プリキュアオールスターズif   作:鳳凰009

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第五十二話:修学旅行(後編)

1、大阪見物

 

 修学旅行三日目である5月1日・・・

 

 一年前、先輩プリキュア達が、闇の救世主を名乗る、バロム率いる闇の軍団達と戦った日であった・・・

 

 

 

 七色ヶ丘中学の面々は、朝食を済ませると、お世話になったほへと旅館の人々に挨拶し、バスに乗り込むと、あかね念願の大阪へと向かった・・・

 

「いよいよ、大阪やでぇ!」

 

「あかねちゃん・・・張り切ってるねぇ?」

 

「当たり前やぁ!!」

 

 みゆき、あかね、やよい、なお、れいかの五人は、大阪見物をワクワクしながら楽しそうに語らう。その姿を、時折振り返り見つめる佐々木先生の目には隈が出来ていた・・・

 

(昨夜はあまり眠れなかったわねぇ・・・あの子達に直接聞くべきかしら!?でも・・・)

 

 もしかしたら、昨夜見たプリキュアとは・・・みゆき達五人なのでは?という疑念が頭から消えず、布団の中でも考えて居た佐々木先生は、寝不足に陥っていた・・・

 

(今日は修学旅行最終日!教師の私が、こんな事じゃ駄目ね・・・)

 

 佐々木先生は、その事は一先ず忘れ、無事修学旅行が終われるように尽くそうと思い直した。

 

 

 大阪城に着いた七色ヶ丘中学の面々、クラス事に大阪城内に入り見学を開始する。

 

「豊臣秀吉は、石山本願寺の跡地を手に入れ、全国統一の本拠地を、この地大坂と定め、天正11年(1583)、織田信長の居城だった安土城を越えるべく、雄大極まりない大坂城の建築に着手しました。完成には、約15年もの歳月を要し、その規模は、面積が現在の4~5倍という広大なもので、本丸中央には金色に輝く天守が聳(そび)へ立っていました。

 しかし、慶長20年(1615)、大坂夏の陣で豊臣家滅亡と共に、大坂城はすべて焼失し、江戸時代に入った元和6年(1620)、徳川幕府は大坂城の再建に乗り出しました。10年の歳月と、幕府の威信を掛け再建された大坂城は、全域に渡る大規模な盛土と、石垣の積み上げ、堀の掘り下げなどが行われ、天守閣も15m高くなり、豊臣秀吉が建築したものとは全く異なったものとなりました・・・」。

 

 なおは、バスガイドの解説を聞きながら、

 

「ウ~ン・・・あたしはあまり歴史得意じゃないからなぁ・・・」

 

「でも、豊臣秀吉ぐらいは聞いた事あると思いますけど?」

 

「うん!あだ名がお猿さんでしょう?それは覚えてる!」

 

「なおは昔から動物が好きでしたものねぇ・・・」

 

 歴史が苦手ななおだが、信長に猿と呼ばれていた秀吉の事は知っているようで、ニンマリしながられいかに答えると、れいかは苦笑混じりになおに微笑んだ。

 

「みゆきちゃん・・・この天守閣の上で、太陽マンと怪人ドクガーが空中戦を繰り広げたんだよぉぉ!!」

 

「エェェ!?この上でぇ?」

 

「ウン!凄いでしょう!!」

 

 やよいに取っては、豊臣秀吉より太陽マンのロケ地、大阪城であった・・・

 

 

 

 バッドエンド王国・・・

 

「無い、無い、無い・・・無いだわさ!!」

 

 自分の部屋の中を隅々まで探し回るマジョリーナであったが、お目当ての物は見つからず、困惑の表情を浮かべていた。

 

「何だ!?捜し物か?」

 

 マジョリーナに本を借りに来たディクレは、捜し物をするマジョリーナに声を掛けると、

 

「あんた、あたしの納豆餃子飴を知らないだわさ?」

 

「飴!?・・・ああ、あの狼男が袋事持っていた物の事か?それなら・・・不味いと言いながら捨てていたぞ」

 

「エェェェ!?」

 

 鼻水垂らしながら驚愕するマジョリーナは、ブツブツ文句を言い出すと、

 

「折角買いに行ったのに・・・また大阪まで買いに行く事になるとは思わなかっただわさ」

 

 出掛ける準備をするマジョリーナに、ディクレは口元に笑みを浮かべながら、

 

「退屈しのぎに、我も付き合ってやろう・・・」

 

 マジョリーナとディクレ、二人がみゆき達の居る大阪へと向かった・・・

 

 

 

 大阪城で集合写真を撮った一同、今回はみゆきと佐々木先生も、ちゃんと制服やスーツを着て写り、みゆきは満面の笑みで写真に写っていた・・・

 

「では、此処からは班ごとに分かれて、自由時間になります!15時迄に、ここ大阪城に戻ってきて下さい!!帰りの電車の時間にも関わりますから、時間厳守ですよ!!」

 

