プリキュアオールスターズif   作:鳳凰009

22 / 136
第二十二話:カオス!

                  第二十二話:カオス

 

1、シャイニングスター

 

 時を同じくして、地上に残ったプリキュア達は、バルデス達四天王と対峙していた。四天王は凄まじく強く、体力を失っているプリキュア達が、1対1で戦えるレベルの相手は居なかった。何度も倒されそうになるも、体力の少ないプリキュア達に取って、ルミナス、サンシャインの防御技が、何度も一同の危機を救う。

 

「今の私達に、彼らと個々に戦うのは無理!みんな、何人かで組んで戦いましょう・・・サンシャイン、ルミナス、あなた達は、みんなのサポートをお願い!!」

 

 キュアムーンライトの指示の下、一同は何人かで組み四天王と戦う・・・

 

 だが、バルデスは後方に下がり、他の三人にプリキュア達の始末を任せ闇の中に消える。

 

 ムーン、ダークが追おうとするのを、サーキュラスが阻止する。

 

「自惚れるな!貴様ら如き、バルデスが相手をするまでも無い!!ヌゥゥオオ!!!」

 

 サーキュラスの強力な一撃を食らい、吹き飛ばされるムーンとダークは、体勢を整える。

 

 ・・・何て凄まじい力なの・・・

 

 劣勢のムーンとダークに、ドリームが加わった。

 

 ムーン、ダーク、ドリームがサーキュラスと戦い、

 

 ブルーム、イーグレット、ルージュがビブルスと戦い、

 

 ピーチ、パッション、レモネードがウラガノスと戦う、

 

 ルミナス、サンシャインが皆をサポートする中、唯一人、リズムはどうすれば良いのか戸惑っていた。

 

 ・・・みんなが、戦っている!でも、でも、メロディが居ないのに私は・・・

 

 メロディの居ない不安から、リズムは戸惑い、戦いに尻込みしていた。そこにハミィとセイレーンが現われるが、戸惑っているリズムを見たハミィは不思議そうに、

 

「リズム、何してるニャ?他のプリキュア達は戦ってるニャ!?」

 

「ハミィ!分かってる・・・私にだって分かってる!でも、メロディが居なければ私は・・・何も出来ない・・・」

 

 目を伏せ項垂れるリズム、それに気付いたウラガノスは、リズムを見て大笑いする。

 

「何だ?貴様、我らに恐れをなして震えて居るな・・・こりゃ傑作、プリキュアにも臆病者が居るのだな!ブゥワッハハハ!!」

 

 ウラガノスに大笑いされ、リズムは自分の不甲斐なさに涙が出そうになる。だが、プリキュアの仲間達は、そんなリズムを励ます!

 

 ブルーム、イーグレットが、最初にプリキュアになった頃の事、二人が敵の策略で離れ離れにされた時の心細さの事を・・・

 

 ドリーム、ルージュ、レモネードが、自らの不注意が原因で、ナイトメアに絶望の仮面を付けられ時の事、仲間を頼る事は全然恥ずかしい事じゃ無い事を・・・

 

 ピーチ、パッションが、敵だったパッションを、ピーチ達が導いてくれた事を、仲間を信じる事、自分を信じる事の大切さを・・・

 

 サンシャインが、大切なのは自分で変わろうと思う事を・・・

 

 ルミナスが、自分の存在の疑問を、なぎさとほのかという大切な人達が導いてくれた事を・・・

 

「そうニャ!しっかりするニャ・・・メロディは、他のプリキュアと一緒に戦いながら、新たなる力に目覚めたニャ!!」

 

 ハミィの言葉を聞き、リズムは驚き自問する。

 

 ・・・メロディは、私が居なくてもプリキュアとして、今、すべき事を頑張っている!なのに、私は・・・

 

 リズムの迷いを知ったムーンライトは、

 

「誰でも最初の頃は、プリキュアとしての自覚に悩む時があるもの!私とてそうだった・・・キュアリズム!あなたも今までプリキュアとして戦ってきた筈・・・今、自分がするべき事を、自分で考えなさい!!」

