ISを改変して別の物語を作ってみた。   作:加藤あきら

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さて、第二部のスタートです。
ここからは私のオリジナルストーリー&設定になりますので、それを承知の上、ご覧になってください。

あとですね、ご意見・ご感想、評価の方をよろしくお願いします。
そういうのがあまりにも少な過ぎるので、どうしたらいいのか右往左往していますので。

【13年9月29日】
全体的にBT兵器の設定を原作通りに。
『ビーム兵器→レーザー兵器』



【あらすじ】
 『束派』。それは織斑一夏、篠ノ之箒、更識楯無の三人が戦闘要員となり、IS関連の事件を解決していく組織である。
 七月二四日、織斑一夏と篠ノ之箒はこの『束派』で初任務へと赴く。
 一方、シャルロット・デュノアは状況報告をするために、フランスへ強制的に帰国させられるのだが……。
 任務をこなす一夏たち。
 そして、シャルロットはいったいどうなってしまうのか。


Episode5(シャルロット・デュノア編)
序 章『結果と準備 -Homecoming -』


 七月二四日。

 その日、とある研究施設が消え失せた。

 そこにあったISは跡形もなく無くなっていた。違法製造していたIS用の武器、及びフレーム、コアに至るまでそのすべてを、だ。

 それをやったのはたった三機のISであり、一つは白、一つは赤、一つは水色のカラーリングだったそうだが……、それが本当にISであったのか、それとも別のパワード・スーツであったのか、それは定かではなかった。

 何故なら、それは今までのISの形状を考えると極めて異質なものであったからだ。今までの常識を覆すその形状はとてもマルチフォーム・スーツ。いわゆる“パワード・スーツ”と言うにはあまりにもかけ離れ過ぎているデザインであったのだ。

 しかし、その奇妙な形状であっても決して貧弱なものではなかった。蝶の様に舞い、蜂のように刺す、という表現が正しいだろうか。

 あっという間の出来事だったのだ。

 そこにいた研究者の者は、立ち去っていくISを操縦する者にこう言ったのだ。

 

――悪魔か……。

 

 と。

 すると、そのIS操縦者の一人はこう言った。

 

――悪魔で……構わない。

 

 と。

 そのままその三人の操縦者は姿を眩ました。

 たった七分の出来事であった。為す術もなく壊滅した研究施設はそのまま消滅したのである。

 

 

 

 そんな出来事が起こるその前日の朝の事だ。

 時刻は九時頃。とある少女達は空港へと来ていた。

 そこにいたのはセシリア・オルコット、凰鈴音、シャルロット・デュノア、ラウラ・ボーデヴィッヒである。偶然にもこの四人の帰国のタイミングが重なったのだ。まぁ、流石に便の時間までは同じではないのだが。

 ばったり会ってしまった四人はちょっとした飲食店に入店して、ひとまず飲み物を頼んだ。

 

「まさか、みなさんも今日帰国とは思いませんでしたわ。少しビックリです」

 

 まずはセシリアが最初に口を開いた。それに鈴音が答える。

 

「本当ね、みんな今日帰国とは思わなかった。ま、だからといってどうもないんだけどね」

 

 それにシャルロットが答える。

 

「そうだね。でも、時間までこうやってみんなで時間を潰せるんだから、良かったと思うけど」

 

 確かに、四人ともそれぞれ便の時間まで少々有り、暇を持て余してたところにばったり会ったのだから、良かったと言えば良かったのかもしれない。

 

「それにしても、一度みんなと離れ離れか……。せっかくみんなと仲良くなれたのに、非常に残念だ」

 

 ラウラは少し悲しそうに言った。彼女にとって、これほどまでの友人を持ったのは初めてなのだ。そう思ってしまうのも仕方がない事だろう。

 彼女は帰国などせずにみんなと共に過ごしていたいのだが、自分の立場がそれを許さなかった。

 それは他のみんなも同じだ。本心はみんなと一緒に楽しい夏休みを過ごしたいのだ。

 しかし、当然ながらここにいる四人は代表候補生である。強制的に本国へ帰国しなければならないし、それでもって将来の事も考えると、我慢しなくてはいけないのは目に見えている。今、最優先でやるべきことは流石に理解しているのだ。

 

「それはみんなも同じですのよ、ラウラさん。わたくしだって、本当はみなさんと一緒に夏休みを堪能したいというのに……。わたくしたちの立場がそれを許さないのは、十分分かっているでしょう?」

 

 セシリアの言葉に同意する鈴音とシャルロット。

 

「そうね、やっぱりみんなも同じ気持ちだよね」

「そうだよ。僕だってみんなと一緒に夏休みを過ごしたいよ……」

 

 するとここで、腕時計を見たセシリアは。

 

「あら。すみませんが、わたくしはここで。そろそろ搭乗できる時間になりますので」

 

 と、みんなに一つ挨拶をしてから自分の分の飲み物の代金を払って、残った三人に向って笑顔で手を振って別れの挨拶をする。

 そして、その数十分後には鈴音が時間になり、更にその数十分後にはラウラが飛行機の時間となった。最後的に残ったのはシャルロットであった。

 今からフランスに帰らなくてはいけない。逃げるわけにはいかないし、かといって帰ったら帰ったで何が起こるかもわからない。不安だ。

 彼女の父親は一夏と春樹の事を調べるために、シャルロットを男として日本へ送り込んだ。

 しかし、それは一夏と代表候補生のセシリア、鈴音、ラウラの四人にバレてしまっている。それだけの人物しかバレていないはずなのだが、彼女は何か不安を感じていた。もしかしたら、このことが父親に筒抜けになってしまっているのではないのか、と。

 それに第一、詳しく一夏と春樹の事について調査が出来ていなかった。

 あのとき、自分が女性とバレて、一夏の事を調べている存在であると知られたとしても、彼は何も言わずに黙っていてくれた。

 そのときから彼女の調査は行っていなかった。いや、行えなかった。調べなければ自分の首が絞まってしまうとしても、そんな命の恩人とも言えるような一夏と、そのIS『白式(びゃくしき)』を調べ上げるなんてことは。

 

(僕、どうなっちゃうのかな……。一夏……)

 

 彼女は不安になりながらも、フランス行きの便の時間は刻一刻と迫っていた。


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