1、リコとプリキュア
リコは、ニクスとリリスに欺まされて、人間界に連れて来られたとも知らず、ひょんな事から知り合ったみゆき達とみさき達、そして、みゆき達に呼ばれたなぎさ達と出会った。やおいは、嫌な表情を浮かべる真琴をからかい、なみは、お土産を持って来た咲からパンを分けて貰い、あおいはココの話題を振ってのぞみをからかった。れいなは、れいかに促され、かれんといつきの下に近付き、生徒会の心得を聞いた。ラブは、みさき達がみゆき達と一緒に要るのに驚き、みさきに声を掛けると、
「あなた達も来てたんだ?」
「うん、私達がみゆき達と戦おうとしてたら、そこの自称魔法つかいが空から落ちてきて・・・」
「だからぁ、落ちてないし」
ラブに聞かれたみさきが、リコをからかうように空を指さすと、顔を赤くしたリコが慌てて否定し、その場に居た一同が、リコのコミカルの動きに思わずクスリと微笑んだ。みゆきは、改めてリコを見つめると、
「でも、魔法つかいさんが本当に居た何て・・・ウルトラハッピー!」
「そうね、メルヘンランドのマジョリンや、絵本の世界の魔法つかい達の事は、私達知ってたけど、魔法界って所がある何て・・・ロマンチックよねぇ」
こまちも興味を持ったようで、目を輝かせながらみゆきの言葉に同意した。一同は、魔法つかいであるリコに興味を持ち、一方のリコも、プリキュアに興味を持っていた。リコは、驚いた表情を浮かべながら、なぎさ達一同の顔を見渡し、
「あなた達みんな・・・本当にプリキュアなの?」
リコが驚くのも無理は無かった。魔法界では、伝説の魔法つかいと呼ばれたプリキュアが、ナシマホウ界には、アン王女やバッドエンドプリキュア達も入れて、38人ものプリキュアが、今リコの目の前に居るのだから・・・
「プリキュアって・・・伝説じゃないの?こんなに多いのに伝説!?」
「他にも居るよ。ダークプリキュア5の五人でしょう、つぼみちゃんのお婆ちゃんの、キュアフラワーも居るし」
「ヨボヨボのお婆ちゃんも、プリキュアをやってるの?」
リコは、のぞみから聞いたつぼみの祖母である薫子が、腰が曲がり、ヨボヨボ杖を突きながら、なお現役でプリキュアをやっている姿を想像した。つぼみは、そんなリコの想像に気付いたのか、少し頬を膨らませながら、
「家のお婆ちゃんは、ヨボヨボじゃありませんよ。この間は、身体を壊して入院した事もありましたが、至って元気です。でも、若い時にやってたってだけで、今は私達をサポートしてくれてます」
「いやぁ、まあ伝説何て、蓋を開けてみればこんなもんだからさぁ」
「そうそう」
「気持ちは分かるっしゅ。あたしも最初にみんなの事知った時は、リコと同じように驚いたしさぁ」
なぎさが頭を掻きながら苦笑混じりに呟き、響もなぎさの言葉に同意してウンウン頷いた。えりかも変顔浮かべながら、コクコク頷いた。みゆきはリコにアン王女を紹介すると、
「リコちゃん、この人がキュアマジシャンの子孫で、トランプ王国のアン王女様だよ」
「トランプ王国!?」
リコは、聞き慣れないトランプ王国という言葉に首を傾げた。キュアマジシャンや、キュアフラワーの話題から、行き成り他の話題に飛んだ気がした。咲は、そんなリコの気持ちを察したかのように、
「トランプ王国は、キュアマジシャンが大いなる闇を封じたのを、監視する為に建国した国らしいよ」
「大いなる闇!?ひょっとして、一万年前に魔法界を闇が覆ったっていう何かと、関係があるのかしら?」
リコが誰に聞くともなく話を振ると、ほのかが小さく頷き、
「エエ、そうらしいわね。私達も直に見た訳じゃ無いから、詳しくは分からないけど・・・」
ほのかが少し口籠もったのを引き継ぎ、アン王女がリコに話し掛け、
「リコさん、私はマリー・アンジュと申しますわ。わたくしの先祖であるキュアマジシャンは、この世界で出会ったキュアエンプレス、キュアプリーステスと共に、光の槍であるミラクルドラゴングレイブを用い、世界を闇に閉ざした大いなる闇と戦い封じたそうです。それを監視する為に作られたのが、トランプ王国・・・わたくし達の国ですわ。ですが、キュアマジシャンが魔法界の出身というのは、わたくしも初耳でした。よろしければ、魔法界の事を教えて頂けませんか?」
『聞きたい!』
アン王女がリコにそう告げると、他の一同も同意した。リコは、アン王女の話に思考がついて行けず、困惑したものの、魔法界の事をプリキュア達が知りたがっていると知ると、少しドヤ顔を浮かべ、軽く咳払いをした。
「コホン!私が生まれ育った魔法界は、魔法界に住む人々が、日常生活で魔法を普通に使う世界なの」
リコはそう語ると目を閉じ、魔法界の風景を思い出した・・・
魔法界は、料理や掃除などの日常生活でも、人々が当たり前のように魔法を使い、更にリコや姉リズが通う魔法学校、フランソワやグスタフが店を構える魔法商店街、ペガサスを始めとした、沢山の動物達が暮らす魔法の森、人魚が住むと言われる人魚の里、魔界から時折現われるひゃっこい島のアイスドラゴンと、あっちい島のファイアードラゴン、魔法界の何処かにあると言われる妖精の里の事など、自分で見たり聞いたり、読んだりして知った魔法界の事を、リコはなぎさ達に教えた。なぎさも興味ありげに、
「へぇ・・・一度行ってみたい所だねぇ」
「キャンディも、ペガサスに会いたいクルゥ」
「ぬ、ぬいぐるみが喋った!?」
みゆきの側に居たキャンディは、リコがペガサスの話をすると、メルヘンランドを思い出したのか、少し愁いを交えた表情で話した。リコは、突然話し出したキャンディに驚いた。プリキュア達に気を取られて、キャンディの存在に気付かなかった。キャンディは不満そうに頬を膨らませ、
「キャンディは、ぬいぐるみじゃ無いクルゥ」
「シシシ、キャンディは、メルヘンランドの妖精や」
リコの反応を見て思わず笑い声を上げたあかねが、キャンディがメルヘンランドから来た妖精だと教えると、リコは、先程もメルヘンランドという言葉を聞いたのを思いだした。
「メルヘンランド!?そう言えば、さっきも言ってたわよねぇ?」
「メルヘンランドは、世界中の絵本のお話が集まった世界だよ」
『へぇ~』
みゆきがメルヘンランドについて少し教えると、みさき達もリコ同様、詳しく聞いたのは初めてだったようで、興味深げな表情を浮かべた。リコは、世界中の絵本が揃っていると聞き、魔法界の絵本もあるのではないかと思うと、
「世界中の!?ひょっとして、魔法界の絵本もあるのかしら?」
「さあ!?それは分からないけど、魔法界にも絵本があるの?」
やよいは首を傾げるも、魔法界にも絵本があるようなリコの口ぶりに、思わず問い掛けてみると、リコは頷き、
「ウン!家の母が、毎年誕生日に絵本を見ながらお話してくれたから、何となく覚えちゃった」
「へぇ・・・ねぇ、折角だから話してみて?」
エレンに聞かれたリコは、コクリと頷くと、
「良いわよ」
