プリキュアオールスターズif   作:鳳凰009

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第百九話:少女達は・・・

             第百九話:少女達は・・・

 

1、就寝前の一時

 

 プリキュアエクスクラメーションの余波で、大量にビーチに打ち上がった魚を料理に使って、晩ご飯を食べた一同は、大浴場で疲れを癒した後、自分達の部屋へと戻って行った・・・

 

 

 かれんとこまちの部屋では・・・

 

 ベッドでグッタリしているかれんを見て、机で勉強しながらも、こまちがかれんを気に掛けて居た。一同を別荘に招待したものの、たった一日目でこんなに疲れるとは、かれんも思っては居なかった。

 

「ハァ・・・初日からこれじゃ、先が思いやられるわ」

 

「そうね・・・でも、何だかんだ言って、かれんも楽しそうだったわよ?」

 

「そうかしら!?」

 

「エエ」

 

「「ウフフフフ」」

 

 顔を見合わせたかれんとこまちは、思わずクスリと笑い合った・・・

 

 

 ひかりとくるみの部屋では・・・

 

「全く、今日は散々な目に遭ったわよねぇ?」

 

「そうですね・・・確かに色々有りました」

 

「この姿で居るのも疲れるし・・・」

 

 くるみはそう言うと、ミルクの姿に戻ってベッドの上に飛び乗った。本来の姿である妖精姿で居る方が、ミルクは気が休まるのか、そのままベッドに横になると、ポルンとルルンも妖精姿になって現われ、

 

「遊ぶポポ!遊ぶポポ!!」

 

「遊ぶルル!遊ぶルル!!」

 

 左右からポルンとルルンが、ミルクを揺らして遊ぼうと誘いを掛けた。ミルクは迷惑そうに、

 

「今日は疲れたから、もう寝るミル」

 

「駄目ポポ!駄目ポポ!!」

 

「ミルク、遊ぶルル!」

 

「頼むから寝かせてミルゥゥゥ!」

 

 布団に潜って寝たふりするミルクを見て、ひかりはクスリと笑み、ポルンとルルンを抱き上げると、

 

「ポルン、ルルン、ミルクは疲れて居るから、寝かせてあげましょう」

 

 二人の頭を撫でながら、ひかりがポルンとルルンを優しく諭すと、二人はコクリと頷き、ひかりは二人に紙とペンを渡し、お絵かきをさせて気を紛らわさせた・・・

 

 

 ほのかと舞の部屋では・・・

 

「考えたら、こうして舞さんとじっくり話すのは、初めてじゃないかしら?」

 

「そうですね、何時も咲やなぎささんも一緒ですしね?」

 

「たまには新鮮で良いわよね?」

 

「フフフ、そうかも知れませんね」

 

 ほのかと舞はそう言うと、互いのパートナーであるなぎさと咲との出会いから、ドツクゾーン、ダークフォールとの戦いの日々を語り合った・・・

 

 

 咲、のぞみ、なおの部屋の前では・・・

 

 部屋を開けようとした咲に、なおが慌てて待ったを掛けると、まるで中に誰かが居るのでは無いか?そんな表情でドアノブを右手で持ち、緊張するなお、咲とのぞみは、そんななおに困惑し、

 

「なお・・・どうしたの?」

 

「中に誰か居るの?」

 

「シィ!今息を整えてるから・・・よし!!」

 

 息を整えたなおは、ドアノブを回し、部屋の中に突入すると、持って居た殺虫剤を部屋中に噴射し、咲とのぞみを唖然とさせた。

 

「ちょっ、ちょっとなお、何やってるのよ?」

 

「そんなに殺虫剤撒いたら・・・」

 

 更になおは、持って来たキャリーバックから、ゴキブリホイホイや蚊取り線香を四隅に設置し、ようやく額に拭った汗を拭き取り、ホッとした表情を浮かべた。

 

「これでやっと落ち着ける!」

 

 ようやく笑顔を見せるなおに、咲とのぞみは、目を点にしながら同じような表情で会話を始め、

 

「のぞみ、なおの虫嫌い、少しどうにかしないと・・・」

 

「うん、私もそう思う・・・」

 

 二人は、なおの虫嫌いの凄さを知り、呆気に取られて居た・・・

 

 

 満と奏の部屋では・・・

 

 ベッドに腰掛けた満と奏は、明日の咲の誕生日に作るケーキの打ち合わせをして居た・・・

 

「咲さんって、どんなケーキが好き何ですか?」

 

「咲は特に好き嫌い無いわね・・・変にアレンジするよりは、シンプルなデコレーションケーキとかの方が喜びそうな気がするけど・・・」

 

「成る程、シンプルなデコレーションケーキですか・・・」

 

 奏は頷きながら、手帳にメモを始めた。

 

「でも、みんなと一緒に食べるなら、フルーツは多めでも良さそうね・・・奏なら、どんなデコレーションケーキにしたい?」

 

「シンプルなのなら、やっぱり苺のデコレーションケーキですよねぇ・・・フルーツをふんだんに使うのなら、スポンジケーキを丸じゃなく、四角くするのも手ですよねぇ?」

 

