この辺りは東日本大震災より前に書いたものです。展開上差し替えられないのと、災害で人が亡くなるような話では無い事、物語の中で位ウルトラマンが災害から人を救ってもいいのではと思い投稿します。
津波のシーンがありますので不快に感じられる方は、見ない事をお勧めします。被災県民として震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。
次元の海に『時空管理局』所属の次元航行船 『アースラ』が待機していた。
アースラのミーティングルームで、エイミィからの現状報告を、リンディ提督、クロノ執務官、それになのはと見た事が無い少年4人で聞いている所であった。
見知らぬ少年の正体はユーノである。こちらが本当の姿だった訳だ。なのはと同い年程の亜麻色の髪をした少年である。
この姿の件でなのはとは色々と行き違いがあり、一悶着あったようだ。なのははユーノの事を喋るフェレットだと思っていたのである。
なのはだが、アースラに来て色々と話を聞き、この件から手を引くように諭された。
しかしここで辞める事を良しとせず頼み込んで、民間協力者と言う形でアースラに乗り込む事となった。ユーノも同様である。
なのはは魔法関係は伏せた上でリンディに両親を説得して貰い、学校には長期休みの届け出を出して家を出て来たのだ。
中途半端はしない。フェイトともう一度会って話をしたい。覚悟を決めての乗船であった。
リンディには、戦力になるからそれを条件に乗せてくれと頼み込んだのである。何が起こるか分からない『ロストロギア』関連の事件。確かに少しでも戦力は欲しい所だが、危険は当然ある。
リンディはその辺りも詳しく説明したが、なのは達の決意は変わらなかった。リンディは決意の程と、なのは達の戦力を鑑み、冷徹な計算の元乗船を許可した。
何しろなのはは、魔力だけなら一流の魔導師であるクロノを上回る程の才能を持っている。思わぬ掘り出し物であった。
切り札のクロノを温存させる為のアタッカーの役目を、なのは達は自ら買って出たのである。
リンディは2人を1人前として扱った。実力さえ有れば出自も年齢も性別も問わない組織のようだ。それだけ人手不足なのかもしれないが……
そして今アースラは、武装局員総出で『ジュエルシード』探索にあたっていた。
しかしフェイト達が暗躍、クロノやなのは達が居ない時を見計らって局員達を襲撃し2個の『ジュエル シード』を奪い去って行った。
これで21個あった『ジュエルシード』は残り 8個。ブリッジにて結果報告を受けたリンディは、難しい顔をしてエイミィに尋ねる。
「あの子達を何とか捜せないの?」
「それが……余程高性能なジャマー結界を使っているらしく、今の所は無理です……」
エイミィは申し訳無さそうに現状を報告する。相手 はかなりの技術力を持っているようだ。やはりあの子達を操っている黒幕がいると、リンディは推察する。
それとゼロの件だが、なのは達は何も解らない。突然現れて助けてくれた。何処の誰なのかも知らないとしか話しておらず、巨大化も凄まじい戦闘能力の事もリンディ達は知らない。
聞いていれば計測された測定不能のエネルギーの主がゼロだと推測出来ていただろう。
話を聞く限り敵対する意思も無さそうな上、 魔力も無いので危険度は少なく管轄外と判断され、フェイト達『ジュエルシード』の件が優先される事となった。
直接会ったクロノは気になるようだが、ゼロは結局お邪魔虫の何だか変な奴扱いとなったのである。(涙)
そして現在、ある程度フェイト達の身元調査が進む中、1つの名前が浮上して来た。
「プレシアさん……?」
