戦場のヴァルキュリア 蒼騎士物語   作:masasan

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第九話

「また、とんでもないことを言い出したな、ヴァン」

 

ウェルキン達義勇軍第7小隊と別れ、再び戦場の散策を行っていたセルベリアは横を歩くヴァリウスへと咎めるような視線を向け、疲れを感じさせる声音で語りかけた。

 

「そうか?結構いい案だと思うんだが」

 

「どこがだ。相手は義勇軍、それも聞けばつい先日結成されたばかりの部隊。部隊内に問題を抱えている者達とまともな連携をとれるとは私には到底考えられないんだが」

 

楽観的なヴァリウスの意見を即座に一蹴。尚もおどけるヴァリウスへセルベリアは険しかった視線を更に鋭くし、再度問いかける。

 

「なぜわざわざ共同作戦などと提案したんだ?確かに対岸への進行は困難だろうが、我々だけでも十分可能なはずだ。にもかかわらず、なぜ彼らと共に作戦を行う必要がある」

 

「作戦の成功確率を少しでも上げるため・・・と言っても納得しないよな」

 

「当たり前だ。むしろ、連携に支障をきたす可能性を考慮すれば作戦の成功確率は低下する。ハッキリ言えば足手まといだ」

 

「相変わらずハッキリ言うな~、セリアは」

 

「・・・私は真面目に話しているんだが?」

 

依然本音を語ろうとしないヴァリウス。だが、セルベリアの見せる真剣な表情にこれ以上はぐらかすのは無理だと観念し、苦笑を浮かべながら彼がウェルキン達と作戦を供にする理由を明かした。

 

「理由と言ってもそう大したものじゃない。さっきも言ったがウェルキン達と協力することで作戦の成功率が高くなると思ったのが一つ。133小隊単独で動くよりかは多少なりともメリットがあるはずだ。それに、目の前に部隊の損耗を抑える手段が転がり込んできたんだ。わざわざ無視することもないだろ?」

 

「・・・他には?」

 

「ウェルキンの指揮能力を直に見てみたいってのが一つ。それとエーデルワイス号の力だな。ブルールでの戦闘で見たあの戦車の力は本物だ。うちの三台が劣ってるとは思わないが、あれだけの力を持った戦車が戦力に加わるんだ。多少のデメリットを帳消しにできるくらいの戦果を出してくれるはずだ」

 

「・・・希望的観測が過ぎないか?正直今言ったことが理由のすべてならば悪いが私はやはりこの合同作戦には賛同できない」

 

ヴァリウスは何かを隠している。確証はないが、直感で感じ取った違和感からセルベリアはヴァリウスの意見に否定的な態度を見せる。彼女の表情から、「正直に全部を話せ」と告げられていることを察し、苦そうな顔で語る。

 

「さっきのも一応本音なんだが・・・まぁ、正直に白状すれば第7小隊に対しては戦力的な期待はエーデルワイス号以外は持っていない。せいぜい俺達(133小隊)の盾代わり、目くらまし程度に攪乱してくれれば御の字程度に考えてるよ」

 

語られたのは非情な答え。指揮官が優先すべき部隊の被害を抑える手段として第7小隊を利用する。友軍を盾代わりに使うとハッキリ口にしたヴァリウスへセルベリアは、しかしそれまで浮かべていた険しい表情を消し去り、やわらかい笑みを浮かべながら、

 

「ようやく本音を言ってくれたな」

 

満足げに呟いた。

 

てっきり罵声を浴びせられるか、少なくとも非難されることは覚悟していたヴァリウスはセルベリアが何故笑顔を浮かべるのか理解できず茫然と目を見開いた。

 

「・・・怒らないのか?」

 

「?なぜ怒る必要がある」

 

「いや・・・なんでって、俺がしようとしてることってハッキリ言えばウェルキン達を盾にしようとしてるも同然・・・いや、実際にそうしようとしてるんだぞ?」

 