 

 ・・・強敵と戦いながらも、私の事を気に掛けてくれる仲間達、メロディは側に居ないけれど、私にはこんなにも素晴らしい仲間達が側に居てくれる・・・

 

「ありがとう、みんな・・・ありがとう、ハミィ!気合のレシピ、みせてあげるわ!!」

 

 リズムの表情が晴れ渡ると、リズムにもまたメロディと同じように変化が訪れる。

 

 ・・・何だろう、この溢れ出してくる感覚は・・・

 

 リズムの表情が晴れやかになってくる。その時、メロディ同様、リズムの胸のモジューレが輝く。リズムもまた、メロディ同様嬉しそうに舞い始め、

 

「刻みましょう、大いなるリズム!ファンタスティックベルティエ!!」

 

 リズムが新たなる力に目覚める・・・

 

 それを見つめるハミィとプリキュア達は、心から嬉しそうに、セイレーンは、驚愕の表情を浮かべるのだった。フェアリートーンも喜びの踊りを踊り、リズムはその中のファリーを見付けると、

 

「おいで!ファリー!!」

 

 ファリーは嬉しそうにリズムの側にやって来る。ファリーを新アイテムファンタスティックベルティエに装備したリズムは、ピーチ、パッション、レモネードに加わり先程大笑いされたウラガノスと戦う、

 

「あなたに、私の気合いのレシピ、みせてあげるわ!!」

 

 ピーチ、パッション、レモネードがリズムを見てニコリと微笑み、リズムも三人を見つめニコリと微笑み返す。

 

「これは私達も負けてられないね・・・行くよ!パッション、レモネード!」

 

 パッション、レモネードも大きく頷くと、ピーチロッド、パッションハープを取り出し、レモネードが、プリキュアプリズムチェーンでウラガノスの動きを封じる。しかし、ウラガノスの怪力は、それをものともせぬようにレモネードを引き吊る。

 

「何だ、そんな事で俺に勝てると思うなよ!!」

 

 鼻息荒く気合いを入れるウラガノスに、ピーチとパッションは見つめ合い頷く、二人がリズムを見ると、

 

「行くよ!リズム!!」

 

「はい!!」

 

 二人にリズムが微笑み、メロディと同じように、

 

「駆け巡れ、トーンのリング!プリキュア!ミュージックロンド!!」

 

 円を描くようにエネルギーリングを作ったリズム、

 

「悪いの、悪いの、飛んでいけ!プリキュア!ラブサンシャイン・フレ~ッシュ!!」

 

「吹き荒れよ!幸せの嵐!プリキュア!ハピネス・ハリケーン!!」

 

 ピーチのハート形の光弾が、パッションの赤いハート型の連続エネルギー光弾が、そして、リズムが放ったエネルギーリングが、ウラガノス目掛け突き進む。驚愕の表情を浮かべながらも、

 

「な、何だぁ!こんな物でこの俺が・・・」

 

 リズムの「フィナーレ!」の言葉を合図に、ウラガノスは消滅する。

 

 リズムに近寄り微笑むピーチ、パッション、レモネード、その光景をハミィは満足気に、セイレーンは何処から取り出したのか、手帳にメモしていた・・・

 

 

「よくもウラガノスを・・・お前達、覚悟しろ!!」

 

 ウラガノスを倒され、ビブルスの凄まじい攻撃が続く、追い込まれたブルーム、イーグレット、ルージュだったが、ルミナスのバリアーが三人を援護する。

 

「敵の攻撃は私が防ぎます!みなさんは、攻撃に集中して下さい!!」

 

「ありがとう、ルミナス!イーグレット!ルージュ!行くよ!!」

 