「確かに、大勢で食べるなら切り分けやすいし、良いわね」

 

 ケーキ談義に花を咲かせた二人は、遅くまで盛り上がって居た・・・

 

 

 薫とアコの部屋では・・・

 

 ベッドに腰掛けた薫は、徐にアコをジィと見つめ、見つめられたアコは困惑し、

 

「私に何か用?」

 

 アコが薫に話し掛けると、薫はアコを真顔で見つめたまま話し掛け、

 

「アコ・・・あなた、アン王女の事をお姉ちゃんって、呼んでたんですって?」

 

「エッ!?わ、私が小さい頃の話で、覚えてないわよ・・・」

 

 突然薫が妙な話題をアコに話し掛け、虚を突かれたアコは、益々困惑した。薫は真顔で、更にジィとアコを見つめると、

 

「ねぇ、アコ・・・」

 

「何?」

 

「私の事を・・・薫お姉ちゃんって呼んでみて!」

 

「ハァ!?な、何言って・・・」

 

 薫はそう言うと、ジィとアコを見つめながら出方を伺った。アコはどうしたものかと動揺するも、薫が目で呼んで欲しいとアピールしているようで、根負けしたアコは、少し恥ずかしそうにしながら、

 

「か、薫お姉ちゃん・・・」

 

「アコォォォォ!」

 

 薫は目を輝かせると、アコの頭を引き寄せ、アコの頭を撫で続けた。頭を撫でられ続けるアコは困惑し、

 

(どうしよう!?満を呼んだ方が良いかなぁ?)

 

 そう思いながらも、一人っ子のアコは、優しくしてくれる薫に、少しずつ心を開いていった・・・

 

 

 りんと響の部屋では・・・

 

 後は寝るだけながらも、響はベッドの横で腕立て伏せをしていた。りんは感心しながら響に話し掛け、

 

「響、寝る前なのに頑張るわねぇ?」

 

「毎日の日課何ですよ!何か身体を鍛えてないと、どうも落ち着かなくて・・・」

 

「へぇ・・・ところで響は、明日の自由特訓に何するか決めてるの?」

 

「ウ~ン・・・特には決めてないですよ。奏やエレン、アコと一緒にハーモニーパワーでも磨こうかなぁ・・・りんさんは?」

 

「あたしは、そうだなぁ・・・なおと似たような技あるし、あたしのファイヤーストライクと、マーチのマーチシュートで、何かコラボ技出来ないかなぁって考えてて・・・」

 

「へぇ・・・中々面白そうですよねぇ?」

 

「いやぁ、折角みんな集まってるし、色々試せないかなぁって思っててさ」

 

 りんは照れながらも、響とコラボ技で盛り上がった。響は徐に真顔になると、

 

「こんな機会滅多にないし、りんさん、ちょっと聞いてみたい事があるんですけど・・・」

 

「エッ!?あたしに?」

 

「りんさんの将来の夢とか・・・聞いてみたくなって・・・」

 

 響もどう話題を振ろうかと考えて居たのか、言葉を選びながら、りんに問い掛けた。りんは、響の真意が読めず困惑するも、嘗て自分達が将来の夢に悩んだように、響も悩んでいるのでは無いかと思うと、迂闊な答えは出来ないと判断した。少し頭の中で整理したりんは、

 

「あたしは・・・かれんさんもだけど、響と同じぐらいの時、当初は将来の夢って思い浮かばなかったんだよねぇ・・・のぞみは教師、うららは女優、こまちさんは小説家っていう目標を持って居たから、あたしとかれんさんは焦ってねぇ・・・」

 

「そうだったんですか・・・」

 

「でも、あたし達にも夢が出来た!かれんさんはお医者さん、あたしは、デザイナーになりたいっていう夢がね・・・それで、響は?」

 

「私は、パパやママみたいな音楽家の道を・・・将来ママとコラボ出来るような、ピアニストになるのが夢です!」

 

「うん!素晴らしい夢だね!!」

 

 りんは、響の夢に感心し、何度も頷いた。響はちょっと照れたのか、俯きながら再びりんに問い掛け、

 

「そのぉ・・・りんさんは、私と奏みたいに、のぞみさんと小さい頃から幼なじみでしたよねぇ?」

 

「うん、そうだよ」

 

「もし、もしですよ?自分の夢と友達、どっちを取るっていったら、どっちを取ります?」

 

「エッ!?どういう意味?」

 

「実は・・・この前ママから電話があって、中等部を卒業したら、ママの知り合いの海外にある音楽学校に通って見ないかって誘われて・・・それで、高校出るまでは、奏達と一緒に過ごすかどうか迷ってて・・・」

 

(そういう事かぁ・・・)

 

 りんは、響の話に合点が行き何度も頷いた。確かに、ピアニストを目指すなら、早い段階で一流の学校に通うのも、正しい判断だろうとりんにも理解出来た。でもりんには、響の心の中では、奏と違う高校に行く事になるかも知れない事に、響は寂しさを感じて居る事が伝わった。

