オレを踏み台にしたぁ!?   作:(╹◡╹)

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なのはさんに正体が感付かれそうになっている中の人こと顔文字の人。
果たして無自覚のまま、どう切り抜けるのか…?


少年と友達・上

『あーあ、こんなクソゲーもうやってらんないよ』

『………』

 

 それは、今ではない“いつか”の会話。

 それは、もういない“誰か”との会話。

 

『だからおまえに譲ってやる。精々感謝するんだね』

『………』

 

 いや、会話にすらならない一方的通告。

 そして、“自分”は…

 

 

 

 

 ――チュンチュンチュン…

 

「あ゛~…」

 

 小鳥の鳴き声をBGMに覚醒。今日も清々しい目覚めだ。……体調が絶不調なことを除けばな!

 なんだか妙な夢を見ていた気もするが、覚えていないということは大したことないのだろう。

 体調が悪い時は得てして悪夢を見てしまうものだ。むしろ覚えてなくてラッキーということか。

 

 弱った身体に鞭打ちベッドから起き上がったところ、何かがおかしいことに気付く。……はて?

 

「こういう時は昨日の行動を思い返そう。え~と、いつもどおり道場で素振りして…」

 

 そう、あの物体Xを食べて八つ当たり気味に妹さんに鬱憤を撒き散らした後、確か自宅玄関で。

 ……うん、冷静に考えれば酷い。いっそ本当に死んでた方が世間のためだったかもしれない。

 だが、オレはともかく悠人少年まで巻き添えにするのはNGだ。反省はするが死ぬ気はないぜ。

 

「む… そういえばいつの間にベッドに?」

 

 ここで漸く違和感の正体に気付く。そうだ、オレは玄関でぶっ倒れてた筈。いつの間に此処に?

 考えるんだ。爆ぜろリアル! 弾けろシナプス! ヴァニッシュメント・ディス・ワールド!

 この状況に至った経緯についてオレは灰色っぽい脳細胞で推理する。邪王真眼は全てを見通す!

 

 1.夢遊病患者よろしく倒れたオレが自力で歩いてベッドイン

 2.死の淵に立たされたオレが特殊な能力に覚醒! 転移魔術でベッドイン

 3.親切な第三者が扉を開けて倒れてるオレを確認。そのまま寝室まで運んでベッドイン

 

 うわぁい。1~3のどれに○を付けても「おまえ、頭おかしいんじゃね?」になっちゃうYO!

 

「まぁ深く考えたら負けな気がする。さて、今の時間は… ん?」

 

 平日だし学校もある。時間を確認するため、時計を置いてあるサイドテーブルに視線を移すと…

 見慣れぬ紙切れが置いてあった。……これはなんだろう? まぁ、危険物ではなさそうだが。

 悩んでも仕方ないと手にとって読んでみると、それは意外な衝撃をオレに与えてきたのだった。

 

 

 

『悠人くんへ

 

 お体の具合は如何ですか?

 あなたが玄関で倒れているのを見た時は心臓が止まりそうになりました。

 仕事の都合で一人暮らしをさせている私達が言うのもなんですが、

 あまり無理をせず、何より自分の体調を第一に考えて生活して下さい。

 勝手かとは思いますが、学校には既に欠席する旨連絡しておきました。

 本日はどうかゆっくり静養するようにして下さい。

 もし体調が思わしくないようならばキチンと病院へ行くこと。

 体調如何によっては迷うことなく救急車を呼ぶようにして下さい。

 本当は目が覚めるまでついていたかったのですが、急な仕事が入りました。

 この場を二人揃って離れてしまうことを、心苦しく不甲斐なく思います。

 ダメな親だと恨まれ、憎まれ、嫌われるかもしれません。

 それでもあなたを愛する気持ちは夫婦ともに変わりません。

 何か必要なことがあればいつでも電話をかけて下さい。

 勿論必要なことがなくてもいつでもお電話下さい。待っています。

 電話が面倒だったらメールでも構いません。どちらもお待ちしています。

 それと一度は断られましたけれど、良かったら一緒に暮らしましょうね。

 あとお金についてですが…――

 

 

 

「………」

 

 お分かりいただけただろうか? このオレが衝撃を受けた理由を(白目)。……愛が重いわ!?