リコが、魔法界の絵本の内容を話そうとしたその時、のぞみの携帯に着信が入った・・・
2、ブンビーからのSOS
のぞみが携帯を見ると、相手は登録していない番号で、のぞみは思わず首を傾げながら顔を顰めた。のぞみが携帯に出てみると、見知った声が聞こえてきて、
「もしもぉし、ブンビーだが・・・」
「エッ!?ブンビーさん?ちょ、ちょっと待って」
のぞみは一旦保留すると、一同にブンビーから携帯に掛かって来た事を伝えた。のぞみは困惑した表情で、
「私、ブンビーさんに携帯番号教えてたっけぇ?」
「のぞみ、前にブンビーの所にアルバイト行った事あったじゃない。その時じゃないの?」
考え込むのぞみを見たりんは、以前のぞみが、一日で首になったとはいえ、ブンビーの所にアルバイトに行っていたのを思いだし、のぞみに教えると、のぞみは手を叩いて思い出した。
「そうか、その時・・・もしもしブンビーさん、お待たせぇ!ところで私に何か用?」
のぞみがブンビーに話し掛けると、ブンビーは待ってましたとばかり、のぞみに話だし、
「いやぁ、実は困った事が起きてねぇ・・・君達プリキュアの力を、ぜひ借りたいんだよ」
「エッ!?プリキュアの力を?・・・ひょっとして、魔界の怪物か何か?」
のぞみの脳裏に、魔界の者達の事が真っ先に過ぎった。まだこちらの世界に潜伏している可能性も否定出来なかった。のぞみの話を聞いたブンビーは戸惑ったものの、
「エッ!?魔界の怪物?・・・そう、それ!それだよ!仲間達に連絡して、プリキュアの姿で、京都にある映画村の撮影所に、大至急来て頂戴・・・頼んだよ!!」
「エッ!?ちょっと、ブンビーさん?もしもし!?切れちゃった・・・」
ブンビーはそう言うと、一方的に携帯を切った。のぞみはよく状況を飲み込めず、困惑した表情で仲間達を見ると、りんは、浮かない表情ののぞみに気付き、
「のぞみ、どうしたの?」
「ウン・・・何だか良く分からないけど、京都にある映画村の撮影所で、魔界の怪物が来て暴れてるようなの」
『エッ!?』
のぞみから、ブンビーの電話の内容を聞いた一同は、思わず驚きの声を上げた。リコは二、三度瞬きすると、アン王女に話し掛け、
「魔界って、怖い姿をした怪物が居るあの魔界の事?」
「エエ、その魔界の事ですわ。最近、こちらの世界にも時折現われるようになったのです」
アン王女は頷き、魔界の者達が頻繁にこの世界に現われだした事を伝えると、リコは困惑した表情を浮かべた。のぞみは更に一同に話し掛け、
「それで、大至急私達プリキュアに来て欲しいって」
「それが本当なら、確かに急いだ方が良いわね?」
ブンビーの話と言う事で、かれんは少し胡散臭さを感じたものの、本当ならば急を要する事を理解し、真顔になった。アコもかれんの言葉に同意して頷き、
「みんな揃ってるしね」
「せつな、お願い出来る?」
ゆりはせつなに話し掛けると、せつなはコクリと頷き、
「分かったわ!」
一同がせつなの近くに集まると、目を閉じながら腕組みして聞いていたなみが目を開いた。その目には、どこか闘志が宿っているように見受けられた。
「ちょっと待った!相手が魔界のもんなら話は別だ。アベルって奴かも知れないんだろう?あたし達も一緒に行ってやる!!」
なみがなぎさ達一同と一緒に行くと進言すると、直ぐにみさき、あおい、やおい、れいなが、なみの側に近付いた。バッドエンドプリキュア達に取っては、プリキュア達と戦う事以上に、アベルと戦い、決着を付ける事を優先していた。
「良いの?」
なおは、嬉しそうな表情でなみに聞くと、なみは、右手の拳を左手に当てて気合いを入れ、
「ああ、アベルの奴には、あたしも、ピースも借りがあるからなぁ・・・倍にして返さなきゃ気が済まない!」
「だよねぇ!って事で、私達も行くよねぇ?」
「「「もちろん」」」
やおいに聞かれたみさき、あおい、れいなが頷きながら同意した。それを聞いたなぎさは、心の底から嬉しかった。一時的かも知れなかったが、バッドエンドプリキュアの五人が、自分達と共に戦う事を、自ら進言してくれたのだから、なぎさはみさき達五人を抱き寄せ、
「じゃあ、みんなで行こう!」
「「「「「ウン」」」」」
「フフフ、なぎさ嬉しそう」
ほのかは、心の底から嬉しそうななぎさを見て、自らも自然と顔が綻んだ。ゆりもほのかに同意しながらも、視界に入った真琴の表情を見逃さず、
「そうね、でもそれとは逆に、真琴は凄く嫌そうな顔してるけど」
「エッ!?まあ、真琴さんは・・・バッドエンドピースと色々あったみたいだしね」
ほのかも真琴を見ると、ゲスい表情を浮かべたやおいに、肩を組まれた真琴は、嫌そうな表情を浮かべた。ほのかは、そんな真琴を見て思わず苦笑した。真琴は、頬を膨らませてムッとした表情を浮かべながら、
「馴れ馴れしくしないで!」
「アララ!?ソードったら嬉しいくせに」
やおいは、再びゲスい表情を浮かべながら、両手の人差し指で真琴の頬を突っついた。
「べ、別に嬉しく無いわよぉ」
やおいにからかわれた真琴は、再び頬を膨らませた。ゆりは一同を見渡し、
「映画村に着いたら、直ぐに戦闘になるかも知れないから、ここでプリキュアになっておきましょう」
ゆりの提案を受け入れ、光に包まれた一同が、プリキュアの姿へと変身した。リコは目をキラキラ輝かせ、
(本当にみんなプリキュアだったんだぁ・・・アレェ!?アン王女は変身しないのかしら?)
リコは、アン王女がプリキュアにならない事に首を傾げると、アン王女は苦笑を浮かべながら、リコの心の声に気付いたかのように、
「事情があって、わたくしは現在プリキュアになる事は出来ません」
「そ、そうだったんですか・・・」
リコは、アン王女に不味い事を聞いたかしらと思いながらも、一同がこの場を離れそうだと感じて、戸惑いながら一同に話し掛けた。
「ね、ねぇ、みんなぁ!私も一緒に行ったらまずいかしら?ここに一人だけ取り残されても・・・」
見知らぬナシマホウ界でニクスとリリスからはぐれ、一人取り残されたリコは、プリキュア達と出会った事で、孤独感は消え失せて居たが、ここでまた独りぼっちにされたらと考えると、リコは心細さが沸いてきた。そんなリコを見たドリームは、気さくにリコに話し掛け、
「それもそうだねぇ・・・じゃあ、リコちゃんもお出でよ」
「良いの?ヤッタ~!」
ドリームが許可してくれた事で、リコは嬉しそうに顔を綻ばせた。ホワイトはルミナスを見ると、
「ルミナスは、向こうに着いたら、アン王女とリコちゃんの側に付いて居てあげて」
「分かりました。アン王女、リコちゃん、向こうに付いたら、私の側から離れないで下さい」
「「ハイ」」
ルミナスの言葉に、アン王女とリコが頷きながら返事を返し、一同はパッションの近くに集まると、パッションはアカルンを呼び出した。
「じゃあ、行くわよ・・・京都の映画村へ!」
パッションの言葉と共に、周囲が赤く発光し、一同の姿が忽然と消え去った。
3、プリキュアオールスターズ・・・映画デビュー!?