 

「響・・・これはあたしならって事で聞いて」

 

「はい!」

 

「あたしがプリキュアじゃなかったとしても・・・あたしは、のぞみ達と過ごす事を選んだと思う!これは、あたしの勝手な思い込みかも知れないけれど、あたしは、この貴重な学生時代を、のぞみ達と一緒に過ごしたい・・・夢に遠回りになったとしても、あたしは、今この素晴らしい仲間達と過ごすこの日々を、大切にしたいと思ってる」

 

「・・・・・」

 

「響、これはあたしの勝手な話だから、聞き流してくれても良いけれど、あたしは、響が今直ぐ決めなくても良いんじゃないのかって思うの」

 

「りんさん・・・」

 

 響は、りんが親身になって本音を語ってくれた事が嬉しかった。心の中に陰ったモヤモヤが、晴れた気がする響だった・・・

 

 

 うららといつきの部屋では・・・

 

 うららは、今度やるドラマに恋愛シーンでもあるのか、台本を覚えながらも、感情込めてセリフを語った。いつきは、そんなうららに感心しながら見守って居た。

 

「あなたと身分が違っていても、私は・・・いつきちゃん、今の所どう思った?」

 

「うん、お姫様の役だね?中々感情が籠もってたし、良かったと思うよ」

 

「そう・・・少しホッとしました」

 

 そう言うと、うららはいつきをも見て微笑んだ。うららは何かを思い出したのか、手を叩くと、

 

「そうだ!ねえ、明日つぼみちゃんとえりかちゃんを誘って、四人で特訓しませんか?」

 

「エッ!?別に構わないよ」

 

「本当!?実は、四人で試して見たい技があって・・・」

 

「へえ、どういう技?」

 

「フフフフ、それは明日のお楽しみです」

 

「そ、そう・・・」

 

 何やら一人楽しそうに、口元に笑みを浮かべるうららを見て、いつきは苦笑を浮かべた・・・

 

 

 ラブとあゆみの部屋では・・・

 

 ラブは、ベッドに横になって大の字になりながらあゆみに話し掛け、

 

「いやぁ、さっきは参ったよねぇ?魔王は来るわ、水着はタコの怪物に取られるわで、散々だったよ」

 

「本当ですよねぇ、結局みんなの水着は海に流されちゃったし・・・散々でした」

 

 あゆみは、寝る時は髪を下ろしているようで、背中まで掛かる長い髪を、櫛で解かしながら、ラブに答えた。ラブは、枕を足で挟み、上げ下げしながら、

 

「アァア、折角水着買ったばかりなのになぁ・・・」

 

「ですよねぇ・・・そうだ!もしかしたら、ビーチに流されて来たりしませんかねぇ?」

 

「成る程、有り得るよねぇ・・・明日、捜しに行ってみようか?」

 

「はい!」

 

「「でも魔王には内緒に・・・・・アハハハ」」

 

 思わずハモった二人は、同じ事を考えて居たと知り、思わず笑い合った・・・

 

 

 美希とえりかの部屋では・・・

 

 美希は、机に座って、趣味であるアロマの調合をし、えりかはベッドにゴロゴロ転がりながら、秋の文化祭でのファッションショーの企画を練っていた。

 

「美希姉ぇ!美希姉ぇなら、学園祭でファッションショーやるなら、どんな感じにする?」

 

「エッ!?えりか、今年も学祭でファッションショーやるんだ?」

 

「そりゃあ、そうしょ!何せファッション部だよ」

 

「それはそうだけど・・・こんなアイデアもあるわよ?」

 

「エッ!?どんな?」

 

 美希は倚子から立ち上がってベッドに移動し、えりかの側に座ると、

 

「えりか達は、自分で作った服を観客にアピールしたい訳でしょう?」

 

「うん!」

 

「だから、ちょっとそこを捻って・・・えりか達がデザインした服を、お客さんに試着してもらうのよ」

 

「エェェェ!?そんなの無理っしょ?」

 

「あら、そうでも無いわよ?最近はパソコンに取込んだ服のデザインを使って、コーディネート出来るそうだし・・・ほら、ゲームとかでもあるでしょう?」

 

「オォォ!そう言えばあるね」

 

 美希が言うように、近年のロールプレイングゲームは、キャラに装備させる衣装を、全身姿で変えていくシステムが搭載されたゲームも増えていた。

 

「まあファッションショーなら、確かに話題性はあるけど、どうしてもモデルが主役で、服はその次って印象を受ける人も居るから、服をメインに考えるなら、こういう手もあるって事よ・・・えりか、参考にしてみて」

 

「流石美希姉ぇ!」

 

 えりかは美希に飛びつき、頬を美希の身体にすり寄せ、美希を苦笑させた・・・

 

 

 祈里とエレンの部屋では・・・

 

 祈里は、動物学の本を読んで居ると、フと疑問に思った事があり、試して見たい衝動に駆られて居た。

 

(エレンさん、人間の姿になってもう長いけど、猫の反射神経をまだ持ってるのかなぁ?)

