ISを改変して別の物語を作ってみた。   作:加藤あきら

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さて、Episode2のスタートです。
ここから物語が少しだけ原作から離れて行きます。とは言っても、物語の流れ自体は変わっていません。
原作を沿いつつも、内容を変えています。
では、楽しんでいただけたらな、と思います。
どうぞ。

【あらすじ】
 一夏のクラスに二人も新しく生徒がやって来た。
 一人はフランス人のシャルル・デュノア。もう一人はドイツ人のラウラ・ボーデヴィッヒ。
 そして、開催される学年別トーナメント。
 力の間違った使い方をするラウラに自分を重ねた箒は、彼女に力の使い方を教えるため、新たな力を手にする!


Episode2
序 章『戦後 -The_before_Day-』


 五月一七日。

 あのクラス代表対抗戦から一週間が経った。

 

 春樹が壊した扉等は気がつけば元に戻っており、IS学園は何事も無かったかのように毎日が過ぎていく。

 

 そして、一夏と春樹、箒の三人は鈴音が入院している病室の前に来ていた。

 ガラガラとドアを開けて、鈴音がいることを確認して声をかける。

 

「やあ、鈴。久しいな」

 

 箒が鈴音に向かってそう言った。

 鈴音と箒は一夏と二人でお見舞いに来たときにとても仲がよくなったそうで、鈴音は箒と呼んでいるし、箒は彼女を鈴と呼んでいる。  

 

 二人で話すときは、一夏の話で笑い合っているそうだ。だが、この話を一夏は知らない。これは鈴が春樹にそういう話をしているんだと聞いて分かったことであった。

 

「あ、箒に一夏、春樹も来てるんだ。久しぶり、元気にしてた?」

 

 鈴音はベットから起き上がりながらそう言った。その言葉に一夏はツッコミを入れた。

 

「それはこっちの台詞だろ。で、鈴は元気にしてたか?」

「うん、元気だけど正直暇でしょうがないよ。こうやって皆が来てくれると嬉しいな。あーあ、早く学園に戻りたいよ~」

 

 それを聞いて一夏は軽く笑って、

 

「しょうがないだろ、自分の身体を最優先しろよな」

「そうだね一夏」

 

 一夏と鈴音の会話を聞きつつも、春樹は手に持っていたビニール袋をアピールしながら、

 

「一夏、箒、せっかく差し入れ持ってきたのにそのことについてはスルーなのか?」

 

 春樹たちが持ってきた差し入れとは良くある果物の詰め合わせである。メロンに林檎、バナナなどの果物が入っているものだ。

 一夏と箒は「すまん」と謝って差し入れをビニール袋から取り出した。とりあえず、メロンを食べる事にした四人。ナイフを取り出し、春樹は手馴れたようにメロンをカットしていく。

 

 春樹は昔から一夏と共に料理を作ってきてるので、こういった調理器具の使い方はもう慣れてしまっている。

 

「へぇ、上手いもんじゃない春樹」

「まあ、昔からこういうことしてきたからな。料理だってできるし、一夏だって料理くらい出来るよ」

「へぇ、一夏も料理とか出来るの?」

「まぁな。千冬姉(ちふゆねえ)はいつも俺たちのために働いてくれてたから、俺たちが料理ぐらいしてあげないと、って思って」

「ふ~ん、そうなんだ」

 

 春樹がカットしたメロンを皆で食べ始める。そのメロンは果汁たっぷりでとても甘く、おいしかった。

 

「あ、これおいしい」

 

 鈴音は素直な感想を述べる。

 

「まあ、メロンが取れる時期だしなぁ」

 

 と、春樹は答える。

 メロンは収穫時期が五月から九月の間であり、さらに春樹がおいしいと思っている農家が作ったメロンをチョイスしている。美味しくないわけが無い。

 

 その後も、果物を食べながらの雑談は続いた。ここ一週間で起こった事や、学園の笑い話など様々だ。

 

「ところで、あの黒い謎のISについて何か分かった?」

 

 鈴音は純粋に気になったのでその事を聞いた。前に一夏と箒が来たときには何も分からなかったのだが、一週間も経った今なら何かしらの情報が入っているかもしれない。そう思った彼女は改めてその事を尋ねた。

 

 彼女があの謎のISに襲われ、一夏を庇ってそのまま撃墜された。その後大怪我をして気を失っていた彼女は、気を失う直前までの事しか覚えていなかった。

 すると春樹は鈴音の顔を真っ直ぐに見つめて申し訳なさそうに言う。

 

「ごめんな、そのことは俺たちからは言えない事になってるんだ……。そんなことよりもう少し楽しい事話そうぜ」

 

 春樹は表情を明るくして話の流れを変えようとした。周りの反応は「そうだな」と春樹の意見に賛成して皆は明るい表情を作る。

 

「そういえば――」

 

 一夏は何かを思い出したように話し出した。

 その話を楽しそうに聞く鈴音。同じように一夏と春樹、箒の三人も楽しそうにしている。四人が話している光景はとても微笑ましかった。


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