 佐々木先生の言葉を聞き、散り散りになっていく生徒達、みゆき達五人も、あかねを先頭に大阪の街へと繰り出して行った・・・

 

(う~ん・・・やっぱり気になる)

 

「佐々木先生・・・どうかしました?」

 

 突然背後から堀毛先生に声を掛けられ、佐々木先生は引き攣った笑みを浮かべながら、

 

「な、何でもありません・・・さあ、私も生徒達の様子を見回らなくっちゃ!」

 

 佐々木先生は、苦笑を浮かべながら大阪の街中へと消えて行った・・・

 

 

 

「でも、うちの学校って、自由時間多いよねぇ?」

 

 なおは苦笑を浮かべながら、自由時間の多さに苦笑を浮かべると、あかねは、

 

「まあエエやん!その分ウチらの行きたい所に行けるし・・・先ず何処行きたい!?」

 

「はいはい!あたし、先ずは何か美味しい物食べたい!!その後、天王寺動物園行きたいなぁ!!」

 

「いきなり食事かぁ!?まあ、小腹は空いてるけど・・・動物園はエエなぁ、ウチも賛成や!!」

 

 なおの提案に苦笑浮かべるあかね、じゃあ、軽く何か食べ、動物園にも行こうと同意し、

 

「ほな、他には!?」

 

「私はねぇ・・・太陽マンショーに行きたい!昨日も言ったけど・・・本日14時から通天閣3階の特設会場で、太陽マンショーがあるのぉぉ!!」

 

「どうでもいい・・・」

 

「すこぶるどうでもいい・・・」

 

 目をキラキラ輝かせるやよいを、醒めた視線で見つめるあかねとなお、やよいは大きく頬を膨らませると、れいかは宥めるように、

 

「やよいさん・・・よく調べましたねぇ?」

 

「うん!駄目元で調べてみたら・・・何と、ちょうど太陽マンショーにぶつかったんだもん!運命を感じる!!」

 

 再び目をキラキラ輝かせるやよいに、流石のれいかも苦笑を浮かべるのみだった・・・

 

「まあ、時間が合ったらって事で・・・みゆきは!?」

 

「私、私はぁ・・・絵本専門の本屋さん何か良いなぁ!!」

 

「修学旅行に来てまで見たいんか?」

 

「エェ!?だってぇ、こういう機会じゃないと、大阪何て中々来れないもん」

 

 みゆきが口を尖らせると、あかねは分かった、分かったと言いながら、れいかを見ると、

 

「れいかは!?」

 

「私は特に・・・一番行きたかったのは大阪城ですし、目的は果たせましたから、皆さんが行きたい場所で構いませんよ!!」

 

「ヨッシャ!じゃあ、取り敢えず、軽く何かこの辺で腹ごしらえしてこかぁ!」

 

 五人は大阪城敷地内にあるうどん屋に入ると、きつねうどんを食べ笑顔を見せた。なおだけはお代わりをしていたが・・・

 

 

 

 次に一同が向かったのは、みゆきのリクエスト絵本専門店、だが、さすがにあかねもその場所は分からず、通りすがりの三人組のおばさんに声を掛けると、

 

「あらぁ、お嬢ちゃん達、修学旅行?」

 

「えぇなぁ・・・おばちゃん達も修学旅行なんよ!」

 

「誰が老人ホームの修学旅行やぁ!」

 

 おばちゃん達のトリオ漫才を見て笑うみゆき、あかね、やよい、なおの四人、れいかは、何が可笑しいのか小首を傾げるも、そんなれいかにお構いなく、おばちゃん達はカバンをゴソゴソ漁ると、

 

「飴さん上げるわぁ!ほな、楽しんでやぁ!!」

 

 おばちゃん達が立ち去り、飴を貰った一同、みゆき、あかね、やよい、なおは、笑みを浮かべながら直ぐに飴を舐め始める中、一人冷静なれいかは困惑しながら、

 

「皆さん・・・私達、あの方達に絵本専門店の場所を聞きに行ったのでは?」

 

「「「「アッ!?」」」」

 

 四人は思わず要件をお思いだし、舐めていた飴を思わずゴクリと飲み込んだ・・・

 

 

 絵本の専門店をようやく見付けた一同は、中に入ってみると、沢山の絵本の数々が本棚に並んでいて、みゆきは目をキラキラ輝かせた。

 

「見て来て良いよねぇ?」

 

「あんまり長居は出来へんでぇ!」

 

「うん!」

 

 みゆきは、ニコニコしながら絵本の数々に、目を細めて見ていると、

 

「アァ!?夢原さんって作者、見付けたぁ!!」

 

 みゆきは、のぞみの父である童話作家、夢原勉の本を見付け、嬉しそうにレジに持っていった。

 

「購入するとは思わんかったなぁ?」

 

「みゆきちゃんって・・・結構義理堅いよね?」

 

「でも、スッゴク楽しそうな顔してるよ!」

 