 

 祈里は好奇心に負け、音吉から借りた本を熱心に読んでいたエレンに、バックから取り出した丸い球体状の物を、エレンの側で転がしてみた。コロコロ転がる丸い物体が、エレンの視界に入った瞬間、エレンは左手で球体を手に取り、不思議そうに凝視すると、

 

「祈里、何か転がって来たわよ?」

 

「ゴ、ゴメンなさい!」

 

 エレンから球体を受け取った祈里の両目はキラキラ輝き、更なる欲求が祈里に湧いてきた。祈里は、持って居た綿棒を取り出すと先端にティッシュを巻き付け、エレンの側でパタパタ揺らすと、エレンは綿棒を目で追い、素早く祈里から奪い取り、祈里は思わず両手で拍手をし、ハッと我に返ったエレンは、

 

「祈里!さっきから何してるのよ?」

 

「エレンさんが、まだ妖精時代の習性が残ってるのかなぁと思ってつい・・・」

 

「やっかましいわぁぁ!」

 

 エレンは、目を吊り上げながら祈里に抗議し、祈里は苦笑を浮かべながらエレンに謝った・・・

 

 

 せつなとあかねの部屋では・・・

 

 クールビューティな雰囲気を醸し出すせつなに、あかねは何と話し掛けようかと思案して居た。テレビの話題や漫画の話題を振っても、せつなはあまり興味が無いのか、見て無いわねの一言で会話が終り、あかねが沈黙する。

 

(アカン、何か他にせつなさんが興味ありそうな話題は・・・せや)

 

「せつなさん、魔王が急に現われた時は・・・」

 

「魔王の話は止めて!」

 

「ハ、ハイ・・・」

 

 せつなは、昼間魔王がラブを泣かせた出来事をまだ根に持ち、魔王の話題が出る事さへ嫌がっていた。あかねは益々困惑し、

 

(アカン、話題が続かへん・・・ン!?そういえばせつなさんは、ラブさん達と漫才大会に出た言うとったな・・・これや!)

 

 あかねは指をパチリと鳴らし、

 

「せつなさん、昔ラブさん達と一緒に、漫才大会に出た事ある言うとりましたなぁ?」

 

「エッ!?・・・そう言えば、そんな事もあったわね」

 

「誰とコンビ組んだんですのぉ?」

 

「私は・・・美希と一緒よ」

 

「美希さんと・・・美希さんは、ボケもツッコミも行けそうやから、面白かったちゃいますの?」

 

「さあ?あの時は、何が何だか良く分からない内に終わってたわ」

 

「どんなネタやったんですの?」

 

「あかね・・・眠たいの?」

 

「ハッ!?」

 

「今寝たって・・・」

 

「・・・・・」

 

 あかねはこの時、せつなが天然だと言う事に、初めて気付いた瞬間だった・・・

 

 

 つぼみとみゆきの部屋では・・・

 

 つぼみにとって、お姉さん代わりのなぎさ達、一つ下でありながら、自分より大人びている響達の前では振る舞えないが、みゆきの前では姉ポジションを演じられ、つぼみは喜びのあまり顔がニヤけて居た。みゆきは不思議そうに首を傾げ、

 

「つぼみさん、何か良い事あったんですかぁ?」

 

「良い事ですか?どちらかと言えば、今日は散々な目に遭った気がしますが・・・」

 

「ですよねぇ?」

 

「はい!プライベートビーチだったから良かったものの、もし普通の海水浴場だったらと思うと・・・ゾッとします」

 

 つぼみの脳裏に、一瞬自分達が大勢の海水浴客の前で、裸になった姿を思い浮かべ、変顔を浮かべた。みゆきもそんな姿を想像したのか、ブルブル頭を横に振り、

 

「そんな目に遭ったら・・・外を歩けなくなっちゃうぅぅ」

 

「ハイ!でも魔王のせいで、世界絵本博覧会では本当にそんな目に遭いかねませんでしたねぇ・・・そう言えばみゆきさんは、魔王とも一緒にお風呂に入っているんですか?」

 

「うん!魔王は、家のお母さんと入りたがってるんだけど、それは阻止しようとしてたら、お父さんが魔王を風呂に入れて上げて、風呂から出てきた魔王が私に泣きついて、それからは、キャンディと魔王と一緒に入ってます」

 

「何だか目に浮かぶようですねぇ・・・」

 

 つぼみとみゆきは、顔を見合わせると思わずクスリと笑い合った・・・

 

 

 ゆりとやよいの部屋では・・・

 

 無言の静寂が、やよいにプレッシャーを与えていた・・・

 

 やよいは、何か話題を振ろうと考え、幼い頃ならゆりもアニメや特撮を見て居ただろうと思うと、

 

「ゆりさん、ゆりさんは小さい時、どんなアニメを見てたんですか?」

 

「アニメ!?私は別に興味無かったわねぇ・・・」

 

「そ、そうですか・・・」

 

「でも、セーラー服を着た美少女戦士物だけは見てたわ!」

 

(キタァァァァ!)