 上空に舞うブルームとイーグレットが、精霊の力を集約させる。その間をルージュはファイヤーストライクの連続蹴りで時間を稼ぐ、だが、ビブルスはルージュの技を悉く跳ね返し、強力な衝撃派をルージュに浴びせようとするも、ルミナスがルージュの前に立ち塞がり、ビブルスの攻撃を無効化する。何度もルミナスに攻撃を邪魔され、ビブルスの苛立ちは頂点に達しようとしていた。

 

「また貴様か・・・あの時から我らの邪魔をし続けるシャイニールミナス・・・貴様から葬ってやる!!!」

 

 ルミナスへの積年の恨みから、ルミナスに怒濤の攻撃を仕掛けるビブルス、だが、レモネードのプリズムチェーンが、ピーチ、パッション、リズムが攻撃に加わり援護する。

 

「ええい、次々沸いて来やがって・・・纏めて葬ってやる!!」

 

 ビブルスの闇の力が暴走する・・・

 

「それではあなたの身だって持ちません!!」

 

 ルミナスの忠告を、五月蠅いと払拭するビブルス、上空で力を溜めたブルーム、イーグレットが、

 

 ・・・生半可な攻撃じゃ、あいつは倒せない・・・

 

 ・・・残った全ての力を此処に・・・

 

 ブルーム、イーグレットが見つめ合い、力強く頷き合うと、

 

「精霊の光よ!命の輝きよ!」

 

「希望へ導け!二つの心!」

 

「「プリキュア!スパイラル・ハート・・・スプラ~~ッシュ!!!」」

 

 上空からの、二人の強力な一撃がビブルスに発せられた。ビブルスは両手を上に上げ攻撃を堪えていたが、地上のルージュ、ピーチ、パッション、リズムの攻撃を受ける。

 

「おのれぇぇ・・・プリキュアァァァ!!」

 

 強敵ビブルスを遂に打ち倒したが、地上に舞い降りたブルーム、イーグレットはその場にへたり込み、肩で激しく呼吸を整え、ルミナス達も、立ち上がるのが困難になるほど疲れ切っていった。

 

 力を出し切った一同は、その場でうずくまってしまうのだった・・・

 

 

 疲労激しい状態ながら、サーキュラスと激しく肉弾戦を続けるムーン、ダーク、ドリーム、サンシャインも加わり総力戦を仕掛ける。

 

「その程度で、この俺に勝てると思うなよぉぉ!!」

 

 サーキュラスが雄叫びを上げ、強力な衝撃派で四人を吹き飛ばす。激しく地面に叩き付けられる四人、

 

 ・・・みんなと、また会うんだから・・・

 

「あんた何かに・・・負けないんだからぁぁ!!」

 

 ヨロヨロとドリームが立ち上がる。

 

 ・・・まだよ!こんな所で立ち止まるわけには・・・

 

「行かないわ!!」

 

 ムーンライトが立ち上がる。

 

「まだ、終わるかぁぁ!!」

 

 ダークプリキュアが立ち上がる。

 

 ・・・みんな、みんな、頑張ってる・・・

 

「私も、こんな所で倒れていられない!!」

 

 サンシャインが立ち上がる。

 

「しぶとい奴らめぇ・・・だが、これで終わりだぁぁぁ!!!」

 

 サーキュラスが更に雄叫びを上げ、力を込める。それを見たムーンは、

 

「ダークプリキュア・・・もう一度二人でフォルテッシモしてみましょう!でも、今の私達の力だけでは・・・サンシャイン!!」

 

 ムーンライトは、サンシャインにある方法を語る。サンシャインは頷くと、

 

「プリキュア!フローラルパワー」

 

「プリキュア!ダークパワー」

 

「「フォルテッシモ!!」」

 

 ムーンとダーク、二つの合わさったフォルテッシモが上昇する。それに合わせるかのようにサンシャインが、

 

「花よ、舞い踊れ!プリキュア!ゴールドフォルテバースト!!」

 

 サンシャインが、ゴールドフォルテバーストの力で、太陽のような光のゲートを空中に作り出すと、ムーン、ダークのフォルテッシモがゲートに向かい突撃する。金色に輝く二人の身体が、サーキュラス目掛け突き進む、