首を傾げるなのはにクロノが説明してくれた。大分前の事らしいが、第1管理世界『ミッドチルダ』中央都市で魔法実験中に大きな事故を起こし、追放された大魔導師。
フェイトのファミリーネームが同じ事から、関係者の可能性がある。尤も偽名を使っていなければの話だが。
「捕まえてみれば分かるさ……次は逃がさない!」
クロノは拳を握り締めた。裏を掛かれた形になり闘志を燃やしているようだ。
「……プレシア……さん……」
なのははその名をポツリと呟いた……
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フェイト達は追い詰められていた。突如プレシアから突き付けられた期限は迫って来る。焦る2人だったが、管理局の目を盗んでの探索の結果ははかばかしくない。
今日も辛うじて追跡を逃れたフェイトとアルフは、人気の無い沼地に降り立ったていた。狼姿のアルフは一息吐き、
「やっぱり向こうに見付からないように、隠れて探すのは、中々難しいよ……」
弱音を口に出してしまう。まともにクロノ達とぶつかっては不利だ。今までは何とか裏を掛けたが、そう同じ手は通用しないだろう。 しかしフェイトは腕の傷に巻いていた包帯を解きながら、
「……うん……でも、もう少し頑張ろう……」
引く気は無かった。今の彼女には母プレシアの願いを叶える事が全てだ。そうすれば元の優しい母に戻ってくれると信じた。
自分が事故に巻き込まれて以来、様々な不幸に見舞われて、別人のようになってしまった母の笑顔を取り戻す。その為ならどんな事もいとわない。
時間は迫って来る。何事かを決意したその瞳には、悲壮感すら漂っていた……
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フェイトとなのはとの戦いから1週間が過ぎていた。守護騎士達はすっかり今の生活に馴染んで来ている。
最初は先輩ぶって、皆に色々教えようとしたゼロだが、様々な世界を渡り歩いて来たシグナム達は世知に長けており、逆に常識の無さを指摘されてしまう始末である。人知れず落ち込むウルトラマンゼロであった。
そんな中やはりフェイト達が気になるゼロは、シャマルに頼み込みそれらしき魔法反応を探って貰っていた。
しかし彼女達らしき反応は、現れては直ぐに逃げ去るという行動を繰り返していて、行き先を追いきれない。
ゼロとしてはフェイトの母親に無理にでも会って、直談判するつもりだ。場合によっては腕ずくも辞さないつもりである。だが中々スムーズには行かない。
「上手く行かねえもんだな……」
洗濯物を持って庭に出たゼロはため息を吐い た。どうしたものかと色々考えながら洗濯物を干し終え、皆が居るリビングに向かう。
取り合えず今はヴィータに、あれ程言っておいたにも関わらず、色物を他の洗濯物と一緒に入れるなと所帯染みた注意をしなければ。今出来るのは残念ながらそれくらいである。
「ん……?」
ゼロがリビングに足を踏み入れると、ヴォルケンリッター全員が一斉に立ち上がっていた。 はやては皆の急変にポカンとしている。只事では無い雰囲気だ。
「どうした!?」
ゼロが問い掛けると、シャマルが深刻な顔を向け、
「誰かが大掛かりな魔法を使っているわ。多分フェイトちゃん達ね……」
「フェイト達が? そんな事したら管理局に直ぐ見付かっちまうんじゃねえのか!?」
シャマルの説明にゼロは疑問を浮かべた。今まで管理局の目を盗んで動いていた筈のフェイト達が、ここに来て何故こんな派手な真似を? 頭を捻っていると、
「何……? この反応は……?」
「シャマル何が有った!?」
訝し気な声を洩らすシャマルに、シグナムが問う。広域探査が得意な彼女のみに判る反応だ。 湖の騎士はサーチを行いながら、