 この紙切れにどれだけ愛と文字を詰め込めば気が済むのか。いや、凄く良いご両親なのだが。

 良いご両親なのだが、うん、ちょっと悠人少年が距離を置きたがった理由が推測できてしまう。

 

 とりあえず激しく目が滑るだろう諸兄に成り代わり、内容についてオレなりに要約してみよう。

 

 1.学校に欠席連絡したよ! 病院いけよ! しんどかったら救急車使え!

 2.もう帰るけどいつでも電話かけてこいや! メールでも可!

 3.一度我々との同居を断ったな? だがまだ諦めてないぜ!

 4.遠慮せず金使え! てか使わないと心配する! 口座番号はこれだぜ!

 

 ざっとこんな感じだろうか?

 

 病気かもしれない玄関で倒れてた子供を置いていくのは、個人的になにか思わんでもないが…

 同居するのを断ったのは悠人少年からのようだし、養育費は充分過ぎるほど与えてるようだ。

 とすれば、あとは彼ら家族の問題。オレがあれこれと気を揉むのはお門違いでしかないだろう。

 

 やれやれ… ご両親と対面が叶わなかったのは、オレにとって幸運だったのか不運だったのか。

 オレが気を揉むのはお門違いとは言ったものの、悠人少年が戻らねば嫌でも対面の時が来る。

 その時のことを、今から考えておくのも必要なことなのかもしれないな。ま、なにはともあれ…

 

「ゴフッ! ……うん。病院、いこっか」

 

 オデノカラダハボドボドダァ! ……一刻も早く、もずく湯に漬からないと(使命感)。

 

 ………

 ……

 …

 

 ボロボロの身体を引き摺りながら、なんとかオレは“海鳴総合病院行き”のバスに乗り込んだ。

 安堵の溜息を吐く。しかし、それで終わりではなかった。さらなる悲劇と絶望がオレを襲う。

 一体オレに何が起こったのか? それは… はい、酔いました。……弱ってたから仕方ないね。

 

 つまり…

 

『だから昨日のような戦い方をするなとは言わないけど、無茶はしないで欲しいんだ』

『う、うん。ごめんね』

『僕は頼りないかもしれないけど、昨日起こった次元震動はとても危険なんだよ? だから』

 

 夢電波の世界に飛んでしまうのも、時間の問題だったということだよ! はっはっは!(白目)

 

『おっはよー、おまえら。元気ー? オレはグロッキーなう (*´・ω・)ノ』

『おっす、おはよう。ほら、二人共もうその辺にしておけよ。……グロッキーって大丈夫か?』

『あっ、顔文字の人… その、無事だったんだね…』

 

 少女が淋しげな声を出してる。もしや心配させてしまったか? ハハッワロス、自意識過剰乙。

 

『なんだ、調子悪いの知ってたのか? だったら教えてくれればいいのに』

『あ、うん、その… 次元震のこととかあって…』

『あー… そういえば昨日ちょっと揺れたらしいね。そっちは大丈夫だった? (´・ω・`)』

 

 スマホに地震のニュースが入ってた時は驚いたぜ。下手すりゃ玄関で潰れてお陀仏だったとか。

 でもお互いに怪我がなくて良かったな。少女がちょっぴり元気ないのが気がかりではあるが。

 オレが声をかけるまでなんか言い争いをしてたみたいだし、それ関係かな? 仲良く喧嘩しな!

 

『震源地でしたけど、まぁ、なんとか。そっちもお大事に。友人が元気ないと寂しいですよ』

『……え? (´・ω・`)why?』

『“え?”ってなんだよ。こっちはオマエのこと友達だって思ってるのに。そっちは違ったのか?』

 

 震源地だったのか。そっかそっか、でもみんな無事で何よりだよ… え? 今、なんて言った?

