夜天のウルトラマンゼロ   作:滝川剛

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今回はA's編の後のバレンタインのお話になります。


番外編2 甘いチョコの恐怖や★

 

 

 

バレンタインの起源

 

 第二次世界大戦後の日本で、アメリカ軍人バレンタイン少佐が私財を投げ打ち、日本の子供達にチョコレートを配ったのがルーツとされる。現在の日本ではその行いを尊び、お世話になった人達にチョコレートを渡す習慣が広まった。

 

民明書房刊『世界の奇祭風習』より

 

 

 

 

「あっ、シグナムゥ」

 

 所々先日の大雪の残滓が残る街中で、フェイト・テスタロッサは見知った顔を見掛けて声を掛けた。八重桜色のロングヘアーをポニーテールに括った凛々しい女性、シグナムである。

 

「テスタロッサか……何処かに行く所か……?」

 

 シグナムは、駆け寄って来たコートにマフラー姿のフェイトに微笑み掛けた。此方も白いコートにマフラーである。まだ外を歩くには手放せない季節だ。

 

「買い物の帰りです……明後日はバレンタインデーですからね……その買い出しです」

 

「バレンタイン……デー……?」

 

 シグナムは白い息を吐きながら首を捻る。此方に来てまだ1年経っていないのだから、ピンと来てないようだ。だが聞いた覚えはある。フェイトは抱えていた紙袋を見せた。

 

「日本の風習みたいなものだそうです……私もなのはから聞いたばかりなのですが、お世話になった男の人に女の人からチョコレートを贈る日らしいですよ?」

 

「妙な風習があるのだな……?」

 

 シグナムは繁々とフェイトが買った紙袋の中身を見る。カラフルな小さな箱に入ったチョコレート何個かに、お菓子作りに使うチョコレートのブロックが入っている。手作りもするつも りのようだ。

 そこで思い出した。最近あちこちの店でバレンタインフェアなる札を良く見掛ける事を。

 

「成る程……あれはそれのキャンペーンだったのか……」

 

 そう言えば主はやてが、今日帰ったら女性陣限定で話が有ると言っていたなと思い出した。ひょっとするとその事かもしれない。

 それでもいまいちピンと来ていないシグナム に、フェイトは真剣な表情で顔を寄せて来た。

 

「それでシグナム……バレンタインに関して色々調べてみたんですけど……」

 

 雰囲気に釣られ、シグナムは屈み込んで聞き耳を立てていた。フェイトはゴニョゴニョと、仕入れたばかりの知識を吹き込む。

 

「おっ、想いを寄せる男にチョコレートを渡す一面も有る!?」

 

 シグナムは驚いたようだ。他愛ないイベントかと思っていたら、中々に真剣勝負な日でもあるらしい。 義理チョコなる風習もあり、他愛ない一面も有るのだが、本気の女子には一大イベントのようだ。

 何かフェイトは妙に気合いが入っているように見える。シグナムはきっと気になる男子でもいるのだろうと思った。可愛いものだと微笑ましくなる。

 

(まっ、まあ……私には関係の無い話だ……)

 

 ある少年が頭を過ったが振り払い、取り敢えず頑張れと激励すると、シグナムはフェイトと別れ自宅へと帰った。

 このように、まだ此方の世界の風習に慣れていない2人ならではの会話である。

 

 何かザワザワするものを胸の内に感じながらシグナムが家に帰ると、既にリビングにははやてにヴィータ、シャマルにアインスが集まっていた。

 

「はやてちゃん、何ですか? お話って」

 

 揃ったのを見て、早速シャマルが代表して聞いてみる。はやては真面目くさった顔をし、

 

「此方の世界……日本やと、バレンタインデー言う習慣が有るんよ」

 

 皆にバレンタインの概要を説明する。先程シグナムがフェイトから聞いたのと一部を除いて、大体同じ内容だった。

 

「まあ、肩肘張らんと、お世話になった人達にチョコレートを配るくらいな感じやと思えばええよ。あっ、でも気が無い相手に気合いが入ったチョコを渡すと誤解されるから気い付けてな?」

 

