プリキュアオールスターズif   作:鳳凰009

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第百十四話:夏休みの終り・・・

             第百十四話:夏休みの終わり・・・

 

1、魔王ゲーム

 

 やよいが、プリキュア達のちょっとエッチなイラストを、なぎさ達に内緒で描いていた事がバレ、やよいがお仕置きを受けていた同じ頃、魔王は、みゆきから内緒で手に入れた月刊ジャンジャンを読み、一人ニヤニヤしていた。

 

「やよいにこんな画が描けるとは、知らなかったカゲ・・・今度頼んで描いて貰うカゲ」

 

 魔王はニヤニヤしながら、更に他の漫画を読んで居ると、とある漫画の内容に目を奪われた。

 

「こ、これは!?・・・王様ゲーム?」

 

 魔王は目をキラキラ輝かせるも、魔王には、王様ゲームの意味が良く分からなかった。魔王は、リビングにいる育代の下に移動し、育代に話し掛けると、

 

「みゆきママ、王様ゲームって、何カゲ?」

 

「エッ!?魔王ちゃん、王様ゲームに興味あるの?」

 

 育代は、不思議そうに首を傾げるも、魔王の反応を見てクスリと笑い、

 

「私も、そんなに詳しい訳じゃ無いけど・・・」

 

 育代は、苦笑気味に魔王に王様ゲームの内容を教えた・・・

 

 割り箸などの棒状の物の端に、参加者の数と同じ数の棒に番号を振り、その中の1つには王様、もしくは王様と分かるような印がつけられ、当然ながらくじ引きをする際は、文字が見えないようにする。大凡の流れとしては、

 

 1、参加者が順番に、もしくは一斉にくじを引く。

 

 2、全参加者が声を合わせ、王様だ〜れだ?などの掛け声に合わせて、王様くじを引いたものが名乗り出る。

 

 3、王様はその権限で、○番が○で○○をするとか、○番と○番が○○をするなどの命令を出す事が出来る。

 

 4、指名された者は、一同の○番だ〜れだ?の掛け声に合わせて名乗り出て、王様に命令された内容を実行する。

 

 5、くじを回収し、再び王様を決める。

 

 魔王は、育代の説明に納得したのか、コクコク何度も頷き、

 

「つまり、みゆきママは魔王にチューするとかはダメで、○番は魔王にチューするって言えば良いカゲ?」

 

「まあ、そういう事ね・・・今度試しにみんなでしてみる?」

 

「本当カゲ!?」

 

 大喜びする魔王を、育代は目を細めながら見つめた。みゆきの部屋に戻った魔王だったが、気持ちが高ぶり色々想像して居ると、直ぐに試して見たい衝動に駆られた。

 

「確かみゆきは、やよいの漫画の感想を伝えに、不思議図書館に行くって言ってたカゲ・・・俺も行くカゲェェ」

 

 魔王は、月刊ジャンジャンを手に持ち、みゆき達の居る不思議図書館へと向かった・・・

 

 

 その不思議図書館では、一同に取り囲まれたやよいが、正座をしながらションボリしていた。やよいも反省しているようで、なぎさ達の怒りも徐々に収まった所に、魔王が月刊ジャンジャンを持って現われた。

 

「オォ!?お前達も一緒だったカゲかぁ・・・これは好都合カゲ」

 

『魔王!?』

 

 なぎさ達は、魔王が一体何しに来たのかと、怪訝な表情を浮かべるも、魔王は機嫌が良さそうにニコニコしていた。みゆきは不思議そうに首を傾げながら

 

「魔王、何か嬉しそうだねぇ?」

 

「カゲェ!記憶の手掛かりを見付けたカゲ!!」

 

『記憶の手掛かり!?』

 

「そうカゲ!この本を読んでて、何か思い出せそうなゲームが載ってたカゲ」

 

「アッ!?月刊ジャンジャン」

 

 やよいは、魔王が手に持ってる月刊ジャンジャンを見て、思わず顔が引き攣った。この本に載ったプリキュア達の、少しエッチなイラストの為に、今まで一同に散々叱られていたのだから・・・

 

(ど、どうしよう!?またみんなの機嫌が悪くなっちゃうかも?)

 

 やよいは、一同の顔色を窺いながらビクビクするも、一同は、魔王が発した記憶の手掛かりという言葉の方に関心が移ったようで、やよいは思わずホッと安堵した。やよいは魔王に話し掛け、

 

「記憶の手掛かりって、月刊ジャンジャンにあったの?」

 

「随分身近にあったのねぇ?」

 

 美希も心底驚いたようで首を傾げた。魔王はとあるページを開くと、興味があるのか近寄ってきた一同に見せた。ほのかとなぎさは、同じような変顔を浮かべ、

 

「エッ!?これが記憶の手掛かり?」

 

「ハァ!?これ、ただの王様ゲームじゃないの?」

 

「そうカゲ!俺は、魔王ゲームとしてやってた記憶があるカゲ」

 

(本当は、真っ赤な嘘カゲ)

 