「そうですね、昨日、一昨日の事もありましたから、ホッと致しますねぇ」

 

 あかね、なお、やよい、れいかは、みゆきを見て目を細めるのだった・・・

 

 

 

 続いて一行が訪れたのは、天王寺動物園・・・

 

「天王寺動物園は、大正4年(1915年)1月に、日本で3番目の動物園として開園しました。開園当時と比べると面積も増加し、現在約11ヘクタールの園内に、およそ230種1,000点の動物が飼育されているそうですよ」

 

「へぇ・・・れいか、天王寺動物園の事まで調べてたんだ?」

 

「はい!訪れた場所を詳しく知っていた方が、より楽しめるだろうと思いまして・・・」

 

 れいかは、京都、大阪の観光スポットの事は、粗方調べていたようだった・・・

 

「ちなみに、ここの動物園の人気者は、コアラ、ホッキョクグマ、シシオザル、ワライカワセミ、キーゥイだそうです」

 

 れいかが天王寺動物園の事まで調べていた事に驚くなお、更にれいかから人気がある動物達を聞くと、なおはれいかの博識振りに感心しながら、

 

「へぇ・・・出来れば全ての動物達を見て見たいなぁ・・・」

 

「14時迄に通天閣に行くんだからね!」

 

「まだ昼前やん・・・大丈夫やて!」

 

 やよいは絶対に太陽マンショーを見ると心に決めているのか、鼻息荒く14時迄には通天閣に行くんだからと一同に念を押し、あかねは苦笑を浮かべながら、昼前だから大丈夫だと伝えた。

 

「拙者達も、折角だから見たいでござる!」

 

「キャンディも見たいクル!!」

 

 キャンディをみゆきが、ポップをれいかが抱っこしながら、一同は、沢山の動物達を見て心を和ませるのだった・・・

 

 

 

 動物園を出た一同は、やよいにせがまれ通天閣へと向かおうとしていたのだが・・・

 

「まだ早いし、道頓堀でも見学してくぅ?」

 

「そうだねぇ、もうお昼過ぎだし・・・食い倒れの街を味わいたいなぁ・・・」

 

「ほな、行こか!」

 

 あかねに聞かれた一同、なおは大きく頷き、何か食べたいと言うと、あかねは先頭に立ち、一同を巨大な親父の看板と、「ソースの二度付けは禁止やで」と書いた札を持つ人形が目印の串カツ屋へと案内する。

 

「この店は、ホンマは通天閣近くにもチェーン店があるんやけど、どうせなら、みんなにこの看板見せよう思うてなぁ・・・どや、目立つやろう?シシシシシ」

 

 あかねはインパクトのある巨大な親父の看板と、人形を見せ、一同の反応を楽しむと笑いだす、れいかとみゆきは度肝を抜かれて驚き、

 

「ほ、本当ですねぇ・・・」

 

「な、何か怖そうな人が居たりして・・・」

 

「大丈夫や!さぁ、入ろかぁ!!」

 

 一同は店内に入り席に着く、表の看板のイメージとは違い、中々キレイな室内に好感を持ち、串カツの種類の多さに驚いた。なおは大喜びで色々な種類を片っ端から頼み、満足そうに串カツを頬張り、一同は笑顔を浮かべながら串カツを味わうのだった・・・

 

 

2、覚悟の変身!

 

 そして一同は、やよいの念願だった通天閣に到着する。みゆきは感触深げに通天閣を見上げると、

 

「凄ぉぉい!これがあかねちゃんが言ってた・・・通天閣!」

 

「何や、前にも聞いたような、セリフやなぁ?」

 

「京都タワーを見た時も、みゆきさんは言っていましたよ・・・ウフフフ」

 

 あかねとれいかに苦笑まみれに突っ込まれるみゆきだった・・・

 

「通天閣・・・キタァァァ!!」

 

 大声を出しながら両手を高々と上げるやよいに、なおは恥ずかしさで頬を染めながら、慌ててやよいを止めると、

 

「や、やよいちゃん、嬉しいのは分かったから、もうちょっと静かに・・・ね?」

 

「うん・・・ねぇ、先に中に入ってて良い?」

 

「ン?エエンちゃう・・・なぁ!?」

 

「うん、私達はもうちょっと、この辺散策してるよ!」

 

 あかねとなおは、太陽マンショーを見る事に乗り気では無いので、もう少しこの辺を見てから行くと伝えると、やよいはみゆきとれいかを誘うも、

 

「私も、もう少しこの辺を見てから行きますね!」

 

「じゃあ、私はやよいちゃんと先に行ってるねぇ!」

 

「行こう!みゆきちゃん・・・太陽マンが、私達を呼んでいる!!」

 

「オオ!」

 

 みゆきとやよい、二人はスキップでもしそうな喜びようで通天閣内へと消えて行った・・・

 

 その様子を醒めた目で見ていたあかねとなおは、

 

「何や、みゆきの奴も感化されとったなぁ?」

 

