翌朝。
「それじゃ今度は魔法を見せてあげるよ」
「おぉー、なにが起こるんやろ」
「ま、それは見てのお楽しみ」
というわけで、さっそく守護騎士の召喚をしようと思います。
はやての部屋にあった闇の書を持って………。
「そういえば、やり方分からないや」
「えー」
「まあとりあえず魔力流し込んでみればいいかな」
適当にジュエルシード1個分くらいの魔力をラインを通して流し込んでみる。
「おお、光った」
「ほんまに魔法の本やったんやね」
あ、召喚は成功しましたよ。
──第4話──
シグナムside
新たな主に召喚された。
将である私に続いて他の守護騎士たちが主に対して跪いている。
目の前には2人の人物。
青年と言える年頃の男と、鉄槌の騎士と同年齢ほどの容姿の少女。
闇の書とのラインからして、恐らく主は青年の方なのであろう。
どのような方なのかはまだ分からないが、我らのするべきことは主の守護と闇の書の完成。
それ以外の些事は考えても意味がない。
が、できることなら我らが仕えるべき方であってほしいものだ。
sideout
坂井祐一side
薄着の4人の男女が跪いている光景って結構シュールだね。
「えっと、じゃあまずは自己紹介からかな。僕は坂井祐一、君らの主さ」
「私は八神はやて。この家で家政婦さんをしとります。ちなみに祐一さんとは一晩を過ごした仲や」
………いや、なにもしてないよ?
普通に寝てただけなのにどうしてそう誤解を招くような言い方をするんだよ。
ほら、ヴィータなんか自分も守備範囲に入っていると思って軽く震えちゃってるじゃないか。
「……えーと、べつに僕は幼女趣味とかロリコンとかではないし、かといって成人女性なら無理やりにでもとかはしないので安心してほしい」
あからさまにほっとする守護騎士たち。
こいつら最初はこんなに感情豊かじゃないんじゃなかったっけ?
「それじゃあそっちも自己紹介お願いね」
「はい、私はヴォルケンリッターが将、烈火の将シグナムと申します」
「………鉄槌の騎士、ヴィータ」
「風の癒し手、湖の騎士シャマルと申します」
「盾の守護獣ザフィーラ」
それぞれ性格の出る自己紹介でした。
■■■■■■
「君たちにやってもらうことがいくつかある。1つ目は魔力の蒐集。これは人間以外の生物からとって来てもらいたい。理由は、今は管理局に目を付けられたくないからだ」
「承知しました」
代表してシグナムが返事をする。
「で、2つ目がこれ」
ポケットからジュエルシードを取り出す。
「これと同じものがここら一帯にばら撒かれている。それを回収してほしい」
「分かりました。シャマル」
シグナムにジュエルシードを渡すとシャマルが調べ出す。
「これは………主ほどの量ではありませんがとんでもない純魔力の塊ですね。これひとつで軽く次元断層が引き起こせますよ」
シャマルの報告を聞いて、専門用語ばかりでちんぷんかんぷんなはやて以外は顔を引き攣らせていた。
「それを含めて21個あるからよろしくね」
「し、承知しました」
「ああ、あと回収のときに2人ほど邪魔する魔導師が来るかもしれないけど…………極力戦闘は避けてね」
「分かりました、どのような者が相手でも必ずや勝利を…………は?」
「いや、だから極力戦わずに逃げちゃって」
「しかし主、我らヴォルケンリッター、魔導師2人程度ならば歯牙にも掛けない自信がありますが」
戦えないのが気に入らないのか、威圧感を出しながら答えるシグナム。
「僕にも僕なりの考えがあるのさ。文句があるのは分かるけど、とりあえず従ってくれないかな」
この程度の威圧でビビる坂井祐一ではないのだよ。
………ちょっと足が震えてるけど。
「………はい、余計なことを言ってしまい申し訳ありませんでした。主の言う通りに行います」
「うん、じゃそれでお願い。まあ時間はあるしゆっくりやっていこう」
そこからははやてへの説明タイムで1日が終わりました。