「フェイトちゃん達が居る辺りに『ジュエルシード』らしき反応が6つ有るんだけど……其処に近付いて行くもう1つの『ジュエルシー ド』の反応が有るの……これって……?」
「『ジュエルシード』が近付いて来るだ と!?」
ゼロは思わず叫んでいた。『ジュエルシー ド』が単体で動く訳が無い。何かに取り憑いたとしても、お互い引き合い集まろとする事など無かった筈だ。
直感する。恐らく 『グリーンモンス』をけしかけて来た奴の仕業だと。
「はやて、多分例の野郎だ。また何か仕掛けて来たらしい!」
はやても同じ事を思いコクリと頷いた。『グリーンモンス』を仕掛けて来た相手が、愉快犯と推測したのは彼女である。はやては嫌な予感が蘇るのを感じた。
「みんな! 何が起こるか分からねえ、はやての事を頼む! 敵は『ジュエルシード』を取り込んだ怪獣だろう、ぶっ倒して来る!!」
ゼロは言うが早いが玄関に向かって駆け出した。はやては酷く悪い予感がする。1人で行かせてはならないような気がした。しかしそれは漠然としたものだったので、声を掛けようか迷っていると、
「主はやて、私が着いて行きましょう……皆、 主を頼む……」
シグナムははやて達に声を掛けると、直ぐにゼロの後を追った。リビングを出る前に、はやてに向かって小さく頷いて見せる。小さなマスターの不安を察してくれたのだ。はやては感謝を込めて頷き返し、
「2人共気い付けてなあっ、いってらっしゃ い」
手を振って2人を送り出した。
ゼロは玄関で靴を履くと直ぐ様『ウルトラゼロアイ』を装着し、ウルトラマン形態になる。 追って来たシグナムは妙に思い、
「此処で変身して行くのか……?」
『ああ、一旦テレポートで手前まで跳ぶ、その方がいいだろう? 魔法じゃねえから管理局にも探知されねえ……しかしシグナム……』
ゼロは困ったように頬を掻き、靴を履いているシグナムを見た。
『別に着いて来る必要はねえぞ……?』
「主が心配しておられる……それに魔法関連はゼロにはまだ良く解らんだろう……? 私が行く方が合理的だ」
『判ったよ……』
シグナムの最もな意見に、ゼロは渋々ながらも承知した。
『それじゃあ……』
ゼロはおもむろに両手を広げると、シグナムをしっかりと抱き締めた。遠慮なしの見事なハグである。予想外の出来事に烈火の将は仰天してしまい、
「なななな何をするっ!?」
『何って、こうしねえと跳べねえだろ? オラ行くぞ!』
普段のクールさに似合わず、あたふたするシグナムを怪訝そうに見るゼロだが、構わず彼女を抱き締めたままテレポートを敢行する。その瞬間2人は玄関から消え失せた。
*
雷雲渦巻く海鳴市沖合いの上空に、金色の巨大な魔方陣が浮かんでいた。 直径が数百メートルにも及ぶ巨大なものだ。フェイトが作り出した雷の魔方陣。
彼女は魔方陣の上に浮かび、目を閉じて作業に集中しているようだ。アルフは少し離れた位置で狼の姿を取り、フェイトのサポートに努めている。
雷鳴轟く人気の絶えた海辺の防波堤。その近くに、ゼロとシグナムはテレポートアウトしていた。
直ぐに油断なく辺りを見回すゼロだが、ふと腕の中でシグナムがカチカチに固まっているのに気付いた。力を入れ過ぎたかと思い、慌てて彼女を離す。
『シグナム苦しかったのか……? 悪い……』
声を掛けると、固まっていたシグナムはようやく復活し口をパクパクさせ、
「いっ、いくら跳ぶ為とは言え……こっ、断りも無しに……!」
顔を真っ赤にしてぶつぶつ抗議する。真面目なのと男前な質に腕っぷし故、永い事生きて来ても異性に抱き締められた事など皆無だったらしい。そんな事は知るよしも無いゼロは、
(何を今更……前に巨大化して、全員まとめて抱き締めたじゃねえか?)