 ゆうじん? ゆうじん… ゆーじん… ユージン=R=桜庭。なんだ、悠人少年のことか。

 一瞬オレのことを友達と言ってくれたかと思って舞い上がりそうになったぜ。え? ……はい?

 

『 (´・ω・`)...』

『ど、どうした! なんか固まってるぞ!?』

 

『 (´;ω;`)ブワッ』

『ひっ… なんかいきなり泣きだした。ご、ごめんなさい。なにか失礼なことでも…?』

 

 ごめんよ… そしてありがとう。おまえらのこと、最初はオレの弱い心が生み出した妄想だと…

 まぁ、ぶっちゃけ今でも割りとそう認識しているのだけど… でも、本当に嬉しかったZE!

 確かにオレの妄想が生んだイマジナリーフレンズかもしれない。けど、この想いは本物だよな!

 

『いや、嬉しくて… 友達いた記憶もないし… ありがとう、ありがとうオマイら( TωT )』

『そんな… お礼なんて必要ないですよ』

 

『今までオマイらのこと、オレの弱い心が生んだ小粋な妄想どもと思っててごめん( TωT )』

『よーし、そこは全力で謝れ』

 

 オレの友達第一号が妄想の生んだ何かというのは、この際気にしないでおく。とにかく友達だ!

 辛いことや悲しいことがあったら、こうやって夢電波の世界で愚痴ったり相談をしたりして…

 そうしてオレの健全な青春ライフは営まれていくのだな! やったぜ、悠人少年! 第三部完!

 

 ……いやいや、妄想に逃げ込むアレな人になってるよ。バトンタッチされても悠人少年困るよ。

 

『で、結局昨日なにがあったんだよ?』

『それは僕も気になります。ひょっとしたら何か力になれるかも知れませんし』

『あ… その…』

 

 少女が口を開こうか迷っているようだ。昨日はテンパッて大分アレなこと口走っちゃったしな。

 よーし、案ずるな。ここは口先の魔導師と呼ばれるかもしれないこのオレに任せておくのだ!

 こう、なんかアレな感じでみんなまとめてふわっと適当に丸め込んでくれるわ! フハハハハ!

 

『そこから先はオレが話そう。……さて、君たちが知らぬのも無理は無い (o≧▽゚)o』

『うん… わかった。みんなも聞いて、顔文字の人の話』

『なんか大袈裟だな。そうまで言われなくてもちゃんと聞くって』

 

 オレは厳かに語り始めた。

 

『魔王を倒した勇者に地上が沸く頃、人知れず遥かに強大な敵と戦っていたのだ… o( ̄‐ ̄*)』

『うん… お姉ちゃんの料理を、うん?』

『魔王よりも遥かに強大な敵… それは一体…?』

 

 後に勇者と呼ばれる少年の父となる、ある男の話を。

 

『……その名は冥竜王ヴェルザー! (。-`ω´-)』

『冥竜王… ヴェルザー…?』

『一体どんなヤツなんだ…』

 

 強大な敵の登場。少年たちの盛り上がりに、オレの語り口も熱を帯びる。

 

『魔王すら大魔王の手駒に過ぎぬ。その大魔王と魔界を二分する、それほどの猛者だ (-ω-)』

『そんな! そんなヤツ相手にたった一人で戦うなんて無茶だ!?』

『あの… もしもし?』

 

 ……あれ? もともと何の話してたっけ?

 まぁ、いいか。思い出せないということはきっと大したことないんだろう、うん。

 

『辛くもヤツを退けたもののその生命は風前の灯。もはや死を待つばかりだった… (_ _|||) 』

『くっ… どうにもならないのか…?』

『………』

 

 固唾を呑んで聞き入る3人の気配を感じる。ここからが盛り上がりどころだ。

 

『だが、一人の美しい王女によって救われることとなった。その女性の名はソアラ c(´ω`*)』

『助かったんですね!』

『やったぜ!』

 

 途端に歓声に沸く3人。フッ、現金なものだ。そしてここからは恋愛描写だ!

