第十一話:バラの楽園
本格的に寒さが厳しくなってきたこの時期、ナッツハウスの中で、歓迎会の準備をするのは、のぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、くるみ、そして、人間姿のココ、ナッツだった。
皆何処か嬉しそうに、お皿や飾り付けの準備に精を出していた・・・
「羊羹は、このお皿に並べれば良いかしら?」
「いや、食事してからで良いんじゃないですか?」
何時ものように、何処から取り出したのか、嬉しそうに実家の羊羹を皿に並べようとするこまちに、りんは少し呆れながら、食後で良いでしょうと言うと、一同は苦笑を浮かべた。
「大体の準備は終わったね!後は、シロップがみんなを連れて来てくれればOK・・・よ~し、今日は楽しむぞ~~決定!!」
のぞみの合図に、手を上げて答える一同だった・・・
今回は、のぞみ達がなぎさ達一同を案内する番だった。のぞみ達にとって、やはりここ、ナッツハウスは外せない、掛け替えのない場所だった。
「なぎささん達や、咲さん達は、ナッツハウスに来た事がありますが、ラブさん達や、つぼみちゃん達は初めてですもんね」
同じ年であるつぼみ、えりか、いつきが、プリキュアの仲間になった事で、うららは大いに喜んでいた。
「そうね、でも、なぎささんやほのかさん、咲さん達が来た時は砂漠化してたから、みんなにも新鮮に映るんじゃないかしら?」
「そうかも知れないわね!」
かれんはこまちの言葉に同意しながら、一同の到着を待ち兼ねていた。
シロップが一同を乗せて戻って来たのは、10時を少し回っていた。のぞみ達は嬉しそうに外に飛び出し、一同を出迎えた。
「お帰り、シロップ!みんな、ナッツハウスにようこそ!!」
のぞみ達に大歓迎されながら、シロップから降りたなぎさ達一同も、のぞみ達に微笑み返し、ナッツハウス、そして目の前の池を眺める。
「みんな、今日はよろしくね!へぇ、砂漠化してた時は気付かなかったけど、目の前に池もあって良い所だねぇ」
なぎさの言葉に頷いたほのかだったが、キョロキョロ周りを見渡すと、
「本当・・・でも、ナッツハウスってお店屋さん何でしょう?街並みから外れているけど、お店の方は大丈夫なの?」
少し心配そうにほのかがのぞみ達に訪ねると、のぞみはウンウン頷きながらも、
「それはバッチリ、お店の事をみんなで売り込んでましたから、大丈夫でしたよ!もっとも、ココもナッツもパルミエ王国に戻っちゃって、今は営業してないけど・・・」
のぞみの言葉通り、ココもナッツもパルミエ王国に戻った事で、一同に取っての大切な此処ナッツハウスは、今では空き家となっては居たが、かれんの好意で、中は当時のままにしてあった。
「そうね、この前の砂漠化した時の影響もあって、だいぶ中も埃だらけだったわね」
苦笑を浮かべたこまちが、あの後みんなで大掃除した事を一同に語っていた。
「砂漠化した時は大変でしたよねぇ・・・家の店も、砂漠化が収まった後は、店の中が埃だらけで大変だったっけぇ!」
咲もこまちの言葉に何度も頷いていた。咲の家も例外では無く、満や薫も手伝いに来てくれたものの、後片付けが大変だったのを咲も思い出した。
「のぞみ、私、ちょっとせつなとつぼみを連れて、家に行きたいんだけど、いいかな?」
「エッ!?別に良いけど・・・せっかくみんな集まったのにぃ・・・わかった、りんちゃんこっちは私達に任せて!」
のぞみがりんにウインクしてOKを出すと、りんは嬉しそうにサンキューと言い、せつな、つぼみを誘った。せつなとつぼみは、何故自分達だけが誘われたのかキョトンとしていたが、
「ほら、前につぼみのお婆ちゃんの植物園で言ったでしょう!私とつぼみで、せつながラビリンスで育てる花を選んであげるって・・・」