京都にある映画村・・・
嘗てなぎさとほのかが、中学時代の修学旅行で訪れ、みゆき達が修学旅行で京都に来た時は、時間が無くて断念した時代劇などの撮影所、そこでプリキュアの到着を、今か今かと待ち焦がれるブンビーが居た。ブンビーの隣には、赤い帽子を被ってサングラスをし、口髭と顎髭が繋がった癖毛の人物が、威厳ありそうな風格で、メガホンを右手に持って倚子に腰掛けて居た。
「いやぁ、ブンビーちゃんに頼んで正解だったよ。妖怪オールスターズ対プリキュアオールスターズ・・・いける!いけるよ、これはぁ!」
「いえいえ、深澤監督のお役に立てて光栄ですよ」
ブンビーは、揉み手をしながら深澤監督にヨイショした。深澤監督とは、時代劇系でもっか売り出し中の監督で、代表作にふたりはくノ一シリーズや、じゃじゃ馬姫まかり通る、そして、今話題に出た妖怪オールスターズDXなどのヒット作を世に送り出して居た。
ブンビーは、以前深澤に仕事を頼まれた時、親近感を覚えた。親近感を覚えた一つの理由は、ブンビーと深澤は、声がそっくりだったし、どこか話も合った。二人は意気投合してメル友になり、深澤はブンビーカンパニーに、エキストラの調達などを依頼したりしていた。天才肌のこの監督は、よく撮影中に閃き、その場で台本や設定を変えたりするライブ感の持ち主で、現場泣かせの監督としても有名だった。妖怪オールスターズDX3の撮影中、ブンビーの顔を見ていると、急にプリキュアと対決させたくなり、ブンビーがプリキュアのリーダーを名乗って居たのを思い出して、今回ブンビーに依頼していた。
「ですが監督、妖怪オールスターズは江戸時代の話ですよ?プリキュアを出したら、色々と障害が・・・」
30前半の助監督が、監督にそう話し掛けると、監督のサングラスがキラリと輝き、助監督をジロリと睨み、
「君ぃ!それが何か問題あるのかねぇ?」
「い、いえ・・・」
監督の迫力に、思わず助監督が黙り込むと、ブンビーは助監督を安心させるかのように、
「大丈夫ですよ。プリキュアは、400年前には既に居たって聞いてますし、江戸時代ぐらいへっちゃら、へっちゃら」
「だよねぇ?流石ブンビーちゃんは話が分かるなぁ」
監督は、我が意を得たりと何度も頷いた。監督はチラリと腕時計を見ると、
「ところでブンビーちゃん、プリキュア達はいつ頃到着するの?」
「さっき連絡したばかりですからねぇ・・・アッ、でもご安心下さい。彼女達の一人は、瞬間移動出来る術を持ってますので、他のプリキュアを引き連れ、直ぐにでも・・・」
そうブンビーが話して居たまさにその時、若手スタッフの男が慌てて監督に走り寄り、
「監督ぅ、プリキュアさん達いらっしゃいましたぁぁ!」
「来たぁぁぁ!?みんなぁ、準備良い?プリキュアさん達をこちらにお通ししてぇ!」
監督の号令の下、スタッフが慌ただしく動き始め、妖怪の着ぐるみを被った役者達が、休憩を終えて現場へと戻って来た。そこへ、スタッフに連れられたブラック達プリキュアオールスターズの面々は、呆然としながらブンビーと深澤監督の前へとやって来た。
「ようこそ、プリキュアの皆さん。今日はよろしくお願い致しますよ」
『エッ!?』
「ブンビーさん、どういう事!?魔界の怪物って何所に居るの?」
監督に挨拶された一同は、呆然としながら一斉にブンビーの顔を見た。ドリームは、ジト目でブンビーを見つめると、ブンビーは首を傾げしながら、
「魔界の怪物!?あちらでちゃんとプリキュア達の来るのを待ってたよぉ」
ブンビーは、そう言って妖怪の着ぐるみを指さした。プリキュア達は呆然としながら、妖怪の着ぐるみを見て、見る見る困惑した表情を浮かべ、
『だ、欺まされたぁぁぁ!』
「人聞きの悪い事言わないでくれるぅ?ちゃんと妖怪居たでしょう?」
「もう!」
ブンビーの開き直りとも取れる言葉に、ドリームは頬を膨らました。アクアはハァと溜息を付き、
「やっぱり、ブンビーの言う事を信用するんじゃ無かったわ・・・みんな、どうする!?帰りましょうか?」
「でも、せっかく撮影所に来ましたし・・・見学ぐらいはしませんか?」
ブロッサムは、思わず名残惜しそうに呟いた。お婆ちゃん子のブロッサムは、薫子の影響もあり、時代劇が大好きだった。ブロッサムがそう呟いた時、監督がメガホンで一同に話し始め、
「それじゃあ、妖怪オールスターズ対プリキュアオールスターズの撮影・・・」
何故か自分達が題名に付いている事で、プリキュア達は訳が分からず混乱した。
『エェェ!?妖怪オールスターズ対プリキュアオールスターズ?』
監督は、プリキュア達が皆キョトンとした表情をしている事に気付き、
「アレェ!?ブンビーちゃんに聞いて無い?君達プリキュアに、私の映画に出て貰いたいのよ」
『エェェ!?私達が・・・映画にぃぃ?』
監督からの出演要請に、プリキュア達は驚愕した・・・
驚愕しながらも、満更じゃない表情を浮かべたのは、ブラック、ブルーム、ドリーム、ルージュ、レモネード、ローズ、ピーチ、ベリー、ブロッサム、マリン、メロディ、ビート、ハッピー、サニー、ピース、マーチ、バッドエンドハッピー、バッドエンドサニー、バッドエンドピースの19人、苦笑していたのは、ホワイト、ルミナス、イーグレット、ミント、パイン、サンシャイン、ビューティ、エコーの8人、困惑していたのは、ブライト、ウィンディ、アクア、パッション、ムーンライト、リズム、ミューズ、ソード、バッドエンドマーチ、バッドエンドビューティ、そしてアン王女とリコの12人だった。ブラックは一同に集合を掛け、
「ねぇねぇみんな、折角何だし映画に出てみようよ?これも人助けだしさぁ」
『そうそう』
すかさずブラックに合いの手を入れたのは、ピーチ、ベリー、ブロッサム、マリン、Wハッピー、Wピースの八人で、ブラックは、我が意を得たりと更に言葉を続け、
「映画の撮影を間近で見られるだけでも、滅多にないよぉ?ましてや映画に出られる何て、こんな機会そうそう無いよ?」
「それは・・・そうだけど」
「プリキュアの力を、こんな事に使うのは・・・」
ホワイトとムーンライトにも、ブラックの言う事も理解出来たが、プリキュアの力を私利私欲に使っても良いのだろうか?という葛藤があった。ブンビーは、そんな二人の葛藤を見抜いたかのように、
「良いんじゃないのぉ?現に君達は以前、絵本博覧会でプリキュアショーに出てるじゃない。あの時は私が協力したんだから、今回は私の顔を立ててだねぇ・・・」
「「それを言われると・・・・・」」
