メリダ島作戦本部。
陣代高校が戦場に変わりつつある中でこちらも危機的状況に対面して居た。
原生生物が未だ多く生息するこの島に、アマルガムの大部隊が総力を上げてミスリルを壊滅させようと迫る。
確認出来るだけでも全長40メートルを超えるベヘモスが4機、海を歩いて進む。
ラムダドライバ搭載機に対抗する手段を確立出来てないミスリルにベヘモスは強敵だ。
真正面から戦って勝機はなく、孤島であるメリダ島に援軍は間に合わない。
残された手段は逃げるだけ。
だがそれも厳しい状況にある。
ヘリで上空から逃げようものなら大部隊による一斉射撃で撃墜されてしまう。
それを防ぐ為には海底から、トゥアハー・デ・ダナンでメリダ島から脱出するしかない。
しかしトゥアハー・デ・ダナンは長期航海によるパーツ疲労からエンジンのオーバーホールをして居る所。
エンジンの組み立てだけでも残り1時間は掛かる。
動けるようになってもすぐに航海出来る訳ではない。
物資を搬入しなければ海に出ても2、3日で水底に沈む事になる。
艦長であるテッサは司令室から指示を飛ばしながら、本拠地であるメリダ島を放棄してでも脱出する方法を考えて居た。
「マデューカスさん、ダナンの方は?」
「はい、オーバーホールを終わらせるだけでも1時間は掛かります。物資の搬入、乗組員の乗船を含めると2時間は欲しい所です」
「相手がそれだけの有余をくれるとは思えません。あと30分縮めて下さい」
「ですが人員も限られてます。整備に裂くと迎撃が」
「そう言う心構えで進めて下さい。でなければ私達はココで死ぬだけです。マデューカスさん、アナタは先にダナンへ向かって下さい。指示を任せます」
「イエス、マム」
敬礼してマデューカスはテッサの隣から離れて整備作業を受けてるトゥアハー・デ・ダナンへ走った。
今、敵の侵攻に総力を上げて立ち向かわなければならず基地内は何処も慌ただしい。
怒号が飛び交い少しでも時間を縮めようと通路を走りうるさいくらいに足音が響く。
コンテナに詰め込んだASの消耗部品や装備品を重機で艦内へ運ぶ。
とにかく時間がなかった。
攻撃が始まれば負傷兵は出るし作業効率は確実に下がってしまう。
だから敵が侵攻して来るまでに少しでも進める必要があった。
「カリーニンさん、迎撃の方は?」
「現在稼働出来るM9は12機。ウェーバー軍曹の機体に試作品の『妖精の目』を急ピッチで取り付けています。クルーゾー中尉とマオ曹長の機体には『ITCC-5 統合戦術通信管制システム』を準備させてます」
「結構。アーバレストは?」
「同様に進めて居ます。ダナンの出港に合わせて巡航ミサイルで東京に発射します」
「それでは間に合いません。アーバレストは他と独立させて作業を進めさせて。完了次第、すぐに向かわせるように」
「了解です」
刻一刻と迫る戦いの時。
それは東京の宗介とかなめも同じだった。
///
昨夜のレナードが現れてからすぐに宗介は脱出の為の準備を始めた。
日も昇らぬ早朝から部屋を出てた白いセダンに乗り込みかなめのマンションから遠くへ向かって走り出す。
車で移動する事1時間。
人通りの少ない路地へ車を止めてジッと息を潜める。
この状態から6時間も待ち続けた。
宗介は身を屈めて外からも見えにくいようにして寝ずに警戒した。
(この東京にアマルガムが居る、確実に。あの男、レナードがすんなり戻ったとも考えにくい)
後部座席で水色の毛布を掛け横たわるかなめは体が辛くなって目が冷めてしまう。