 

 ゆりの言葉を聞いた瞬間、やよいの目はキラキラ輝き、

 

「あのアニメ面白かったですよねぇ!月に代わって・・・ゆりさんは、どのキャラが好きだったんですか?」

 

「そうねぇ、しいて上げれば、水星を守護に持つ・・・」

 

「ああ、あの天才少女!私も好きなんですよねぇ・・・知ってました?今度原作基準にしたリメイクが企画中だって噂ですよ?」

 

「そう・・・別に興味無いわね」

 

「そ、そうですか・・・」

 

 折角盛り上がりそうな話題を見付けたやよいだったが、呆気なく撃沈した。ゆりはやよいを凝視すると、

 

「そんな事より、やよい、宿題は持って来てるの?私が見て上げるわ」

 

「エッ!?アハハハ、わ、忘れちゃったなぁ・・・」

 

「そう・・・じゃあ私が問題を出して上げるわ」

 

「エッ!?」

 

 ゆりが紙に数学問題を書き始め、やよいの顔から大量の汗が滴り落ちてきた。

 

(だ、誰でも良いから・・・部屋を代わってぇぇぇぇ!)

 

 心の中で悲鳴を上げるやよいだった・・・

 

 

 れいかとアン王女の部屋では・・・

 

 れいかは、持って来た百人一首に関しての本を読んでいると、興味を持ったのか、アン王女がれいかに話し掛け、

 

「れいかさん、何の本を読んでらっしゃるんですか?」

 

「はい、これは百人一首と言い、日本の古き伝統の一つで・・・」

 

 れいかは、アン王女に百人一首の解説を始めた・・・

 

 百人一首とは、百人の歌人の歌を、それぞれ一首ずつ撰んで集めた歌集で、百人一首の中でも有名なのは、小倉百人一首と呼ばれて居た。藤原定家が、飛鳥時代の天智天皇から、鎌倉時代の藤原家隆・雅経にいたるまで、代表的な歌人百人の歌を選んだ物の事だった。江戸時代に入ると、木版画技術が普及し、絵入りの歌がるたの形態で広く庶民に広まったとされ、当時娯楽の少なかった人々が、皆で楽しめる遊戯としても普及した。アン王女は、日本の古き伝統という言葉に惹かれたのか、興味ありそうな表情で更にれいかに話し掛け、

 

「どのようにして遊ぶのですか?」

 

「そうですね、色々あるのですが・・・」

 

 れいかは、百人一首の遊び方をアン王女に話し始めた。かるた競技は、一対一の個人戦の事で、100 枚の札を裏向けて混ぜ、 25 枚ずつ取り、残りの 50 枚は使用しないとか、各自の持ち札を、上中下の 3 段に分けて、自分の方を向けて自由に並べたり、札の位置を15 分間記憶するなどしてようやく競技が開始される事、読み手が、百人一首の歌(上の句)を読み、読まれた歌の札に先に触れた方が、その札を獲得する。二人同時の場合は、自陣にある側が獲得する事を教えた。更にれいかは、100 枚の札を全て並べてその周囲に座り、 読まれた歌の札を取って、勝ち負けを決めるちらし取りや、読み手を除く参加者を、源氏と平氏の陣営に分け、 両陣営に 50 枚ずつ並べた札を3 段に分けた源平合戦などを教えた。

 

「中々奥が深いのですねぇ・・・実際にやってみたいものです」

 

 アン王女は、百人一首に益々興味を持ったのか、れいかの話に熱心に聞きいって居た・・・

 

 

 なぎさと真琴の部屋では・・・

 

 なぎさはへこんでいた・・・

 

 水着を取られただけで無く、プリキュアの衣装までタコの魔物タッコに剥ぎ取られた事で、落ち込んで居た。

 

「ハァ・・・幸い、またプリキュアに変身しても裸って事は無かったけど・・・最悪だわ」

 

「魔界の魔物って、魔王みたいな怪物ばかり何でしょうか?」

 

 真琴に聞かれたなぎさは、自分達プリキュアが戦った、魔界の者達を思い出し、ゾッと鳥肌が立った。

 

「もう変態相手は勘弁して欲しいよねぇ・・・ありえないって感じ」

 

「同感です・・・」

 

「ハァ・・・真琴、さっさと寝よう!」

 

「はい!」

 

 なぎさと真琴は、電気を消しベッドで横になると、少しして二人の寝息が聞こえて居た・・・

 

 

 翌朝・・・

 

 普段から早く起きているほのか、ゆり、れいかが、朝食の準備をしていると、突然姿鏡が姿を現わし、中から地球の神ブルーが現われた・・・

 

 

2、なぎさとメップル

 

 プリキュア合宿二日目・・・

 

 それは早朝から波乱に満ちて居た・・・

 

 なぎさ、ほのか、ゆりの三人は、突然やって来たブルーに呼び出され、かれんにゲストルームの一室を借りて、話し合いが行われて居た。他の一同は、急に現われたブルーに驚き、部屋の前に何人か集まり、成り行きを見守って居た・・・