 

「プリキュア!シャイニング」

 

「「フォルテッシモ!!」」

 

 サンシャインが叫び、ムーンとダークがそれに応える。黄金のフォルテッシモが、サーキュラスと激突する。

 

「ヌゥゥ、まだこれほどの力が・・・だが!!」

 

 更に気合いを込めて、両手でフォルテッシモに堪えるサーキュラス、

 

(あと少し、あと少しなのに・・・)

 

 ムーンとダークも力を込めるも、あと一歩追い込む事が出来なかった。それを見たドリームが動く、

 

「サンシャイン、そのままで居て!プリキュア!シューティング・スター!!」

 

 ドリームがシューティングスターで上昇すると、サンシャインが作った光のゲートに突入する。ドリームの身体が金色に輝く、

 

(ドリーム!?この娘、初めてこの技を見た筈なのに?)

 

 ムーンライトは、ドリームの状況判断力に舌を巻き、その頼もしさに思わず口元に笑みを浮かべた。

 

「プリキュア!シャイニング・スタ~~!!」

 

 ドリームとサンシャインの合体技、シャイニングスターも加わり、力を増すプリキュアの攻撃力、

 

「な、何だとぉぉ!?グゥゥオオ!!」

 

 サーキュラスの腕が弾かれて、フォルテッシモ、シャイニングスターがサーキュラスの身体を突き抜ける!!

 

「「「ハ-~~ト・・・キャッチ!!!!」」」

 

 三人の掛け声と共に、強敵サーキュラスを遂に撃破する四人、

 

「ドリーム・・・全くあなたって娘は・・・」

 

「エへへへ」

 

 ドリームに笑み掛けるムーン、ダーク、サンシャイン、そして満面の笑みで微笑み返すドリーム、だが、闇の中からバルデスが再び姿を現わす。

 

 キッとバルデスを見つめる四人、そして、ルミナス、ピーチ達もヨロヨロ立ち上がり、ムーンたちの側に集まる。

 

「ほう、サーキュラス達を倒したか・・・だが、そんな身体でこの私に刃向かおうとはな・・・身の程を知れ!!」

 

 ボロボロのプリキュア達を庇うように、ルミナスが前に出る。

 

「シャイニールミナスか・・・いくら貴様でも、その状況で何とか出来るとは思っていないだろうなぁ!?ハァァァ!!」

 

 バルデスが力を込めた時、周りが吹き飛び、地上に居たプリキュア達も、悲鳴を上げながら闇の底へと落下していく・・・

 

「リズム!みんな・・・大変ニャ!セイレーン、ハミィ達も行くニャ!!」

 

「エッ!?イ、イヤァァァ!!!もう、イヤァァァ!!」

 

 闇の底から、強引にハミィに道連れにされたセイレーンの悲鳴が木霊した。

 

 プリキュア達の気配が弱まっているのを感じた妖精達が騒ぎ始める。

 

「た、大変ココ、プリキュア達の気配を感じないココ・・・」

 

 どうすれば良いのか、妖精達にも分らなかった。けたたましい鳴き声を発した鳳凰が、何かをしようとするのを感じたココとナッツが、鳳凰の背に乗ると、それにつられるように妖精達もシロップの背に乗り、鳳凰とシロップは、ハミィ達同様、闇の底へと向かった。

 

 側に居たウエスター、サウラー、サラマンダー、オリヴィエ達も、プリキュアの助っ人に向かおうとするも、

 

「これ以上、何が起こるか分らないわ・・・信じましょう、彼女達を・・・」

 

 自分も駆けつけたい気持ちを抑え、薫子は地上の事を考え、この場に踏みとどまった。

 

 

 

「バルデス、貴様まで来るとはどういう事だ?」

 

「ふん、せめて仲間の側で死なせてやろうと思った迄よ・・・で、ゴーヤーンよ、こちらのプリキュア共も、最早動く事もままならないようだな?」

 

「当たり前だ、この私自ら動いたのだからな・・・」

 