りんの言葉に、あの時の事を思い出し、嬉しそうな表情に変わるせつなとつぼみだった。
「あっ、つぼみ何処行くの?あたしも行くぅ!!」
「何々、せつな、何嬉しそうにしてるの!?気になるなぁ・・・私も行こうかな?」
せつなとつぼみが出掛けると聞き、ラブとえりかも一緒に行きたがったが、
「ラブ、えりか、悪いわね!今回は遠慮して頂戴!これ以上人数増やすと・・・」
りんは、ラブとえりかに顔で合図を送ると、二人はそれに釣られて視線を向けた。視線の先には、頬を膨らまして、拗ね始めていたのぞみと目が合い苦笑する。のぞみにジッと見つめられ、困惑したラブとえりかは、
「アハハハ、確かに、今回は遠慮した方が良さそうだね!」
「ウ~~・・・しゃあない!つぼみ、後で何があったか教えてよね!!」
「はい、分かりました!じゃあ、皆さんちょっと出掛けて来ますね!!」
ラブ、えりかも、接待役ののぞみの顔を立てて断念し、つぼみは一同に出掛けて来る事を伝えると、りん、せつな、つぼみは、りんの家に向かうのだった。
りんの家に向かう間、りんは、せつな、つぼみとこれからの事を語り合ったりしていた。せつなは、ラビリンスを笑顔が溢れる国にする事を、つぼみは、祖母薫子のような植物の専門家になりたい事を語っていたのだが、
「でも、宇宙に行って少し迷いが出来たんです・・・」
「迷い・・・どうして?」
少し悩むように首を捻るつぼみを見て、不思議そうにせつなが声を掛けると、
「はい、デューンはあの暗い宇宙を、長い年月を掛けて地球にやって来ました。もしも、もしも、宇宙にも沢山の花があったのなら、デューンの心にも、違う感情が沸いていたのでは、と思いまして・・・」
「宇宙に咲く花かぁ・・・つぼみ、凄い発想だねぇ」
りんも、せつなも、一瞬呆気に取られ、つぼみの言葉に驚いていた。それを見たつぼみは、変な事言っちゃったかなぁと、キョドキョドしながら二人をチラチラ見ると、
「こんな発想・・・可笑しいでしょうか?」
りんとせつなは思わず顔を見合わせると、ニッコリつぼみに微笑み、
「ううん、素晴らしいと思うよ!まあ、実現するのは大変だろうけど・・・何だろう、つぼみには、のぞみと同じように、本当に実現させそうな気持ちにさせられるなぁ」
「そうね・・・ウフフ」
りんはのぞみを、せつなはラブを、つぼみの姿にダブらせるのだった・・・
りんの家、フラワーショップ夏木にやって来た一同、遅くなると出掛けた筈のりんが戻って来た事を、不思議そうにりんの母、夏木和代がりんに訪ねる。
「あら、りん・・・今日はお友達の歓迎会で遅くなるんじゃなかったの?」
「うん、その友達の中で、お花に興味ある娘を、ちょっと家の店に連れて来たくって・・・」
「あら、そうなの・・・初めまして、りんの母です!」
「あっ、花咲つぼみです!よろしくお願いします!!」
「東せつなです!」
和代が二人に丁寧に挨拶した事で、慌ててつぼみとせつなも挨拶を返すと、りんは簡単に母和代に二人の事を紹介した。つぼみの家が花屋である事、せつなが自分の街で花畑を作りたい事などを話すと、和代も二人を大いに歓迎した。
「そうなの、そういう事ならゆっくり見て行ってね!りん、好きな花を選ぶのも良いけど、花言葉を交えて選ぶのも良いかも知れないわよ!」
「花言葉・・・か・・・それも良いね!」
「そうですね!」
和代のアドバイスに、りんもつぼみも頷き、それも選ぶポイントに加えようと、りんとつぼみは張り切るも、せつなは首を傾げながら、
「花言葉!?・・・って何?」