 注意事項も忘れず付け足しておく。告白するならともかく、そうでなければ気楽に男性女性問わずな行事だと認識させる。一同は納得し た。

 

「それなら、爺ちゃん達にあげないとな」

 

 ヴィータはゲートボール仲間のお爺ちゃん達に配るのを思い付いたようだ。お爺ちゃん達は喜ぶだろう。尤もお婆ちゃん達にも漏れなくあげるつもりである。

 

「それならば私は男女問わず、道場のみんなに配れば良いのですね?」

 

 シグナムは頷いた。やはり気楽なイベントだなと内心ホッとする。だが下手な男より男らしいシグナムのこと、逆に女の子達からチョコレートを沢山貰いそうである。

 

「提督達になのはちゃんにフェイトちゃん、クロノ君やユーノ君、ミライ君達ウルトラマンの皆さんにもあげれば良いですね」

 

 シャマルも提案する。結構大掛かりになりそうである。相談して各自準備する事となった。するとヴィータがふと、

 

「ゼロの事だから、バレンタインはただでチョコレートを貰える日としか思ってないんじゃない?」

 

「あはは、その通りやヴィータ」

 

 はやては苦笑する。成り立ちやら何やら、地球に来て間もないゼロにはハードルが高過ぎた。それで去年はつい冗談半分で、冒頭のバレンタイン少佐の作り話をしてしまった訳である。犯人ははやてであった。

 真に受けるゼロが面白かったのと、クリスマスの余韻を引き摺っていたはやては照れてしまったのである。どうしてそれを責められよう。

 しかしやはり後で後悔したものである。複雑な乙女心と言うやつだ。

 

(嘘を吐いた事を謝ろう……)

 

 はやては素直に謝ろうと思った。その為にも気合いを入れて、手作りチョコレートやチョコケーキを作ろうと腕捲りするのであった。

 

 

 

 

 バレンタイン当日。ゼロは少し用事が有るとザフィーラと一緒に早くから出掛けていた。

 はやては皆で食べる特製のチョコレートケーキは勿論、お世話になった人達に配るチョコレートも前日にしっかり準備していた。

 シグナム達も悪戦苦闘して、家の者に渡す分くらいはと手作りに挑戦したものである。

 ゼロとザフィーラはまだ帰って来ない。遅くなるとのメールが入っていた。ゼロ達には後で渡す事にし、はやてはまずは学校に登校した。

 

 

 

 

 はやてはフェイトとなのはと学校帰りにアインスとシャマルと合流し、本局へ寄り皆にチョコレートを配った。

 丁度クロノもリンディ達提督の面々も居て無事渡す事が出来た。 『無限書庫』に行くとユーノもミライも居り、此方も無事渡せた。

 流石に他のウルトラマン達は、遠い世界に居るので送る手配をしておく。 配り終えたはやてとアインス、シャマルは、フェイトとなのはを連れて八神家に戻っていた。

 ゼロとザフィーラはまだ帰っていない。しばらくするとシグナムとヴィータが帰って来た。ヴィータは余程喜ばれたようで、逆にお菓子やらおはぎやら沢山持たされている。シグナムはと言うと……

 

「主はやて……今日は基本、男性がチョコレートを貰う日なのではありませんか……?」

 

 抱えきれない程のチョコレートを持たされて困惑顔である。案の定道場の女子から渡されようだ。

 

「あはは、シグナムは格好ええからなあ、お姉さまって感じやないの?」

 

 はやては笑って、納得行かなそうな烈火の将にフォローを入れる。するとアインスがにこやかに笑う。

 

「昔から将はこんな感じですからね……男性より女性人気があるのです……恋文を女性から貰った事もあるのですよ……」

 

「よっ、余計な事を言うなっ!」

 

 和やかに微笑む友人をシグナムは慌てて叱り付ける。しかし天然の友人は全く堪えていない。いくら凛々しくとも中身は女性な将が、複雑な気持ちでため息を吐いていると、

 

「お~い、帰ったぞ……」

 

「今帰りました……」

 

 ゼロとザフィーラの声だ。ようやく帰って来たのだ。しかし声が少々疲れて聴こえる気がする。

 

「おっ、みんな集まってんな?」

 

 リビングに入って来たゼロを見て、はやて達は思わず目を見張ってしまった。 何故ならゼロが大量のチョコレートと思しき物を持っていたからである。

 どっさり様々なチョコレートの箱が入った袋に、大きなケーキの箱らしき物を持っていた。

 

(そないな馬鹿な!?)

