RAIL WARS ! ~車掌になりたい少年の話~ 作:元町湊
0系新幹線:説明は要らないと思うがあえて説明。日本の新幹線といえばこれ。日本初の新幹線で、最高速度は220km/h。最長16両で運転され、登場時には食堂車がついていた。
國鉄205系:元ネタは国鉄205系。昭和を支えた車両の形式の一つで、現実は4つドア、最長10両で走っていた。一部線区では6ドアもつけていた。
現在は武蔵野線(8両)、日光線(4両)などで走っている。
さて、第四話です。臼井君はどこに配属なんでしょうね?
それではどうぞ。
市川駅に着き改札を出たところで、後ろから聞き覚えのある声がした。
振り返るとそこには、千歳が居た。家では毎晩会っているが、帰宅が一緒になるのは一ヶ月ぶりだ。
千歳も俺に気づいたらしく、駆け足でよってきて並んで帰った。
「お疲れ様~、そー君。研修は今日で終わりだっけ?」
「ああ、そうだよ。お前は?」
「ん~、私は今日もう終わりで、明日休み。向こうの人が、電車の解体作業を見せてくれるってから、それを見に行く予定…って、どうしたの!?何で引いてるの!?」
「い、いや、千歳らしいなと思って…」
「それは暗に、私がおかしいって言ってるのと同じだよ。私に車両の原理、仕組みを教えられて助かったのはどこのどいつかな~?」
ぎぐっ!
「ごめんごめん。今度、何か買ってあげるから…」
「じゃあ、旋b…「ごめん無理。高すぎ」…ぶう~」
他にほしいものは無いのか…。
そんな話をしながら、家に戻る。
ここ一ヶ月は、五能姉さんが帰ってくるのが俺よりも遅いので、俺が鍵を毎日開けている。
しかし、今日は鍵を回しても回らず、鍵が開いていた。
今日も俺のほうが先の帰宅のはずなのに……。
不審に思い千歳を外に待たせ、警戒しながら明かりのついている部屋を目指す。
難なく部屋に着き中を見る。すると中に居たのは、
「おかえり~、そー君」
飯田さんだった。
「ハッハッハ!それは災難だったな、宗吾!」
「笑い事じゃないよ、姉さん。本気で焦ったんだから…。飯田さんも、連絡ぐらいくれたっていいじゃないですか…」
「ごめんね~、忘れてた」
いや、忘れてたじゃないでしょ…。まったく。
「奈々は謝らなくていいよ。呼んだのは私だからな」
と、姉さんはお酒を飲みながら言う。
「ほんとに、あのときのそー君はおもしろかったですよ~」
いや千歳、笑い事じゃないから。
「まあ何はともあれ、講習の終了おめでとう。よくがんばったな。公安隊への配属は一週間くらい後になると思うが、その間も復習しっかりやっておけよ?」
分かってますって。
その後も、騒がしい夕飯は続いた。
そして、配属当日。
昨日韮崎先生から言われたのが、俺は“東京中央鉄道公安室第四警戒班”というところへ配属になった。ということを言われた。家に届いてた國鉄からの手紙も同じ内容だった。
なので、そのまま寝落ちしてしまって終電を逃した飯田さん、姉さん、俺でその活動場所である東京駅へと総武快速線で向かっていた。
東京駅に着き、三人で東京中央公安室へと向かう。
公安室の扉を開け中に入ると、姉さんと飯田さんに気づいたらしく、何人かの隊員があいさつしていた。それに気づいた他の隊員も続けてあいさつをする。姉さんと飯田さんは一人一人にあいさつを返していた。
「ところで五能隊長、その子は誰ですか?」
ある隊員が姉さんや飯田さんと一緒に居る俺に気づいた。
「じゃあ、自己紹介をしてもらおうか」
と言われたので、自己紹介をする。
「本日付で東京中央鉄道公安室第四警戒班に配属になりました、臼井宗吾です。よろしくお願いします」
と、部屋に居る全員に聞こえる声で言った。
「それと、私の義理の弟だ」
と、姉さんが最後に付け加えその場は騒がしくなった。
騒がしいのが収まったころ、桜井と小海さんがやってきた。
桜井は元気な声で、小海さんは小さいながらもがんばって自己紹介をした。
「あ、臼井!あんたもここなのね」
「ああそうだ。これからもよろしく」
「よろしくお願いします。臼井さん」
と、桜井、俺、小海さんの順で話した。
「じゃあ、女の子二人は奥の、そー君は手前のロッカールームで着替えてね。着替えは名前の書いてあるロッカーの中に入ってるから。で、着替え終わったら、会議室にきてね」
と、飯田さんは言った。今の話を聞き、桜井が聞いてきた。
「ねえ、“そー君”ってあんたのこと?何?もう仲良くなってるの?」
「いや、飯田さんは俺の(義理の)姉の同期で、たまに家に来て話をするから」
「へー、あんたの姉ってどんな人よ」
「んーとね、あの人」
と言って、姉さんを指す。二人は驚いた顔をしている。
「…ねえ、それほんと?…嘘じゃないわよね?」
「嘘ついてどうするのさ。それより、早く着替えよう」
そう言って、俺はロッカールームの中に入った。桜井はまだ疑いの目を向けている。
ロッカールームに入り、“臼井”と書かれた名札がついているロッカーを開ける。
中には真新しい制服が入っていて、それを取り出し着替える。
伸縮式の警棒を腰に差し、二つ折りの手帳を内ポケットに入れ、部屋を出る。
ロッカールームを出て会議室へ向かうと、出たところで岩泉に会った。
「お前もここなのか、臼井」
「ああ、またよろしくな」
軽くあいさつを交わし、岩泉はロッカールームへ、俺は会議室へと向かう。
会議室に入ると、「ようこそK4班へ!」と書かれたホワイトボードや、脇の棚には信号機など、いろんなものが置かれていた。
飯田さんに、好きなところに座ってね。と言われたので、適当に座り、他の人の到着を待つ。
桜井、小海さん、岩泉が着替えてやってきた。何故か岩泉は防刃チョッキを着ていたが。
ここまで揃うと、高山も来てほしい。ここの人数も知りたかったので、俺は飯田さんに聞いてみる。
「飯田さん、ここに居る人で全員ですか?」
「いや、後一人来るよ。さっきついて瞳と話してたから、もうすぐ来ると思うけど…」
飯田さんが言ってしばらくしてから、
「ええっーーー!!」
と、入り口のほうで大声がした。
「やっぱりねっ、そんな気がしてたのよ」
と桜井。
「こんにちは……よろしくお願いします」
と小海さん。
「よっ、高山!」
と岩泉。
最後に俺が、
「またよろしく」
といって、短期講習中のメンバーが見事に揃った。これからどうなることやら。
東京駅に配属になってよかったですね(すっとぼけ)。
さて、またみんなと同じになった臼井君は一体どうなるのでしょうか。
「どうにもなんねーよ」
あれ、臼井君。こっちに出てきていいんですか?
「自分で書いてるくせに何言ってやがる」
アー、アー、ナニモキコエナイナアー。
ごほん。ま、そんなことより、相変わらず次回の投稿日は未定です。
それではまた。「じゃあの」