 

「どう!?まだ三人は、神様に注意されてるの?」

 

「ウン!でも、いきなり神様が現われた時は、正直驚いたよねぇ?」

 

 エレンに聞かれたのぞみはコクリと頷き、まだ中に居る三人が、突然やって来たブルーに注意されて居る姿を見つめて居た・・・

 

「ブラック、ホワイト、ムーンライト、三人共分かって居るのかい?あの技は、無闇矢鱈に使うべきじゃ無いんだ!それを、何度も・・・地球の形状を変えかねないんだよ?」

 

「まさかぁ!?いくら何でもそれは言い過ぎじゃ・・・」

 

「「なぎさ!」」

 

「はい・・・」

 

 ほのかとゆりに窘められ、なぎさは押し黙った。なぎさ、ほのか、ゆりの三人は、昨日何度もプリキュアエクスクラメーションを放った事で、ブルーから厳重注意をされて居た。ブルーは溜息を付き、

 

「理由は兎も角、後輩達を導くべき筈の君達が、逆に後輩達に諭される何て、今の君達は・・・プリキュア失格だよ」

 

「「・・・・・・・・」」

 

 ブルーの言葉に、返す言葉も無く沈黙するほのかとゆりに反し、なぎさはブルーに対して、イライラした感情が沸き上がって居た。世界の危機にブルーは何もしないのに、どうしてプリキュア失格などと、自分達三人が言われなければならないのか?そう思うと、プリキュアになって、今まで抑えてきた感情が爆発したように、なぎさはブルーに噛みついた・・・

 

「プリキュア失格!?別に私達、神様に言われて今までプリキュアやって来た訳じゃないわよ!戦わないで済むなら・・・今直ぐにでも辞めたいぐらい!!世界の危機に、神様は何もして来なかったくせに・・・偉そうにしないで!!!」

 

「「な、なぎさ!?」」

 

「ブラック・・・」

 

 険しい表情でブルーに抗議するなぎさの姿に、ほのかとゆりは驚き、ブルーは憂いの表情を浮かべた。なぎさは更にブルーに文句を言い始め、

 

「私達が、どんな気持ちでプリキュアやって来たのか、考えた事ある?ほのかも、ゆりも、咲達だって、のぞみ達だって、ラブ達だって、つぼみ達だって、響達だって、みゆき達だって、真琴やアン王女だってそう・・・神様だか何だか知らないけど、私達の気持ちも知らないで、好き勝手言わないで!!」

 

 なぎさはそう言うと、勢い良くテーブルを叩き、ほのかとゆりが止めるのも聞かず、呆然とするのぞみ達を余所に、別荘を飛び出して行った・・・

 

 ブルーは、出て行ったなぎさを見て、沈痛な表情を浮かべた。千年前、キュアミラージュの心を傷付けてしまった出来事を、ブルーは思い出して居た・・・

 

(僕は・・・千年前と同じように、ブラックの心まで傷付けてしまったのか?)

 

 ブルーは右手で髪を掻き上げ、苦悩の表情を浮かべた・・・

 

「なぎさ・・・」

 

 心配したほのかが立ち上がるも、妖精姿に変化したミップルが現われ、

 

「ほのか、なぎさにはメップルが付いてるミポ。なぎさはきっと帰って来るミポ」

 

「ミップル・・・そうね」

 

 ほのかとゆりは、なぎさが帰って来る事を信じた・・・

 

 

 なぎさの心は揺れて居た・・・

 

 なぎさは、ブルーに対して思わず感情を爆発させたものの、森の中を走り続けて居ると、早朝の心地良い海風が、なぎさの苛ついた心を癒してくれるかのようだった。考えれば、ブルーの言葉もなぎさには理解出来た。あの時、ドリーム達が止めてくれなければ、この島は、大津波に飲み込まれていたかも知れないのだから・・・

 

(アァァ!私、何であんな事言っちゃったのよ・・・)

 

 更になぎさは、世界の危機に、ブルーは何もしなかったと、あの時は言ってしまったが、少し頭を冷やして考えれば、ブルーは、一万年前にはエンプレス達と、千年前にはキュアミラージュと共に戦い、力を無くした後も、この地球の為に、メランにプリキュアを引き会わせたりして来たのを、つい一昨日聞いたばかりだったと思い返し、自己嫌悪に陥った。

 

(これじゃ、昔プリキュアに成り立ての頃、ほのかと喧嘩した時と同じじゃない・・・)

 

「ハァ・・・」

 

 なぎさが溜息を付くと、森が開け、見晴らしの良い広場に出た。なぎさは腰を下ろすと、顔を隠すように体育座りを始めた。その時、コミューン姿だったメップルが妖精姿になると、黙ってなぎさの横に座った。メップルは、敢えて自らは語らず、ただ黙ってなぎさの隣に座って居た。なぎさは、隣に居るメップルに悩みを打ち明けるかのように、

 

「また・・・やっちゃった・・・」

 