 

 はやては失礼ながら、酷くショックを受けてしまった。

 

(確かにゼロ兄はイケメンやけど、パッと見目付きが悪い上に柄が悪くて取っ付き難いから、大丈夫やと思っとったのに!?)

 

 大概酷い事を心の中で思う。ゼロは一見取っ付き難くても、付き合ってみるととても気の良い兄ちゃんなので、貰っても不思議では無いのだが……

 するとシグナムが斬っ! とばかりに前に踏み出した。

 

「貴様……一体何処の馬の骨に貰ったのだ……?」

 

 殺気を含んだ低音声でゼロを睨み付ける。物凄く怖い。返答次第では叩き斬らんばりだ。相手共々。フェイトは顔色を無くしている。

 

「まさか……今日1日バレンタインデート!?」

 

 スゴくテンパっている。はやても頭がグルグルしてしまっていた。本当にゼロがこのメンバー以外の女性から貰うなど考えてもいなかったと言うより、考えたくなかったのであろう。

 ゼロの良い所は自分達だけが判っていれば良いと思っているふしがある。重苦しい雰囲気の中ゼロは、のほほんとチョコレートを示した。

 

「いや……それがな……変な動物を見掛けたって知り合いに聞いてな……行ってみたら『ゲスラ』の元の両棲類が居やがってよ……

どうやらゲートから迷い込んだらしい……ザフィーラと 一緒に何とか捕まえて元の世界に送り返して来たところだ……手間掛けさせてやがって……」

 

 やれやれと肩を回す。別に汚水を飲んで巨大化した訳でも無かったので、今日1日2人でゲスラを追っていたらしい。

 

「でも……何でそれで、チョコレートをいっぱい持っとるん……?」

 

 当然の疑惑である。ゲスラはチョコレート好きではあるが、だからと言ってゼロが持っている理由にはならない。ゼロは笑って説明する。

 

「ほら、ゲスラってチョコレートが大好きだろ? でも次元世界にはそれより好きな、大好物のゲラン蜂の幼虫が居ないから、チョコレートを狙って工場に入り込食い荒らしてたんだよ。それで捕まえた後に、箱に傷が付いちまったチョコレートをお礼に沢山貰ったって訳だ……」

 

「なあんや……」

 

 聞いてみれば何て事は無い話であった。だが、はやては見逃さなかった。明らかに本命くさい大きな箱を。

 

「じゃあ……それは何やの……?」

 

 それは明らかにメーカー品では無い。ケーキの大箱だった。白地に金色の文字が入った小粋なものだ。

 

「これも貰い物だぜ?」

 

 ゼロは不穏な空気に戸惑いながら、ケーキの箱を見せる。

 

「良いから開けて見せて、ゼロ兄っ」

 

「見せろと言っている!」

 

「確かめないと!」

 

 はやて、シグナム、フェイトの気迫に押されて、ゼロは箱をテーブルの上に置き開けて見せた。

 

「「「!?」」」

 

 3人は中を見て絶句する。中身はワンホールのチョコレートケーキであった。しかも見事なデコレーションを施された一品物のようである。一見して判る職人芸であった。

 漆黒のチョコレートの表面には金箔が程好く散らされ、生クリームでハートマークが描かれており、駒丁寧に『ゼロ君へLOVE』とメッセージ付きである。 ど本命チョコにしか見えない。

 はやて達の剣幕が正直空恐ろしくなったゼロは、機嫌取りで食べてみろよと促してみる。仕方無くはやては一口食べてみた。

 

「おっ……美味しい……!」

 

 それは衝撃を受ける程の美味しさであった。 繊細かつ深みのあるコクとまろやかさ、ほのかな苦味がアクセントになっていくら食べても飽きない味であった。

 