「花言葉って言うのは、草や花に込められた、合い言葉みたいなものね。草や花の色から受ける効果や作用、大きさや、刺の有無、花の成長した状態や、香りなどから受ける印象などを、言葉に置き換える事により、様々な種類の草や花を、花飾りや花束を通じて、直接言葉を言わなくても、互いの意志や感情を伝える事の出来る手段として生まれたのよ!」
せつなの問いに、母和代がウインクをしながらせつなに教えると、最初はキョトンとしていたせつなも、見る見る表情が輝いた。
そんな事、ラビリンスに居た頃には、全く考えた事も無かった。この世界はせつなに、人としての感情をどんどん与えてくれるようで、せつなは嬉しく思った。
「素敵ですね・・・花に込められた思い・・・か!」
つぼみもニコニコしながら、色々な花言葉をせつなに教えていた。その都度せつなは、つぼみの話に何度も頷いていた。
そんな二人を見て、りんは、せつなやつぼみ、そして、他のメンバーを、ある場所に連れて行きたいと密かに思うのだった・・・
それから暫くして、りん達三人も戻って来たナッツハウスでは、盛大に盛り上がっていた。なぎさ、咲、のぞみ、うらら、ラブ、タルト、えりかが参加した大食い対決、カラオケ大会、そして、受験生の多い事で、ほのか、ゆり、かれんが急遽主催した特別授業、
「エェェ!折角みんな集まってるのにぃぃ・・・勉強何ていいよぉぉぉ!!」
のぞみの言葉に、咲、ラブ、えりかも同意し、なぎさは後ろの方で四人をこっそり応援していて、ほのか、ゆりに睨まれていた。四人が肩を組んで勉強反対を唱えるも、
「いいえ、これはあなた達を思っての事よ!後で後悔するより、今苦労をして、後で喜びを味わいなさい!!」
眼鏡を掛け直して、四人を見つめたゆりの迫力の前に、四人は即座にノートを開き勉強を開始する。ココも人間姿で一同に勉強を教えて居た。
「でも、私やりんちゃんは、卒業しても高等部に進学するだけだから、受験勉強何て関係無いんだけどなぁ・・・」
「のぞみ・・・あなた、知らなかったの?家の学校は、学期末テストで赤点3つ以上取った者は・・・高等部に進級出来ないのよ!!」
のぞみがブツブツ言いながら勉強しているのを見たかれんは、苦笑しながらのぞみに追い打ちを掛けた。一瞬呆然としたのぞみの目の色が変わり、必死に勉強に励んでいた・・・
勉強タイムも終わり、かれんは紅茶を、こまちが和菓子を一同の前に運び、再び和やかな団欒をしていたが、りんはのぞみに向かい、
「のぞみ、ちょっと頼みがあるんだけど?」
「何、りんちゃん?」
「みんなをあの場所に・・・キュアローズガーデンに連れて行って上げたいんだけど・・・」
りんが、のぞみにみんなを連れて行きたいと言った場所、
キュアローズガーデン・・・
そこは、シロップが生まれた場所でもあった・・・
赤い薔薇が一面に広がる素晴らしい世界、だが、その扉は固く閉ざされて居た。
エターナルとの戦い後、自らの死期を悟っていた管理者フローラは、自らの後継者にのぞみを指名したのだが・・・
「それは良い考えね!」
「私も賛成だわ!」
「私もです!!」
かれん、こまち、うららも、りんの言葉に同意を示すも、のぞみは腕を組んで考え込んでいた。のぞみの態度に、りんは少しムッとしながら、
「何よ・・・のぞみ、何か問題でもあるの?」
「エッ?うん、あるよ・・・これだけの人数を、シロップが乗せきれるかどうか・・・」
「そ、そんな事で悩んでた訳?」
のぞみが悩んでいた理由が、シロップがみんなを乗せきれるかどうかという単純な理由に、りんは呆れるのだった。のぞみは不服そうに、
「だってぇ、シロップに乗れなきゃ、あの長い階段を上らなきゃならないんだもん・・・あっ、シロップが三回ぐらいに分けてみんなを運べば・・・」
「ふざけるな!」