ホワイトとムーンライトは、困惑した表情で思わず言葉に詰まった。ブンビーが言った通り、嘗てプリキュア達は、成り行きで迷惑を掛けてしまった、四葉財閥の四葉ありすの頼みを聞き入れ、世界絵本博覧会でプリキュアショーに出演した事があった。その時に、ブンビーにも協力して貰った事もあったのだから・・・
「ハァ・・・分かったわ」
「以前、あなたにも協力して貰ったのは事実だし」
「ココ達から聞いたけど、私達プリキュア5は、呪いを受けた時、あなたに助けて貰ったそうだし・・・」
「出てくれるの!?これで私も肩の荷が下りたよ」
ホワイト、ムーンライト、アクアも折れ、ブンビーの頼みを渋々受け入れた。映画に出る事を承諾した三人に、ブンビーはニンマリ微笑んだ。だが、バッドエンドマーチとバッドエンドビューティは興味無さそうに、
「あたしは、そういうのは止めとくよ」
「そうね、私達には関係無いもの」
バッドエンドマーチとバッドエンドビューティの二人は、魔界の者も居ないようで、興味無さそうにこの場から帰ろうとして居た。それに気付いたキュアサニーとキュアビューティが二人に近付き、
「なぁなぁ、京都の美味しいもん、食わんで帰ってエエの?」
「何ぃぃぃ!?」
「京都は古都と言われるくらいですし、見応えある場所も多いですよ?」
「・・・成る程、悪く無いわね」
京都の食べ物に釣られたバッドエンドマーチ、古都である京都観光に興味を示したバッドエンドビューティも同意し、バッドエンドプリキュア達を加えたプリキュアオールスターズ全員が、映画に協力する事をブンビーと監督に告げた。監督のサングラスがキラリと輝き、
「いやぁ、ありがとう!お陰で良い作品が取れそうだよ・・・」
監督はそう言うと、プリキュア達一人一人の容姿をジィと見つめていった。プリキュア達を直に見て、作品イメージを探っているかのように・・・
リコはモジモジしながら、
「良いなぁ・・・私もちょっと出てみたいかも」
「フフフ、中々楽しそうですものね」
リコとアン王女がそう会話をしていると、二人をチラリと見た監督は、何かを閃いたのか、突然リコとアン王女に近寄り、
「君達、プリキュアの関係者の人かね?」
「エッ!?エエ、まあ」
「それがどうかしまして?」
一体何を言われるのかと、リコとアン王女が緊張した面持ちをすると、監督はニコリと微笑み、
「君達も映画に出てみない?」
「「エッ!?」」
「君はお姫様、君は奥方様、二人が妖怪に狙われた所から物語は始まる・・・いける!いけるよ、これはぁぁぁ!!」
「「ハァ・・・」」
監督のライブ感は更に高まり、リコはお姫様役で、アン王女はその母君である奥方役で出演する事になった。それを見たキャンディは、
「お兄ちゃんにも見せて上げたいクルゥ」
「そっかぁ、この前はポップに見学させて上げられなかったもんねぇ」
キャンディが少し悲しげな表情を浮かべた事で、ハッピーも、京都での修学旅行の自由時間で、映画村を見られなかった事を思い出した。パッションは、チラリと悲しそうなキャンディを見ると、
「キャンディ、今からポップを一緒に迎えに行く?」
「パッション、お兄ちゃんを呼んでも良いクルゥ?」
「エエ、まだ撮影には時間が掛かりそうだし、良いわよ」
「ありがとクルゥ」
キャンディは嬉しそうにパッションの右肩に乗ると、パッションはポップを迎えに、メルヘンランドへと向かった。
4、ブラックの悪知恵
パッションとキャンディは、ポップを連れて五分程で戻って来た。一同は、パッションの早い戻りに驚いた。パインはパッションに話かけ、
「パッション、早かったね?」
「それが・・・映画村で私達が映画の撮影をすると言ったら、ポップはその場で、仕事をウルルン、オニニン、マジョリンに任せて・・・」
「ここが映画村でござるかぁ・・・オォォ!?あれは正にサムライではござらんかぁ?」
ポップは、パッションの腕に抱かれながら、サムライ姿の役者を見て興奮し、他の一同を苦笑させた。ポップは目をキラキラ輝かさせると、
(プリキュア殿達は、皆映画に出られるのでござるなぁ・・・羨ましいでござる。ここは拙者も是非!)
ポップは、サムライに憧れていた・・・
ポップが時代かぶれの言葉を使うのも、憧れであるサムライのようになりたいからでもあった。ポップは、パッションに下ろして貰うと、サムライの姿を目に焼き付けるかのように、ジィと見つめて居た。
「キタァァァ!イメージが沸いてきたよぉぉぉ・・・プリキュアの皆さん、こちらにぃぃ!」
監督は、待機している妖怪役と、サムライ役の側でプリキュア達を呼ぶと、一同がゾロゾロと監督に近付いた。監督は、ブラックとバッドエンドプリキュア達六人を、妖怪サイドに立たせると、
「君達黒いプリキュアが、妖怪オールスターズのリーダーって設定で・・・」
「「「エェェ!?私達が悪役ぅぅ?」」」
ブラック、バッドエンドハッピー、バッドエンドピースは、ちょっと不満そうな表情を浮かべるも、ルージュの突っ込みが飛び、
「あんた達は、元々バッドエンド王国でしょう?」
「私は違うんだけどなぁ・・・」
ブラックはそう言うと、背後を振り返り、妖怪オールスターズの面々を見た。有名所の天狗や河童、唐傘オバケに一つ目小僧やぬりかべに鬼達が、面や着ぐるみを着てスタンバっていた。
(アレェ!?あんな妖怪って居たっけ?オリジナルの妖怪なのかなぁ?・・・そうだ!)
ブラックは、首を傾げながらも何かを閃き、監督の下へと歩み始めた。ブラックが見た妖怪は、額から大きな角を生やし、二メートル以上はある筋骨逞しいゴリラのような体格をした、顔は虎のような妖怪で、全身を白い毛に覆われて居た。妖怪は、プリキュア達を見ると、
(まさか、こんな所でプリキュアに出会うとわなぁ・・・ここなら俺の姿でも驚かれねぇから、隠れ住んでいたが・・・これはプリキュアを倒す好機かも知れねぇなぁ?)
この白い妖怪こそ、本物の魔界の魔物で、名を人虎(じんこ)と言い、嘗てシャックスの招集に応じて、人間界に出向いた一人だった。
ブラックは、そんな魔が紛れているとも知らず、監督に近づくと小声で話し掛け、
「監督さぁん、ほら、向こうとこっちじゃプリキュアの人数違い過ぎません?私達がもっと仲間を呼んだり、プリキュアを引き抜いた方が面白いと思うんですけどぉ?」
「ホホォ・・・ウン、良いねぇ!それで行ってみよう!!」
監督は、ブラックの提案を聞いていて、イメージがどんどん沸いてきたのか、ブラックの提案を受け入れた。監督から許可を貰った事で、ブラックは含み笑いを浮かべて戻って来ると、ホワイトは、そんなブラックの表情を見逃さず、
(ブラックのあの顔・・・何か企んでるわねぇ?)