「ま……負けや……」

 

 はやてはあまりの美味しさに、ガックリと敗北を認めるしかなかった。いくら料理上手でもこれは次元が違う。するとゼロは落ち込むはやての肩を優しく叩いた。

 

「そりゃ仕方無えよ、あのオッチャンは世界トップレベルのパティシエらしいぞ。世界大会でも優勝したそうだからな……」

 

「世界……大会……?」

 

 有名人なのだろうか? その前に聞き捨てならない台詞を聞いた気がする。

 

「ちょう待ってゼロ兄……今オッチャンって言うた……?」

 

「言ったぞ? いやあ凄いオッチャンでなあ……スキンヘッドでプロレスラーみたいにゴツくて、修業の為にフランス国籍を取るのに、傭兵までやったそうだ……凄い拘りだよなあ……」

 

 スゴく何処かで聞いたような経歴である。

 

「ゲートがあちこちに開いててな、その中を巧みに逃げるもんだから、色んな世界を飛び回る羽目になったんだ……その内の世界の1つで会ったオッチャンだぜ」

 

 ゲートを何回も潜って、遠い並行世界にまで行ってしまったらしい。ザフィーラは思い出したくないと言った風に遠くを見詰めている。何が有ったのだろう……

 

「オールヴォアとか、あれフランス語だよな? それが口癖で……ゲスラに、オッチャンの店のチョコレートが食べられそうになったのを防いだら、感謝してくれて何かトゲトゲだらけの鎧を着て手伝ってくれたぞ?」

 

「それ色々問題あるオカマさんやないかあっ!?」

 

 はやては車椅子からズリ落ちそうになった。贈り主は女性では無くオカマさんらしい。朝にやってるヒーロー番組に出てる人にスゴく似ている気がした、と言うか本人だろう。

 どうやら転移しまくって、とんでもない所にまで行ってしまったらしい。ゼロは判り易いように口真似して見せる。

 

「あてくしから貴方にせめてものお礼よ! メロンの君の次に素敵だったわ……また来てね? だってよ」

 

 ドリアンの人と言うより、ガッチャマンのベルクカッツェみたいになっている。無論本人は大真面目だ。

 

「あかん! それは悪い夢やと思って忘れるん や!!」

 

「それは最大級の危険人物だ! 絶対に近寄る な!!」

 

「二度と行ったら駄目だよ!!」

 

 はやて、シグナム、フェイトは血相を変えていた。色んな意味で関わり合いにならない方が良い人のようだ。

 

「おっ……おう……?」

 

 尋常では無い迫力に押され、ゼロは無理矢理頷かされていた。その方が身の為であろう。

 

 

 

 

「どっと疲れたような気がするけど……はい、ゼロ兄バレンタインチョコレート……」

 

 はやては一呼吸置くと、ケーキとは別に用意していたチョコレートを手渡した。可愛らしくラッピングした手作りものである。

 例え世界大会優勝のパテシィエに及ばなくとも、心を込めて作ったチョコレートは尊いものだ。

 

「おうっ、ありがとうな……」

 

 ゼロは有りがたくチョコレートを受け取る。地球の食べ物は全部大好きだが、やはりはやての作るものは格別だと思う。次にフェイトがおずおずとチョコレートを差し出した。

 

「これ……あまり上手に出来なかったけど……どうぞ……」

 

「おうっ、フェイトも、ありがとうな」

 

 フェイトも手作りチョコレートを頑張ったようだ。ラッピングにも気合いが窺える。なのはからも貰い、ゼロはホクホク顔である。

 

「ほら、有りがたく受け取れよ。ホワイトデーは三倍返しで良いからな?」

 

「はいゼロ君、私からも」

 

 ヴィータはお返しを期待して、シャマルは悪意無しで外れクジが入ってそうなチョコレートを渡す。ザフィーラも同様に受け取っているが、甘いものがあまり得意ではない彼は少し困り顔である。

 はやてのものは、ザフィーラ用に甘さを控えたチョコレートだが、他の者はそこまで気が回っていないようである。

 

「ゼロ……これは私からだ……」

 