寝返りも出来ずに寝たせいであまり体力は回復せずまぶたは半開きでまだまだ眠い。
携帯電話は家に置いた来てやる事もないかなめはドクターJから貰ったサムを抱えて時間が過ぎるのを待って居た。
「宗介、そこまで心配しないとダメなの?」
「ダメだ。絶対に窓から上に体を出すな」
「寝っぱなしも辛いのよねぇ。朝だしお腹空いて来ちゃった。クーラーボックスのパン食べるくらいは良いでしょ?」
「あぁ、走るかもしれん。体力を付けておけ」
許可を受けてかなめはマットに置かれたクーラーボックスの中に詰め込まれた食料に手を伸ばした。
いろいろなモノが入ってる中でメロンパンを取りビニールを開け口に頬張る。
片手にパンを持ちながら、密室空間のストレスを発散させる為にサムとじゃれ合った。
サムはまだ塗装されておらず貰った時と同じでボディーは銀色。
人差し指で鼻先で撫でながら撫で声で話し掛ける。
「ねぇ~サム。早く家に帰りたいねぇ」
『ナァゴ』
録音された猫の鳴き声が口元のスピーカーから鳴る。
楽観視してるかなめとは裏腹に宗介は緊張の糸を張り詰めて居た。
今までにもかなめと一緒に戦闘へ巻き込まれる事は幾度もあったが今回ばかりは違うと経験と勘が告げる。
(本部と最後に連絡が取れたのが4時間前。向こうも死に物狂いだ、援軍はないと見て良い。ここにも必ず来る。そうなれば何としても千鳥だけは守り抜く)
「あっ!! 宗介も何か食べる?」
「必要ない」
「でも食べて体力付けろって言ったのは宗介でしょ? アタシと違って寝てもないんだし」
「そんな事を言ってる……わかった」
またすぐに帰れると思ってるかなめに宗介は何も言わない。
運転席で姿勢を低くしてフロントガラスを覗く宗介は振り向きもせずに後部座席へ手を伸ばした。
かなめはクーラーボックスをガサゴソ物色しながら食べ物を選ぶ。
「何が食べたい? アンパン、クロワッサン、おにぎりもあるけど」
「悠長に食べる暇はない。チョコレートがあった筈だ。それで良い」
「わかった。う~ん」
暫く中を探すかなめだがチョコレートは見当たらない。
変わりになるモノを掴み伸ばされた左手にソレを置いた。
「コレで良い?」
引き寄せた宗介の手にはチョコレート味のカロリーメイトが握られて居た。
「贅沢を言うならサラダ味が良かったが」
「これアタシが買い溜めしたヤツなんだから文句言わない」
「そうだな。栄養が補給出来るなら何でも良い」
箱を開け、包まれてるビニールを引き裂き長方形のクッキーブロックを口に運ぶ。
空いた手でカーラジオに手を伸ばし電源を付けた。
雑音混じりの声で今日の天気予報を述べて居る。
『今日は1日曇りの――が続くでしょう。地域によっては――の降る場所もありますので傘を準――外に出るように――下さい』
聞いた瞬間、宗介はセダンのオートマチック車のシフトレバーを操作しアクセルを踏み込んだ。
フロントタイヤがスキール音を鳴らし車が急発進する。
突然走り出した車に、かなめは後部座席のシートへ慣性で押さえ付けられてしまう。
『ニャァァァ!!』
「どうしたのよ急に!?」
「伏せろ!!」
有無を言わさず怒鳴る宗介。
アクセルをべた踏みしながらハンドルを捌き車は速度を上げ道を進んで行く。
(レーダーで確認した訳ではない。実際に目視した訳でもない。それでも敵が来てると俺の勘が訴えて居る。この場所も戦場に変わるのか)
自らの直感に従い動く。
けれども法定速度を超えて猛スピードで走ったせいで警察の白バイがサイレンを鳴らして追い掛けて来てしまう。