ホワイトに見破られているとも知らず、ブラックはエコーを手招きすると、
「エコーちゃぁぁん!チョット、チョット」
「エッ、私ですか!?何でしょう?」
エコーが首を傾げながらブラックに近づくと、ブラックはエコーの耳元で何か小声で語り出した。見る見るエコーは変顔浮かべ、
「エェェ!?そんな事したら、私怒られちゃいますよぉぉ」
「大丈夫、大丈夫、私が責任持つからさぁ」
「怒られても、私知りませんよ?・・・」
エコーは浮かない表情ながら、ブラックの提案を受け入れ、その場で両手を組んで目を閉じた。エコーは心の中で思いを相手に伝えると、ハァと深い溜息を付いた。ブラックはニンマリと笑み、
「これで良し!」
「それじゃあ、プリキュアの皆さんと関係者さん、こちらが台本になります」
スタッフからプリキュア達とリコ、アン王女に台本が渡された。若い男性スタッフは、小声でプリキュア達に話し掛け、
「あの監督、その場の勢いで色々変えたりしますから、セリフを全部覚え無くても大丈夫ですから」
『ハァ・・・』
そうスタッフに助言されたものの、一同は分厚い台本を見て困惑の表情を浮かべた。メロディは、リズムをチラリと見ると、
「リズム、何かあったら助けてよ?」
「そう言われても・・・この台本、ほとんどアドリブでって書いてあるんですけど・・・」
台本を見たリズムは目を点にし、ブライトは速読で台本を読み終えるも、
「この台本って・・・渡された意味あるのかしら?」
「まあ、話の流れを理解するって面では、一応あるんじゃないかしらぁ?」
ブライトに話を振られたミントが、苦笑混じりにそう答えた。基本的な流れは、妖怪達と、人間側の味方をするプリキュアが、激しい激突をするも、最後には和解するといった内容だった。ルミナスは困惑しながら、
「私、アドリブとかそういうの苦手何ですけど・・・」
「余計なプレッシャーが掛かるわよねぇ?」
ビートも緊張しながらルミナスに同意し、台本を熱心に見ながらそう呟いた。サンシャインは、レモネードをチラリと見ると、
「その点レモネードは、台本って慣れてるわよねぇ?」
「でも、私もほとんど丸々アドリブって作品・・・バラエティならともかく、映画では初めてです」
主役こそまだ演じた事は無いものの、女優として映画やドラマ、舞台などを経験しているレモネードではあったが、こういう監督との仕事は初めてで、困惑の表情を浮かべた。マリンは両手を組んで後頭部に回し、
「アドリブで良いなら気が楽じゃん!適当にやれば良いんでしょう?」
「それじゃあ、NGになるんじゃないかしら?」
「何度もダメ出しされるだけでしょうねぇ」
お気楽な発言をしたマリンに、イーグレットとウィンディが少し呆れながら諭すも、バッドエンドサニーもマリンに同意し、
「まあエエやん、駄目やったら勝手にやり直させるんやろう?」
「そうね・・・でも、他の役者さんの迷惑になる事だけは避けたいわねぇ」
ベリーは、妖怪役やサムライ役の役者さんに気を使った。だいぶ構想が纏まってきた監督の背後から、声を掛ける者が居た。監督がギロリと背後を振り向くと、
「監督殿、拙者も映画に出しては頂けぬでござろうか?」
「君は!?」
「拙者は、風の吹くまま、気の向くまま渡り歩く・・・風来坊ポップ!」
監督にアピールしたのは、人間姿に変化したポップが、サムライのような服を着て、着物の脇に脇差しをさして立って居た。その頭部には、動物のような耳が、お尻からはフサフサした尻尾が生えていた。一同は思わず驚き、
『エッ!?』
「ポップって、人間姿になれたの?」
マーチがブンビーに抱かれたキャンディに聞くと、キャンディも良く分からないのか首を傾げた。監督はポップの容姿を見ると、サングラスをキラリと輝かせて頷き、
「オォォ!?良い、良いよぉ、君ぃぃ!是非君も出演してくれたまえ!!」
「ほ、本当でござるかぁ?忝ないでござる!」
ポップは目を輝かせながら、サムライ側に居るアン王女とリコの側に並んだ。
スタッフの動きが慌ただしくなり、冒頭に出番があるアン王女とリコに指示が飛んだ。監督は四方に目を配り、
「準備良い?それじゃあ、妖怪オールスターズ対プリキュアオールスターズ・・・ヨ~~イ・・・アクション!」
監督の指示の下、妖怪オールスターズ対プリキュアオールスターズの撮影がついに開始された・・・
息せき切って走る二つの人影、その直ぐ後を、異形な姿をした妖怪の群れが追いかけた。慌てて逃げるのは、綺麗な着物を着飾った、どこかの姫君であるリコ姫と、その母親である藩主の妻アン奥方、家来の者は次々と妖怪達に倒され、地べたに倒れ込んだ。
「誰かぁ!誰かぁぁ!!」
「お母様、リコ怖い!」
震えながらアン奥方にしがみつくリコ姫を、アン奥方は庇いながら後退り、追いついて来た河童や天狗が、ジワリ、ジワリと二人を包囲した。
その時・・・
「待ちなさぁぁい!」
ピンクの衣装を着た一人の少女が、屋根の上から飛び降り、リコ姫とアン奥方を庇った。
「河童さんや天狗さんは、こんな悪い事何てしない!」
「何だ!?お前は?」
「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!!」
ハッピーが名乗り身構えると、背後で庇われていたアン王女とリコが小声でハッピーに囁き、
「ハッピー、登場するの早すぎですよ?」
「ブラック達が出てからでしょう?」
「アレェ!?そうだっけぇ?エへヘヘヘ」
アン王女とリコに注意されたハッピーは、頭をポリポリ掻きながら笑って誤魔化した。頭を掻くハッピーを見たスタッフは、困惑しながら監督に話し掛け、
「監督、ストップしましょうか?」
「いや、良いんじゃない・・・続けてぇ」
監督の一声で、撮影はそのまま続行された。妖怪達の背後から、黒い衣装を着た五人組が現われた。
「アララァ、誰かと思えば・・・私達バッドエンドプリキュアの邪魔をしに来たのかなぁ?」
「エエ度胸やなぁい」
「クスクスクス、お姫様と年増の二人を、素直に差し出せば良いいのにぃ」
バッドエンドプリキュアと名乗った、バッドエンドハッピー、サニー、ピースが、キュアハッピーを挑発するも、
「年増ですってぇぇぇ!?」
「お、お母様、抑えてぇぇ」