 

『王女ソアラと知られざる英雄… 二人は惹かれ、互いに愛し合うに至った (>ω<)』

『英雄とお姫様のラブロマンスですか。王道ですけど、こう、胸に来るものがありますね』

『きゃーきゃー! …って、あれ?』

 

 まぁ、ほとんどこの一瞬で終わるんですけどね。恋愛描写。

 

『しかし幸せは長くは続かなかった。己の権力に固執する家臣が王に讒言(ざんげん)し… (・ω・` )』

『やっと掴んだ幸せなのに… こんなの、ひどすぎる…』

『ちょっとちょっと、顔文字の人…』

 

 ここで少女が声をかけてきた。なんだろう? 少年たちも続きを楽しみにしているというのに。

 

『ん? なになに? (´・ω・`)』

『うん。その話の続きは私もすごく、すごく気になるんだけどね? 昨日の話については…』

『昨日の話… あっ Σ(゜ロ゜;)!! 』

 

 やっべぇ、すっかり忘れてたZE! ……よし、ここはクールに徹して誤魔化そう!

 

『……忘れてたんだね?』

『そ、そんなことないですじょ…? ヾ(゚ロ゚*)ツ三ヾ(*゚ロ゚)ノぁゎゎ』

『なんでだろ。顔文字の人の事、信じたいのに… 嘘つきだなんて思いたくないのに…』

 

 おかしい。このオレの軽妙なトークが通じない… いや、そもそも通じたことあったっけ?

 なんか八神にボコボコにされた記憶しかないような… う、うん。まぁ、気にしないでおこう。

 大丈夫! きっと大丈夫だよ!

 

『だ、大丈夫。大丈夫、とにかく大丈夫。大丈夫だから! (;ω; ))オロオロ (( ;ω;)オロオロ』

『全然大丈夫だって気持ちになれない… 顔文字の人が言ってること、本当だって思えない!』

『……ごめんなさい m(_ _;m)』

 

 ……オレは無条件降伏した。

 

『もう! 顔文字の人ったらもう! 私は真面目にお話してるのに!』

『ごめんごめん。つい調子に乗っちゃって… 反省してるって ( ̄∇ ̄)ゞゴメリンコ~♪』

『おい、ちっとも反省してるように見えないぞ。まぁ、ノッた俺たちも俺たちだけど』

 

 いやぁ、友達扱いされちゃってついテンション上がっちゃったぜ。とはいえ、真面目に戻ろう。

 からかうつもりはなかったけれど、結果的にそういう感じになっちゃったのは反省しないと。

 おれは しょうきに もどった! トラスト・ミー。で、昨日の話だったっけ? 料理だとか。

 

『ホントにすまんかったって。で、何の話だっけ? 昨日の献立の話? (´・ω・`)』

『いや、献立は関係… あるようなないような。じゃあ、こっちから幾つか質問いいかな?』

『おっけー! かかってきなさい! (`・ω´・ ○)ノシ クイクイ...』

 

 質問? なんだろ? スリーサイズとか聞かれても答えようがないけれど。聞かれないよな。

 

『顔文字の人の名前… 教えてもらっても、いい?』

『あー… それかー… うーん、なんて言ったらいいかな… ( ̄ω ̄;)』

『……やっぱり、言えない?』

 

 “言えない”ってのはそのとおりだが。なんと答えたものか… まぁ正直に言うしかないかな。

 

『まぁ、言えないっていうか… オレ自身、自分の本当の名前覚えてないんだよな ( ̄ω ̄;;)』

『……え?』

『仮の名前なら言えるんだけど、求めてるのはそういうのじゃないんだよな? (・ω・`)』

 

 “仮”っつーか“借り”になるんだろうか。この身体も借り物だし… 色々すまんな、悠人少年。

 

『ご、ごめんなさ… わ、私! そんなつもりじゃ…!』

『どうどう、落ち着け。別に悪いこっちゃないって。な? で、他に質問あるー? ヾ(。・ω・。)』

『う、うん… ごめんね。えっと、じゃあ…』

 