 魔王は内心舌を出し、魔王に王様ゲームの話題を振られた一同は、思わず呆気に取られた。なぎさは微妙な表情を浮かべると、

 

「魔王ゲーム!?あんた、本当にそんな事してたの?」

 

「した記憶があるカゲ!だ・か・らぁ・・・お前達と魔王ゲームをすれば、何か思い出せそうな気がするカゲ」

 

 魔王の不気味な笑みを見て、困惑顔の美希は、冷めた視線で魔王に話し掛け、

 

「フゥゥゥン・・・あたし達と王様ゲームじゃなくて、魔王ゲームをしたいって言うの?」

 

「そうカゲ!協力してくれるカゲ?」

 

『断るわ!』

 

 一同は、まるでタイミングを合わせたかのように、一斉に魔王の頼みを断った。見る見る魔王の顔は不機嫌そうになり、

 

「何でカゲェ!?」

 

 首を傾げる魔王を、美希とのぞみがジト目で見つめ、

 

「何でって、自分で今まであたし達にしてきた事、考えてみなさいよ!」

 

「どうせ、イヤらしい事考えてるんでしょう?」

 

 魔王は、のぞみに図星を指されて思わずギクリとし、一同の冷ややかな視線が、魔王に浴びせられた。魔王は、このままではまずいと考えたのか、

 

「そんな事、ちょっとしか考えてないカゲェ」

 

「あのさ・・・そこは嘘でも良いから、否定するところっしょ」

 

 呆れ顔のえりかにツッコミを入れられた魔王だが、

 

「俺は正直者だから仕方ないカゲ・・・やってくれなきゃ、嫌カゲ、嫌カゲ、嫌カゲェェェェ!」

 

「子供かぁ!あんたは、全く・・・」

 

 なぎさは、床を転がりながら駄々を捏ねる魔王に、呆れたように話し掛けるも、ちょっと魔王に哀れみの気持ちもあった。なぎさは魔王を諭すように話し掛け、

 

「裸になれとか、そういう命令は絶対しない?」

 

「そういうのも有った方が、盛り上がると思うカゲ?」

 

「盛り上がるかぁ!そういう行為で喜ぶの、あんただけだから!!」

 

「裸じゃなきゃ良いカゲ?」

 

「一抹の不安はあるけど・・・裸を無しにするなら、参加してあげてもいいけど・・・」

 

「な、なぎさ、本当カゲ?」

 

『エェェェ!?やるの?』

 

 なぎさが、魔王ゲームに参加しても良いと告げると、一同は思わず目を見開き、驚いた表情を見せた。なぎさは苦笑しながら、

 

「まぁ、魔王の記憶の手掛かりになるっていうなら・・・」

 

「絶対嘘だと思うわ」

 

 せつなは真顔で即座に否定し、他の一同も頷いた。なぎさもそう思っては居たのか、せつなの言葉にコクリと頷き、

 

「まあ、私もそうだとは思うんだけど、何だかんだ言っても、魔王も私達には色々協力してくれてるしねぇ」

 

「なぎさぁぁぁ、以前メップルが言ってたように、お前、本当は優しいカゲなぁ・・・」

 

「お世辞を言っても、何も出ないから」

 

 魔王は少し感動したのか、目をウルウルさせながら、以前なぎさの部屋でメップルから聞いた事を思い出していた。なぎさが参加すると表明した事で、一同も不本意ながら魔王ゲームに参加を決めた。魔王は、育代から分けて貰った割り箸を用意すると、手回しの良い魔王に一同は驚き、変顔浮かべた咲が魔王に話し掛け、

 

「ねぇ、魔王・・・何か最初から、あたし達が参加するの見越してない?」

 

「お前達なら、きっと協力してくれるって信じてたカゲ」

 

「何か良いように利用されてる気もしますねぇ?」

 

「つぼみ、それは気のせいカゲ」

 

「そうでしょうか?」

 

 つぼみは困惑気味に首を傾げている内に、魔王はくじの準備を終えた。

 

2、暴君

 

 人数が多い為、魔王以外3グループに別れて魔王ゲームに参加する事となった。第1グループは、なぎさ、薫、りん、かれん、ラブ、いつき、奏、アコ、やよい、れいか、アン王女で、第2グループには、ほのか、舞、満、のぞみ、うらら、美希、祈里、えりか、響、あかね、なおで、第3グループには、ゆり、ひかり、咲、こまち、くるみ、せつな、つぼみ、エレン、みゆき、あゆみ、真琴に別れた。

 

「じゃあ、最初はなぎさ達のグループカゲ」

 

 ニコニコした魔王に呼ばれ、第1グループのメンバーが魔王に近付いた、一同がくじを掴むと、

 

『魔王はだ~れだ?』

 

 一同が一斉にくじを引き上げると、魔王の顔が描かれた箸を引き当てたのは、魔王だった。

 

「カゲカゲカゲカゲ!俺が魔王カゲェ!!」

 