アン王女は、バッドエンドピースに年増とアドリブで呼ばれた事で立腹するも、娘役のリコが必死に宥めた。
「あたし達五人とやろうってぇのかい?」
「一人で向かって来た事・・・後悔させてあげるわ」
「エッ!?エェェと・・・本気じゃないよね?」
バッドエンドマーチとビューティの迫力の前に、思わずハッピーは演技だよねと確認した。その時、ハッピーの側に次々とプリキュア達が現われ、
『一人じゃ無いわ!プリキュアオールスターズ参上!!』
「みんなぁぁ!」
ハッピーの前に勢揃いしたプリキュア達、ハッピーも加わり、総勢29人のプリキュア達が、バッドエンドプリキュアの五人と睨み合いになった。バッドエンドハッピーは、プリキュア達をキョロキョロ見渡し、
「何て数なの!?」
「数なら負けないよぉぉ・・・妖怪のみんなぁぁ、集合!」
『オォォォ!』
バッドエンドピースに呼ばれた妖怪オールスターズが、続々と姿を現わした。その中には、隙を付いてプリキュアを倒そうと考えて居る、人虎も含まれていた。ルージュ、ビート、マーチは、お芝居とは分かって居たものの、妖怪達の容姿を見て少しビビリ、
「映画の中とは言え・・・こうして大勢の妖怪を見るのは、良い気がしないわねぇ?」
「ウン・・・出来れば戦いたく無いわね」
「あたし何か、見られるだけで怖くなってくるよぉ・・・」
三人は、徐々に後ろに下がって行った。更に妖怪達の群れの中から、黒い衣装を着た一人がゆっくり姿を表すと、バッドエンドハッピー、サニー、ピース、マーチが声を掛け、
「「「「ブラック先輩!」」」」
「フフフ、私達に逆らおうと言うのは、その娘達かい?」
キュアブラックは、悪役っぽい演技をし、思わず見て居たホワイトが、笑いを堪えきれず、後ろを向いてクスクス笑った。ドリームはブラック達を指差し、
「お姫様と奥方様は・・・私達が守って見せる」
「エェェ!?守る?フフフ、私達妖怪オールスターズが、これだけだと思って居たの?」
「エッ!?どういう事?」
ブラックのアドリブに、ブルームが驚いたその時、両チームの間の空間に亀裂が走った。突然現われた空間の亀裂に、スタッフ達がざわめき、
「か、監督ぅぅ!中断しましょう!!」
「良いんじゃない!?・・・続けて!」
監督は倚子に座りながら、一人満足気に何度も頷いた。突然現われた空間の亀裂に、ブラックとエコーを除いたプリキュア達も驚愕の表情を浮かべた。ムーンライトが思わず声を出し、
「エッ!?これは何?」
「実は、さっきブラックに頼まれて・・・嫌だなぁ、みんなに怒られちゃうよぉぉ」
『エッ!?』
トホホ顔を浮かべたエコーが、言いにくそうにポツリと呟き、一同は再び空間の亀裂を見た。空間の亀裂から、徐々に人影が現われだした。空間の亀裂が治まると、一同の目の前に、黒い衣装を着た五人の少女達が姿を現わした。監督は、想像しない展開に興奮して、倚子から思わず立ち上がった。
「オォォォ!良いよぉぉ、仲間を呼んだわけだねぇぇ?」
姿を現わしたのは、ダークプリキュア5の五人、ダークドリームは周囲を見渡し、
「みんな、数ヶ月ぶりにね!」
『ダークプリキュア5!?』
「あれが、今あんた達が戦ってる敵って事かい?」
「確かに大勢居るね・・・」
「私達も手を貸すわ」
「一緒に戦いましょう」
ダークルージュ、ダークレモネード、ダークミント、ダークアクアの視線が、妖怪の面々に向けられた。人虎は、更に増えたプリキュアに驚き、
(また増えた!?プリキュアってこんなに居るのかぁ?だが、何か仲間割れしてるようだし、そこを付けば・・・)
人虎は、この仲間割れが芝居だとは気づいては居なかった。
ダークプリキュア5の五人は、妖怪達に大して身構えると、慌ててブラックは両手を大きく振って五人を止め、
「違う、違う、妖怪は私達の味方で、敵は後ろ」
「「「「「エッ!?・・・・エェェェェ?」」」」」
ブラックに、敵は後ろと言われたダークプリキュア5の五人、後ろを振り返ってみても、そこにはプリキュアの仲間達しか居なかった。
「「「「「これは一体、どういう事なの!?」」」」」
「実わさぁ・・・」
ブラックは、困惑するダークプリキュア5に、大凡の経緯を説明すると、見る見る五人は、呆気に取られた表情でブラックを見つめた。ダークアクアは、エコーを恨めしそうに見ると、
「エコー、そんな事で私達を呼んだの?」
「ゴメンなさぁい。ブラックがどうしてもって言うから・・・」
エコーは、半泣きしそうな表情でそう告げると、五人の視線が一斉にブラックに注がれた。
「「「「「ブラックゥゥ!」」」」」
「アハハハハ!まあまあ、良いじゃない!ほら、バッドエンドプリキュアの五人も私達の仲間何だし、一緒に映画に出ようよ」
「「「「「ハァ・・・」」」」」
ブラックは笑って誤魔化し、ダークプリキュア5は思わず溜息を付いた。バッドエンドハッピーは、両手を振ってダークドリームに話し掛け、
「ヤッホー!久しぶりぃ・・・本当に前にあなたが言ってたように、並んで戦う事になっちゃったねぇ?」
「こういう意味で言ったんじゃないわ・・・」
バッドエンドハッピーにそう言われたものの、ダークドリームは跋が悪そうにポツリと呟いた。ブラックの悪知恵は更に続き、
「フッフッフ、彼女達だけじゃ無いよ。あなた達の中にも、既に私達の仲間を潜り込ませて居たんだぁ」
『エッ!?』
ブラックのアドリブに、再びプリキュア達は驚くと、ブラックはニンマリしながら、
「さあ、こっちに戻っておいで、地味な色をした緑コンビ、ミントとマーチ!」
「「地味ぃぃぃ!?」」
ブラックのアドリブによって、スパイとしてプリキュアに紛れていた事にされたミントとマーチが困惑した。二人は、困惑しながら監督の方をチラリと見ると、監督はコクリと頷き、二人はトボトボ妖怪サイドに歩いて行った。
「何だか良く分からないけど、こっちの仲間になったわ。よろしくね」
「トホホ・・・よりにもよって妖怪側何て」
苦笑しながらも、何所か楽しそうにダークミントと会話するミント、妖怪の群れが背後に居る事で、ビクビクするマーチ、ホワイトは目を点にすると、
(ブラックったら、何か企んでると思ったらぁ・・・こういう事だったのねぇ?)