的外れな事を思ったが、今は状況を確認するのが先決と抗議を無視して、数十キロまで見通す視力で沖合いをサーチする。
恨みがましい目でゼロを見るシグナムも気を取り直し、探査魔法でフェイト達の様子を探った。
ゼロの眼に見えるのは、巨大な魔方陣とフェイト達。魔方陣から雷が海に撃ち込まれているのが確認出来るが……
『……何をしてるんだ……?』
魔法を知って間もないゼロには、やはり良く解らない。シグナムが説明してくれる。
「ああやって、魔法雷を撃ち込んで『ジュエルシード』の位置を確認しようとしているのだろう……手っ取り早くはある。だが……」
そこでシグナムは一旦言葉を切る。海上では青い6つの光が、海中からゆっくりと浮かんで来ていた。
『何かヤバイのか?』
ゼロの質問にシグナムは、海上を険しい表情で見詰め、
「これだけの大規模魔法だ……術者の負担も相当なものになる……更に『ジュエルシード』は6個……これだけの大規模魔法に同時封印……個人の出せる魔力の限界を超えている……このままだと自滅するぞ」
『何だと!?』
焦るゼロ。かと言って魔力の無い自分にはどうしようも無い。すると抑え切れなかった 『ジュエルシード』が暴走を始めていた。海水の竜巻が巻き起こり荒れ狂っている。このままではフェイト達が危ない。
せめて暴走体を止めようとゼロが飛び出そうとした時、シグナムが何かに気付き海上を指差した。
「見ろゼロ! 誰か現れたようだ」
指した方向を見ると、小さな人影が2つ、フェイト達の方に飛んで行くのが確認出来た。
『なのは達か!?』
ゼロの眼になのはと少年の姿が映る。片方の亜麻色の髪の少年には見覚えが無い。それはフェイト達を助ける為に、アースラを飛び出して来たなのはとユーノであった。
アースラ側でもフェイト達の動きは掴んでおり、彼女達が自滅するまで待つ作戦だったのだが、見ていられなくなった2人は命令を無視して飛び出して来たのである。
フェイト達の元に辿り着いたなのは達は、何やら話しているようだった。
しばらくそうしていたが、4人は協力して暴走体を防ぎ『ジュエルシード』の封印を始めた。その様子を見てシグナムは不思議そうに、
「あの子達は何故、敵対する相手の手助けをしているのだ……? 状況から考えても管理局に協力している筈だが……」
『……見てられなかったんだろう……そういう子達だ……』
ゼロは協力し合う4人を見て嬉しそうに頷いた。このまま仲良くなってくれたら、言う事は無いのだがと思う。
そうしている内に雷が止んで来た。『ジュエルシード』の青い輝きも納まっている。どうやら無事封印作業は完了したらしい。 しかしゼロは気を抜かない。彼に取っては、これからが本番なのだ。
ゼロが海上を睨み付けると同時だった。フェイト達が浮かんでいる場所より、更に沖合いの海面が山のように盛り上がった。
海水の山を突き破るように、巨大な角と頭が出現する。爬虫類を思わせる、恐ろしく巨大な怪物だ。
滝の如く海水を滴らせ、鼻先の巨大な1本角を震わせて吠えた。獣の唸り声を数十倍にしたような大音量が海に響き渡る。
心の整理を付け、フェイトに話し掛けようとしていたなのはは驚いて声も出ない。フェイト達も予想外の出来事に肝を潰した。それほどの怪物だった。
海面に出ているのは肩程までにも関わらず、それだけで優に40メートルは有りそうだ。全長は恐らく100メートルを軽く超えている。海岸に居るシグナムの目にも確認出来る程の巨大な怪物だ。
「あれが……怪獣か……?」
シグナムが容易ならざるものを察して思わず身構えると、ゼロの緊迫した声が耳に入って来た。
『アイツはヤバイ……!』
シグナムはその声の響きに只ならぬものを感た。隣のゼロを見ると、彼はひどく焦った様で彼女を見返し、
『みんなに連絡してくれ! 何か有ったら直ぐにはやてを連れて、逃げられる用意をしとけってな!』
「それ程の敵なのか……?」
シグナムにはそれ程の事態とは思えない。確かにかなりの相手なのは察する事が出来た。普通の怪獣ならば彼女の疑問は正しい。