 魔王はスケベ顔でニヤニヤし、なぎさ達の顔から血の気が引いた。一体どんな事をさせようとするのか想像すると、一同はゴクリと生唾を飲み込んだ。魔王はラブを見て内心ニヤ付くと、

 

(カゲカゲカゲ、実は、ラブがくじを引き上げる時、数字が見えたカゲ!ラブは6番カゲ・・・)

 

 魔王は軽く咳払いすると、第1グループのメンバーを見渡し、

 

「じゃあ、命令するカゲ・・・9番は、6番の胸を揉むカゲ!」

 

『・・・・・・・・・いきなりぃ!?』

 

 魔王のエッチな命令がいきなり下り、一同は不満そうに魔王を睨み、なぎさは呆れたように魔王に話し掛け、

 

「あんたは、全く・・・」

 

「裸じゃないから良いカゲ。さあ、9番は6番の胸を揉むカゲ!」

 

 ラブは、顔を真っ赤にしながら手を上げてくじを見せ、

 

「6番の人、ゴメン!私が9番何だよねぇ」

 

(アレェェ!?)

 

 魔王は、ラブが9番だと申告した事で、思わず首を傾げるも、直ぐにある事に気付いた。

 

(し、しまったカゲ!俺は、9と6を逆に見てたカゲ・・・じゃあ、6番は一体!?)

 

 困惑した魔王がラブ以外のメンバーの顔を伺うと、不機嫌な表情をしたアコが無言でくじを一同に見せた。奏は思わず目を点にし、

 

「アコが6番!?」

 

「チッ!」

 

 アコが6番だと知り、薫が思わず自分のくじを見て舌打ちし、思わずなぎさ達が苦笑した。ラブはアコに謝りながら、

 

「何かゴメン・・・」

 

「ウゥゥゥゥ」

 

 胸の大きなラブが、まだ少女の体型のアコの胸を揉む異様な光景に、一同は沈黙した。アコは、恥ずかしさと悔しさが混ざったような、複雑な表情で魔王からの命令をクリアした。

 

「じゃあ、次は第2グループカゲ!」

 

 魔王に呼ばれた、第2グループのメンバーがくじを握った。ほのかは困惑した顔で魔王に話し掛け、

 

「今見たいのは無しよ?」

 

「さあ、それは分からないカゲ!」

 

 惚け顔の魔王を見て、なおは困惑気味に、

 

「とにかく、魔王にさえ当らなければ・・・」

 

『魔王はだ~れだ?』

 

 一同が一斉にくじを引き上げると、魔王の顔が描かれた箸を引き当てたのは、再び魔王だった。

 

「カゲカゲカゲカゲ!また俺カゲ!!」

 

 高笑いする魔王に、舞は怪訝な表情を浮かべながら話し掛け、

 

「魔王、くじに細工してない?」

 

「そんな事してないカゲ。日頃の行いが良いからカゲ」

 

「何かムカツクなぁ・・・」

 

 魔王の話し方に少しイラ付いたえりかが思わず頬を膨らませた。魔王は第2グループのメンバーを見回すと、

 

「じゃあ命令するカゲ・・・3番と10番は、ウインクしながら魔王ちゃん大好きって言うカゲ!」

 

『・・・・・・・・・・』

 

 第2グループのメンバーは、思わず沈黙しながら自分が引いたくじを確認した。見る見るガックリ項垂れたのはのぞみと響で、二人は気怠そうな表情で顔を見合わせた。

 

「さっきよりマシと言えばマシだけど・・・」

 

「恥ずかしいよねぇ・・・」

 

「さあ、3番と10番は、早くウインクしながら魔王ちゃん大好きって言うカゲ」

 

「「分かったわよ・・・・・魔王ちゃん、大好き・・・って、恥ずかしぃぃぃぃぃ」」

 

 顔を真っ赤にしながら、のぞみと響は恥ずかしげにウインクしながら、魔王の命令を実行した。魔王はご機嫌でフワフワ宙に浮かび、のぞみと響は、力が抜けたようにガックリ膝から崩れ落ちた。

 

「次は第3グループカゲェ!」

 

 魔王に呼ばれた第3グループのメンバーが、渋々魔王に近寄りくじを握った。ゆりは一同を見回し、

 

「みんな、魔王が魔王のくじを引かないように頑張りましょう」

 

『エエ!』

 

 ゆりの言葉に、他の第3グループのメンバーが力強く頷き返した。

 

『魔王はだ~れだ?』

 

 くじを引き、一斉に一同がくじを見ると、みゆきの表情が輝き、

 

「ヤッタァ!私が魔王だ!!」

 

「「「「「良くやったわ、みゆき!!」」」」」

 

 ゆり、咲、くるみ、せつな、エレンが、みゆきの肩を叩いて激励し、

 

「みゆきちゃん、ナイス!」

 

 あゆみが思わずみゆきに抱き付いた。

 

「「「「流石みゆきさん!」」」」

 

 ひかり、こまち、つぼみ、真琴が、笑みを浮かべながらみゆきを称えた。魔王は軽く舌打ちし、

 