ブラックのアドリブを見たバッドエンドピースは、心底楽しそうに、
「キャハハ、何か面白~い!私もやろうっと・・・ピース、ソード、こっちにおいでぇぇ」
「「エッ!?」」
「私達Wピースだし、ソードは私のパシリだし・・・」
「ワァァァァァァ!」
バッドエンドピースにパシリと言われたソードは、慌てて飛び出しバッドエンドピースの口を塞ぐも、まんまと策略に嵌って、妖怪サイドに寝返った格好になった。ピースは一同にペコペコ頭を下げ、遅れて妖怪サイドに移った。最早台本など完全無視な展開になり、助監督は困惑しながら監督に話し掛け、
「監督ぅぅ、このままじゃ収集付かなくなっちゃいますよぉぉ?」
「心を揺さぶる精神攻撃って訳ね・・・良い!実に良いよぉぉぉ!!」
「監督ぅぅぅぅ」
立ち上がって興奮する監督とは逆に、助監督の不安は一層強まった。ブラックは更にプリキュア達を揺さぶり、
「ほらほら、こっちサイドに来れば目立てるよぉぉ?」
ブラックの精神的揺さぶりは、プリキュア達の何人かの心を揺さぶった。ベリーは小声で隣に居たピーチに話し掛け、
「確かに、あっちの方が好きなように出来そうよねぇ?」
「ウン、楽しそうだよねぇ?」
ピーチもチラリと妖怪サイドを見て呟いた。マリンは誘惑に心引かれ、
「あたし・・・あっちに行こうかなぁ?」
「エェェ!?マリン、駄目ですよぉぉ」
ブロッサムは、誘惑に負けそうなマリンの右腕を掴んで引き留めた。ブラックは、精神的揺さぶりが効果あると分かり、更にルミナスに話し掛け、
「ルミナスゥゥ、どう?」
「わ、私ですか!?」
ブラックがルミナスまで勧誘し出すと、ホワイトは口を尖らせてブラックを恨めしそうに睨み、
「ブラックゥゥゥ!」
「ワァァ、ホワイトが怒ったぁぁぁ!」
「「「怖い、怖い」」」
「もう!」
ブラックは、バッドエンドハッピー、バッドエンドピースを従えて、怯えた表情を見せ、ホワイトを悔しがらせる。ムーンライトは、ホワイトの右肩を掴むと、
「このままじゃ、ブラックのペースに巻き込まれて、話が滅茶苦茶になってしまうわ。私達で軌道修正しましょう」
「そう、そうね」
ムーンライトの助言を受け入れ、再び台本のような展開に戻そうと、ホワイトとムーンライトが動き出した。
二人の活躍もあり、脱線した物語も徐々に軌道修正し始めた。今正にキュアブラック率いる妖怪オールスターズと、ホワイトとムーンライト率いるプリキュアオールスターズが激突しようとしたその時、
「待つでござるぅぅぅ!」
『エッ!?』
両者の間に一人のサムライが、ゆっくり歩きながら姿を現わした。
5、真の黒幕!?
突然現われたサムライの姿に、奥方役のアン王女はサムライに話し掛けた。
「あなた様は一体!?」
「拙者は、風の吹くまま、気の向くまま渡り歩く・・・風来坊ポップ!」
おいしい場面で現われたポップに、ピーチは小声でベリーに話し掛け、
「第三勢力って手もあったねぇ?」
「失敗したわねぇ?」
「「ピーチ、ベリー・・・」」
パインとパッションは、そんな二人を見て思わずトホホ顔を浮かべた。両者の間に立ったポップは、
「皆の衆、これは妖怪と人間を争わせようとする、何者かの策略でござるぞぉ!」
(ギクゥゥゥ!?)
両者が争っている隙を付いて、プリキュアを一人ずつ倒そうと考えて居た人虎は、思わずドキリとした。よくポップの容姿を見てみれば、頭には獣のような耳、尻からは尻尾が生えていた。見る見る人虎の顔色が変わり、
(あの野郎も魔界の者だなぁ?俺の手柄を奪おうって魂胆だなぁ・・・そうはさせるかぁぁ!)
最早これまでとばかり、人虎は妖怪達を押しのけてポップの前に現われると、
「プリキュアを倒し、シャックス様への手土産にしようと隙を窺っていたが、テメェに俺の獲物の邪魔させねぇぇ!」
『エッ!?シャックス?』
プリキュア達は、これも妖怪役の人のアドリブだろうかと困惑して成り行きを見守って居たが、シャックスの名が出た事で、表情が険しくなった。ポップは人虎を指差し、
「お主の数々の策略、断じて許さないでござるよ!」
「ウルセェ!」
人虎は、両手の鋭い爪をキラリと輝かせると、ポップ目掛け攻撃を開始した。ポップは慌てて躱しながらも、これを芝居と思い込み続け、
「中々やるでござるなぁ・・・拙者の秘伝、受けてみるでござるぅ!メルヘン流奥義!妖精斬りぃぃ・・・でござるぅ!!」
ポップは勢い良く宙に飛び、空中で三回転してその勢いのまま人虎の爪目掛け刀を振り下ろした。だが、人虎の鋭い爪の前に、刀は真っ二つに折れた。ポップは膝から崩れ落ち、
「拙者の愛刀、メルヘン佐衛門正宗が真っ二つにぃぃぃ!?」
「「何やそれぇぇ!?」」
思わずWサニーが同時にツッコミを入れた。勝ち誇った人虎は、ポップにゆっくり近づき、止めを刺そうとするも、ハッと我に返ったブラックは、
「そうか、アンタが私達を欺して、プリキュアと争わせようとしてたんだねぇ?」
「エッ!?」
機転を利かせたブラックのアドリブで、全ては人虎が企んだ事とした。人虎は思わず呆気に取られた表情を見せるも、ホワイトにもブラックの考えが分かり、ブラックに話を合わせると、
「今こそ、私達プリキュアと」
「妖怪の力を合わせる時」
「「みんなぁ・・・行くよぉぉ!」」
ブラックとホワイトの合図を受け、妖怪オールスターズとプリキュアオールスターズの面々が右手を挙げ、
『オォォォォ!』
一同の声が合わさり、人虎に一斉に視線が向けられた。人虎は思わず怯み、
「エェェェ!?こ、こうなったらぁ、全員返り討ちにしてやるぅぅぅ」
人虎も雄叫びを返し、今最後の決戦がはじまろうとしていた。監督は興奮し、思わず倚子の上に乗ると、
「良いよぉぉ!最後の大決戦って感じ出てるよぉぉぉぉ!!カメラァァ、もっとアップで撮ってぇぇぇ!!!」
監督の指示の下、カメラマンが一同をアップで映し出す。そんな中でも、マリンは常にカメラ目線を忘れなかった。
「ダークドリーム!」
「ドリーム!」
左右の屋根に上がった二人のドリームは、
「プリキュア!シューティングスター!!」
「プリキュア!ダークネス・スター!!」
ピンクの流星が右側から、黒き流星が左側から同時に飛び立ち、人虎の鋭い爪を真っ二つにへし折った。人虎は呻き、近くにあった民家を破壊し出すと、破片が妖怪役やサムライ役の役者に当りそうになり、ブラックとホワイトは同時に叫び、
「「ルミナスゥゥ!」」
「ハイ!」
返事を返したルミナスが、サムライ達と妖怪達の前に出て、バリアを張って破片から守った。更にミント、サンシャインもルミナスに加勢し、三人は役者達を守った。
「ウゥゥオォォォォ!」
人虎が雄叫びを上げ、息を大きく吸いこむと、人虎の身体が更に巨大化した。監督は興奮して倚子の上でハシャギ、
「オォォォ!?凄い迫力だぁぁぁ!」
「何だぁ、アリャ~!?ひょっとして・・・本物混じってたぁぁ?」
ブンビーは、ようやく人虎が本物の魔物だと理解して困惑した。だが、プリキュアが居れば大丈夫だろうと判断し、監督の横で見続けた。