「まぁ、普通ならば許されることではないな」

 

「分かってるなら、なんで・・・」

 

「お前の考えは確かに褒められることではない。だが、それにしっかりとした理由が、部隊の生存を第一に考えた末でのことならば・・・それは、隊長として正しい判断だと私には思う」

 

「・・・無茶苦茶だな・・・」

 

「お前にだけは言われたくないな」

 

互いに苦笑を浮かべながら言葉を交わす。他者に聞かれればただでは済まない会話だったはずなのだが、二人の間にはそんな危険な話をしていた空気など一切無く、緩やかな空気が流れていた。

 

「やれやれ・・・で、だ。どういった流れで攻め入る気だ?今回の作戦、一筋縄では行かないぞ?」

 

「策はある。が・・・今回の主役はウェルキン達だ。俺たちはあいつらを補助しながら動くぞ。利用するんだ、せめて花を持たせてやらなきゃな」

 

不敵な笑顔を見せ、対岸を見やるヴァリウスの横顔を、セルベリアはしばらく無言で見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明朝。ほとんどの者が寝静まるこの時間帯に、霧が立ち込めるヴァーゼル川の土手で動く影があった。その陰たちは素早い動きで行動しており、一切の声を立てず作業を行っていた。

 

その陰たちから少し離れた場所で、作業を見守っていた二人の男女、ヴァリウスとセルベリアはそれぞれの得物を手にしながら苦笑に近い表情を浮かべていた。

 

「まさか、あんな方法を思いつくなんてなぁ・・・」

 

「極東に馬鹿と何かは紙一重と言う諺があると聞くが、あれはまさにそれだな。常人には到底思いつかないな」

 

ウェルキンの立案したヴァーゼル橋奪還作戦の胆であるヴァーゼル川渡河の手段。それは、「橋が渡れないなら川を渡ればいいじゃない」と言う、すさまじく強引な手段だった。

 

「ウェルキンの話だと川の一部に植生してる植物やらのおかげで水深が浅い場所があるらしいが・・・それでも戦車で川を渡ろうと考えるか、普通」

 

「だから、普通ではないんだろう。少なくとも、私ならば可能性があったとしてもそれを実行に移すだけの度胸は無い。不確定要素が大きすぎる」

 

鋼鉄の塊である戦車で川底を横断する。水深が少なくとも5メートル以上あるヴァーゼル川を渡る度胸など、セルベリアにさえ持ち合わせていなかった。ウェルキンの胆の太さがうかがえる。

 

「エーデルワイス号ならオプション装備でなんとか渡れるって話だから、やろうと思えばアンスリウムとかでも出来るんだろうけど・・・」

 

「シルビアは断固として拒否するだろうな。可能だからと言って成功確率が未知数な手段など、最終手段でしか取りはしない」

 

「だよなぁ・・・」

 

少し離れた場所で耐水処理を施すエーデルワイス号を横目にジャガー隊隊長のシルビアがこの作戦を聞いたときの引き攣った顔を脳裏に思い浮かべる。

 

普段無茶な命令ばかりするヴァリウスに対して余裕表情を返すシルビアが、あんな表情を見せたのだ。これから行う作戦がどれだけ非常識なのかが垣間見える。

 

「ま、俺たちの仕事は強襲部隊が対岸に上陸。その後ヴァーゼル橋制御室を奪還、開門。対岸に待機するジャガー、グリーズ、ラビットに門をくぐらせれば成功なんだ。無茶する義勇軍のためにも、しっかり援護してやんなきゃな」

 

言葉にすれば至極単純かつ簡単な作戦目標に聞こえるが、現実に行うとなれば話は別だ。この簡単な作戦目標を先んじて達成しようとしていた正規軍は戦力の大半を失う大損害を被っているのだから、その難易度の高さが伺える。それをたったの二個小隊で、それも片方はただでさえ少ない戦力を二つに分け、もう片方は民兵で構成される義勇軍で遂行しようとしているのだ。第三者が見れば、こんな戦力で正規軍部隊が奪還できなかったヴァーゼル橋を奪還できるはずがないと断言するだろう。