「チッ・・・まあ、今回はみゆきに譲ってやるカゲ」

 

 みゆきが魔王を引き当てた事で、一同はホッと安堵し、みゆきも簡単な命令にしようと考えると、

 

「じゃあ、1番と5番の人が握手するっていうのはどうかなぁ?」

 

「安心しました!私が1番です」

 

「本当よねぇ・・・私が5番よ!」

 

 ひかりが、右手で胸を押さえてホッと安堵した表情を浮かべ、くるみも魔王をドヤ顔で見ながら番号を明かした。二人は軽い気持ちで右手を差し出して握手するも、それを見て居た魔王は、やれやれといった表情で頭を左右に振り、

 

「それじゃつまらないカゲェ・・・先代魔王特権発動!1番と5番は、現在の魔王の尻を叩くカゲェ!!」

 

「エェェ!?何、先代魔王特権ってぇ?」

 

 魔王の突然のルール変更に、みゆきが驚いて聞き返すと、魔王は反り返りながら、

 

「二回以上続けて魔王を引いたら、一度先代特権を行使出来るカゲ」

 

「何それ!?そんなの聞いて無いよぉぉぉ・・・ハップップゥ」

 

 魔王の滅茶苦茶な提案に、みゆきは頬を膨らませて抗議し、他の一同も魔王にブーイングを浴びせた。

 

「フフフン、悔しかったらお前達も、二回続けて魔王を引けば良いカゲェ!さあ、1番と5番は、現在の魔王の尻を叩くカゲェェ!!」

 

「何て悪知恵が働くのかしら!?」

 

「魔王を甘く見てましたねぇ」

 

「みゆき・・・ゴメン!」

 

「みゆきさん、すいません」

 

 くるみとひかりは、困惑しながらも、魔王ゲームの立案者である魔王の命令を実行し、みゆきのお尻を軽く叩き、みゆきは恨めしそうに魔王を見つめた。

 

「さあ盛り上がって来た所で、再び第1グループカゲ!」

 

 上機嫌の魔王に反し、なぎさ達一同のテンションは盛り下がって行った・・・

 

 魔王は、立て続けに魔王くじを引き当て、第1グループでは、2番のかれんと、7番のれいかが魔王の頬にキスをし、第2グループでは、4番の祈里と、11番のなおが、プリキュアに変身して、月刊ジャンジャンに載ってる自分達のイラスト通りのポーズを取らされた。第3グループでは、8番のこまちと、9番の真琴が、魔王に頬擦りさせられた。ほのかは魔王を指差し、

 

「いくら何でもおかしいわ!絶対くじに細工してるでしょう?」

 

「そう思うなら、他の奴がくじを持っても良いカゲ」

 

「そうさせて貰うわ!くじは私が・・・」

 

 魔王の不正を疑い、今度はゆりがくじを持って一同にくじ引きさせるも、再び魔王を引き当てたのは魔王だった・・・

 

「どうして魔王ばかり!?」

 

「何か細工してあるとしか思えないわ!」

 

「でも、証拠が無いんやでぇ・・・」

 

 満が首を傾げ、せつなは不正をしていると訴えるも、あかねは、証拠が無いのではどうしようも無いと肩を竦めた。魔王は高笑いを始め、

 

「カゲカゲカゲ!キングオブ魔王の前に、敵は無いカゲェ!!」

 

 暴君魔王の天下が続いたものの、ようやくその天下が終わろうとしていた・・・

 

 

3、今まで世話になったカゲ

 

 それは、第3グループの4巡目で起こった。

 

『魔王はだ~れだ?』

 

 第3グループのメンバーがくじを引き当てた時、せつなは思わず拳を握り、更に魔王が引いたくじを凝視し、魔王が引いたくじが1番だという事も見抜いた。

 

「私が魔王のようね!」

 

「良かったぁ・・・さっき先代魔王特権も使ったし、これで魔王に邪魔されずに命令を実行出来ますね?」

 

「エエ、この下らないゲームを、これで終りにして見せるわ!」

 

『オォォォ!?』

 

 せつなの自信に漲る表情を見て、思わず一同が響めいた。せつなは軽く咳払いすると、

 

「じゃあ、命令するわよ?1番は・・・このゲームを終わらせて、この世界から追放よ!」

 

「カゲェェェェェェェェ!?」

 

『エェェェ!?』

 

 せつなの、魔王としての非情の命令が、1番を引いた魔王に下された。そのエグイ命令には、他のメンバーもドン引きし、ラブは慌ててせつなに話し掛け、

 

「せ、せつな、いくら何でも、その命令はやり過ぎじゃ?」

 

「いえ、これぐらいやらなきゃ、1番の人には分からないわ!」

 

(とはいえ、私も本気で言ってる訳じゃ無いけど・・・きっと魔王は泣きついてくるわ!)