「そうだね・・・」

 

「何でも、やよいさんから太陽マンのDVDを貸して上げると渡されたそうで、キャンディと一緒に見てたそうです・・・今度は、私達に貸すんだと言っていたそうですよ」

 

 れいかの話を聞いたあかねとなおは、興味無さそうな表情を浮かべると、

 

「そんなん・・・どうでもいいなぁ?」

 

「うん、すこぶるどうでもいいよね?」

 

「まあ、私も興味は無いのですが・・・」

 

 れいかの言葉に、ウンウン頷くあかねとなおであった・・・

 

 

 

 

 マジョリーナは、通天閣周辺の商店街で呆然としていた・・・

 

 買いに来た納豆餃子飴は既に完売し、マジョリーナのイライラは爆発寸前だった。ディクレは肩をすくめ、そんなマジョリーナに呆れていたが、不意に通天閣の一角に、光の気配を感じたディクレは、ジィと通天閣を凝視すると、ディクレの視力が、まるで望遠レンズのピントを合わせるように、通天閣をズームアップしていく。ピントが合った時、窓に映ったそこには、見知った髪型をしたみゆきの姿があった・・・

 

「あれは・・・おい、マジョリーナ!あのタワーにプリキュアが居るぞ!!」

 

「エェ!?・・・丁度いいだわさ、プリキュアで憂さ晴らしするだわさ!」

 

 マジョリーナは、通天閣一帯にバッドエンド空間を作り出すと、人々からバッドエナジーが放出される。

 

「あのデカブツをアカンベェに変えるだわさ!出でよ!アカンベェ!!」

 

 マジョリーナは、通天閣を青鼻のアカンベェへと変えると、これでプリキュアは出られないだわさと高笑いを始める。

 

「待て!念には念を・・・我がアカンベェの体内に入り、直接始末してくれる!!」

 

 ディクレはそう言い残し、アカンベェに近付くと、口を開けるように指示し、中へと入っていった・・・

 

 

 

 あかね、なお、れいかの三人は、突如発生したバッドエンド空間を見て、

 

「クッ、こないな時に・・・」

 

「みゆきちゃんとやよいちゃんが中に居るのに・・・」

 

 あかねとなおは、青鼻のアカンベェとなった巨大な通天閣を見上げ、みゆきとやよいの身を案じ、れいかはスマイルパクトを手に持つと、

 

「なお!あかねさん!私達だけで、何とか食い止めましょう!」

 

 れいかの言葉に頷き、二人もスマイルパクトを取り出すと、

 

「「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」」

 

「太陽サンサン、熱血パワー!キュアサニー!!」

 

「勇気リンリン、直球勝負!キュアマーチ!!」

 

「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!!」

 

 三人のプリキュアがポーズを決めた・・・

 

「何や、三人やと締まらんなぁ?」

 

「そうだね・・・」

 

「二人共、アカンベェをなるべく人の少ない方に誘導しますよ!」

 

 ビューティの指示に頷き、三人はアカンベェを挑発するように、人の少ない方向に誘導を始めるのだった・・・

 

 

 

 通天閣に居た人々も、バッドエナジーを奪われ床に跪いていた。その中には、佐々木先生の姿もあった。

 

「みゆき殿、やよい殿、バッドエンド空間が現われたでござる!」

 

「うん、やよいちゃん!」

 

「みゆきちゃん・・・あそこに佐々木先生が!」

 

 スマイルパクトを手に持った二人だったが、佐々木先生を見付け、駆け寄ろうとしたとき、突然現われたディクレの強襲を受けた二人は、手を弾かれスマイルパクトを床に落としてしまう。慌てて拾おうとする二人だったが、ディクレはスマイルパクトを蹴り飛ばし、スマイルパクトは、クルクル床の上で回転しながら、佐々木先生の側へと滑っていった。

 

 ディクレは、スマイルパクトさへ破壊すれば、もうみゆきとやよいがプリキュアになる事は出来まいと考えると、側に居る佐々木先生事消し去ろうと右手に力を込める。

 

「先生!佐々木先生!!」

 

 佐々木先生の下に駆けだすも、ディクレは口元に笑みを浮かべながら、

 

「その女事消えろ!プリキュア!!」

 

 ディクレのプリキュアと言う言葉に、ピクリと反応した佐々木先生は、みゆきとやよいが、必死に何か叫びながら駆け寄って来るのに気付き、

 

(今、あの人プリキュアって!?星空さん、黄瀬さんがあの人の前に居るって事は・・・)

 

 佐々木先生の意識が活性化してくる・・・

 

 バッドエンド空間の支配を断ち切り、立ち上がった佐々木先生は、

 

「星空さん、黄瀬さん、あなた達、此処で何を!?」

 

「先生!!目の前のスマイルパクトを、私とやよいちゃんに!」

 

「みゆきちゃん!?」

 

「お願い、先生!!」

 