のぞみがジト目でシロップを見ると、少年姿のシロップは、たじろぎながらも即座に拒否をする。
何やら問題が発生したようで、せつながのぞみに声を掛けた。
「あのう、もし良ければ、私がみんなをその場所に運ぶけど?」
「そっかぁ、アカルン!!」
せつなの進言に、ラブ、美希、祈里はアカルンの力を思い出し、アカルンの事を一同に教えるのだった。そんな便利な機能があると聞かされた一同は、興味深げにし、のぞみは大喜びでせつなに頼むのだった。
「これじゃ、シロップのお仕事も減りそうだねぇ?」
「俺は手紙の運び屋だ!!」
のぞみがちょっと意地悪そうな視線でシロップを見ると、シロップは、俺は手紙の運び屋で、人を運ぶのは仕事じゃ無いと言い返していた。
皆を集めたせつなは、アカルンを呼び出すと、
「じゃあ、行くわよ!キュアローズガーデンへ!!」
せつなの言葉を受け、一同と妖精達は瞬時にキュアローズガーデンへと向かった。
唯一匹を残して・・・
「エッ!?何でわいだけ!?パッションはぁぁぁん、殺生やでぇぇ!!」
大食い競争に参加していて、腹がパンパンに膨れていたタルトは、集まりに遅れ、一同に置いて行かれるのだった・・・
キュアローズガーデンに着いた一同は、辺り一面に咲き誇る神秘的な赤い薔薇の姿、その神秘的な光景に、一同は思わず声を発するのだった。
のぞみ達五人と、くるみが先頭に立って一同に説明を始める。
「此処がキュアローズガーデンだよ!」
「凄い・・・何処を見ても一面の赤い薔薇」
「本当ですぅ・・・私、感動しました!!」
ほのか、つぼみが感動して思わず声を出す、りんは、せつなの表情が浮かない事に気付き、眉根を曇らせせつなに声を掛ける。
「せつな・・・あんまり気に入らなかった?」
「ううん、私の好きな赤い色の花が一杯あって、とても素敵だわ!!ただ、私何か忘れてるような気がして・・・アッ!?」
せつなに、キュアローズガーデンを気に入って貰えなかったかと心配したりんだが、せつなの表情が浮かないのは、他の理由だと知り少しホッとするりんだった。
せつなが何かを思い出した様子なので訪ねてみると、
「せつな、どうしたの?」
「私、タルトを置いて来ちゃった見たい・・・ちょっと迎えに行ってくるわ!!」
せつなはそう言い残し、大慌てでナッツハウスに戻るのだった。
「タルト、タルト、ゴメン!まさか一緒に行ってなかったとは思わなくて・・・タルト!」
タルトの名を呼び、探していたせつなは、タルトが部屋の隅で黄昏れているのに気づき、思わず苦笑を浮かべた。タルトはチラリとせつなを見るも、すっかり拗ねていた。
「タルト、ゴメンね!てっきり一緒に来てると思ってて、おいで、一緒に行こう!!」
せつながしゃがみ込み、両手を広げタルトを呼ぶも、
「ハァ、どうせわいの事何て忘れて、みんなで盛り上がってるのとちゃいますかぁ?」
目が虚ろのタルトは、生半可な返事をせつなに返すと、せつなは困った表情を浮かべる。すっかりいじけてしまったタルトに困惑しながらも、あまり時間を割いては、折角招待してくれたのぞみ達にも悪いしと考え込むせつな、
「あまりみんなを待たせるのも悪いし・・・タルト、来ないなら行っちゃうわよ!?いいの?」
せつなの言葉に、タルトはビクリと反応してせつなの顔を見ると、見る見る内に涙が浮かんでくる。
「待ってぇぇな!!本当は・・・わい、わい、寂しかったんやぁぁぁ!!」
せつなの胸に飛びつき、泣きじゃくるタルトを、せつなは優しく微笑みながら撫でてあげるのだった。
キュアローズガーデンに、タルトと共に戻って来たせつなを見て、ラブ達三人が近づいて来る。三人は、せつながナッツハウスに行っていた事に気付かなかったようで、
「あれ!?せつな、何処か行ってたの?」
