魔法とかなんとか   作:四季式

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第14話

フェイト・テスタロッサside

 

 

「武装錬金!」

 

 彼女の突撃によって表面に罅の入ったジュエルリーフを手に取り、叫ぶ。

 無理に使用して壊れるのではないかという考えは、なぜか起きなかった。この罅は破損というよりもむしろ孵化に近いと感じた。

 ジュエルリーフから青い魔力光に混ざって黒い魔力光が放たれる。

 

 これは、なに?

 分からない。でも強い力を感じる。

 ならば何だっていい。

 彼女に勝てるなら、母さんのためなら、祐一さんのためなら、私は悪魔に魂を売ってもいい。

 

 だから──

 

「力をください」

 

 ひび割れた表面は砕け散り、黒いジュエルリーフが姿を現した。

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

──第14話──

 

 

 

 

 

 

 

 

高町なのはside

 

 

 私の最大の一撃が核鉄で止められた。

 それだけならまだいい。某主人公も使った手だ。

 でも、突撃によって破損した核鉄の中から黒い魔力光が出た時、嫌な予感がした。

 

「力をください」

 

 フェイトちゃんがそう呟いた直後に、黒い核鉄が姿を現した。

 それを手に取った左手から、フェイトちゃんの白かった肌が赤銅色に変わっていく。

 その変化は全身にまわっていき、金色だった髪は淡く光る蛍火色になった。

 これを、私は知っている。

 

これは──

 

「ヴィクター化、なの」

 

 全身が震える。

 

処刑鎌(デスサイス)の武装錬金、バルディッシュ・ブースト」

 

 左右の太腿に巻かれた帯状のアタッチメントにそれぞれ5本ずつ、計10本のアームの先にはフェイトちゃんのデバイスの縮小版がついていた。

 その内の2本が一瞬ブレたと思ったら、私は海面に叩きつけられていた。

 

「くっ」

 

 スターライトハートで反撃しようと銃口を向けた直後、体から残り少ない魔力が抜けていくのが分かった。

 これも知識としては知っている。

 これは、エナジードレイン。

 厳密には、それの魔力版。

 究極の集束魔法と言ってもいい。自身の周囲の魔力を自動で吸い取る『習性』

 ああ、この『生物』に勝つのは無理だ。

 

「アークセイバー」

 

 私に向かってくる11個の魔力刃を見て、私は思った。

 

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

坂井祐一side

 

 

 というわけで、なのはvsフェイト戦の勝者はフェイトでした。

 いやぁ確かに能力で黒い核鉄を仕込んでおいたけど、まさかこうも上手く発動するとは思わなかったよ。

 ああ、ちなみにこのヴィクター化は戻れなくなるなんてことはない安心設計だよ。

 

 さて、これで守護騎士が持っているもの以外のジュエルシードはフェイト陣営が手に入れたことになる。

 あとはプレシアにフェイトの心を壊してもらってアリシアを蘇生させれば終わりかな。

 


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