男性の警官が拡声器で警告を促して来る。
『そこの白いセダン、白いセダン止まりなさい』
「警察が来たわよ。大丈夫なんでしょうね?」
「今は止まれない」
警官の声を無視してアクセルを踏み続ける。
信号も無視して進んだ先の交差点を右へ曲がった。
ガードレールの内側から、黒いコートを身に纏った大男が機関銃を向けて居る。
「アラストル!?」
強力な弾丸が絶え間なく発射され白いボディーに穴を開けて行く。
幸いにもタイヤは無事だが左側の両ドアには幾つもの風穴。
窓ガラスもヒビで真っ白になってしまう。
止まる事なく射程距離外に逃げようとスピードを上げる。
しかし後ろから追い掛けて来た白バイにも容赦無い攻撃が降り注ぐ。
むき出しのエンジンに直撃してバランスも崩れてしまい青い制服を着た警官はアスファルトに叩き付けられる。
関係ない人が犠牲になってしまう所をかなめは後部座席の窓から見てしまった。
「あの人が撃たれた!! 助けないと」
「伏せるんだ千鳥!!」
「だって――」
「とにかく今は逃げる!! そんな余裕はない!!」
かなめの声を遮断して敵の追撃から距離を離す。
だが行く先にはまたアラストルの姿が。
右腕の機関銃を向け暴力的なまでの攻撃をして来る。
発射線上には他に走ってる車も居るが関係ない。
銃声が響き渡りボディーへ着弾。
その内の1発が燃料タンクに当ってしまう。
引火する事はなかったがガソリンがドボドボと零れこのままではすぐに走れなくなる。
目に見えて燃料メーターが下がって行き宗介も時間がない事を認識する。
「さっきの攻撃で燃料が漏れた。チッ!!」
「キャアアアァァァ!!」
右から、左から、アラストルは行く先々に次々と現れては宗介が運転する車に向かって砲撃して来る。
辛うじて走れるが車はもう限界だ。
周囲にも大きな被害が出てしまって居る。
炎上する車。
機関銃の流れ弾に当たり腕がちぎれ飛ぶ。
流れ落ちる血。
泣き声と叫び声が入り混じる。
道には動けなくなった人達が倒れ込み、黒煙が空を汚す。
ここはもう紛れもない戦場と化した。
爆音と振動が響き渡る中でかなめは後部座席で背を低くしながら、戦火に包まれた街の様子が脳裏で思い出してしまう。
抵抗する事も、逃げる事も出来ずに、一方的に振るわれる暴力。
「これが戦争なの? 関係ない人がいっぱい……一杯巻き込まれて」
「敵の狙いは明らかに俺達だ。それでもこうなるのが戦争だ。わかる必要はない。それでも今はこうするしかない。助けてはやれない」
非情な現実を突き付ける宗介。
今まではミスリルが寸前で止めてくれた。
ケガを負うのも、死ぬのも兵士だけだったが、目の前の光景はそうではない。
かなめは震える体を押さえ付け隠れるしか出来なかった。
「アレは……」
何処から現れるかもわからないアラストルの攻撃を避けながら、宗介が見つけたのは上空を飛んで来る巡航ミサイル。
それは2キロは先の地点へ着弾するが爆発は起こらない。
「アルか!!」
初めてアーバレストに搭乗した時と同じ。
ベヘモスとの戦いの時にトゥアハー・デ・ダナンから巡航ミサイルに乗せて打ち上げられた宗介の機体。
確信を持つ宗介は車を着弾地点へ向けて走らせる。
だが燃料メーターはどんどん下がって行きタンクの中のガソリンはもうすぐで尽きてしまう。
銃撃の雨を受けたせいでアクセルを踏み込んでも加速しない。
(このままではいずれやられる。現状を打破するにはアルしかない!!)