八神家から此処まで相当な距離がある。そこまで緊 迫した状況には思えないだろう。だがゼロは怪獣を睨み付けると、
『強いのも有るが、能力がヤバイんだ……奴の名は『シーゴラス』自然現象をも操る怪獣だ……』
『津波怪獣シーゴラス』最初の個体は東京湾に現れ、つがいである『シーモンス』と共に 『ウルトラマンジャック』と戦った。その際2 匹の合体攻撃で、ウルトラマンを敗北寸前まで追い込んだ事もある。
そしてシーゴラスの能力は海流を自在に操り、東京を全滅させる程の局地的大津波を起こす事。
「大都市を壊滅させる程の津波を起こすだと……?」
流石のシグナムも顔色を失う。更にはシーゴラスは『ジュエルシード』を取り込んでいる。元の大きさの倍以上の身体もその影響だろう。パワーアップしているのだ。
当然能力も比例するだろう。いったいどれ程の津波を起こせるの か……
シーゴラスは天を仰いで大きく吠えた。巨大な1本角が、海を揺るがす程激しく放電を起こす。力を使う時に見られる現象だ。
それに誘導され周囲の海が嵐のように激しくうねり出し、あっという間に潮が引いて行く。次の瞬間、爆発的に数百メートルにも及ぶ壁のような津波が一斉に発生した。
フェイト、なのは達は慌てて更に上空に退避し、シグナムも剣型アームドデバイス『レヴァンティン』を起動させ、何時でも転移出来るように準備を整える。
『シグナム、お前は家に戻ってろ!』
ゼロはそう言い残すと、一直線に海目掛けて走り出した。その後ろ姿にシグナムはハッとして呼び掛ける。
「ゼロッ、どうするつもりだ!?」
『このままだと海鳴市どころか、この辺りは全滅だ! 何としても止めてやる!!』
シグナムにはゼロがおかしくなったとしか思えない。
「馬鹿な、あれを止められると思っているのか!? どんな魔導師にもどうにか出来る代物では無い! 戻れ!!」
しかしゼロは向かうのを止めない。その間に巨大津波は、轟音を上げ陸地に迫っていた。
津波の速度は速い。通常津波の速度は水深に左右される。深海では音速に近い速さになる事もあり、水深100メートル程でも時速100キロを超えるスピードがある。
それだけの波が地上に押し寄せれば、人の走る速度より速い。津波のおそれがある場合、直ぐに避難指示に従って避難するのが身を守る最善の方法である。
忘れ物などを取りに戻るのは絶対に止めていただきたい。助かるものも助からなくなってしまう。
シーゴラスの起こした津波は恐ろしい規模だ。速度も並みでは無い。このままでは甚大な被害が出てしまう。
『クソッ!』
ゼロは開けた場所に着くと、両腕を組み合わせた。抑えていたエネルギーを一気に開放する。
「おお……っ!」
シグナムは驚きの声を洩らした。組んだ両腕を広げるのに合わせるように、ゼロの身体が見る見る内に巨大化して行く。
終には見上げる程の大きさの巨人と化し、大地にそびえ立った。身長49メートルの本来の大きさに戻ったのだ。
シグナムも一度ゼロの巨大化は見ているが、これ程大きくなれるとは思ってもみなかったのだ。 天を突かんばかりの巨人になったゼロは、地響きを立てて巨大津波に対峙する。
(何て規模だ……)
それは見渡す限り視界を埋め尽くす、高さ数百メートルにも及ぶ海の壁だった。まるで空が海になってしまったかのように錯覚する程だ。 凶獣の如く唸りを上げ、陸地に襲い掛からんとする。
規模も初代シーゴラスが起こしたものとは比べ物にならない。身長49メートルのゼロが小さく見えた。
直撃すれば海鳴市を中心に、沿岸沿いは壊滅してしまうだろう。迫る大津波を前にゼロは仁王立ちのままだ。
(どうするつもりだ……? ゼロ……)
シグナムはその巨大な背中を、息を呑んで見上げた。
ウルトラマンゼロはこの事態に、如何にして立ち向かうのであろうか?
つづく
大津波に対峙するウルトラマンゼロ果たして……そして更なる危機とは?
次回『津波怪獣の恐怖・海鳴市大ピンチや(後編)』