異形の英雄──歪んだ瞳に映る物──   作:バルシューグ

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短いですがちょいと何を考えて何を思っていたのかを表してみました,、分かりやすくないのはワザとです。
正直、意味がわからないと言われても仕方ないレベルですがサラーと読むぐらいでいいと思います。
本編に読まなくとも大きな影響は無いので…


閑話 鬼の記憶

 

 

 

 

 

 

 

 

「強くなりたい!」

 

子供の頃、俺はアニメを見てそう感じた。心からそう思った。

 

その為に俺はどうすれば強くなれるか考えた。

考えて考えた結果、俺は強くなる為に怪人になることを決意した。

 

 

 

怪人になれば簡単に強くなれる!

 

 

 

子供の緩いオツムならそんな単純にしか考えていなかった。

 

そして強さを求め続けた結果、俺は怪人となり、強くなった。

 

 

 

が、それと同時に人間としての人生を失った。

初めの頃は辛くて涙が溢れてきたり後悔の気持ちが込み上げてくることばかり…

 

でも、段々と襲いかかるヒーローを倒す事に快感を覚え、それからは俺は強くなることだけを望んだ。

 

 

 

 

過ぎていく日々と共にヒーローもより強力な者となり、俺を喜ばせた。

 

 

 

 

 

そして人間の脆さが儚く感じた。

強くなる為には寄り強力な敵が必要だ…

その為には此方も強くならなければならない…!

 

 

こうして俺は封印されたある怪人について研究をしていった。

 

 

 

 

数ヶ月掛けて調べた結果、封印に関わったある預言者の死と大きな災害が数度に渡り起こることが必要だと判明した。

 

俺の表情は明るい物となった。

どれも俺自身が起こすことの出来る物だったのだ…

 

 

 

 

そして俺は選りすぐりの子分を選び出し、町に攻撃を仕掛ける事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬く間に町は火と死で満たされていった…まだ足りたい。

まだ災害が足りないと俺は直感で感じたその時、目の前にヒーローが現れた。C級ヒーローが数十、B級が4.5人程度の数だけの集団だったが我が部下を殺すのには十分の戦力だったようだ。

 

 

 

 

その様子を眺めていると1人のヒーローが俺に飛び掛かった。

 

そいつの身体が邪魔で見えなかったので、俺は殺す事にしてその腕を引き千切り、頭を潰した。

 

辺りに血が飛び散った時には俺のテンションは最高潮へと達していた!

 

 

 

 

 

 

だが、それを目の前で見ながらも1人のヒーローが名乗りを上げたのだ。

 

「び、B級ヒーロー…

あ、アイアンフィンガー参上!」

 

アイアンフィンガーとやらの名乗り上げに乗り、他のヒーローも名乗りを上げ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──面白い…!

 

 

脆く儚き生物が強い生物に挑んで来たのだ、これ程愉快な事は早々ない!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────さあ、掛かって来いよ…

ヒーローさん達?君らの覚悟と強さをみせてもらうよ!」

 

俺は煽り、増援として新たに加わったヒーローもろとも戦った。

 

 

C級ヒーロー共は一撃で死んだがB級ヒーローはそうもいかなかった。

 

 

 

肉体の腕やら脚やらが吹き飛んだのにも関わらず立ち向かって来たのだ。

 

 

 

特に根性が備わっていたのがアイアンフィンガーという男だ。

 

 

 

彼奴は身体が動かなくなるまで俺に立ち向かって来たのだ!

 

 

 

他の連中はA級ヒーローが俺の手で破壊された時点で希望を失い、なすがままだったのに其奴だけは諦めない。1人で果敢に立ち向かってくるその姿に俺は敵ながら感動すら感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイアンフィンガーが倒れたすぐ後に新たな増援が来た時、俺は感じ取った。1人の男の殺気を…

 

 

その姿はアイアンフィンガーと似ており、どうやら奴の師だった様だ。

並の人間なら気絶するレベルの殺気に俺はゾクゾクと鳥肌が立つ。

 

 

 

ーー歓喜した…!

 

 

 

 

まだ強者(つわもの)がここに居たことに!

 

 

 

 

 

 

 

 

奴は身体に熱を帯び、その怪力で俺と渡り合った。

今まで感じた事のない痛みが俺を奮い立たせ、悦びの渦へと巻き込んだ。

 

 

 

 

 

その時、俺はもう強さなどどうでも良くなっていた。

 

俺はこのひと時を感じる為だけに生きてきたとすら感じた。

 

 

スチールフィンガーという名の男が必殺技を放とうとした時、俺も必殺技を放とうと思った。

これで死ぬことになろうとどうでもよかった。ただただこの最高のひと時を味わいたかった…

 

 

 

ぶつかり合い、殺し合い、俺は技で勝てたが勝負には負けて倒れた。

 

 

 

 

 

死に際にこれから起こるであろう事を言っておいたがどうなるかはわからない。ただ一つだけ言えるのはもう彼奴と戦えないという事だ。

 

 

もうすぐに俺は死ぬ。

 

 

奴らが去って半刻が過ぎた。

もう目も見えねぇし、体も動かねえし感覚もねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に、見れないのが残念で仕方がないなぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうちょい、味わいたかったなぁ…


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