 みゆきの叫びにやよいは驚くも、みゆきは構わず佐々木先生にスマイルパクトを渡してと頼む。佐々木先生は、何の事か分からなかったものの、みゆきの言葉通り目の前のスマイルパクトを拾うと、みゆきとやよいに渡そうとする。

 

「おのれぇ!そうはさせんぞ!!」

 

 ディクレの衝撃波が佐々木先生目掛け放たれるも、ポップが瞬時に盾に変化し、吹き飛ばされながらも何とか攻撃を防ぎきる。キャンディは泣きながらポップに駆け寄ると、

 

「大丈夫でござる!キャンディ、それよりミラクルガイドライトを使うでござる!!」

 

「分かったクル!」

 

 キャンディはミラクルガイドライトのスイッチを入れると、虹の輝きは、通天閣アカンベェの窓を突き抜け上空に虹色に輝いた。

 

「何!?この生き物達は一体?」

 

 呆然としながらポップとキャンディを見た佐々木先生だが、みゆきに言われた通り、スマイルパクトをみゆきとやよいに手渡すと、

 

「二人共、後でちゃんと説明して貰いますよ?」

 

「はい・・・でも、今は危ないので少し離れていて下さい!やよいちゃん!!」

 

「本当に良いの?」

 

「うん!!」

 

 不安そうな表情のやよいに、力強く頷いたみゆき、やよいも頷き返すと、

 

「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」

 

(エッ!?)

 

 佐々木先生の前で、今覚悟を決めたみゆきとやよいが、プリキュアへと変身を始める・・・

 

「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!!」

 

「ピカピカぴかりん!じゃんけん・・・ポン!キュアピース!!」

 

「あなた達・・・その姿!?」

 

 変身を終えたハッピーとピース、二人を見た佐々木先生は、呆然としながら、自分の想像が、現実であった事を思い知らされた瞬間だった・・・

 

 

 

 

 奈良・・・

 

 鹿が沢山生息している事でも有名な、奈良公園に来ていた響、奏、エレン、エレンは寄ってくる鹿に鹿センベイを上げると、鹿達が喜んで食べる姿を見て目を細めていた。

 

「エレン・・・楽しそうね!」

 

「そうだねぇ・・・でも、私もみゆきちゃん達見たいに大阪の方が良かったなぁ・・・お好み焼きでしょう!たこ焼きでしょう!串カツに、うどん・・・」

 

「もう、食べ物ばかりじゃない!奈良も良い所よ!!東大寺の大仏様も良かったでしょう?」

 

「私は大仏より、美味しい食べ物の方が良いかなぁ・・・」

 

 響に取っては歴史より食い気のようで、奏は思わずハァと溜息を付いた。

 

「でも、あれからもう一年も経つ何て・・・早いよねぇ?」

 

「エッ!?何の話?」

 

「もう、響ったら・・・一年前の今日、私達は他のプリキュアのみんなと一緒に、加音町でバロムと戦ったでしょう!」

 

「そうだ!早いよねぇ・・・あの時エレンは、まだプリキュアじゃ無かったけど、私達に協力してくれたんだよね」

 

「ええ!」

 

 響と奏は、一年前の事を思い出しながらエレンを見つめた・・・

 

 エレンは、そんな二人の視線に気付いたのか、響と奏の下に行こうとした時、ハミィがリュックからひょっこり顔を出し、

 

「セイレーン・・・またミラクルガイドライトが、何かに反応してるみたいニャ!」

 

 ハミィがミラクルガイドライトを点灯させると、虹の輝きが上空に浮かび上がり、大阪方面へと勢いよく延びていった・・・

 

「これは、またみゆき達の前にあいつらが・・・響!奏!」

 

 エレンは表情を強張らせると、響と奏の下へと駆け寄り、響と奏も異変に気付いたものの、

 

「みゆきちゃん達は大阪、私達は奈良、向かえない距離じゃないけど、もう集合時間だし・・・」

 

「おい、響!南野さん!黒川さん!そろそろ集合時間だよ!」

 

 集合時間が近づき、響の父でアリア学園の講師である団に、そろそろ集合場所に行こうと言われ困惑する。

 

「どうしよう・・・」

 

「私に考えがあるわ!ねぇ、みゆき達は、大阪のどの辺に行くか分かってる?」

 

 困惑の表情を浮かべる響と奏に、エレンは考えがあると伝え、みゆき達が居そうな場所を問うと、

 

「大阪城行った後は、自由行動になるとか言ってたよ!」

 

「そういえばやよいちゃんが、14時から始まる太陽マンショーを、通天閣でやるから見たいとか何とか言ってたような?」

 

「通天閣ね!?」

 

 響と奏の言葉に頷いたエレンは、携帯を取りだし、何処かにメールを送信するのだった・・・

 

 

 

 

 巨大なアカンベェに肉弾戦を仕掛けるサニー、マーチ、ビューティだが、決定打にはいたらず困惑する。

 

「あの青鼻のアカンベェには、あたし達の攻撃は通じないんだよね?」

 