 バルデス、ゴーヤーンの前で、力を使い果たしたように地面に倒れ込む24人のプリキュア達、最早彼女達に立ち上がる力は残って居なかった・・・

 

 落下してきたハミィ、セイレーンは、この絶望的状況に呆然とする。その時、上空から急降下してくる物体が居た。鳳凰、そして、シロップである・・・

 

「ああ、プリキュア達が・・・」

 

「な、何て事ナツ・・・」

 

 瀕死状態のようなプリキュア達を見て、哀しげに声を張り上げる妖精達、

 

 鳳凰は地上に舞い降りると、哀しげな声を上げ、自らの力をプリキュアに分け与えるかのように暖かな光を発した。

 

(この子・・・自分の身を犠牲にしてまで、プリキュアを助けようというの?)

 

 セイレーンは、鳳凰の行為を見て、自分でも分からないが涙を流していた。

 

 ・・・あれ、あたし、何で泣いてるんだろう・・・

 

「もう、もう止めなよ?あんた、死んじゃうよ!?」

 

「セイレーンの言う通りニャ・・・それ以上続けたら・・・」

 

 セイレーン同様、ハミィは涙を流しながら鳳凰を止めようとする。だが、鳳凰はまだ続けようとした時、24人のプリキュアが立ち上がった!!

 

「何だと!?まだ立ち上がる力が残っているというのか?」

 

「鳳凰の仕業か・・・邪魔しおって!!」

 

 ゴーヤーンが驚愕し、バルデスが鳳凰に攻撃するのを、ルミナスがバリアーで防ぐ、

 

「ひなたに手出しはさせない!!」

 

 ルミナスの力が、金色の輝きを増し、凄まじい輝きを見せる・・・

 

 ルミナスは鳳凰を見て笑みを浮かべた。他のプリキュア達も溢れ出してくる力を受け入れると、

 

 ・・・力が溢れてくる・・・

 

 ・・・ひなた、ありがとう!あなたの思い無駄にしない!!・・・

 

 今、二十四人の黄金のプリキュアが、バルデス、ゴーヤーンの前でポーズを決めた。

 

「ひなた!私達はもう大丈夫・・・あなたに素晴らしい力を分けて貰えたわ!!あなた達、ひなたをお願い!!」

 

 ブラックは妖精達に、力を使い弱っている鳳凰を頼み、ルミナスに妖精達を守るように頼むと、

 

「行くよ!みんな!!」

 

 ブラックの合図と共に、力を解放するプリキュア達・・・

 

 ブラック、ホワイトの背中に、まるで天使の羽のような翼が加わる。金色のオーラを纏った二人の力が漲る・・・

 

 花鳥風月の四人は、まるで衣装に羽衣を纏ったような姿になり四人も金色のオーラを纏う・・・

 

 プリキュア5の背には、まるで蝶のような美しい羽が羽ばたく、プリキュア5、ローズ共に金色のオーラを纏う・・・

 

 ピーチ達、四人は正に天使と呼ぶに相応しい、白をベースにしたキュアエンジェルへと変化し、金色のオーラを身に纏う・・・

 

 ブロッサム達四人はスーパーシルエットに、そしてダークプリキュアさえも、金色に輝く状態に変化する・・・

 

「リズム、私達!?」

 

「ええ、凄い・・・力が漲ってくる・・・」

 

 メロディ、リズムにも天使のような羽が付き、金色のオーラを纏った。

 

 24人のプリキュア達が、バルデス、ゴーヤーンに攻撃を仕掛ける。

 

「その程度で・・・」

 

「我らに勝てると・・・」

 

「「思うなよ!!!!」」

 

 闇の力を解放して攻撃してくる二人、迎え撃つプリキュア達が激しくぶつかり合う!