 

しかし、畔で作戦準備を進める隊員達を見つめるヴァリウスの瞳にはそんな気負いや、作戦に対する不安などは一切ない。あるのは、ただただ作戦が必ず成功するという自信に満ちた瞳だった。

 

「そろそろ時間だな」

 

「ああ。一つ、派手にかまそうかね」

 

不敵な笑みを見せ、ヴァリウスは用意されたボートへと進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁ~あぁ・・・眠ぃなぁ・・・」

 

「おい、ちゃんと目開けとけよ?哨戒中に居眠りしてたとか言われたら俺にまで被害来るんだからな」

 

「大丈夫だよ。さすがにこんなとこじゃ眠れねぇしよ。それにしても、意味あんのかね、この哨戒任務」

 

「対岸にガリア軍がいるんだ。意味はあるだろ」

 

草木も眠る丑三つ時は過ぎているが、それでも通常時ならばベットの中で夢を見ているような時間帯。運悪く哨戒任務を任された帝国兵は不満を隠そうともせずに相方である兵士へと愚痴を零していた。

 

「ガリア軍が居るっつったって昨日あんだけ損害が出てんだぞ?昨日の今日で仕掛けてくるなんてありえねぇだろ」

 

「援軍が来てるって話だし、無くはないだろ。隊長だって言ってたろ?「戦場において一番の敵は自分自身の油断だ」ってさ」

 

「だからって、こんな時間から哨戒任務なんてしなくてもいいだろうが。第一、橋の操作室は完全にこっちの手の中にあるんだ。戦車も無しに対岸で戦闘しようなんて考える馬鹿が居るはずねぇよ」

 

ガリア正規軍は先の攻防で無視できない被害を受けている。対岸から無謀にも突っ込んできた戦車や敵兵へと銃弾の嵐を浴びせたのは記憶に新しい。おまけに、義勇軍と名乗ってはいるが所詮は民間人が集まっただけの烏合の衆。そんな奴らが合流したからと言って早々攻めてくるような馬鹿な真似はすまい。

 

ヴァーゼル市に逗留するほとんどの帝国兵は現状をそう認識していた。哨戒任務に就くこの兵士もまたその例に漏れず、ガリアが攻めてくることは絶対にないと確信しているからこそ、ここまで気を抜いているのだ。

 

「確かにそうかもしれないが・・・ん?」

 

「どうかしたか?」

 

「いや・・・何か川で動いた気がしたんだが・・・」

 

「魚か何かだろ?気にせず行こうぜ」

 

「そういう訳にも行かないだろ。ちょっと見てくる」

 

放っておこうと言う相方を残し川岸へと寄っていく。相方の生真面目さに少々呆れを感じながら背中を眺めていると、歩いていた相方が、突然その場に崩れ落ちた。

 

「?おい、どうかしたのか?」

 

何かにつまずいて転んだのだろうか。しかし、それにしては変な倒れ方だったな。疑問を抱きながら倒れたままの相方へと近寄ろうと足を前へと出した瞬間、何かが風を切るような音と共に、男の意識は暗転。額に矢を突き刺したままその場に崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着弾確認。目標、完全に沈黙しました」

 

観測員であるホーク6が覗き込んでいたスコープから目を離し、敵を仕留めたことを告げる。それを聞いた射手、ホーク5、シモン・ハスコックは構えていたコンバット・ボウを下ろし一つ息を吐いた。

 

「この濃霧の中でも一発で仕留めるか・・・さすがだな、シモン」

 

「敵があれだけ油断していればよほどのことがない限り仕留められますよ。自慢するほどのことでもないです」

 

十分神業の域に入る技量なのだが、本人からしてみれば本当に大したことは無いらしい。感心と呆れが入り混じった表情で笑うヴァリウスだったが、目視できる距離まで近づいた対岸を見てすぐに笑みを消す。