「はい、前回、前々回の戦いを見る限りは・・・」

 

「みゆきとやよいが、上手くアカンベェから脱出出来ればエエんやけど・・・」

 

 ビューティは何かを閃くと、ビューティーブリザードをアカンベェの足下に発射し、動きを封じた。

 

「技は効かなくても、動きを封じるぐらいなら・・・これで時間を稼げる筈です!」

 

 マーチ、ビューティ、サニーは、中に居る二人の身を案じた・・・

 

 

 

 ディクレと戦うハッピーとピース、だが、佐々木先生やバッドエナジーを吸われる人々を守りながらの戦いは劣勢だった・・・

 

「「キャァァァ」」

 

 ディクレのパンチを受け吹き飛ばされるハッピーとピース、佐々木先生は堪らず二人に駆け寄ると、

 

「星空さん!黄瀬さん!大丈夫?ちょっとあなた!私の生徒に何て事するのよ!!」

 

 表情を強張らせディクレに文句を言う佐々木先生、ディクレは目障りとばかり腕を前に振ると、風が巻き起こり佐々木先生を吹き飛ばす。

 

「キャァァァ!」

 

「先生!!」

 

 咄嗟にハッピーがジャンプし、佐々木先生を受け止めると、優しく床に降ろした。佐々木先生は驚愕の表情を浮かべながら、

 

「星空さん、黄瀬さん、あの人は一体!?」

 

「先生、私達、あの人やバッドエンド王国っていう人達から、この世界を守ってるの!」

 

「守る!?あなた達は中学生何ですよ!何故あなた達が・・・そういう事は、警察に任せれば良いんです!!」

 

 自分の教え子達が危険な目に合っていると知り、佐々木先生の心は張り裂けそうだった。何故平凡な中学生の彼女達が、プリキュアとして戦わなければならないのか、理解出来なかった・・・

 

 そんな問答を聞くのも目障りとばかり、ディクレはダッシュで三人に近づくと、ハッピーを回し蹴りで、ピースをパンチで吹き飛ばし、二人は激しく壁に激突し、ゆっくり床にずり落ちる。

 

 ディクレは、止めを刺そうとゆっくりハッピーの側に近寄り、拳を振り上げると、

 

「させんでござる!」

 

「止めるクルゥゥゥ!!」

 

 ポップとキャンディがディクレの腕にしがみつき、ピースが這いながらディクレの右足を掴み止めさせようとする。

 

「エェイ・・・目障りな奴らめ!ハァァァァ!!」

 

 ディクレが気合いを込めると、爆発が起こり、一同が吹き飛ばされる。ディクレが右手でハッピーの首を、左手でピースの首を掴み持ち上げると、口元に笑みを浮かべながら、

 

「さあ、その素っ首引き千切ってくれる!!」

 

「星空さん!黄瀬さん!止めてぇぇ!!」

 

 涙を流しながら、佐々木先生が二人の下に駆け寄ろうとしたその時、前方が赤く輝き、二人の少女が突然現われた。

 

「あれは、ハッピー!ピース!・・・せつな!!」

 

「ええ!」

 

 現われたのは桃園ラブと東せつな、自宅に居た二人は、せつなに届いたエレンからの救援メールを受け、此処通天閣に現われた。二人は背後に佐々木先生が居るのに気付かず、リンクルンを手に取ると、

 

「「チェインジ・プリキュア!ビートアップ!!」」

 

「ピンクのハートは愛あるしるし!もぎたてフレッシュ、キュアピーチ!!」

 

「真っ赤なハートは幸せの証!熟れたてフレッシュ、キュアパッション!!」

 

「「レッツ!プリキュア!!」」

 

(エッ!?・・・この子達もプリキュア?)

 

 変身したピーチとパッションを見て、困惑する佐々木先生だったが、直ぐに我に返り、

 

「お願い、私の生徒を・・・星空さんと黄瀬さんを助けてぇぇ!!」

 

 今の自分には二人を助けられる力はない・・・

 

 縋るような思いで、目の前に現われたピーチとパッションに二人の教え子の事を託した・・・

 

 背後を振り返ったピーチは、後ろに佐々木先生が居た事に驚くも、直ぐに笑みを浮かべ、

 

「安心して下さい・・・私達プリキュアが、助けます!!」

 

「「ダブルプリキュアパァァンチ!!」」

 

 ピーチとパッションが、呼吸を合わせたかのようにディクレ目掛けパンチを放ち、力が弱まった手にハッピーとピースがキックを放ち、ディクレから解放される。

 

「ピーチ!パッション!どうして此処に!?」

 

「エレンから救援メールが来てね・・・それより、サニー、マーチ、ビューティは?」

 

「多分、外でアカンベェと戦って居ると・・・」

 

「分かったわ・・・取り敢えず此処から出ましょう!ポップ、キャンディ、先生もこちらに!!」

 

「エッ!?は、はい!」

 