タルトが居なかった事に全く気付いて居ない三人に、タルトは冷めた視線を浮かべながら周りを見渡すと、
「やっぱり、わいの事何て忘れとったぁぁ・・・シフォンに至っては、ムープ達やシプレ達と遊び回ってるしぃ・・・あんまりやぁぁ!!」
再びせつなの胸で泣きじゃくるタルトに、困惑したせつなが事情を説明すると、三人は一瞬しまったという表情を浮かべ、苦笑混じりに知らなかったとタルトに謝罪するのだった。
「はい、タルトもみんなと此処を堪能して来て!」
せつながタルトを地面に下ろそうとすると、タルトは何故か嫌がり、せつなから降りようとしなかった。何故降りないのか、不思議そうにせつながタルトに訪ねてみる。
「どうしたの?」
「わいは、絶対パッションはんから降りへんでぇ!降りたらまた置いて行かれるに違いないわ!!」
せつなの胸に顔を埋めたタルトは、また置いて行かれるかも知れない不安から、頑なに拒み続けて居た。
「そんな事しないってば・・・ねぇ、美希たん、ブッキー、せつな!」
「そうよ、タルト機嫌直してよ!」
「タルトちゃん!」
三人が笑顔混じりにタルトに声を掛けるも、タルトは冷めた視線を三人に送ると、
「ピーチはん達の言う事は信用出来へん!何せ、パッションはんが仲間になる前から、何度もわいは置いてけぼりにされてるさかいな」
「あたしは・・・してないと思うけど?」
「私も・・・多分・・・」
美希も祈里も、そんな事はしてないと思うけどと首を捻るも、何度か身に覚えがあるラブの表情が変わり、顔から汗が流れた。
「私は・・・何度かしました!タルト、ゴメン!!」
ラブは返す言葉が見つからず、タルトに謝り、美希、祈里と顔を見合わせて苦笑を浮かべた。
そこにシフォンが、ムープ、フープ、シプレ、コフレ、ポプリを連れてやって来ると、
「タルト、赤ちゃん見たいでしゅ!」
「な、何やてぇぇ!?」
せつなの胸で甘えるタルトを見て、ポプリがタルトを赤ちゃんみたいだと言うと、タルトは顔を真っ赤にしながら否定し、渋々ながら地上に飛び降りた。チラリとせつなを見るタルトに、せつなは優しく微笑み、帰る時はまた抱っこして上げるからと声を掛け、タルトは安心してキュアローズガーデンを堪能するのだった・・・
かれんとこまちは、なぎさ、ほのか、ゆりを・・・
のぞみは、ひかり、咲、舞、満、薫を・・・
うららは、つぼみ、えりか、いつきを・・・
りんは、ラブ、美希、祈里、せつなを・・・
くるみはミルクの姿に戻り、ココ、ナッツ、シロップ達と一緒に、妖精達を・・・
一同は分散してキュアローズガーデンを案内していった。
「せつなは赤い花が好きだったわね・・・どう?赤い花である薔薇は!?」
「ええ、とっても素敵だわ!」
「赤い薔薇の花言葉は、私と同じ情熱!これからラビリンスに花畑を作ろうと考えているせつなには、似合っていると思うけど?」
せつなは辺りを見渡し、薔薇の花を気に入りりんの言葉にニッコリ頷いた。
りんは、薔薇の種をせつなへのプレゼントの一つにするのを決めるのだった・・・
「みんな、どうだった!?キュアローズガーデンは?」
一同に感想を聞くのぞみに、それぞれからいろいろな感想がでる。
皆、この素晴らしき場所に感嘆していた・・・
中でもつぼみは大変気に入り、祖母薫子も連れて来たいと言うと、のぞみ達は満面の笑顔で喜んでとつぼみにOKを出すのだった。
「キュアローズガーデン!またの名を命の庭!!私達は、フローラさんから託されたこの場所を守り、そして、次の時代に引き継がなきゃね」
のぞみはキュアローズガーデンを見渡すと一同に満面の笑みを浮かべる。
沢山の薔薇は、少女達を歓迎するように穏やかに揺れていた・・・
第十一話:バラの楽園
完