 

 せつなは、本心から魔王を追放しようと考えた訳では無く、魔王を少し懲らしめようとこんな命令を出し、魔王が泣きついてきたら、許して上げるつもりだった。魔王は暫らく沈黙し、なぎさ達一同の顔を一人一人ジィと見て行くと、

 

「お前達と会って数ヶ月・・・色々楽しかったカゲ!」

 

「エッ!?魔王、何言って・・・」

 

 魔王のしんみりした表情に、みゆきはハッとし、なぎさも魔王の異変に気付いて、

 

「ちょ、ちょっと、魔王!?せつな、やり過ぎよぉぉぉ!」

 

「ま、待って、魔王!冗談、冗談だから・・・魔王?」

 

 せつなも慌てて魔王を引き留めるも、魔王は一同に満面の笑みを浮かべると、

 

「みんな、今まで世話になったカゲェ!」

 

 そう言い残し、魔王は不思議図書館から飛び出して行った。一同は顔面蒼白になり、魔王の後を慌てて追うも、魔王の姿は忽然と消えて居た。みゆきは、膝から崩れ落ちて泣きじゃくり、

 

「ウワァァァァン・・・せつなさん、酷いよぉぉぉ」

 

「ゴ、ゴメン、まさか本気にする何て・・・私、魔王を捜して連れ戻してくる!」

 

 せつなは、慌ててアカルンを呼び出し、魔王の行きそうな場所を探すも、魔王の姿は忽然と消えたままだった・・・

 

「どうしよう!?まさか本気にする何て・・・魔王、何所行っちゃったのよ?」

 

 せつなの目からポトポト涙が零れ、他の一同に会わせる顔の無いせつなは、涙を拭って、ウエスターとサウラーに協力を仰ごうと、ラビリンスへと戻った。

 

「ウエスター、サウラー、あなた達に頼みがあるんだけど・・・」

 

 せつなは、沈痛な表情で二人に話し掛けたが、ウエスターとサウラーは、せつなの顔を見ると慌てて近付き、サウラーは怪訝な表情で逆にせつなに話し掛け、

 

「イース、これはどういう事だい!?」

 

「エッ!?何の事?」

 

 状況が読めないせつなが、首を傾げながら二人に聞くと、困惑顔のウエスターは、少し大声で話し出し、

 

「それはこっちのセリフだ!いきなり魔王の奴が現われて・・・」

 

「エッ!?魔王、ラビリンスに来てるの?」

 

「来てるのじゃない!いきなり現われたかと思えば、イースに言われて、此処で暮らす事になったからと、お前の部屋に・・・」

 

「エェェェ!?私の部屋に?」

 

 ウエスターとサウラーの話を聞いたせつなは、ラビリンスで暮らしていた時の、自分の部屋へと向かうと、せつなの部屋は、水着の女の子のポスターがあちこちに貼られて居て、思わずせつなの目が点になった。

 

「フフフン、フフフン・・・」

 

「ま、魔王!?」

 

「ン!?せつな?お前に追放されたから、今日からここに住む事に・・・」

 

 魔王の言葉が終わる前に、せつなは魔王に駆け寄って抱きしめると、目から涙をポロポロ零し、

 

「魔王・・・ゴメン!私が悪かったわ、みんなも心配してるし、帰って来て!!」

 

「でも、俺はせつなに追放されたカゲェ・・・」

 

「あれは冗談だったの、魔王の心を傷付けたなら謝るから・・・お願い、帰って来て!」

 

「でも、部屋の模様替えもしたし・・・せつな、今日一緒に寝てくれるカゲ?」

 

「分かった!」

 

「またみんなで、魔王ゲームしてくれるカゲ?」

 

「たまになら、多分・・・」

 

「なら、帰るカゲェェェ!」

 

(ハァ・・・何だか良いように利用された気もするけど・・・)

 

 せつなはそう思いながらも、魔王をギュッと抱きしめ頬擦りして再び謝った。その様子を見たウエスターとサウラーは、何も言わず二人の姿を、目を細めて見つめる様は、兄のようだった。せつなと魔王は、二人に言葉を掛けると、みんなが待つ不思議図書館へと戻って行った・・・

 

「魔王!?良かったぁぁ・・・もう、心配させないで!」

 

 魔王が戻って来た事で、なぎさもホッと安堵したのか、思わず目から涙を零した。魔王は、一同を心配させて居た事に気付かされ、照れくさそうに顔を赤らめながら、

 

「心配掛けて・・・ゴメンカゲ」

 

『魔王、お帰り!』

 

『お帰りなさい!』

 

 涙を拭う者、笑みを浮かべる者、一同の心には、魔王の存在は大切な仲間として無くてはならないものになって居た。魔王も嬉しそうに羽を動かして宙に浮くと、

 

「オォォ!ただいまカゲェェ!!」

 

 一同が広げる手の中に、魔王は嬉しそうに飛び込んで行った。そんな中、真琴はある事を思い出し、

 

「そう言えば・・・みんなで魔王ゲームをしたけど、魔王の記憶って、少しは戻ったの?」

 

「エッ!?エェェェと・・・」

 

「ハァ・・・やっぱり嘘だったのね?でも、もう怒る気力も沸かないわ」

 

『フフフフ、そうね』

 