フロントバンパーがグラグラになりながらも車は進む。
けれども目の前にはまたアラストルが現れた。
宗介は構わずアクセルを踏みっぱなしにして真正面から突撃しに行く。
右腕から発射される弾はフロントガラスを一瞬で砕き、リアガラスもまとめて粉々にする。
かなめの背中に割れたガラスが飛び散り、宗介の左腕にはまだ大きいガラスが制服の上から突き刺さった。
「グッ!!」
歯を食いしばり痛みを堪える。
血が滴りシートを汚す。
体を屈めてもハンドルだけは握ったまま、速度を上げた車はアラストルに正面衝突した。
まるで壁にぶつかったみたいに衝撃で車が浮き上がり操作は出来ない。
アラストルは倒れ込み、車は横滑りしながら右側をガードレールに擦り付け速度を落として行く。
白い塗装が剥げ鉄と鉄を擦り合わせ火花を散らしながら50メートル程進んだ所で車は止まってしまう。
脳が揺れ視界が霞む宗介だがすぐに回復させると後ろのシートのかなめを呼んだ。
「千鳥、無事か?」
「う……うん。何とか」
「良し、走るぞ」
運転席のドアはガードレールで塞がって出られないので助手席側から外へと脱出する宗介。
後部座席のドアを開けて縮こまるかなめの手を取り外へ引っ張り出す。
彼女に続いてサムも軽快に飛び出した。
「あの無人機は?」
「暫くは動けない。増援が来る前に行くぞ」
正面衝突したアラストルの右脚部は在らぬ方向へとひん曲がっており立ち上がる事が出来ないで居た。
手足をバタつかせて暴れるだけで逃げる2人を追い掛ける素振りすらない。
2人は巡航ミサイルの着弾地点に向かって走った。
距離は1キロ程、全力疾走で駆け抜ける。
アラストルの襲撃で道路は混乱状態、事故を引き起こすモノや無謀にも抵抗するモノ。
かなめは口から息を吐きながら、警察や自衛隊の対応の遅さに疑問を抱く。
「おかしくない? 前はすぐに自衛隊が来たのに」
「考えるのは後だ。余計な事をしては助かる可能性も低くなる。走るんだ」
かなめを守る事こそが宗介の最重要任務。
今は任務と言う枠組みこ超えて本気で守りたいと思って居る。
その為にアーバレストは何としても必要だ。
焼け焦げる空気。
銃声。
悲鳴。
戦場で生き抜くには戦うしかない。
「見えた!!」
巡航ミサイルはボコボコに外壁をへこませながらも原型を保って居る。
鉄板で守られた内側から電子音声が聞こえた。
『その声は軍曹ですね? 出撃許可を願います。恐らく外側からでは中に入れないでしょう』
「やはりアルか。頼む」
『肯定』
アーバレストに搭載されたAI、アルは返答すると内側から単分子カッターで外壁を斬り裂く。
火花と細かな鉄粉が飛び散りながら外壁に一筋の赤い線が開いた。
マニピュレーターを突っ込んだアーバレストはそこから強引に外壁をこじ開け外への出入口を作る。
暗闇に光る緑のツインアイ。
『お乗り下さい。軍曹』
「あぁ。千鳥、キミは離れて居るんだ。すぐにレイスを呼ぶ」
「宗介は?」
「ASがあるならアラストルなど簡単に倒せる。脱出経路を確保すれば合流する。1人で行けるな?」
疑問文で聞くが選択の余地などなかった。
かなめはサムを両腕で抱え上げ宗介の瞳を見据える。
「絶対……死んだりしたらダメなんだからね」
「肯定だ。必ず戻る」
「約束だから」
「約束だ」
短い言葉を交わす宗介はアーバレストに搭乗する為にかなめから背を向ける。
ワイヤーを使わずとも装甲の隙間に手足を乗せてコクピットまで数秒でよじ登りハッチを開放させた。
左腕に突き刺さったガラス片を引き抜き無造作に投げ捨て中へ乗り込む。
『エンジンは温めてあります』
「火器管制のチェック」
『完了済みです』
コクピット内の救急キットを取り出し傷口へ消毒液をぶっかける。
鋭い痛みがまた伝わって来るが関係ないとその上から包帯を巻いて止血を施す。
操縦桿を両手で握り締め準備万端のアーバレストを起動させた。
「行くぞアル!!」
『肯定』
戦場へ飛び出す白いAS、アーバレスト・フルウェポン。