 

「いよいよか・・・総員戦闘準備。目標はヴァーゼル橋操作室。戦闘は極力回避し、全速力で目標の確保、および開門を行う。第7小隊の合図とともに作戦開始だ。各員、気を引き締めろよ」

 

「「「了解」」」

 

隊員達へと激を飛ばし、自身も柄を強く握り気を込める。ゆっくりと岸が近づきあと少しで接舷と言う距離に来た瞬間、霧が立ち込める空に突如一つ光が出現。照明弾が放たれた。

 

「合図だ!作戦開始!!」

 

停止させていたエンジンを始動。モーターの駆動音と共にボートが一気に加速する。船首から岸に勢いよく乗り上げ、ヴァリウスを先頭に上陸。それぞれの得物を手に全速力で目標地点に向けて駆け出した。

 

全力で市内を疾走。まるで一つの生き物のように一糸乱れぬ隊列で目標であるヴァーゼル橋制御室へと向かう。

 

「二時の方向、距離200!」

 

「駆逐しろ!速度を緩めるな!」

 

建物の陰から出現した帝国兵の集団に対し、即座に発砲。索敵速度の違いから、帝国兵がヴァリウス達に反撃する間もなく銃弾の雨に貫かれ即座に撃破、後から続いて出てきた敵に対しては先頭を走っていたヴァリウスが一息で接近。目の前に突然現れたようなスピードで懐に飛び込んできた彼に目を見開き、そのまま腹部を一閃され沈黙した。

 

足を一切止めることなく敵を駆逐した小隊は何事も無かったかのように突き進む。やがて、目的地であるヴァーゼル橋制御室が見えてくると、ヴァリウスは隊の中から三人を選抜、中へと突入させ、自身を含めたそれ以外の者達を周囲の警戒、および敵の撃滅へと向かわせた。

 

「制御室の占拠が完了次第連絡、門を開けろ。機甲部隊と合流の後敵残存兵力の掃討に移る。正念場だ、各員気を引き締めろよ」

 

「「「了解」」」

 

命令を伝えた後、自らも敵の撃滅へと向かう。その後ろ姿を見送った三人は、自らに任された任務を遂行するべく制御室へと突入していく。

 

「室内戦闘用意。油断するなよ」

 

三人の中で一番階級が高い男、エルレイン曹長が先頭に立ち壁伝いに進む。慎重ながらも素早く動く三人は、すぐに制御室前まで到達。

 

扉の前で左右に張り付き、扉越しに中の様子を伺う。

 

(・・・居るな。人数は・・・二人か)

 

自分たちが侵入してきたことはすでに知れているのだろう、扉越しにも聞こえてくる荒い息遣いと、カタカタと金属音が二つ。この様子では実戦経験はあまりなさそうだが、だからと言って油断は出来ない。

 

扉越しに撃てばそれで済むが、機材にでも当たれば橋の操作が出来なくなる可能性がある。となれば、

 

(突入、即時制圧しかないか)

 

扉から身を離し、傍に待機していた二人へハンドサインで指示を出す。

 

(3で開く。銃撃が止み次第突入)

 

((了解))

 

それぞれが配置に就き準備完了。手を挙げ3,2,1とカウント。0と同時に扉を開け、すぐに身を隠す。

 

「「うぁぁぁああ!!」」

 

狂乱した叫びと共に扉が蜂の巣状態となり、壁に次々穴が開いていく。飛び散る木片に軽く目を閉じながら、銃声が止むのをじっと待つ。

 

5秒ほど乱射が続いていたが、やがて銃声が止んだ。それと同時に壁から身を離し室内へと突入。そこには、あわててマガジンを交換しようとしている二人の帝国兵の姿があった。

 

「動くな。銃を捨てろ」

 

ライフルを突き付けながら降伏勧告。少しでも怪しいそぶりを見せれば即時射殺しようとしていたが、敵二名は死にたくないと泣きながら銃をすぐに捨てた。

 