 せつなの言葉に、一同も思わず笑みを浮かべた・・・

 

 

4、8月31日

 

 8月31日・・・

 

 一部の学校では、既に新学期も始まっている学校もあるものの、その日は宿題をやって居ない者達に取って、地獄の日の始まりだった・・・

 

 

 来海えりかは慌てていた・・・

 

 中学時代からマイペースなところは変わらないえりかは、つぼみといつきに何度も注意されて居たが、えりかは秋の学祭のプランに追われ、夏休みの宿題を後回しにしたツケが、一気にえりかへとのし掛かっていた。

 

「つぼみぃぃぃ!ヘルプ!ヘルプミィ~!!」

 

 えりかは自室の窓を開けて、隣に住むつぼみに助っ人を頼もうと試みるも、つぼみの部屋の窓が開かれる事は無かった。えりかは頭を抱えながら悶え、

 

「つぼみ~、何所行っちゃったのよぉ?親友の大ピンチだよぉぉぉぉ!!」

 

「大体、えりかは毎年同じ事を繰り返し過ぎですぅ」

 

 えりかのパートナーであるコフレは、毎年同じ事を繰り返すえりかを見て、やれやれといった表情で首を左右に振った。えりかは不満そうに頬を膨らませ、

 

「何よぉぉぉ・・・あたしだって、秋の学祭の構想したりして、忙しかったんだから仕方ないじゃん」

 

 そう言いながらも、えりかは携帯を手に持つと、つぼみに電話を掛けた。だが、中々つぼみが電話に出ず、痺れを切らしたえりかは、いつきにも電話を掛けるも、いつきも電話に出る事は無かった。えりかは頭を両手で抱えて悶え、

 

「アァァ!つぼみもいつきも電話に出ないじゃん!!親友のピンチに何やってるんだかぁぁ」

 

「つぼみもいつきも、毎年の事だから、どこかに避難してるですぅ」

 

 コフレは、悶えるえりかを冷めた視線で見つめた。諦めないえりかは、つぼみといつきにメールを送ると、数分後にようやくつぼみからメールが来て、えりかは慌てて見てみると、つぼみはいつきと共に、図書館に居る事が分かり、えりかはコフレを拉致するかのように小脇に抱え、慌てて自宅を飛び出して行った。

 

 図書館に着いたえりかは、全速力で駈け続けたせいか息が荒く、ハァハァ荒い呼吸をしながら館内を見渡すと、手招きするつぼみ、苦笑するいつきに気付き目を輝かせた。

 

「つぼみぃぃ!いつきぃぃ!」

 

「「シッ!」」

 

 えりかは、地獄に仏を見たように、嬉しそうに二人を見付けて思わず大声を出し、つぼみといつきに慌てて窘められた。

 

「つぼみ、いつき、ヘルプ!ヘルプミィ!!」

 

「ハァ・・・こんな事だろうと思って、いつきと一緒に図書館で待機していて、どうやら正解でしたねぇ?」

 

「うん!毎年えりかには泣きつかれてたから、今年もそうだろうと思ってたら案の定・・・」

 

「えりか、私達が手伝いますから、解らない所があったら言って下さい」

 

 えりかの行動を読み、既に手伝う準備をしていたつぼみといつきを見て、目をウルウルさせたえりかは、二人に抱き付き、

 

「持つべき者は親友だよぉぉ・・・・で、国語はつぼみに、数学と英語はいつきに任せて・・・」

 

「「えりか、教えるから自分でやらなきゃ」」

 

「トホホホ・・・」

 

 嘆きながらも、二人が側に居てくれるだけで、宿題が終わるような気がするえりかだった・・・

 

 

 桃園ラブは、自分の部屋で項垂れて居た・・・

 

 ラブは、勉強はあまり得意な方では無く、苦手な数学の宿題を後回しにしたツケがたたり、集中力が欠けていた。その側では、美味しそうにアイスを食べるシフォンとタルトが居て、ラブはチラリと二人を羨ましそうに見つめた。時計を見れば、もうすぐ10時半だった。ラブは溜息を付くと、

 

「せつな、早くアルバイトから帰って来ないかなぁ・・・」

 

 せつなは、バッドエンド王国との戦いが始まり、再び四つ葉町で暮らすようになった。ラブの母あゆみ、父圭太郎は、せつなをラブ同様自分の娘同然に思って居て、せつなは、ラブと同じ高校に通って居たものの、少しでもお父さんとお母さんの役に立ちたいと、あゆみのパート先であるスーパーにアルバイトに行って居た。

 

「ピーチはん・・・宿題やらな、アカンちゃいますの?」

 

「分かってるよぉ・・・分かってるけど、今はちょっと休憩」

 

「そんなんしてたら、後でパッションはんに怒られるでぇ・・・・・アッ!?」

 

 突然タルトが大声を出し、ラブとシフォンは思わず驚いて体をビクリとさせ、

 

「タルト、脅かさないでよ」

 

「いやぁ、ワイとした事が、スッカリ忘れてもうたわ・・・ピーチはんに、パッションはんからの言づて頼まれてたんやぁ」

 