 

 パワーアップを果したプリキュア達だったが、バルデス、ゴーヤーンは強く、何度も、何度も吹き飛ばされるプリキュア達、だが、諦めないプリキュア達は何度も食らいつき、バルデス、ゴーヤーンにダメージを与えていく・・・

 

「ええい、しぶとい奴らめ!」

 

「貴様と力を合わせるなど癪だが・・・致し方あるまい!!」

 

 バルデス、ゴーヤーンが共に力を込め、凄まじい大爆発を巻き起こすも、ルミナスが力を解放し、何とか皆を救うが、ルミナスも膝をつき荒い呼吸を繰り返す。

 

「最早ルミナスの助けは受けれんぞ・・・覚悟しろ、プリキュア共!!」

 

 バルデス、ゴーヤーンが再び力を込めると、

 

「ルミナス、ありがとう・・・みんな、私達も力を結集させましょう!!」

 

 ブラックの言葉に頷いた一同が、それぞれの必殺技を放つ、

 

「「プリキュア!マーブルスクリュー・・・マックス!!」」

 

「「スパ~~ク!!」」

 

「「プリキュア!スパイラル・ハート・・・スプラッシュ!!」」

 

「「プリキュア!スパイラル・スター・・・スプラッシュ!!」」

 

「プリキュアに力を!」

 

「ミルキィローズに力を!」

 

 ココとナッツの叫びと共に、プリキュア5がキュアフルーレを装備し、ローズはミルキィミラーを構える。

 

「「「「「プリキュア!レインボー・ローズ・エクスプロージョン!!」」」」」

 

「邪悪な力を包み込む、煌くバラを咲かせましょう!ミルキィローズ!メタル・ブリザード!!」

 

「「「「想いよ、届け!プリキュア!ラビング・トゥルー・ハート!!」」」」

 

「ダークフォルテウェイブ!!」

 

「「「「花よ、咲き誇れ!プリキュア!ハートキャッチ・オーケストラ!!」」」」

 

「「プリキュア!パッショナートハーモニー!!」」

 

 奇跡とも呼べる虹が、オーロラが、赤と青の巨大な薔薇が、巨大なハートが、黄金の光が、そして、それを導くように巨大な女神が、バルデス、ゴーヤーンに向かい放たれる。さしもの二人から驚愕の声が漏れる。

 

「な、何だ、この力は!?」

 

「これが、プリキュアの・・・」

 

 二人は散りゆく間際に、まるでビッグバーンと同じような輝きを見た・・・

 

 

「見事だった!プリキュア共・・・お陰で、遂にカオス様が覚醒された!!」

 

 漆黒の髪、色白の肌、それを隠すような漆黒の法衣、バロムがプリキュア達の目の前に現われる。

 

「どういう事?」

 

 思わず、アクアがバロムに聞き返すと、

 

「お前達の凄まじい光の力が、カオス様を目覚めさせたと言ったのだ・・・さあ、貴様らも共に、世界の終焉を見るが良い!!」

 

「そんな事・・・絶対にさせない!!みんな、もう一度力を合わせるわよ!!!」

 

 再びブラックの合図の下、ルミナスを除く23人のプリキュア達が、先程バルデス、ゴーヤーンを葬った最強の技をバロムに向けて放つ、だがバロムは、闇の結界でそれらを無効化した。呆然とするプリキュア達に、バロムは口元に笑みを浮かべると、

 

「無駄だ!最早貴様らの役目は終わった!!」

 

 素早く動き出したバロムが、23人のプリキュア一人一人に次々攻撃を与えていくと、攻撃を受けたプリキュア達は、皆変身解除の状態にされる。

 

「そ、そんなぁ!?」

 

 一同は、光輝くレオタードのような姿になって倒れ込む・・・

 

 唯一人、ダークプリキュアだけは、元の状態に変わるだけだったが、激しく体力を消耗していた・・・

 

「さあ、見るが良い!世界の終焉を!!」

 

 バロムの言葉通り、地球は完全にカオスに飲み込まれ、闇に喫した・・・

 

 目覚めたカオスによって、全宇宙から光が消えようとしていた・・・

 

                  第二十二話:カオス!

                      完

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。