 信じるんかい。いや、嘘は言ってないんだけどさ。……この子らの将来が心配になってくるぜ。

 まさか大人ってことはないよな? 大人でこの信じ易さだったらちょっとヤバい。和むけど。

 まぁ、信じてくれたのならば大人としてソレに応えるべく、誠意ある回答をしなきゃいかんな。

 

 そうだろ! 松ッ!! ……今どき、無法松を知ってる人っているのかな。

 

『えーと… 学校で、“悪のカリスマ”って呼ばれてたりする?』

『え? なにそれ? いじめ? (´・ω・`)what?』

『じゃなくて… その、自分で名乗ってて友達とかに呼ばせてる… とか…』

 

 悪のカリスマ… DIO様なの? 邪悪の化身とか? もはや痛々しい中二病患者じゃねーか。

 あまつさえソレを人に呼ばせてる? ねぇよ… 黒歴史確定の大惨事だろ。そりゃないわー。

 というか、そもそもオレが人にそう呼ばせるのって不可能なんですけどね! 改めて言えと!?

 

『This is 無理。Because オレ ぼっち。……OK? (´;ω;`)ブワッ』

『ご、ごめんなさい… その、私、なんて言ったらいいか…』

『な、なぁ… 落ち込むなよ。……今はその、俺たちが友達だろ? な?』

 

 せやな! まぁ、少女の手前落ち込み過ぎても嫌がらせみたいになる。今はぼっちじゃないし。

 オレの妄想が生んだ夢電波とはいえ、この暖かい友情は本物なのだから。だから気にしない。

 べ、別にチョロくなんてないんだからね! 勘違いしないでよねっ! ……うん、オレきめぇ。

 

『大丈夫大丈夫… オレのLP(ライフポイント)はまだ残ってるから… で、他の質問はー? (つд;*)』

『ご、ごめんなさい。これで最後だから。……珈琲は、好きですか?』

『大嫌いです (`・ω・´)』

 

 あ、うっかり0.3秒で即答しちゃったよ。少女が珈琲好きゆえの質問だったならどうしよう。

 でもしょうがないね。珈琲だけはない。この一ヶ月ちょっと、オレがどれだけ悩まされたか。

 仮に少女が珈琲大好きだったとしても、オレを巻き込まない何処か遠くで好きに嗜好してくれ。

 

 流石にオレも妄想にまでブラックの缶珈琲を渡せるなんて思っちゃいない。触れぬのが一番だ。

 

『え? ほ、ホントに? じゃあ、ブラックの缶珈琲とかは…』

『この世で最も忌むべき存在だな ( ゜ω ゜)』

『……そう、そうなんだ。うん、大嫌い… か。良かったぁ… やっぱり“違った”んだね』

 

 なんか喜んでる。コワイ。どうした、少女。そんなに珈琲嫌いだったのか? 仲間だったのか?

 オレ、今までに珈琲派と思わせるような言動してたのかな? え? マジで? どうしよう。

 言動全てが珈琲くせぇんだよ、バーロー。とか言われてしまったらもはや立ち直れそうにない。

 

『ちょっと待て! 珈琲嫌いとは放っておけないな! この俺が珈琲の良さを一から…』

『黙れ、その珈琲臭い口を即座に閉じろ ( ̄△ ̄;)』

『………』

 

 あっ…

 

 その後、オレたちは凹んでしまった珈琲好きの少年を三人がかりで宥める羽目になったのだが。

 一方少女はというと、何故か上機嫌で終始ニコニコしているようですらあった。……解せぬ。

 誰のせいでこんな状況になったと思ってるんだか。……はい、オレのせいですね。すんません!

 

『えー… 海鳴総合病院前でございまーす。お忘れ物のないように気を付けてお降り下さーい』

「……んが? ……到着したか」

 

 1秒間に16土下座という神業を成し遂げた頃、オレを乗せたバスは病院に到着したのだった。

 

 涎を拭きつつ下車。さーて、今日も1日頑張るぞい。




特にヤマ場もないのに思ったより文が長くなってしまったので上下に分ける羽目に…
下に続きますがいずれ統合するかもしれません。
その場合は紛らわしいかと存じますがご容赦賜われればと存じます。

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