アスファルトを駆け抜けながら追手のアラストルを頭部チェーンガンで撃ち抜いて行く。
一撃で体には大きな風穴が開き機能は停止する。
自爆装置が発動する前に跳躍、次のターゲットに狙いを定めてチェーンガンをバラ撒く。
腕が、下半身が吹き飛び次々と機能不全にさせる。
「敵の戦力がアラストルだけだとは思えん。それに千鳥が言ってた様に警察や自衛隊の対応が遅すぎる」
『レーダーに反応、上空からです』
黒煙漂う空、見上げた先には上空を飛ぶ1機のAS。
ボディーは黒く全身にエッジが効いてる。
頭部には左右非対称の角を付け、両腕を広げて宗介の間の前に現れた。
『準備に手間取ってしまったよ。でもこの様子だとまだまだ大丈夫そうだね』
聞こえて来た声、忘れる筈もない声。
「レナード!!」
『昨日ぶりだね、相良宗介君。前にも言ったけど、僕は別に戦いに来た訳ではない。素直に千鳥かなめをこちらに引き渡せば――』
返答などしない。
ラムダドライバの力場を発生させて右腕のライフルのトリガーを引いた。
1発の弾丸は空中で停止するレナードの機体に迫るが、閃光がほとばしり寸前で弾は消滅する。
『それがキミの答えなんだね? まぁ予想はしてたけどね。さっきのでわかったと思うけどこの機体、ベリアルもラムダドライバを搭載してる。量産型のコダールとは違う僕だけの専用機さ』
「貴様がどの様な機体に乗ろうと関係ない」
『ふふっ、そう言ってくれると思ったよ。でも今はキミの相手をしてる場合じゃないんだ。彼女を渡してくれないなら力ずくでも連れて行く』
「やれるモノならな」
言うと宗介はライフルの銃口をベリアルへ向ける。
いつ戦闘が始まるともわからない緊迫した状況で、それでもまだレナードは優雅に振る舞って見せた。
『おっと!? 言ったよね? 今はキミの相手をしてる場合じゃない。変わりに僕の部下が来てくれて居る』
「何?」
瞬間。
遠くの高層ビルの屋上が一瞬だけ光った。
反応してラムダドライバの防壁を展開させた時には発射された弾丸が眼前に迫る。
「くっ!?」
防壁に阻まれ弾道が反れる。
超長距離から放たれた弾丸はアスファルトを引っぺがし土を抉り出した。
「長距離射撃!! レーダーの範囲外からか?」
『それだけではないよ。キミの為に3機用意した。せいぜい負けないようにね』
「待て!!」
レナードのベリアルは空を飛行して宗介の目の前から移動してしまう。
千鳥を守るべく追い掛けようとするがそうはいかない。
レナードが仕掛けた刺客達がアーバレストを追い詰める。
『軍曹!!』
「っ!!」
殺気を感じ取り瞬時に回避行動。
大口径ガトリング砲とラムダドライバの力場を合わせた砲撃がさっきまでアーバレストが居た場所を襲う。
振り向いた先には白いコダールタイプのASがガトリング砲を構えてこちらを狙って居る。
「後ろからも来る!!」
左腕のライフルを投げ捨て単分子カッターを引き抜く。
今度は黒いコダールタイプがアーバレストの眼前へと迫り来る。
日本刀の造形をした超大型単分子カッターを振り下ろし、互いの刃が激突し装甲が眩く照らされた。
ラムダドライバの出力を上げて目の前の敵を押し返す。
「邪魔だぁぁぁ!!」
バックステップを取る黒い機体はキズ1つなくアスファルトに着地する。
赤い1つ目を持つASが3機、アーバレストをトライアングル状に囲む。
『これがミスリルのラムダドライバ搭載型? 弱くないか?』
『ですがレナード様からの命令です。可能ならこの場で撃破します』
『3人も来る必要があるのかは疑問だがな』
アルのデータに登録されて居る機体とはどれも一致しない。
外見はコダールとほぼ同じで塗装が違う程度なのだが識別が違って居る。
『データにない機体です』
「そのようだ。しかし、この程度の事で負けられるか!!」
宗介とアル、アーバレスト・フルウェポンは3機のラムダドライバ搭載機と対峙する。
現れたレナード専用機のベリアル!!
3機の刺客を倒して辿り着く事は出来るのか!?
かなめとサムはどうなる?
ご意見、ご感想お待ちしております。