 佐々木先生もパッションに言われるまま近づくと、パッションは瞬間移動で消え去った・・・

 

「逃げたか!?いや、この中にはまだ人間共が残って居る・・・」

 

 ディクレは、バッドエナジーを取られた人々が、まだ通天閣内に居る事で必ず戻って来る筈だと確信した・・・

 

 

 

 サニー、マーチ、ビューティの前方が赤く輝くと、姿を現わすピーチ、パッション、ハッピー、ピース、佐々木先生、

 

「ハッピー!ピース!無事で何よりや!!」

 

「ピーチ、パッション、どうして此処に!?」

 

 ハッピーとピースの無事な姿を見てホッと安堵するも、ピーチとパッションがこの場に居る事に驚き、マーチが二人に声を掛けるも、

 

「話は後!私とパッションは通天閣に戻り、残った人達を救助してくるわ!」

 

「五人共、アカンベェをお願い!!」

 

 再び前方が赤く輝き、ピーチとパッションは通天閣内へと戻って行った・・・

 

 佐々木先生は、ゆっくりサニーに近づくと、

 

「関西弁を喋って居たって事は・・・あなたが日野さん!」

 

「エッ!?」

 

 名前を呼ばれたサニーは、激しく動揺し仰け反り、佐々木先生は次にマーチに近付き、

 

「あなたが緑川さんね!」

 

「せ、先生・・・どうして!?」

 

 正体を知られている事に、マーチも激しい動揺を隠せなかった。佐々木先生はビューティにも近づき、

 

「そして、あなたが青木さん・・・」

 

「佐々木先生がどうして!?ハッピー、ピース、これは一体?」

 

 ビューティも激しい動揺を見せて、俯くハッピーとピースに問うと、

 

「みんな、ゴメンね・・・通天閣の中に、あの時の三人組の一人が現われて・・・」

 

「もう、先生に隠し通せる状況じゃなかったの・・・私達が先生の目の前で変身したから」

 

 サニー、マーチ、ビューティに謝るハッピーとピース、三人は驚きの表情を見せながら顔を見合せるも、直ぐに笑顔を浮かべ、

 

「エエんや!みんな無事やったんなら」

 

「そうだよ!それより、今は・・・」

 

「エェ、アカンベェを浄化するのが先ですね・・・」

 

 五人は、心配そうにしている佐々木先生に微笑み掛けると、アカンベェの前に移動し、五人はキャンディの力を借り、レインボーヒーリングでアカンベェを浄化し、通天閣を元に戻した・・・

 

「キィィィ!納豆餃子飴は買えないわ、散々だわさ!」

 

 悔しそうにしながらマジョリーナが撤退し、バッドエンド空間は解除され、バッドエナジーを奪われていた人々は解放された・・・

 

(あの子達に、こんな力が・・・)

 

 佐々木先生は、目の前で起こった非現実な数々が、事実であった事を再認識するのだった・・・

 

 

 

「ハァァ!!」

 

 再び通天閣内に戻ったピーチとパッションは、ディクレと激しい肉弾戦を繰り広げる。ディクレは忌々しげにしながら、パンチとキックの連打で二人を攻撃するも、ピーチもパッションも巧みにその攻撃を捌き続け、一進一退の攻防を繰り広げる。

 

「おのれぇ・・・貴様らが邪魔をしなければ、ハッピーとピースは片付けられたものを・・・」

 

「そんな事、私達プリキュアが・・・させはしない!パッション!!」

 

 ピーチの合図に頷き、ピーチはピーチロッドを、パッションはパッションハープを取り出すと、

 

「悪いの、悪いの、飛んでいけ!プリキュア!ラブサンシャイン・・・フレ~~ッシュ!!」

 

「吹き荒れよ!幸せの嵐!プリキュア!ハピネス・ハリケーン!!」

 

 二人の技が重なり合い、巨大なハートのハリケーンとなってディクレ目掛け突き進む、ディクレはその攻撃を受け止めるも、

 

「チッ、覚えて居ろ!!」

 

 ディクレは飛び上がり、通天閣より撤退した。ピーチとパッションは、人々が意識を取り戻すのを見て、通天閣から姿を消した・・・

 

 

 

 変身を解いた少女達が、佐々木先生の前に勢揃いする。ラブとせつなは、少し離れた場所で成り行きを見守っていた・・・

 

「あの子達・・・先生にプリキュアだってバレて、大丈夫かしら?」

 

「大丈夫だよ!あの先生なら、みゆきちゃん達の正体を知っても、きっと今まで通り接してくれる。クローバータウンストリートの人達のように、きっとみゆきちゃん達を理解してくれるよ!!」

 

「そう・・・そうよね!」

 

 ラブの言葉に何度もせつなは頷き、二人は佐々木先生とみゆき達を見つめた・・・

 

 沈黙の時間が流れる・・・

 

 お互いどう話せば良いのか、言葉が見つからなかった・・・

 