「エッ!?せつなが私に?」

 

「せや、ピーチはんの事だから、勉強に行き詰まるかも知れないから言うて、これを渡されたんや」

 

 タルトは、せつなから預かったノートを手渡した。そこには、今正にラブが行き詰まっていた数学の公式を、分かりやすく解説して書いてあった。せつなのノートを参考に解き始めると、今まで悩んでいたのが嘘のように、スムーズに問題が解けていった。

 

「終わったぁぁぁ!せつなぁ、ありがとう!!」

 

 ラブは、せつなのノートを拝みながら、せつなに礼を述べた・・・

 

 

 北条響は怒られて居た・・・

 

 奏の店であるLucky Spoonのテーブル席に座って口を尖らせている響の前には、奏とエレンが仁王立ちし、アコは少し離れたテーブル席に座り、奏の弟奏太と共に、カップケーキを食べながら、呆れながら成り行きを見て居た。ハミィは、響の席の下で、ガツガツカップケーキを食べ、ピーちゃんは興味無さそうに空へと散歩に出かけた。奏太はチョコのカップケーキを頬張りながら、

 

「まっ、響姉ちゃんが、家の姉ちゃんに宿題忘れて怒られるのは、小学生の頃からだから、見慣れてるって言えば、見慣れてるよなぁ」

 

「フゥゥン・・・ようは成長してないのね」

 

 アコは呆れた視線を響に送り、生クリームを頬張った。

 

「響ぃぃ!この間のプリキュア合宿で聞いた時、ほとんど終わってるって言ってたわよねぇ?」

 

 奏は、少し癇癪気味に響に問うと、響は惚け顔で首を傾げ、

 

「アレェ!?そうだっけ?」

 

「何惚けてるのよ!」

 

 そんな響の態度に、奏は顔を顰めて怒り、エレンは響を哀れむように、

 

「ねぇ響、宿題忘れて先生に怒られるのは、響自身なのよ?」

 

「それはそうだけど・・・分からないんだからしょうがないじゃん」

 

 奏は、そんな響の態度に更に機嫌を損ね、

 

「だったら、私達に聞けば良いでしょう?」

 

「だから、こうして聞きに来たんじゃない!」

 

「だから、何で夏休みの最後の日に聞きに来るのよ?」

 

「色々忙しかったの!」

 

 二人のやり取りを聞いていたエレンは、このままでは埒が空かないと思ったのか、奏を宥め、話を進めようと響に話し掛け、

 

「それで響は、何の科目が分からないの?」

 

「ウゥゥン・・・とくに数学と英語、ぜひ奏とエレンの力を借りたくて・・・」

 

「そ、そう素直に聞いてくれれば、私も・・・で、何所が分からないの?」

 

 響の哀願する視線に、奏はさっきまで怒っていたのも何処へ、倚子に座って響に宿題を教えだし、エレンは思わずクスリと笑いながら、奏同様倚子に座って響に宿題を教えた・・・

 

 

 みゆき、あかね、やよい、なおの四人は、絶望の表情を浮かべながら、れいかの家目指していた。みゆきの頭の上にはキャンディが乗って居るも、キャンディはそんな一同とは逆に、遊びに行けると思って居るのかハシャぎ、あかねは、そんなキャンディを羨ましげに見つめながら溜息を付き、

 

「ハァ・・・キャンディはエエなぁ!ウチらはアカン・・・さっき佐々木先生に会った時、つい宿題終わってる言うたけど」

 

「私は数学が・・・」

 

「あたしは社会が・・・」

 

「ウチは英語が・・・」

 

「私何か全部だよぉぉぉ」

 

「「「それはやらなさすぎ!」」」

 

 やよいは数学、なおは社会、あかねは英語、みゆきは全部の宿題をやって居なかったものの、れいかも誘って遊びに行こうと歩いて居ると、途中で買い物に来ていた佐々木先生とアン王女に出くわし、四人が遊んで居るのを見た佐々木先生は、宿題も終わって居るんでしょう?と四人にプレッシャーを掛けた。

 

「こんな時、頼りになるのは・・・」

 

「「れいか!」」

 

「「れいかちゃん!」」

 

 四人の意見は纏まり、れいかの家へと歩いて行くと、途中でれいかと出会い、四人は我先にれいかに取り縋った。

 

「み、皆さん、一体どうしたのですか?」

 

「「れいかぁぁ・・・」」

 

「「れいかちゃん・・・」」

 

「「「「宿題手伝ってぇぇぇぇ!」」」」

 

「エッ!?」

 

 れいかに縋り付き、宿題を手伝って欲しいと泣きつくみゆき達四人に、困惑の表情を浮かべたれいかだったが、

 

「「「「ついでに、こっちの宿題も手伝ってぇぇぇぇ!」」」」

 

「「「「「エッ!?」」」」」

 

 突然背後から声が掛かり、後ろを振り向いたみゆき達は、自分達と同じようにトホホ顔を浮かべた、みさき、あおい、やおい、なみが居て、その後ろで、我関さずといった表情でジュースを飲むれいなの姿があった。

