RAIL WARS ! ~車掌になりたい少年の話~   作:元町湊

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 こん○○は。
 誰t(ry。

 言い忘れてましたが、基本的にWordで作成なので、携帯で閲覧される方は話によっては表示が少々ずれる可能性があります。

 さて、前置きはこれぐらいにして、どうぞ。
 
 


7両目

 研修二日目。

 午前中は昨日同様、受付をしていた。

 桜井もお茶汲み、岩泉と高山はお客様のご案内中、小海さんは何故かいない。

 今のところ大きな事件は起きていないので、桜井の願い事は叶っていない。

 そして午後。

 警四の部屋の壁にある電波時計が12時になった頃、小海さんが戻ってきて桜井と何か話していた。

 

 もうお昼か。

 

 ここ、東京中央公安室は特に重要な案件が無い限りは、12時から13時の間は昼休みとなる。

 その間にお昼ご飯などは済ませることになる。

 俺も既に買ってあるお昼ご飯を取りに、更衣室へ向かおうと立った。

 桜井と小海さんが話している脇を通り、部屋を出る。

 少し聞こえた話だと、二人はどこかに食べに行くらしい。どことまでは聞こえなかったが、女子二人で楽しそうに話していた。

 更衣室に入って、自分の名前の書かれたロッカーを開ける。

 中には学校の制服、バッグがあり、バッグの中から買ってきたものと一冊の本を出して、更衣室を出る。

 警四の部屋に戻ると、中には岩泉がいた。

 

 

「あれ、高山は?」

 

「高山なら、弁当を買いにいってるぞ」

 

「そうなのか。で、岩泉のは?」

 

「高山に買いに行ってもらった」

 

 

 つまり高山はパシリですね。分かります。

 

 

「そうか。じゃあ、高山が来るまで待ってるか……」

 

 

 俺は持ってきた一冊の本を取り出す。

 本にはブックカバーがかけられていて、外からでは何の本か分からない。

 今、後ろから岩泉が覗いているが、目には訳の分からない数字が並んでいるのが見えるだけだ。

 

 

「なあ臼井。なんなんだ?それ」

 

「これはナンプレだよ」

 

 

 俺はそれを、記憶力を上げるために暗算でやっている。

 最近はその成果もあってか、向上したように感じる。

 というわけで、日課となっているナンプレを、高山が来るまでやっていた。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 さて、昼ごはんを食べ終わり、岩泉は爆睡中、昼休みもあと数分で終了というときに、小海さんが切羽詰った様子で駆け込んできた。

 

 

「た、ただいま戻りました……」

 

 

 息が切れ々な小海さんは、飯田さんのところへ行き、

 

 

「い、飯田班長!」

 

 

 と、焦ったように話し始めた。

 そんな小海さんに対して、いつものように笑いながら、

 

 

「だからぁ、班長はいいよ~。それより、どうしたの?あんまりゆっくりしていたら、午後からの仕事に間に合わなくなっちゃうぞ?」

 

 

 小海さんを落ち着かせているように話した。

 小海さんには全く余裕が無いように見えたが、深呼吸して話し始めた。

 

 

「あ、あおいが、ひったくり犯を追っかけて行っちゃったんです!」

 

 

 おいおい、事件発生かよ……。

 少し離れたところでは、高山が驚いていた。

 

 

「桜井さんとランチから帰ってくるときに、コインロッカーの前を通ったら、荷物を入れようとしている女性からバッグをひったくるのを目撃しちゃって、私には相手が男二人だから応援呼んで来て、って言って行っちゃって……」

 

 

 小海さんが説明するのを、何ら驚きもせず、何度もうなずいて、

 

 

「……二日目で、ねぇ……」

 

 

 それはどっちの意味なのだろうか。

 そしてそんな飯田さんに小海さんは、

 

 

「班長!そんな落ち着いてないで、何とかしてください!」

 

 

 と、飯田さんをせかしていた。

 だが言われなくても既に何とかしようとしている飯田さんは、高山のほうを向き、

 

 

「では、高山君。あなたを班長代理に任命します。四人でひったくり犯を追いかけている桜井さんをバックアップしてあげてください」

 

 

 寝ていた岩泉は、「捕まえる」という言葉に反応したかのように起きた。

 座っていた高山は膝を机の角にぶつけながらも立ち上がった。

 俺はてっきり飯田さんの言葉に、「俺にそんなことは~」なんていうと思っていたが、

 

 

「は、はい!必ず捕まえて戻ってきます!」

 

 

 と、言った。

 そんな高山に対し、

 

 

「そんなに肩の力入れないでいいから、無理して怪我しちゃだめよ?」

 

 

 飯田さんはやはり落ち着くように言った。

 まあ、俺もかなり緊張しているから、分からなくもないが。

 初めての出動だもんな。しかも班長(代理)だし。

 俺ももし自分がそうなったら、テンパるかもしれない。

 そんなことを考えている間に、皆の準備は終わり、東京公安室の事務所を出た。

 出る間際に、飯田さんが相変わらずのんびりとした声で「がんばってね~」といっていた。

 

 

 

 

 

「小海さん、桜井の携帯の番号って知ってるよね?」

 

「あ、はい。知っています」

 

「じゃあ、その番号に掛けて、桜井が出たら代わってくれ!」

 

 

 高山は小海さんに指示をする。

 小海さんはその指示に従い、自身の携帯を操作して電話を掛ける。

 

 

「桜井!今どこにいるんだ! ……… あっ、ごめん」

 

 

 高山と桜井が電話越しに口論になっているのが目に見える。

 まあ、でもそんなことをしている余裕はないわけで、今は早く桜井に合流したほうがいい。

 高山はところどころ口論になりながらも、桜井との通話を終える。

 

 

「小海さん、桜井からまた連絡があるかもしれないから、携帯はこのまま貸しておいて。それから、桜井は京浜東北線の大宮方面行きのホームだ、急ごう!」

 

 

 高山はそう言った。

 岩泉も俺も小海さんも、その言葉にうなずき、京浜東北線のホームへと向かった。

 

 高山の言葉に走り出す俺達。

 しかし、高山と俺は、このときの発言をもっと考えていれば、と後々後悔することになる。

 そのことに気づくのはもう少し先の事だ。

 

 

 

 




 現状ですが、今日までにすでに19話までできています。信じるか信じないかは(ry。
 いま、私が最も好きな話を嬉々として書いております。

 さて、警四にきて初の事件。宗吾たちは無事に解決して帰ってこれるのでしょうか?

 相変わらず、次回は未定です。

 それではまた。

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