「聞こえてたメポ」

 

「ハァ・・・つい感情的になって、あんな事言っちゃったけど・・・」

 

「後悔してるメポ?」

 

「そりゃあね・・・神様に、プリキュア失格何て言われて、ついカッとなっちゃったけど、確かにこんな私は、プリキュア失格だよねぇ?・・・ハァ」

 

 再び顔を覆うように項垂れたなぎさに、メップルはポツリと呟き、

 

「そんななぎさに・・・メップルは救われて来たメポ」

 

「エッ!?」

 

 ポツリと呟いたメップルの言葉に驚き、思わずなぎさは顔を上げてメップルを見た。メップルはなぎさの目をジィと見つめながら、

 

「なぎさとほのかが居たから、プリキュアになってくれたから、メップルは、ミップルに再会出来たし、今こうして此処に居るメポ」

 

「メップル・・・」

 

「メップルは、なぎさに感謝してるメポ。光の園が無事だったのも、虹の園が無事だったのも、なぎさ達が戦って来てくれたからメポ・・・一度くらいプリキュア失格何て言われたから何だメポ」

 

「・・・そうだね」

 

「なぎさやほのか、ゆりなら、神様に言われたプリキュア失格何て言葉、直ぐに訂正させられるメポ」

 

「そ、そうかなぁ!?」

 

「なぎさ、後悔してるなら・・・」

 

「そうだね・・・私、神様に謝って来る」

 

 メップルからの励ましは、傷ついたなぎさの心を癒していった・・・

 

 なぎさとメップルとの付き合いは、ほのかと親しくなるより早かった。普段喧嘩ばかりしている両者だが、互いの心が弱った時、叱咤激励してくれるパートナーだった。メップルは、少し元気を取り戻したなぎさに、

 

「それに、そんな顔してたら、折角の咲の誕生パーティーが、台無しになっちゃうメポ」

 

「だね!」

 

 そんななぎさとメップルのやり取りは、なぎさを気に掛けて追って来たブルーにも聞こえて居た。ブルーは、千年前の出来事を少し思い出して居た。ミラージュにも、ブルーの他にパートナーである妖精が居たのだが、ミラージュのパートナー妖精は、ミラージュに心酔していて、ブルーの言葉に耳を貸す事は無かった。

 

(君達二人は、互いに叱咤激励出来る、素晴らしい関係何だね・・・.)

 

 ブルーは、何かを決意したように表情を引き締めると、

 

「ブラック・・・ちょっと良いかい?」

 

「エッ!?か、神様?」

 

 メップルに励まされ、少し元気を取り戻したなぎさに、背後からブルーが声を掛けた。なぎさとメップルは、突然背後に居たブルーを見て驚きの表情を浮かべた。

 

 

3、なぎさとブルー

 

「か、神様・・・あのぅ、さっきはゴメンなさい!私、ついカッとなっちゃって、神様に酷い事を・・・」

 

「それは僕も同じだよ・・・ホワイトとムーンライトにも、此処に来る前に非礼を詫びて来たよ」

 

「エッ!?」

 

「ブラック、君の言う通りだ!君達がどんな気持ちで、この世界の為に戦って来たのか・・・そんな事も理解出来ない何て、僕の方こそ神失格だ!!」

 

「そ、そんな事無いです!」

 

「君に言われて・・・僕は千年前の事を思い出した。キュアミラージュの心を傷付けてしまった、あの時の事を・・・」

 

 ブルーはそう言うと、なぎさとメップルに自らの過去を語り始めた・・・

 

 

 一万年前、三人のプリキュアによって、大いなる闇は封じられた・・・

 

 だが千年前になって、大いなる闇は更なる禍と共にこの世界に甦った。ぴかりヶ丘の神社で巫女をして居たミラージュは、闇に覆われた空を嘆き、神に祈りを捧げた。その願いが叶い、空から地球の神ブルーが降臨した。ブルーは、ミラージュの清き心に触れ、彼女をプリキュアにする為、ブルースカイ王国の妖精、ファンファンを呼び寄せた。シルクハットを被り、灰色のつなぎを着て、背中の羽は黒いファンファンは、少し大人びた態度を取って居たが、徐々にミラージュの優しい人柄に触れ、彼女に心酔していった。キュアミラージュは、ブルーのサポートを受けながらも、たった一人で大いなる闇の配下達と戦い続けた・・・

 

「ミラージュは強かった・・・だが、大いなる闇の軍勢は、数で圧倒的に勝って居た。そこで僕は、ミラージュをメランに引き合わせた・・・結果は知っているね?」

 

「ハイ!」

 

「メランから水晶の鏡を託されたミラージュは、ミラクルマジカルパッドの力を使い、この世界を闇から解放した!だけど、大いなる闇は月へと逃れ、月ごとこの地球を破壊しようと企てたんだ!!」

 

 そう言うと、ブルーは当時を思い出すかのように目を瞑った・・・

 

 決戦の場が月だと知ると、ミラージュの心に不安が沸き上がって居た。もう二度と地球に帰れなくなるのでは無いかと思うと、ミラージュは心の不安を拭うべく、ブルーに本心を打ち明けた。