 アインスも自分で作ってみたチョコレートを手渡した。彼女は意外な程、料理の腕だけは上げつつある。他の家事はあまり得意ではないようだが……

 

「ありがとうな……リイン……アインス……」

 

 ゼロは有りがたく受け取った。ホワイトデーには逆に此方が渡す事になるので、大変だな……と内心思ってしまうは仕方あるまい。

 ほのぼのした空気の中、出遅れたシグナムは困っていた。

 

(アインスめ……)

 

 然り気無く渡そうとしたところで、アインスとかち合ってしまい、つい先を譲ってしまったのである。ナチュラルに渡せる天然の友人が正直羨ましい。

 改まるとどうも緊張してしまう。頬が熱くなってしまった。このままでは不味い。そろそろ女性陣も、 チョコレートの交換を終えつつある。

 このまま長引くと、酷い失態をしてしまいそうな気がしたシグナムは、殆どヤケクソ気味にゼロに向かう。

 

「わっ、私からだ……受け取れ!」

 

 喧嘩を売るかのように、少々不格好な手作りチョコをゼロに無理矢理受け取らせた。受け取らないと、斬り捨てるぞと言わんばかりの勢いである。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「おっ、おう……サンキューな」

 

「うむ……」

 

 シグナムは腕組みして、顔を明後日の方に逸らして頷いた。難儀な人である。此方も色々と複雑なのだ。

 何とか全員チョコレートを渡し終えたようだった。目出度し目出度しである。はやてのチョコレートケーキと、オカマの人のチョコレートケーキを皆で堪能し、バレンタインは無事終了したが……

 

(あっ……ゼロ兄に嘘吐いたの言うの忘れてた……)

 

 はやてはタイミングを逸してしまい、結局その事を言えなかった。しかし今は言わない方が良いようだ。ケーキの意味を知ってしまうと混乱してしまいそうである。

 

(来年にはあなたに負けないくらいのケーキを作ったります!)

 

 来年のバレンタインに向けて、シャルモンのおっさんへ静かに余計な闘志を燃やすはやてであった。彼の無事を祈ろう……

 

 

 

 

 その夜……ゼロは酷くうなされた。夢の中にシグナムとフェイトが出て来て、悪霊のようにゼロの上に乗し掛かり、凄い目で睨み付けているのである。

 凄まじい重さがかかり、声も出せず指一本動かせない感覚。結局朝まで延々と悪夢にうなされ続けたのであった。

 

 

 

 フェイトとシグナムの冒頭の会話の続き

 

「それでですね……何でも特にお世話になった人や、気になる人のチョコレートには自分の汗とか血とか唾液とか髪の毛を入れると良いそうです……喜ばれるそうですよ」

 

「そういうものなのか……?」

 

 シグナムはどう反応したら良いか判らず、眉をひそめるしか無い。日本には変わった風習が幾つかある。そういうものの1つなのかと思った。フェイトはどうやら実行するつもりらし い。

 

(よっ、喜ばれるのなら仕方無い……ゼロには世話になったからな……せっかくの風習とあれば、ぜっ是非も無い……)

 

 色々自分に言い訳をしてシグナムも試してみる事にしたのであった。

 フェイトとシグナム……人知れず行った作業。ゼロが美味い美味いと食べていたチョコレートの中身…… 2人がそれが呪いの方だと気付くのは後日である。

 

 

 

つづく

 




次回予告

 ゼロが光の国に里帰りしてから2週間あまり。海鳴市では、不穏な事態が起ころうとしていた。はやてを憎しみの眼差しで見詰める女の正体は?
現れる3馬……3人の謎の少女達の正体は?

「誰が偉そうな子烏だ。無礼者がぁっ!!」

 キレるはやて似のとても偉そうな少女。

「わああっ!? 〇〇がっ、王様に怒られるうっ!!」

 ヤンチャでうっかり、お菓子に釣られるフェイト似の少女。

「エヘン……ゲホゲホッ」

 クールで、何処かずれてるなのは似の少女。そしてもう一つの欠片とは……そしてゼロの前に現れる修行僧の正体は?
次回からportable編が始まります。

次回『来たのは誰や(前編)』

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