「た、頼む・・・殺さないでくれ!」

 

「す、捨てた!捨てたから!撃つな!」

 

両手を頭の上に上げ降伏すると叫ぶ。これ以上大声を上げられて敵が来ても困るので「少し黙れ」と脅しをかけた。

 

「こ、殺さないで・・・」

 

よく見ると、二人ともまだ若い。16,7と言ったところだ。

 

「黙ってろ。抵抗しなければ殺しはしない」

 

銃を向けたまま再度告げる。コクコクと黙ったまま首肯し両手を上げる二人から目を離さず、入ってきた二人へと門を開けるように言った。

 

「時間がない。早いとこ仕事を・・・!伏せろ!」

 

視界の端に光るものを見たと同時にその場へ伏せる。数瞬後、エルレインの頭があった空間をどこからか飛来した銃弾が通過、背の壁を貫通した。

 

(狙撃か・・・読まれていたのか?)

 

避けれたのはただの偶然。あそこで本能に従ってなければ確実に頭が吹っ飛んでいた。

 

「どうする?このままじゃ門を開けるどころの話じゃないぞ」

 

「なんとか狙撃手をどうにかしないと・・・身動きとれませんよ」

 

エルレインと同じように床に伏せながら対策を検討する。大体の位置は分かっているものの、手持ちの装備はライフルとマシンガンのみ。とてもでは無いが狙撃に対抗できるようなものではない。

 

「・・・応援を要請する。お前たちは捕虜を見張っててくれ」

 

通信機を手に取る。本来ならば任務完了の報を伝えるために使用するはずだったのだが、仕方ない。状況が一変してしまったのだ。

 

「こちら制御室。隊長、応答を」

 

『こちらヴァリウス。どうした?制御室の占拠は完了したのか?』

 

「制御室の占拠は完了。敵二名を拘束しています。が、想定外の事態が発生しました」

 

『想定外・・・?何が起こった』

 

「狙撃です。幸い被害は出ていませんが、身動きが取れません。応援を要請します」

 

『・・・』

 

数秒の空白。しかしすぐに『分かった』と返事が来た。

 

『狙撃手はこちらで排除する。大まかな位置は分かるか?』

 

「ええ。ここから600mほど離れた建造物の屋上です。数は不明ですが、おそらく一人かと」

 

『了解した。指示があるまで待機していろ。すぐに終わる』

 

通信が切れしばしの静寂が制御室を包む。「どうだった?」と聞いてきた仲間に、「すぐに終わらせるそうだ」と返し床に伏せたままふと捕虜となっている帝国兵へと視線を向けた。

 

彼らは相も変わらず震えていた。しきりに「死にたくない・・・死にたくない」と呟く姿は同情の念さえ覚えるが、こちらとしては下手に抵抗されるよりか手間がかからない分助かるので放置しておく。

 

そうして待つこと数分。沈黙を続けていた通信機からヴァリウスの声が発せられた。

 

『こちらヴァリウス。制御室、聞こえるか?』

 

「こちら制御室。どうぞ」

 

『邪魔者は排除した。早いとこ外の奴らを入れてやれ』

 

「了解!」

 

身体を起こし制御盤へ駆け寄る。予定よりも遅れてしまったが、これで任務、

 

「完了だ」

 

開け放たれた門から戦車を先頭に続々と133小隊の面々が突入してきた。門を開放され、精鋭である133小隊が揃った。これでもう、帝国に勝ち目は一分も無い。

 

この戦いに決着をつけるべく、エルレイン以下二名は素早く制御室から退出、市内で戦闘中の部隊と合流し、帝国の掃討に参戦。抵抗する帝国兵は容赦なく駆逐し、投降してくる帝国兵には一切危害を加えることなく捕虜とした。

 

 

――その後、戦闘はわずか30分で終了。133小隊、第7小隊共に大した損害も無く、たった二個小隊にてヴァーゼル市を見事に奪還した――


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