ。

本気はもっとすごいだろう。戦うのが楽しみだな。

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★

 

 

 

~数時間後~

 

俺とアカーシャは朱染城付近の結界を張りその中へ入った。

ここに御子神天明と東方不敗が来るらしい。

フードを被った男の人と背の低い老体の人は来た。おそらくこの二人が御子神天明と東方不敗なのだらう。

 

「こやつがアカーシャの言ってた少年か?まだ、幼いではないか。」

 

と老体の人―――東方不敗が驚きながら言う。

肉体年齢は低いもんな。誰も子供が強いだなんて思わないだろう。

 

「人は見た目によらないといいますよ。さっそくやりませんか?」

 

俺は大胆不敵な笑みをこぼす。

東方不敗も驚きから笑みをこぼした。

 

「ふははは・・・面白いのぅ! 小僧、全力で来るのじゃ。こい!!」

 

やる気になってくれたようだ

アカーシャと御子神天明は見守るように見つめていた。

 

「ドライグ、アルビオン!準備はいいか?全力で行くぞ!」

 

『『おう!』』

 

俺は左腕に赤い籠手―――赤龍帝の籠手、背中には白い翼―—―白龍皇の光翼を発動させ・・・

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!!』

『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!!』

 

赤龍帝の籠手と白龍皇の力を具現化させた。

それは赤と白色が混じっているデザインである。

 

「それはなんじゃ?」

 

さすがの東方不敗も・・・いや、三人共びっくりしているようだ。

この世にはないものだからしょうがないか。

 

「この戦いが終わったら説明する。」

 

その瞬間、風が吹きこれがバトルスタートの合図だった。

 

『JET』

 

この音声で飛び出して行く。

瞬時に詰め寄り殴りつけるが、さほどダメージはないようだ。

だが、触れればよい。

 

「まだまだ、あまいぞ。」

 

「そうかな?」

 

『Divide!』

 

「何をしたんじゃ?」

 

「それはこの光り輝いている翼ーーー白龍皇の光翼の能力、触れた者の力を半減させ己の糧にする。

あと、左手の籠手ーーー赤龍帝の籠手の能力は力を倍加させることごでき、他のものへ譲渡させることも可能だ。」

 

どうやら驚いているようだ。半減させたり倍加させたりできるんだもんな。

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost』

 

「雷炎竜の咆哮」

 

雷を纏った炎の極大なブレスを放つ。

東方不敗は気を使い呪符を掲げバリアのようにしている。

このバリアを半減すれば・・・ダメージは通るだろう。

 

『DivideDivideDivideDivideDivideDivideDivide』

 

呪符のバリアが弱々しくなっていく。

 

「これは半減の力か!」

 

東方不敗は驚いているようだ。

そして極大なブレスに飲み込まれた・・・

ドゴォォォォォオオオオ・・・・・

 

爆発が終わると・・・

東方不敗は立っていた。肩で息をしているが。

 

「なかなかやるな。これで終わらせようと思ったんだがな。」

 

東方不敗は、俺がが笑っている事に気がついたようだ。

東方不敗もまた・・・笑みを浮かべた。

 

「小僧・・・お主もなかなかやるな。」

 

すると東方不敗の周辺の空間が歪んで見えていた。

あれが崩月次元刀なのか?

危ないにおいがプンプンするぜ。

 

「龍司、わしの最高の秘術を見せてやろう!」

 

東方不敗は湧き上がる妖気の渦の中心で叫ぶ!

そうやっぱり崩月次元刀だ。

さてどうする。

あれをくらうのはやばい・・・。

 

東方不敗が突っ込んでくる。

気功波を使って応戦するが切断されていく・・・

俺の正面へ来て・・・一瞬のうちに背後へ回り込み・・・

 

「一本もらった。」

 

腕、足を切り裂いた・・・。

 

「あ、しまった。つい熱くなりすぎて、やってしもうた。」

 

今、気づいたようだ。一緒に戦おうって言ってるのに切ろうとするとは。

 

「やりすぎよ!黙って見てた私も同罪ね。 急いで家の救護の者を呼ぶわ!」

 

すると。俺の体は消滅していく・・・

 

「ちょっと、死んだら駄目よ!」

 

アカーシャが叫ぶ。残りの二人も困惑しているようだ。

そろそろ姿を出すか。

 

「俺は無事だ。」

 

上空から・・・地上へ降りていく。

 

「心配したぞ。何をやったんじゃ?」

 

「大丈夫なの?」

 

東方不敗とアカーシャが訪ねてくる

「俺は無事だ。東方不敗さんが切ったのは俺の残像だ。」

 

「残像とはのう。ワシの負けじゃ。 あのままやっていたらわしは負けていたじゃろう。 お主は規格外じゃな・・・!これは認めるしかないのぉ。 ・・・ここまでの強いとは・・・。力量は十分すぎる。アルカード討伐に力になってくれるであろう。アカーシャよ、どうじゃ?」

 

東方不敗は微笑みながらアカーシャに尋ねる。

アカーシャも驚いてはいたが、東方不敗と同様に微笑む。

 

「ええ、私も認めます。龍司君、あなたの提案をのみます・・・いや、協力してください。アルカードを倒すために。」

 

「はい、こちらこそよろしくお願いします。アカーシャさん、東方不敗さん!」

 

こうして俺はアルカードを倒すために共闘をすることになった。

 

「龍司、戦っているときとのギャップがあるから敬語はやめてくれ。」

 

「わかった。俺も敬語は苦手だったから助かる。」

 

「なら、私も敬語をやめてね。アカーシャって呼んで。」

 

「了解だ。東方不敗、アカーシャ。」

 

「俺も忘れないでくれ。」

 

声がする方を向くとフードを被った人—―—御子神天明がいた。

・・・あ、いけねぇ。今まで忘れてた・・・・・

 

「俺も敬語はいい。御子神天明と呼んでくれ。」

 

「了解、よろしくな。」

 

アカーシャが徐々に近づいてくる・・・

なんか嫌な予感しかしない。

それに連れられ残りの二人も近づいてくる。

 

「あなたの能力を教えてもらえないかな?」

 

ニコニコフェイスで訪ねてくる。

このニコニコフェイスが少し怖い。言わないと殺されるレベルだ・・・

 

俺は転生者ということを除いてすべてを伝えた。

あの戦いがフルパワーじゃないと言ったら、「「「バケモノか!」」」と言われた。

バケモノじゃないのに・・・

 

ちなみに東方不敗は二次元オタクということを知った。

御子神天明は学園を作るらしい。この時はまだ陽海学園はできてないみたいだ。

 

その後、何事もなく2年の月日が経ち・・・決戦の時が来た。

 


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