アクア、ダークアクア、ビート、ソードがジャンプし、上空からサファイアアロー、ダークアロー、ビートソニック、ホーリーソードで人虎を牽制し、レモネードとダークレモネードが、人虎の両腕をプリズムチェーンとダークネスウィップで絡め取り、動きを制限した。
「バッドエンドビューティ、私達は足を封じましょう」
「あなたに命じられるのは気に入らないわねぇ・・・まあ良いでしょう」
二人のビューティは、ツインブリザードで人虎の両足を完全に凍らせた。ブラックとホワイトが人虎の目の前に立つと、
「「これで終りよ!」」
「ブラック、サンダー!」
「ホワイトサンダー!」
「プリキュアの、美しき魂が!」
「邪悪な心を打ち砕く!」
「「プリキュア!マーブルスクリュー・・・」」
ブラックが右手に、ホワイトが左手に力を込めて前に突き出すと、
「「マックス~~!!」」
二人の掛け声と共に、マーブルスクリューマックスが人虎目掛け飛んでいった。動きを封じられていた人虎は、為す術無くマーブルスクリューの直撃を受け、闇に帰った・・・
「フゥ、手強い敵でござったなぁ・・・」
「「あんたは、剣を折られて落ち込んでただけでしょうが?」」
額の汗を拭いながら、そう呟いたポップに、思わず二人のルージュが同時にツッコミを入れた。ポップは立ち上がると、リコ姫とアン奥方に声を掛け、
「拙者はこれで・・・」
「あ、あのぅ・・・お名前は?」
「拙者、風来坊のポップ。名乗るほどのものではござらんよ・・・」
「「名乗ってるでしょうがぁぁぁ」」
「「名乗ってるやん」」
二人のルージュと二人のサニーが同時にツッコミを入れる中、風来坊ポップは去って行った・・・
「カァァァァトォォォォォ!」
監督は、鼻息荒く興奮しながら一同に駆け寄り、一人づつ握手を交わし、
「いやぁ、ありがとう!君達のお陰で素晴らしい作品が出来たよぉぉ!!試写会にはぜひ来てくれたまえ」
『ハイ!』
無事に撮影が終わるも、ポップは監督に話があるからと一人映画村に残り、一同は、ダークプリキュア5、バッドエンドプリキュアを連れて京都観光を楽しんだ。
そして、試写会当日・・・
映画に出たプリキュア達とリコ、アン王女が勢揃いし、試写会を今か今かと待ち焦がれていた。ブラックは、前の席で監督の隣に人間姿のポップが座っているのに気付き、
「ハッピー、何でポップは監督の隣に居るの?」
「さぁ!?何でも、編集を手伝ったって言ってました」
『へぇ・・・』
監督の挨拶の後、いよいよ上映が開始された。盛大な拍手が、観客達、プリキュア達から浴びせられた。リコとアン王女が逃げる中、河童と天狗に追いかけられて始まる冒頭、
「この後私が・・・」
ハッピーは、少し恥ずかしそうにしていたものの、
「待つでござるぅぅぅ!」
そう言って画面に現われたのはポップであった。ハッピーは首を傾げ、
「アレェ!?ここ私だったよねぇ?」
『ウン・・・』
一同も、何故いきなりポップが現われたのか分からなかったが、映画が進む度に、一同の表情はどんどん困惑した表情になっていた。何故なら、映画はポップが主役のように編集されて居たのだから・・・
「中々やるでござるなぁ・・・拙者の秘伝、受けてみるでござるぅ!メルヘン流奥義!妖精斬りぃぃ・・・でござるぅ!!」
ポップは勢い良く宙に飛び、空中で三回転してその勢いのまま人虎目掛け刀を振り下ろした。
「ウゥゥオォォォォ!」
人虎の雄叫びの後、ポップのアップに切り替わり、
「フゥ、手強い敵でござったなぁ・・・」
ルージュは思わず目を点にし、
「な、何!?何なの、この捏造編集は?」
まるで、ポップ一人で人虎を倒したように編集されており、見る見るプリキュア達は変顔をしたり、呆れた表情を浮かべた。更に映画はラストシーンに入り、風来坊ポップは立ち上がると、リコ姫とアン奥方に声を掛け、
「拙者はこれで・・・」
「あ、あのぅ・・・お名前は?」
「拙者、風来坊のポップ。名乗るほどのものではござらんよ・・・」
去って行くポップと共に、エンドロールが流れ始めた・・・
(な、何だぁ!?この映画?プリキュアほとんど出て無かったぞぉ?)
ブンビーは、思わず額から汗が流れ始めた。背後をチラリと振り向くと、薄暗い室内の中、映画出演に前向きだったブラック、ブルーム、ドリーム、ルージュ、レモネード、ローズ、ピーチ、ベリー、ブロッサム、マリン、メロディ、ビート、ハッピー、サニー、ピース、マーチ、バッドエンドハッピー、バッドエンドサニー、バッドエンドピースの19人のプリキュア達の周辺には、赤いオーラが揺らめいていた。
(怒ってる・・・メッチャ怒ってるよぉぉぉ!!)
ブンビーは、隣に居る深澤監督、その隣で満足そうな表情を浮かべるポップに、プリキュア達が怒っている事を知らせようとするも、キャンディはポップに声を掛け、
「お兄ちゃん、格好良いクルゥ!」
「いやぁぁ、それ程でも・・・有るでござるよ!」
『出るんじゃ無かった・・・』
ポーズを決めるポップを見て、ホワイト、ルミナス、イーグレット、ミント、パイン、サンシャイン、ビューティ、エコー、ダークプリキュア5の13人が項垂れた。
「エェェと・・・私達、何しに行ったんでしょうか?」
『最悪・・・』
苦笑したルミナスに、ブライト、ウィンディ、アクア、パッション、ムーンライト、リズム、ミューズ、ソード、バッドエンドマーチ、バッドエンドビューティの10人も困惑しながら同意した。
((良かった、私達には出番が有った))
アン王女とリコは、内心ホッと安堵していたが、あまりに酷い編集に、数人のプリキュアが切れた・・・
真っ先に倚子から立ち上がったバッドエンドマーチは、プリキュア達一同を見渡しながら、
「オイ!あいつら殴る気力残ってるかぁ?」
「あたしはやるよ・・・こういう冗談は好きじゃ無い!」
「プンスカプン!私も、私も」
バッドエンドマーチに、真っ先に賛同したのはダークルージュ、バッドエンドピースも同意した。映画出演に前向きだった人物達や、時間の無駄にされて怒った人物達が、盛り上がる深澤監督とポップを睨んでいた。ブンビーは、その迫力にガタガタ震えだし、
(わ、私は関係無いからねぇ・・・)
ブンビーは、暗い室内に紛れて逃げ出そうと試みるも、深澤監督に話を振られ、逃げるに逃げられない状況に陥った。
この直ぐ後、ブンビー、深澤監督、ポップの悲鳴が室内に響き渡った・・・
妖怪オールスターズ対プリキュアオールスターズは、後に四葉ありすが著作権を買い取るまで、お蔵入りになったという・・・
第百十九話:妖怪オールスターズ対プリキュアオールスターズ!?
完
第百十九話投稿致しました。
日常編も今回で最後になる予定ですので、ダークとバッドエンド達も参加させたオールスター物にしてみました。
キラキラ・・・高校生コンビ良いですねぇ!でも、戦闘はちょっと技名叫ばないのもあり、物足りなさを感じてます。敵幹部のようなキャラも出て、次回は新アイテムも披露するようで、更に楽しみです。