 最初に沈黙を破ったのは、意外にもポップだった・・・

 

「先生氏、みゆき殿達を責めないで下され!彼女達は、拙者達の故郷メルヘンランドを、そして、この地上の世界をも、バッドエナジーで溢れさせようとする、悪の皇帝ピエーロ率いるバッドエンド王国から、この世界を守る伝説の戦士プリキュアとして、戦ってくれているのでござる!!」

 

「で、あなたとそこのぬいぐるみっぽい子が・・・妖精っていう事なのね?大体の事情は分かったけど・・・何故、この子達が戦わなければならないの?彼女達はまだ中学生です!!」

 

「それは・・・プリキュアの力に選ばれたとしか答えようが無いでござるが・・・」

 

 ポップも、何故と聞かれても、プリキュアの力に選ればれたから、そう答えるしか無かった。おそらくは、なぎさ達も、咲達も、のぞみ達、ラブ達、つぼみ達、響達もそうであろうと、

 

「出来るなら・・・代わって上げたい!まだ中学生のあなた達を、私の可愛い教え子を、危険な目に何か・・・合わせたくない!!」

 

「せ、先生・・・」

 

 それは佐々木先生の本心だった・・・

 

 自分の教え子達が、さっきのような怪物達と戦うなど、承知出来る筈は無かった。

 

「あなた達の担任として!これ以上、あなた達五人を、プリキュアとして危険な目に合わせる訳には行かないわ!!」

 

「ま、待って下さい!」

 

 れいかが慌てて反論しようとするのを制した佐々木先生は、周りを見渡すと、さっきまでの戦いが嘘のように、街並みに賑わいが戻り、人々から笑顔が溢れていた。佐々木先生は笑みを浮かべながら五人を見ると、

 

「あなた達は、この人達の笑顔も守って戦って居るのねぇ・・・そこの二人!」

 

 突然呼ばれたラブとせつなは、ギクリとしながら近付いて来ると、

 

「あなた達もプリキュアだって事は・・・横浜スタジアムで会った子達、みんなプリキュア何でしょう?」

 

「ア、アハハハハ・・・はい!」

 

 誤魔化すべきか悩んだものの、ここは正直に打ち明けるべきだと判断したラブは、真顔になって頷くと、佐々木先生はラブとせつな、みゆき、あかね、やよい、なお、れいか、一人一人見つめると、

 

「ありがとう・・・佐々木なみえ個人としては、あなた達プリキュアには何度感謝しても足りません!私の教え子達を・・・よろしくお願いします!!」

 

「いえ、彼女達の事を理解してくれて・・・ありがとうございます!!」

 

 みゆき達にも、頼もしい理解者が出来た事に、せつなは満面の笑みを浮かべ、佐々木先生に頭を下げた。みゆきは、恐る恐る佐々木先生に話し掛け、

 

「あのぅ・・・他の人には・・・」

 

「分かってます!あなた達と私との秘密にします!!私に出来る事があるなら・・・何時でも相談にいらっしゃい!!」

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

 みゆき達五人も顔を見合わせ微笑むと、ラブとせつなはホッと胸を撫で下ろし、戻ろうとすると、佐々木先生からお土産として、大阪名物くいだおれ太郎の顔をしたプリンを貰い、目が点になるラブとせつな、

 

「ア、アハハハ!ありがとうございます!!じゃあ、みゆきちゃん達、先生!私達はこれで!!あっ、そうだ!ねぇ、5月5日に、私達みんなで響ちゃん達の街、加音町に行くんだけど、みゆきちゃん達も来ない?」

 

「加音町ですか?分かりました!伺います!!」

 

 帰る間際に思い出し、ラブはみゆき達を加音町に一緒に行かないか誘うと、みゆきは行く事に同意した。

 

「佐々木先生もよろしければ!!じゃあ!!!」

 

「ええ、お誘いありがとう!みなさんにもよろしく!!」

 

 ラブとせつなは、一同に手を振りながらクローバータウンストリートへと戻って行った・・・

 

「さあ、私達も戻りましょう!!そろそろ戻らないと、集合時間に遅れるわよ!!」

 

「「「「はぁぁい!!」」」」

 

 佐々木先生と共に歩き出すみゆき、あかね、なお、れいか、ポップとキャンディもみゆきのリュックの中に戻り、一同が歩み始めた中、何かに気付いたやよいは呆然としながら通天閣を振り返り、

 

「た、太陽マンショー・・・見るの忘れたぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 涙目になりながら、ムンクの叫びのポーズで絶叫するやよいの声が、通天閣周辺に響き渡った・・・

 

 

 

 こうして、みゆき達の修学旅行は終りを告げた・・・

 

 新たなる協力者、佐々木なみえ先生を加えたみゆき、あかね、やよい、なお、れいかの五人、そして、プリキュアオールスターズと、バッドエンド王国、三人の魔人との戦いはまだ続く・・・

 

 

               第五十二話:修学旅行!(後編)

                     完

 


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