 

「みさきちゃん達も?」

 

「ウン!」

 

「そっちのビューティに頼めばエエやろう?」

 

 困惑顔のあかねに、れいなに頼めばいいと言われたみさき達は、背後に居るれいなを見ると、れいなはソッポを向き、やおいはトホホ顔を浮かべながら、

 

「こっちのビューティは、頼んでも無視されちゃうし・・・そうだ!Wビューティ以外みんな集合!」

 

『何!?』

 

 突如やおいに招集された一同は、怪訝な顔で集まってきた。キャンディは、みゆきの頭から飛び降り、れいかの側に寄ると、れいかがキャンディを抱き上げた。キャンディは不思議そうに首を傾げ、

 

「れいか、みんなで遊びに行かないクル?」

 

「この様子では無理なようですねぇ・・・また後日みんなで行きましょう」

 

 れいかは、宿題をやって居ないみゆき達は、遊び所では無いだろうと考え、キャンディの頭を撫でながら諭した。やおいは、れいかとれいな以外の一同を呼び寄せると、

 

「ねぇねぇ、こうなったら、私達とあなた達で勝負しない?無理矢理二人のビューティも参加させて、負けた方のビューティが、私達の宿題やるっていうのはどう?」

 

「ほう、面白いなぁ・・・負けてもウチらにメリットあるし」

 

『ウン!』

 

 やおいの提案に、あかねも満更でも無い表情を見せ、みゆき達一同も頷いた。それとは逆に、そんな一同の悪巧みが聞こえたれいかとれいなは、呆れたような表情を浮かべながら、

 

「「ちょっと待って!」」

 

「何故私達が、みなさんの宿題をしなければならないのでしょうか?」

 

「ハァ・・・醜い!自分の宿題ぐらい、自分で片付けなさい!!」

 

 れいかとれいなからダメ出しをされた一同ではあったが、皆同じような表情を浮かべると、

 

『それが出来れば苦労しない!』

 

「開き直りましたね?」

 

「情けない・・・」

 

 れいかはれいなに話し掛け、二人は呆れた表情でどんな勝負にするか決めるみゆき達を見つめた。

 

「で、どんな勝負にするんだ?」

 

「ウ~ン・・・そうだなぁ、ビューティはどんなのが良い?」

 

 なみに聞かれたやおいは、少し考え、れいなの意見も聞こうと振り返り、みゆき達もれいかとれいなの方を向くも、そこにはキャンディがチョコンと座っているだけだった。目を点にした八人、みゆきはキャンディに話し掛け、

 

「キャンディ!れいかちゃんとれいなちゃんは?」

 

「二人共、呆れ果てたって帰ったクル」

 

『ガァァァァァァァァン』

 

 みゆき達八人の少女は、この世の終りのような表情で呆然と佇んだ・・・

 

 

 翌日の放課後・・・

 

 れいかとれいなに、呆れて見放されたみゆき達とみさき達は、宿題を終える事が出来ず、それぞれ佐々木先生と堀毛先生に怒られ、2組の教室を使って、合同で居残りの補習をさせられて居た。れいかとれいな、それに真琴も加わり、三人はそんな仲間達の様子を教室の後ろから覗いていると、一同は背後を振り返り、

 

((れいか・・・))

 

((れいかちゃん・・・))

 

((((ビューティ・・・))))

 

((((((((助けてぇぇぇぇ!!))))))))

 

 みゆき達八人は、れいかとれいなに目で助けてとアピールして訴えるも、れいかには違う意味に取られ、れいなにはソッポを向かれた。佐々木先生と堀毛先生は、補習に集中しない一同に気付き、

 

「あなた達!ちゃんと前を向きなさい!!」

 

「宿題終わらすまで、帰れませんよ?」

 

『そんなぁぁぁぁ!?』

 

 真琴は、今までのお返しとばかり、やおいとやよいを見て指差しながら、お腹を抱えてクスクス笑って居た。そんな真琴を、みゆき達が口を尖らせて、抗議するような視線を向けて居た・・・

 

 

            第百十四話:夏休みの終り・・・

                   完




 第百十四話投稿致しました。
 季節感有りませんが、夏休み終盤の日常話をお送りしました。
 魔王ゲームは、とある漫画を見て居て急遽思い浮かび、夏休み最後の日は、スマイル本編の内容にバッドエンドプリキュア達も参加させたバージョンにしてみました。

 魔法つかい・・・まさかオルーバがベニーギョより早く退場するとは思いませんでした。私的にはベニーギョのサンタコス(かな達の妄想でしたけど)見られたし、嬉しい限りです。来年からは最終決戦に向けて動き出しそうですねぇ・・・

 キラキラ・・・新プリの情報も解禁されましたねぇ!個人的には、胸が大きいからって訳じゃありませんけど、第一印象はキュアマカロンが一番好みでした。


 皆さん、本年もお世話になりました!
 良いお年をお迎え下さい!!

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