 

 それは、ミラージュがブルーの事を愛して居た事実・・・

 

 ブルーも本心では、ミラージュの事を愛して居た・・・

 

 愛しいミラージュをこの腕で抱きしめ、ミラージュの不安を拭い去って上げたかった・・・

 

 だがブルーは、地球の神として振る舞う事を選んだ。その結果、二人の間に微妙な隙間風が吹いた。

 

 時は待ってはくれなかった・・・

 

 大いなる闇との決戦の地、月に向かったミラージュ、ブルー、ファンファンは、大いなる闇が繰り出した巨大なる魔と戦った。その戦いは、過去の世界に飛ばされたなぎさも知って居たが、なぎさはあえてブルーの話に聞き入った。

 

「大いなる闇が同化した巨大なる魔の前に、僕達は苦戦した。メランから借りたマジカルラブリーパッドも、地球を浄化した事で、その力は無効化したに等しかった」

 

 ブルーはそう語り、目を瞑って少し間を置くと、

 

「僕は、シャイニングメイクドレッサーをミラージュに託した!」

 

「シャイニングメイクドレッサー!?」

 

 なぎさが聞き慣れない言葉に思わず呟くと、ブルーはコクリと頷き、

 

「そう、エンプレス達が持って居た三種の神器のように、僕が力を貸したプリキュアに、光の加護を与えるアイテムとでも思ってくれれば良いよ」

 

 ブルーは、シャイニングメイクドレッサーの力を解放し、ミラージュは大いなる闇を倒した。だが、それも束の間の出来事だった・・・

 

 精神体となった大いなる闇は、あろう事かキュアミラージュに取り憑いた。普段のミラージュならば、取り憑いた大いなる闇の甘言など一笑に付したであろう。だが、ブルーの愛を得られなかったと思って居た、ミラージュの心の隙を、大いなる闇は巧みに付いて来た。ミラージュは、心の中に沸き上がってくる黒い欲望に気付いた。

 

「ミラージュは、大いなる闇に取り憑かれ、負の感情に支配されていった。ミラージュは、僕にこう言ったんだ・・・私事、大いなる闇を封じてくれと!」

 

 ブルーは再びその時を思い出したかのように、悲しそうな顔をしていて、見て居たなぎさの心も悲しみに包まれた。

 

「キュアミラージュの美しかった真紅に染まる赤い髪が、黄緑色に変色し、身に纏って居たプリキュアの衣装さえも、黒く変貌していった。ファンファンは絶叫し、ミラージュを助けるように僕に叫んだ。でも、シャイニングメイクドレッサーの真の力を解放出来るのは・・・プリキュアだけだったんだ!」

 

「・・・・・・」

 

「僕は、この手でミラージュを・・・シャイニングメイクドレッサーに封印してしまったんだ!僕がミラージュを・・・」

 

「神様・・・」

 

 ブルーは、地球を救う為に、非情な決断をするしか無かった。ファンファンはブルーを罵り、ミラージュと共に、シャイニングメイクドレッサーに封印される事を選んだ。だが、大いなる闇は、封印される間際に精神を分離させ逃れて居た事を、ブルーは後になって知った。

 

「僕は、あの時のミラージュの声が忘れられない・・・必死に手を伸ばしながら、僕の名を呼び続けたミラージュの声が・・・その時から僕は、名ばかりの神となった」

 

「そんな事無い!」

 

「ブラック!?」

 

「さっきはあんな事言っちゃったけど、神様は力を失いながらも、この世界の事を憂い、私達の事を見守って居てくれて居た」

 

 思わず見つめ合うなぎさとブルーを見たメップルは、軽く咳払いをすると、

 

「なぎさ、藤P先輩から、神様に乗り換えたメポ?」

 

「な、な、何言ってんのよぉ?」

 

「オヤァ!?赤くなったメポ?」

 

「あんたねぇぇぇ・・・コラ!メップル!!」

 

 ブルーの前で追いかけっこを始めたなぎさとメップルを見て、ブルーは沈んでいた心が少し晴れた気がして居た。なぎさがブルーと共に帰って来た事で、他の一同はホッと安堵し、ブルーを交えて楽しげな朝食の時間を過ごして居た・・・

 

             第百九話:少女達は・・・

                   完




 第百九話投稿しました!
 各部屋の様子を書いたら長くなっちゃいました・・・
 特訓と咲の誕生会の模様は、また次回に回しました

 魔法つかいプリキュア・・・
 リコのパパ出ましたねぇ・・・中々のイケメンで、何かみらいのママと話合いそうな雰囲気で、思わずニヤニヤしてしまいました。近々リコママ連れて来るって言ってましたが、信じて良いの?信じちゃうよ!リコママ待ってるからねぇ!!
 天狗のようなシャーキンスに続いて、ベニーギョも初登場!雷様のような、セクシー系敵キャラでしたねぇ・・・どことなくMHに出てたビブリスを思い出しました。

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